( ・ 特集 1 1│電気自動車とその関連技術 ] クリーンエネルギー自動車の将来展望 岩井信夫寧 1. ま え が き -電気自動車 3 . 9 2 5台 .CNG自動車 8 1, 747台 .LNG自動車 電気自動車等クリーンエネルギー自動車の開発 955台 02等地球温暖化物質排出総量 導入の意義は,①C ・メタノール (M85)自動車 の削減,②石油資源の枯渇に対処する石油代替エ .メタノー jレ(M100)自動車 ネルギーの開発および③都市の大気環境悪化への -エタノー jレ( E 8 5 )自動車 対応等である.また,今後発展途上国の急激な経 ・エタノール ( E 9 5 )自動車 済成長が予想されるため .LPG自動車 来世紀には,より一層 1 9, 787台 1 3 0台 5, 859台 3 4 1台 2 7 3, 000台 の一 本稿は,特集「電気自動車とその関連技術J 増した石油代替エネルギ一利用,省エネルギー・ 部として,電気自動車の環境対策,省エネルギ一 高効率化および低公害化が要求される. 1 9 9 4年 1 2月 1 6日,わが国の総合エネルギ一 等の特性を他の天然ガス自動車,ハイブリッド自 対策推進閣僚会議では石油代替エネルギーの供給 動車等のクリーンエネルギー自動車のそれと比較 目標を達成するため,新エネ jレギー導入大綱を制 し,それらの自動車の将来展望を含めて解説する 定した.この大綱の中で ものである. 自動車関連分野では天 然ガス自動車,電気自動車,メタノール自動車, 2 . 自動車用石油代替工ネルギーの候補 デイーゼル代替 LPG自動車およびハイブリッド 石油代替の炭素源は,石炭,天然ガス,メタン 自動車がクリーンエネルギー自動車と定義され, その積極導入が決定された.平成 8年度(平成 9 ハイドレード,オイルシェル,オイルサンドおよ 年 3月末)の普及台数は以下の通りである. びリニューワプルのバイオマス資源等がある.メ -電気自動車 2, 7 0 0台 タンハイドレードは,深海の高圧低温下で水分子 ゐ天然ガス自動車 1 , 2 1 1台 とメタン分子が水素結合しているものである ・メタノール自動車 3 2 7台 ,ハイプリッド自動車 2 2 8台 1) これらの炭素源の中で自動車用燃料として直接 9 9 0年改正の大気浄化法およ また,米国では 1 利用可能なものは天然ガス エタノールおよびバ イオデイーゼル油のみで 他の炭素源は合成燃 9 9 2年制定のエネルギ一政策法によりクリー び1 料製造の原料として用いられる.圧縮天然ガス ンエネルギー自動車の開発導入が政策的にも推 (CNG)は既に実用化され,今後の技術として検 進された. 1 9 9 7年の普及台数は以下の通りであ 討する必要があるのはむしろ液化天然ガス (LNG) る. である. • Nobuo Iwai 財団法人日本自動車研究所 第一研究部 部長主席研究員工学博士 FutureOutlookofClean Energy V e h i c l e s 合成ガソリンおよび合成軽油は既存のエンジン システムをそのまま利用できる価値の高い新燃料 でいくつかの製造法がある.南アフリカ共和国の (2 0 5 )3 7 1 9 9 8年 3月 号 - 62ー 走行過程を合わせて比較したものである 3) 電 気 SASOLでは石炭を原料としてガソリン,灯・軽 油を製造中である.マレーシアではロイヤルダッ 自動車は,走行過程では CO2を排出しないが発 チシェル法により天然ガスを原料にベンゼンおよ の生成量は, 電過程にて C02を生成する. CO2 び硫黄を含まないガソリン,灯・軽油を製造中で 発電方式によって異なる.同図には幅のある形で ある.ニュージーランドでは,モービル法により 示しであるが,同じ代替燃料自動車でも ,CO2の 天然ガスを原料としてメタノールを経由したガソ 排出量は,ケースによって既存のガソリンおよび リンを合成して稼働したが,現在は休止している. デイーゼル自動車よりも多い場合と少ない場合が 合成燃料は,代替エネルギーの他に低公害の意味 ある.棒グラブの中央値は一般論としていわれて を持つ.特に合成軽油は,硫黄分をほとんど含ま いる値と概ね一致する.中央値でガソリンに比較 ないことから,今後普及する触媒付きデイーゼル して概ね 30%以上の C02の 削 減 率 が 得 ら れ る 代 車にとっては重要な意味を持つ.大量普及にはほ 替燃料自動車は木材原料のメタノー jレおよびエタ ノール自動車,原子力利用の水素自動車および原 ど遠いが,将来の低公害燃料候補として注目され 子力利用の電気自動車である. る. メタノールはあらゆる炭素源から製造できる液 また,図 2は特に電気自動車に注目し,ガソリ 体燃料で,燃料電池も含めて将来燃料としての研 ン,デイーゼル,天然、ガス自動車それぞれの DME) 究が実施されている.ジメチルエーテル ( COz排出量と比較したものである 3)‘ガソリン代 は,沸点が -25"Cで常温では気体であるが数気圧 替天然ガス自動車は燃料中の水素/炭素比から, の圧力で液体になること,最近天然ガスから直接 走行過程では約 28%の C02の削減が期待できる. 