だれでもできる和文英訳

誰でもできる和文英訳
後半は「ということは/世界中に/知られている。」の中から中心概念のSVを取り出すと「Aは知られている」と簡
単に言えます。
だれでもできる和文英訳
2007/01/26 ABE Fujio
A だれでもできる和文英訳とは?
これは自分で知っている英語に直せそうか、自問自答します。
うん、受動態で直せそう、となります。
先に結論を述べます。和文英訳のやり方をまとめると次のようになります。
「Aは知られている」 =
1 日本語の分解
文節で区切る
修飾語をとる
2 骨格を英語に変換
主語と動詞だけをまず把握
3 修飾語を組み立てる
形容詞と副詞をくっつける
4 英文の確認
英文を訳してみて、日本語になるかチェックする
A is known.
※ もしここであなたがSVの英語変換に失敗した場合には次の2つのいずれか、あるいは両方の手段をとること。
日本語の言い換え=もっと簡単な日本語に言い換えできるか?
Thinking Time=英語の動詞を思い浮かぶまでしばらく考える。
(ここから説明は、勝手にダ調になります。緊迫感を表現するためです)
流れだけを見ると、「分解→変換→付加→確認」となりますが、これだけ見てもなんのことだかわかりませんね。だから、
これを覚えることはありません。
生徒の皆さんはとにかく英訳の日本語を見たら「かなり難しそう∼」とパニックにならず、「さて、分解しよう」とかけ声を
かけてくれさえすれば、あとの4つのステップは自動的に踏まざる得ません。
この「考える」という作業は、時間がかかるし、慣れないと面倒なので敬遠されがちだが、考える習慣を身につけるよ
うにすると楽に出てくるようになる。あるいは「記憶にない」ということがすぐにわかるようになる。生徒諸君は英単語集
で沢山の動詞をインプット(入力)するのと同じくらい、アウトプット(取り出す)することにも時間と労力をかけるようにし
よう。知っているのに、すぐに思い出せないだけの場合が結構多い。
苦手な人のための和文英訳のコツ(その2)
動詞を思い出すには時間がかかる。だからこそ考える習慣をつけよう
さらにAの部分に別の文が入りそうだから、ここは形式主語のitを使おう。と気をきかす。
It is known that∼.
苦手な人のための和文英訳のコツ(その1)
日本語を見たら、「さあ、分解しよう」と声を出す
「世界中に」は「世界中で」と言ってもいい。これなら授業で聞いたことがある。と思い出す。
all over the worldだ。
考え方は男性ならばプラモデル作りと同じと思ってもらうとイメージがつかみやすいでしょう。女性ならばリカちゃんハ
ウスを造るのと同じ。家の基本キットに必要なパーツを少しずつ組み立て行く方法です。
ここで先にall over the worldを動詞に足しておこう。
後で足してもよいが、わかりきっていることはどんどん処理しておいたほうが、効率的だ。
B 具体例で見る分解ステップ
次の大学入試問題の実例で考えてみたいと思います。
確か、先生は「修飾語は、修飾したい語のそばにおけ!」って言っていたなあ、とどんどん処理する
じゃあ、知るknownの近くだ。It is known all over the world that∼.
(例) 日本で大学に入るにはむずかしい入学試験が必要だということは世界中に知られている。
(東海大入試)
1 日本語の分解
次に前半部分の文を組み立てよう。
文節に分解していきます。
文節には、鉛筆で/マークをつけるとはっきりしていいですよ。
※文節=日本語における最小の1つの意味のまとまりのこと。
日本で/大学に入るには/むずかしい入学試験が/必要だ
ところで、この文の主語と動詞は何がいいんだろう?