製造可能なプロセスが開発されたこと,セタン価 しかしデイーゼ、 jレ代替として利用する際には,特 C02の削減効果と が高いこと,排気煙を生成しないことからデイー に低負荷での熱効率が低下し ゼル代替の合成燃料として最近注目されている 2) 相殺される.電気自動車の導入により,石炭火力 の多い場合には CO2の排出量は増加し,原子力, 3 . 環境対策への貢献 水力の多い場合には減少する.原子力発電の多い 3 . 1 クリーンエネルギー自動車の CO2排出 フランス,水力発電の多いカナダ等の国々では電 気自動車の普及促進は C02の排出削減に効果が 特性 各種クリーンエネルギー自動車の C02の排出 ある.欧州全体および我が国では,電気自動車の は燃料製造・輸送過程と走行過程を合わせて評価 自動車単位走行距離当たりの COz排出量はガソ する必要がある.図 1はガソリン,デイーゼル, リン車の約 60%,ディーゼル車の約 80%である. 天然、ガス,メタノール,エタノール,水素および m / L ) ハイブリッド自動車の C02排出量は燃費(k 電気自動車の各種クリーンエネルギー自動車の を 2倍と仮定して筆者が原図に加筆したものであ CO2 の相対的排出特性を燃料製造・輸送過程と る.現状技術ではハイブリッド自動車が最も C02の排出が少ないシステムといえよう. R E F O R M U L A T E! JG A S OL 1N E GASOUNE D I E S E L C N GOR山 G M E T H A N O LF R O MN A T U R A LG A S M E T H A N O LFROMWOOO E T H A N O LFROMM A I Z E E T H A N O LFROMWOOO U O U I OHYOROGENFROMN U C L E A R E lG O A LPOWER E L E C i R I GV E H I GL E L E G T R I GV E H I CL E lG A SPOWER E~:CTRIC V E H I CL E !N U C L E A RPOWERI回 4 5 0 I r z z z n:/1花 R吋ALCOMBUS 4 0 0t~ ~刷 VEH叫 S z :350 UJ ~ ~ 300 2 ヨ2 5 0 ~~ 言O 2 0 0 ー ユ 丸2 豆150 3 主1 0 0 5 0 D ~ 1 0 0 1~ 2 0 0 GASOL lNE O I E S ; : L E M I S S ¥ O N S l k m 図 1 i i 2 : i lEL:CfRICVE同 CLES(BYPOWERSOVRCE) Rangeso fgreenhouseg a s . e m i s s i o n sp e rk i l o m e t e rf o r c a r su s i n ga l t e r n a t i v ef u e l s . (Source:Adapted from OECD 1 9 9 3 ) 3 8 (206) 図 CNG EUROPE C 自A L AVG O I L GAS NUCLEAR HYDRO HEY L i f e c y c l eg r e e n h o u s egase m i s s i o n sf o re l e c t r i c v e h i c l e si n OECD Europef o rt h eyear2 0 0 0 . ( S o u r c e :Adapted from OECD 1 9 9 3 ) 化学工業 - 63一 3 . 2 自動車大気汚染物質排出の削減効果 1月,中央環境審議会では, 2 0 0 0年 平成 9年 1 車の開発導入の目的に一つに排出ガスの低減があ いることが挙げられる.クリーンエネルギー自動 以降に表 14)に示す自動車排出ガス規制の強化を る.環境庁では電気,天然ガス,メタノール,ハ 実施するとの第二次答申がまとめられた.また同 イプリッド自動車の 4車種を低公害車として位置 答申では, 2 0 0 5年頃を目途に,さらに半減する 付け,その導入を促進してきた.図 3は,将来排 ことを検討するとされている.その背景には,ガ 出ガス規制値とクリーンエネルギー自動車の現状 ソリン車の排出ガスレベルの実態が,現行ガソリ 値のイメージを NOxに関して示したものである. 3年規制と比較して大幅に低減して ン車の昭和 5 / 1 0 従来,電気自動車の NOxはガソリン車の約 1 表 1 ガソリン.LPG自動車の排気管排出ガスの許容限度設定目標値 試験方法 ホットスタート 現 行 *1 目標値 NOx 昭和田 ー一一ーー一一 一一一一一一一 日C 乗用車 昭和 5 0 ‘ 。25 一ー一一一一一一 0 . 0 8 0 . 0 8 . CO NOx 昭和 5 0 2. 10 平成 2 0 . 5 0 0 . 2 5 平成 1 0 一一一一一一 日C 軽貨物車 平成 1 0 2 . 1 0 0 . 2 5 一一一一一ーーー ーーー一一一一一 CO 1 3 . 0 6 . 5 0 3 . 3 0 NOx 昭和田 0 . 2 5 0 . 0 8 0 . 2 5 0 . 0 8 NOx 平成 6 一一一ー一一一 日C 0. 40 0 . 1 3 2. 10 0 . 2 5 0 . 0 8 一一一一ー一一ー 昭和 5 0 平成 1 0 一一一ー一一一一 1 3‘ O 6 . 5 0 . . . . 6 9 % 5 . 5 0 4. 40 A.75% A.49% 企 . . . 6 2 % "'50% "'68% 一一一一一一一一 . A .69% 2 . 2 0 7 . 0 0 一一一一一一一一 6 0 . 0 " " ' 6 8 % 1 9 . 0 一一一一一一一 . . . 9 6 % . . . . 6 8 % "'68% 一一一ー一一一一 一一一一一一一一 1 3 . 0 7 . 0 0 "'83% . A .69% 2 . 2 0 一一一一一一一一 84% .68% 1 0 0 7 6 . 0 企 平成 1 2 ( 2 0 0 0 ) ""68% 1 .60 5 . 0 0 ""68% ーーーー一一一 平成 1 4 ( 2 0 0 2 ) 一一ー一一一一一 1 .40 一一一一一一一 50% "'73% "'50% 3 8 . 0 40 4. "'68% 企 一一一一一一一一 1 0 0 7 6 . 0 68% 一一一一一一一一 3 . 5 0 一一一一一一一 平成 1 2 ( 2 0 0 0 ) . A .60% 一一一一一一一一 1 3 . 0 7 . 0 0 68% 企 2 . 2 0 一一一一一一一 "'94% . . . . 4 8 % 一一一一一一一 1 9 . 0 6 0 . 0 一一一一一一一一 2 . 1 0 一一一一一一一一 2 . 2 0 一一一一一一一一 0 . 6 7 一一一一一一一一 昭和 5 0 平成 1 0 一一一一一一 CO 2 . 1 0 昭和田 一一一一ーー 中量車・ 2 一一一一一一一 一一一一一一一 昭和 6 3 一一一一一一一一 CO 平成 1 3 ( 2 0 01 ) "'76% . A .68% 2 4 . 0 ガソリン 1 3モード (g/kWh) エンジンベース NOx 1 .40 4 . 5 0 平成 7 一ー一一一一一一 重量車 (3.5t-) . . . . 7 4 % . & . 4 8 % 昭和 5 0 平成 1 0 HC 1 . 7 t ) (1.7t3 . 5t ) 0 . 1 3 一一一一一ー一 軽量車 7 . 0 0 一一一一一一ーー ""68% 13 0. . . . . 6 8 % 一一一一一ー- 一一一一一ー一一 ""68% 0 . 6 7 一一ー一一一一一 時期 削減率 1 .40 40 4. 一一一一一一一一 一一一一一一一一 0 昭和 5 目標値 1 1モード ( g / t e s t ) . . . . . . 6 8 % ー一一一一一一一 0 . 2 5 一--一一一一一 (~ 現行・ l 削減率 1 0・1 5モード ( g / k m ) シャシベース 達成 コールドスタート HC 平成 4 平成 1 0 6 . 2 0 1 .80 .69% 一一一一一一一一 0 . 5 8 91% 企 68% 企 ~只こ 一一一一一一一一 CO 平成 4 平成 1 0 1 0 2 5 1 β 1 6 . 0 . . . . 8 4 % .A69% い 入 一一一一一一一一 一一一一一一一一 平成 1 3 ( 2 0 0 1) 人¥ *1 上段は現行規制値(平均値) 下段は告示済みの次期規制(平均値) 本2 従来の区分は,中量車はl.7t超え 2 . 5 t以下,重量車は 2 . 5t超え ディーゼル特殊自動車の許容限度設定目標値 測定方法 窒素酸化物 炭化水素 一酸化炭素 粒子状物質 19kW以上 37kW未満 C lモード 8.0g/kWh 1 .5g/kWh 5.0g/kWh 0.8g/kWh 37kW以上 75kW未満 C lモード 7.0g/kWh 1 . 3g/kWh 5.0g/kWh O. 4g/kWh 75kW以上 130kW未満 C lモード 6.0g/kWh 1 .0g/kWh 5.0g/kWh 0.3g/kWh 130kW以上 560kW未満 C lモード 6.0g/kWh 1 .0g/kWh 3.5g/kWh 0.2g/kWh 時期 │ 平成 1 6 ( 2 0 0 4 ) (2 0 7 )3 9 1 9 9 8年 3月 号 - 64- カリフォルニア什│に代表される米国の環境問題は 昭和 53年規制 0 . 2 5 オゾンである.オゾンは ROGと NOχ の光化学 反応によって生成される. ZEV(Zero Emission 0 . 2 V e h i c l e )の 規 制 は 電 気 自 動 車 か ら の ROGが 少 E" 色 何 U ないことに着目したもので , NOxの特性に注目 山 )( o z 0.1 T r a n s it i o n a l したものではない.