修飾語句を取り去ると、「試験が/必要だ」が残る。
このままの語順で作ってみると、an exam needsとなるが、これでは「試験が∼を必要とする」となって意味的におか
しい。隠れているものを補って、言い換えしてみよう。
これは、「(生徒は)∼へ入るために、試験(を受ける)必要がある」という意味でなければならない。
日本で/大学に入るには/むずかしい入学試験が/必要だ//ということは/世界中に/知られている。
分解した後にもう一度眺め見ると、この日本文は、大きく2つの文に、+の位置で分けることが見えてきます。小さな
文には、鉛筆で(
)マークをつけるといいですよ。
(日本で/大学に入るには/むずかしい入学試験が/必要だ)
従って、主語と動詞は、
=文Aとします
「生徒は、試験を受ける必要がある」か
「生徒は試験を受けなければならない」 がgood。
+
(ということは/世界中に/知られている。)
=文Bとします
結局、どちらでもよい。それぞれ以下のようになる。
2 SVの骨格だけを先に英語に変換
「生徒は、試験を受ける必要がある」
It is necessary for students to take an exam.
「生徒は試験を受けなければならない」
後半の文Aから攻めることにしましょう。
もちろんどちらから攻めても構いません。結果は同じですから。
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誰でもできる和文英訳
後者で製作を続けることにする。くどいようだが、本当にどちらでもよい。
(だから、和文英訳はいろんな解答が出てくることになる)
3 その上に木の枠組みをつくる
4 台所や窓、風呂、カーテンなどをつけて完成
5 完成検査
だから複雑で長大な日本語の英訳にも使えます。
3 修飾語を組み立てる
以上です。
ここに以下さきほど、脇によけておいた修飾語パーツを足していく。
あとは、自分で熟達するまで練習問題に取り組んで下さい。
正しい方法で何回も何回も練習すれば、見違えるように上手になります。
Students must take an exam.
「日本で」=in Japan、
「大学へはいるには」=to enter university
練習方法のアドバイス
初心者がいきなり、国立大学の入試問題(たいていは2次試験)にチャレンジしてはいけません。
それらの問題には、たいてい「与えられた日本語を別の簡単な日本語に置き換える」というほう1つの手間が必要で
す。みなさんはまだそこまで到達していません。
まず、基本的な英文の練習問題をこなすとよいでしょう。
(大学にaはいらない。建物でなく、内容のことを言っているから。go to school学校へ行っている)、
難しい試験=a difficult exam.
副詞を置く場所は比較的自由だが、「日本では」という話題の限定を表現するために、in Japanのみを前置して、組
み立てると、
In Japan + Students must take an exam.+to enter university
先ほど、組立てておいた、後半部分も加えて、すべてのパーツを組み立てると、次のようになる。
It is known all over the world that in Japan students must take a difficult exam to enter university.
かなり、正解に近くなってきた。けれど、確認が済むまで本当の正解とは言えない。
4 英文の確認
It is known all over the world that in Japan students must take a difficult exam to enter university.
ここでできあがりをチェックすることになるが、よく間違って減点されるポイントを挙げておこう。
名詞の単数・複数の確認
(the world、students, a difficult exam, universityは大丈夫か)
動詞の時制と三単現のsの確認
(is known, mustは現在時制)
音読によるリズムのよしあし
読んでリズムに乗れば大丈夫。
自分で訳してみて、足りないものがあれば補うこと。
以上が英文和訳の具体的ステップだ。
C この方法を使う利点は?
この方法の利点は、
1
2
3
4
5
間違っても少しの修正で済むこと。
部分点をゲットできること。
方法が単純明快なため、初学者でも少しづつ上達できること。
パーツ式だから知っている部分だけ英訳して、知らない部分はごまかせること
だから英語が苦手な人でも部分から攻めるので、なんとかなる
この方法の短所は、
1 すこし手間がかかるということ。
2 課題の日本文が鉛筆でまっくろになること。
3 日本語を見てスラスラ書かないので、「英語ができるふり」ができないこと。
結局、このパーツで組み立てる方法は、家を造ることと同じです。
1 図面を読む
2 コンクリートで土台を作る
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