図 5は TLEV( LowEmissionV e h i c l e )および LEV(LowEmis- 0 . 0 5 ULEV(Ult r a Low s i o n Ve h i c l e )のガソリン EmissionVe h i c l e )の CNG,LEVの M85の オ ゾ O 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 年 ン生成量を比較したものである といわれてきた. しかし, 2000年以降の規制強 パl件 U 。│ 図 3 ガ ソ リ ン .LPG車の将来排出ガス規制値 (NOx)と クリーンエネルギー自動車の現状値のイメージ 電気自動車と 5) 化により,電気自動車等のクリーンエネルギー自 lT0 E EE aE 7 1 e F ・ ' ・・ 差が無くなる可能性がある. t A ' ' ・-vt- 一 - 動車の排出ガスレベルはガソリン車と比較して大 • 米国カリフォルニア州の排出ガス規制は,わが 国の将来排出ガス規制の先取りともいえる.図 4 0 はカリフォルニア什│の例ではあるが,それぞれ 0 . 5 F u e lC y c l e )と走行時 の燃料種毎の燃料製造時 ( 当 0 . 4 8 1 1 " ( V e h i c l e )の排出ガスの総和,すなわち総燃料サ イクルエミッション 3)の比を示したものである. 色0.3 我が国の状況と比較して,燃料製造・輸送過程, !0.2 u 同 。 o 発電過程,走行モード等が異なるが,一応の参考 E 日 0 . 1 にはなる.同図より,それぞれの排出ガスの種 O ゃ 。 類毎に得意な燃料種があることが解る.すなわ .- t'・- T I .EV-gas (RF-A) ち,NOxは天然ガス自動車が, COおよび ROG 図 ( R e a c t i v eOrganicGas)は電気自動車 (EV)が最 も低い総燃料サイクルエミッションとなる.わが 国の大都市の環境問題は NOxとPMに代表される. v v 州内可 HV ﹁ ﹁ 口圏 口 Vehi州 0 . 5 0 . 45 0. 4 0 . 3 5 旦 0 . 3 0 . 5 0. 45 0 . 4 0 . 3 5 口 Ve U . S .T i 自r 1L e v e l ) 刷 F u e lC y c l e r :0.15 司 圏 0 . 2 0 . 1 8 0 . 1 6 0 . 1 4 J 10 . 1 2 O1 δ0.08 ZO.06 0 . 0 4 0 . 0 2 0 e (ほ VL e v e l ) F u e lC y c i e 図 4 総;燃料サイクルエミッション (2000年のカリフォルニア州) 化学工業 4 0 (208) - 65一 2 師団 的国凶 ﹄ 戸 宮U己 目U由一山山 2 咽玄 凶冊。一四﹄ 江 Hh otJ 。 由巳ZO曲 冊 。 山田三 ω 町田 bGE52ω Eコ渇之 瞬間。 。aJ OL江 0 . 1 0 . 0 5 0 O師団。 由C二 的回出 k c o z U由ω 一 胡唱。一同﹄コ日帽Z J u h E 由E O叫 冊 。 一 一 由国三 0 止 。 。 0 . 1 0 . 0 5 MR5 s 0 ,0 . 2 5 802 o15 ( P b a s c 2 ) CNG Comparisonof in-house and CARB r e f e r e n c e data i n terms ofSR and ozone impact v a l u e s . Legend fti n-housedatai nTable2;Iv a r i a b i l i t yf o rrepeated measurement;暗averagev a l u ef o rr e p e a t ;RF-A and a s o l i n e s typ巴S Phase2- g ~ 0 . 3 ~0.25 o0 . 2 U 圏 ULEV. LEV LEV-ga~ は比較できないが,同図の範囲では ULEV-CNG 自動車も登場しつつある.電気自動車の低公害性 が最もオゾン生成量が少ないといえる. が,他の自動車に比較して将来とも絶対的に優位 先に述べた 2 0 0 0年からの規制強化には,米国 の認証方法と同様に 8万 k r nの カリフォルニアナH 耐久が要求されている.図 6はカリフォルニア州 であるとはいい切れない. 4 . 高効率化への挑戦 の認証の例を示したもので, M85は TLEVまで, 既存の自動車は最大熱効率が概ね 30~40% の CNGは LEVおよび ULEVまで適合した実績が エンジンを搭載している.しかし,アイドリング ある.電気自動車の低公害性に匹敵する内燃機関 および低負荷では熱効率ゼロもしくはそれに近い 条件で運転され,減速時にはブレーキ操作により 運動のエネルギーを熱エネルギーに変換して放散 CNG される.そのため,実走行時のエンジンの熱効率 FordCrownV i c t o r i a Voyager, Ram等→ C h r y s l e rCaravan, 0 1 5モードの熱効率は,概 は大幅に低下する. 1 CNG ね 15%前後である. したがって,エンジンの運 C h r y s l e rB2500, BR1500等→ 転条件からアイドリングおよび低負荷をなくして M85 高負荷のみで運転すること,減速時の制動エネル C h r y s l e rI n t r e p i d FordTaurusFFV→ i ギーを回生すること,あるいは高負荷から低負荷 0 . 2 5 まで高効率で運転できる原動機とすること等によっ 0 . 2 て熱効率 30~40% の条件のみで運転することが 5 E 刃0 . 1 5 可能となる.また排気エネルギーで発電器を駆動 ~ 0 . 1 ‘。05 II して電気エネルギーとする等のボトミングサイク TLEV ルの併用によりさらに高い熱効率を得る可能性が ある.この概念を実現する方法が電気と内燃機関 o 2 . 5 の技術を組み合わせたハイブリッド自動車である. 2 ~1.5 O 4 . 1 クリーンエネルギーハイブリッド原動機 システムの概念 1 ハイブリッド自動車は,例えばエンジンと電動 0 . 5 。 モータの二つの動力源を持ち 0 . 0 8 0 . 0 7 06 目的に応じてそれ ぞれの最も効率的な使い方をし,省エネルギーと 司。 。 言 05 低公害性を両立しようとするものである. 先に述べた通り,既存のエンジンを搭載した自 0 . 0 4 動車は,アイドリングも含めた低負荷の走行頻度 が多い条件にて熱効率が悪化する.図 76)はその 8 z 2003 0 . 0 2 0 . 0 1 。 現象をエンジン負荷(軸平均有効圧, PME)とエ 0 . 0 1 0.009 0.008 急 ε0.007 0.006 0.005 で,火花点火 CNGエンジンとデイーゼルエンジ 2 工 t 30004 0.003 0.002 0 . 0 0 1 PMEが 8b a r付近の高負荷ではほぼ同等, 2b a r ネルギー消費率 ( BSEC)との関係で説明したもの ンが併記しである.火花点火 CNGエンジンのエ ネルギー消費率はデイーゼル代替に比較して 付近の低負荷では約 3 0%増大していることが分 。 かる.そこで,低負荷でのエンジン運転を電動モー 図 6 米国,カリフォルニア州の乗用車排出ガス規制値(5万 マイル耐久値)と販売された CNG車および M師 事 (規制値は g/mileを g / k r nに変更して表現) タに代替し,省エネルギー性の向上を図るコンセ プトがクリーンエネルギーハイプリッド自動車で (209) 4 1 1 9 9 8年 3 月 号 - 66一 . •一 CNG -ー CNG+3way C a t a l y s t . ・I D ID i e s e l o . --Ga80line O . . . “ Gasoline+3way C a t a l y s t 0 20 2000rpm MBT 1 6 b . I ) O 8 Z 位 一 一 一 「 台 .o ・ ・ ・ロ ・ ・ e o・・ ・ o ディーゼルエンジン a 三 也 品 話 三A 2 3 6 9 火花点火天黙ガスエンジン aa O 最大熱効率 ×発電充放電効率 n v ・ ・ O 熱効率 5 1 2 H 最大熱効率 PME ( b ar ) 30 負荷 _ _ _2 5 ~ 図8 概念 20 の 4モード分類で構成される.ハイプリッドシス ~ d15 テムの燃費向上効果はそれぞれの走行モード分類 包 10 毎の燃料消費量削減効果を累積すれば予測するこ ( / J 凶 1 惨 クリーンエネルギーハイプリッド原動機の運転範囲の 5 O とができる. O 5' 6 2 3 PME ( b ar ) 図 9は車両重量が変化しても加速性能が変化し 8 9 1 0 ないよう動力機構およびエネルギー貯蔵媒体の性 図 7 CNG. ガ ソ リ ン , デ イ ー ゼ ル エ ン ジ ン の エ ネ ル ギ ー 消費率 6) 0 1 5モードの燃費を数値シミュレー 能を与え. 1 ションにより予測したものである.計算に用いた 車両は車両総重量1.8トンのミニパンである. こ ある. この概念をエンジン負荷と熱効率との関係で説 の値を基に発電・充放電効率を与え,制動力回生, 翌1.8 打即 2 使用し,最大熱効率点で運転すると,最大熱効率 %% 等である.天然ガスエンジンを発電機の駆動用に 尭発 mT 地 口電 ンとデイーゼルエンジンの最大熱効率点はほぼ同 率率 効効 電衛 政放 充充 電電 橿口 明したのが図 8である.火花点火天然ガスエンジ : 31 .6 に発電・充放電効率を掛けた図中に SHEV(シリー ズハイブリッド電気自動車)として横線で示す熱 ~ 1 .4 1 .2 : : > ぜ 効率となる.同国より, SHEVの 熱 効 率 は 低 負 寒~ " - 0.8 荷ではエンジン運転よりも優位であるが高負荷で I t ' 0 . 6 は劣っていることがわかる.そこで,低負荷では げ1 一 0.4 SHEV,高負荷ではエンジン運転とすれば低負荷, 0 . 2 SHEV + 定 常 時 SHEV +停車時エンジン停止 ンエネルギー・シリーズ・パラレルハイブリッド 自動車 (SPHV)の概念である. +制動力回生 と低公害性を両立することになる.これがクリー ガソリン車 O 高負荷とも最良の燃費で運転でき,省エネルギー 4 . 2 ハイブリッド自動車の燃費向上効果の予 測 自動車の走行モードは停止,加速, 定常,減速 0・1 5モ ー ド 燃 費 改 善 予 測 図 9 ハイプリッドシステムの 1 (GVW1 .8tの ガ ソ リ ン ミ ニ パ ン を 基 準 . 要 素 の 出 力 . 質量の変化を考慮) 4 2 (210) 化学工業 - 67ー 定常時 SHEVおよび全域 停車時エンジン停止 分子型 (PEFC:PolymerE l e c t r o l y t eF u e lC e l l ) SHEVのシステムを j 順次付加してそれぞれの燃 の水素および天然ガス燃料電池について横軸に負 費向上効果を予測した.同図には 5条件が示しで 荷,縦軸に走行時の効率をとり,比較したもので あるが,全て車両重量が異なっている.補助動力 ある.ここでの最大効率は 機構およびエネルギー貯蔵媒体の出力密度は最新 42%,水素 PEFC55%,天然、ガス PEFC42%. の値を使用している.同図に示す結果では,ウル ハイブリッドシステムの発電・充放電・モータの デイーゼルエンジン 7 トラキャパシタを用いて発電・充放電効率を 7 効率 70%および電気自動車の充放電・モータの %として与えた場合には,市J I 動力回生,加速の高 効率 55%として示している.内燃機関の場合に 負荷時にエンジン運転 停車時のエンジン停止お は現状で最も効率の高いディーゼルエンジンの例 よび低負荷定常時のシリーズ方式を組み合わせる を示したが,エンジンをセラミックスによって遮 いわゆる SPHVは基準のガソリン自動車に比較 熱化し,高温の排気をターボコンパウンド発電等 して約1.9倍の燃費性能が得られている.この予 によって利用すればさらに高効率となる.電気自 測値は,用いたエンジンの燃費マップ,各種の効 動車の充放電・モータの効率 55%は,交流受電 率,係数等によって異なってくる.車両重量の軽 端を基準とし,一充電走行距離試験の平均値の実 減,エンジンの熱効率向上,電気系構成要素の効 績から与えたものである. 率向上により 2倍以上の燃費性能を得ることも可 ここで与えた電気自動車の充放電・モータの効 能である.電気自動車にエンジン発電機を搭載し 率 55%は,ハイブリッドシステムの発電・充放 た SHEVでは1.3 5倍の結果である.燃費の向上 電・モータの効率 70%よりも低いが,その理由 の利点もあるが,エンジンを定常で運転すること は電池の使用状態が異なるためである.ハイブリッ による低公害化の利点も合わせ持つ. ド自動車の電池の充電状態は 概ね 50~80% の SOCCStateo fCharge)で管理され,回生時の大 4 . 3 高効率自動車の可能性 電流の受け入れと高効率の充電が可能である.さ 電気自動車,内燃機関自動車,さらにハイブリツ らに SHEVの場合には電池を経由しないでモー ド自動車の省エネルギー性は,資源の採掘から走 タを直接駆動し,見かけ上 100%の電池の充放電 行までの総合効率で議論する必要がある. 効率となる条件も含んでいる.それに対し電気自 0の左図は,内燃機関,電気自動車. SHEV 図1 および SPHVのハイブリッドシステム,国体高 動車の場合には. SOCが 100%付近から使用され, 回生時の大電流の受け入れと高効率の充電に不利 EV (交流受電端を碁噂) 水紫 PEFC Alli--総合効率 411111定行時の効率 ディーゼル ディーゼ)L-SHEV EV 負 荷 圃 圃 圃 圃. . ー 負荷 -圃圃・-ーー 国1 0 負荷と走行時の効率および総合効率 (211) 4 3 1 9 9 8年 3 月 号 - 68- 充放電・モータ等 ~55 I EV 図1 1 総合効率試算のためのエネルギーフロー(文献 71を参考に作成) な条件を含むこととなり ハイブリッドシステム 最近乗用車の駆動系ユニットの位置に発電機と駆 に比べて充放電の効率が低下する.電気自動車の 動用モータを装着してコンパクトにまとめ 8,9) さらなる高効率化には充電方法の管理が一つの課 燃費 ( k m / L )を 2倍とする 題といえる. 注目が集められている. 0の右図は図 1 1に示す資源の採掘から燃料の 図1 システムが提案され, 9) 6 .まとめ 製造・輸送 7)および走行時の効率までを考慮に入 れて総合効率を比較したものである.原動機の省 以上,環境と効率を論点に電気自動車と各種の エネルギー性はこの総合効率で議論する必要があ クリーンエネルギー自動車を比較し,それぞれの る.総合効率は,図 1 1に示す太線枠の値すなわち 自動車の特長分野と将来展望について述べてきた. 原動機の効率を負荷によって変化させて試算して それらの次世代自動車の中には,市販が開始され いる.燃料電池の場合には水素,天然ガスあるい たものから試作段階のものまで多くのレベル差が はメタノー jレを燃料とする PEFCが考えれらる ある.これらが,社会に受け入れられるためには, 1の右図は比較的高効率でかつインフラス が,図 1 今後とも技術開発が必要である.本稿が将来の低 トラクチャの面からも実現性の高い天然ガス 公害,省エネルギー,石油代替の自動車開発の指 PEFCを例に取り示してある. 標となれば幸いである. 同図より,総合効率の序列は低負荷と高負荷で 変わることがわかる.低負荷で相対的に最も高い 総合効率が得られるのは天然ガス PEFCである. 天然ガス PEFCは,高負荷でも相対的に比較的 高い総合効率が得られている.高負荷で相対的に 最も高い総合効率が得られるのはディーゼルエン ジンである.デイーゼルエンジンとハイブリッド , システムを組み合わせたデイーゼル SPHVは 低負荷でも比較的高い効率が得られ,低負荷およ び高負荷とも高い総合効率が得られるシステムと いえる. 以上述べたとおり,電気自動車と内燃機関の技 術を組み合わせた SPHV と燃料電池自動車は高 効率自動車の高い可能性を持つといえる.いずれ も発展型の電気自動車である.前者の SPHVは 文 献 1)兼子.メタンハイドレードとその将来性.エネルギー総合 .2 0, NO.l ( 19 9 7年 4月) 工学, Vol 2 ) Workshop:D i m e t h y l e t h e ra s an automotive f u e l, TNO r e p o r t, ( 19 9 7 .2 .2 6 ) 3 ) Comparison o fR e l a t i v eE n v i r o r t m e n t a l Impacts o f A l t e r n a t i v eandConventional Motor F u e l s, IEA, (Sep, 1 9 9 5 ) 4 ) 中央環境審議会,今後の自動車排出ガス対策のありかたに 1月 2 1日 ついて(第二次答申),平成 9年 1 5 ) Kunimi, e ta l . :Three-Dimensional AirQualitySimulat i o nstudy on Low-Emission V e h i c l e si n Southern Calト f o r n i a, Atmosphenic Environment Vol .3 1, No.2 ( 19 9 7 ) 6 ) 長島他.天然ガスエンジンの開発, (初日本機械学会第 4回 環境工学シンポジュウム講演論文集, p .219, ( 19 9 4年 6月) 7 ) 小林他.将来のエネルギーと自動車,自動車技術, Vol .5 0 . No.l, ( 19 9 6 ) :Dual System-Newly Development 8 ) Yamaguchi e ta l, Hybrid System, EVS1 3, (Oct .1 9 9 6 ) 9 ) 阿部他.乗用車用量産型ハイブリッドシステムの開発, 19 9 7 ) 動車技術会学術講演会前制集, No.975 ( 4 4 (212) 化学工業 - 69- 自 高効率クリーンエネルギー自動車の研究開発 一通産省 'NEOOによるプロジェクトー 岩井信夫 ((財)日本自動車研究所 ) Ml TI/NEDOAdvancedC l e a nEnergyVehi c 1eP r o j e c t NobuoIWAI ( J a p a nAutomobileR e s e a r c hI n s t i t u t e .JARI) c 1 e , A l t e r n a t i v eF u e 1,F u e lEconomy , F u e lCe l Keywords :HybridVehi 1 .研究開発の背景と目的 天然ガス自動車,電気自動車等のクリーンエネルギー自 動車は航続距離,燃料供給に起因する走行地域等の制約が あり,また,走行条件によっては既存車よりも燃費が悪化 する等の問題がある.そのため,クリーンエネルギー自動 車の開発にはより広く一般に受け入れられる新しいコンセ NEDO 開発委員会 JA R1 ワーキング委員会 プトが求められている.すなわち,低公害と高効率を合わ せ持つ f 高効率クリーンエネルギー自動車jのコンセプト である.欧米仁おいても,鰐費の大幅向上のための官民共 同研究(白rofTomorrow.PNGV等)のプロジェクトがあり, 将来技術に向けての研究開発が進められている. 図4 . 1 研究開発体制 本研究開発は,平成 9年度から 7カ年計画で新エネル ギー・産業技術総合開発機構刷E∞)の事業として発足し, 石油代替のクリーンエネルギーを用いて低公害性を維持し つつ,走行エネルギー消費を少なくとも既存車の 1 {2にし, の排出を lfl以下』こする自動車を開発するもの 併 せ て ∞z である. 2 .最 終 目 標 ・プロトタイプ車を試作する. -燃料には石油代替燃料を用いる. -走行エネルギー消費率および C02の排出率を既存車の 1 ρ 以下とする. ・排出ガスの低減目標は,環境庁の定める低公害車の技 術指針値が変更された時点で定めることとする. 5 .研究開発概要 高効率クリーンエネルギー自動車を実現するため表 5 . 1 仁概要を示す研究開発を実施する. (1)乗用車 ・メタノール改質型燃料電池自動車 ・フライホイールバッテリ搭載, ANGシリーズハイプ リッド自動車 ( 2 ) 2 トン積みトラック 'CNG自己着火セラミックスエンヲン jキャパシタ/パツ テリ静用,排気エネルギー回収技術併用シリーズハイ プリッド自動車 'CNG希薄燃焼エンジン,リチュウムイオン電池搭載, シリーズ/パラレルハイブリッド自動車 。)路線パス ・LNGミラーサイクルエンジン,キャパシタ搭載,シ 3 .研 究 期 間 平成 9年度 平成 1 5年度 平成 11年度には中間評価を実施し,最終年度にはプロト タイプ車を試作する. 4 .研究開発体制 本プロジェクトは,図 4 . 1に示すとおり,通商産業省の補 助を受け,間DOからの(財)日本自動車研究所(J A則)へ の委託および同研究所からの複数の自動車メーカ.シンク タンクへの再委託により実施される. リーズハイプリッド自動車 -ジメチルエーテルエンジン フライホイールバッテリ あるいはキャパシタ搭載シリーズハイブリッド自動車 ( 4 ) 合成ガソリン,合成軽油の調査 ・性状,コスト,燃料サイクルのエネルギー効率.供給 能力,安全性,合成/製造技術の調査 ・燃料サンプ J レの性状,組成分析 ・エンジン性能および排出ガス実験 6 .各社開発の高効率クリーンエネルギー自艶車 各社が開発する高効率クリーンエネルギー自動車の概要 を表 6 . 1と図 6 . 1に示す. - 70一 喪5 . 1 高効率クリ戸ンエネルギー自動車の間究開発概要 合成燃料の担査 ハイブリッド自劃東の研究開尭 開発車両 燃料の理頭 2トン積みトラック 乗用車 メタノール 火花点火線開 ド司 ~料電池 エネルギー貯i! DME 日産ディーゼル工業 合成ガゾリン 合成経泊 トヨタ自働率 SHEV いす¢セラミックス研究所 日野自重力車工業 SHEV SPHV トヨ~自貨車 日産自動車 SHEV バッテリ -メタノー Jレ改賀稔 主な技術開発内容 LNG ェ菱自 SP ト 勧i 車 Vエ築 SHEV 庄結婚火夜間 . J CNG ANG 本国技術研究所 エンジン実験 路謀パス -空気コンブレッサ等 燃料電池用要素技術 -燃料電ム技池術 自齢窓制御 システ F ' v VB • FWB 'ANG技術 パッテリー C a p .併用 U . l o n電池 C a p . F ' v VBあるいは Cap. 'LNGミラ サイクル 'FWBあるいは Cap.を -性状、供給能力‘合成/剣道筏術等の銅交 機禍 エンジン 用いた SPHV -燃料サンプルの性枚分析 エンジン '栂 Ca p .を用いた SHEV 'DME ン 希 ジ 簿 ン燃挽天然ガスエ 機 -俳気エネル V ギ 筏 ー1 回 発収 技術併用 SHE -エンジン位階および排出ガスエンジン実験 •C a p . P u H , V i o 筏 n z 1 a F t 泌を崩いた ラ 天 ミ 然 ッ ガ ク ス ス エ 自 己 ン 満 ジ 火 ンセ S ANG:I 現穏天然ガス. CNG:圧縮天然ガス. LNG:液化突然ガス SHEV:シリーズ方式. SPHV:シリーズ/パラレル併用方式 FW8:フライホイールバッテリ. Cap.:キャパシター DME:ジメチルヱーテル │ 表6 . 1 高効率クリーンエネルギー自動車の各社開発概要 同C 出1 1 f , ) f' ! 1 : I t i1 u 泥 1~lll~flli 本1 1 1校術研究所 いす吋うt 7 7 A研究所 メタノール燃料:tti lハイプ ) 1'1ド CNGエンジン t 汗紋ハイブリッド i ' li } i J ' ¥ ( f幼ヰ (7' )ーンエヰ セラミックス,d f 1 ! ' かI . i (シリーズ力式) {シリーズ方式) 2 主 な ハ イ プ 燃料',¥1池パッチリ ルギートうヴ? (シリーズ ) j式) エンジン・フライホイールパッテ エンジン・キャパシ 7 : ょ と i ' l J f l h I I U :来 : I I J l U'H:', . AL i t ノ 〈 ス エンジン エンジ DMEエンジシ I ! i ( u : .ハイブリ パッチリ エンジン 耳t . f i 4 筏 燃t yの 使用燃料 " 排出ガス 5 I'::I~ 内作 J . r 来 J 1 Jl 来月 I U . r 2f 汗( l 1 l i i jクラスのガソリン i ! O 2fl~ ANG {I汲治天然ガス) 併出ガスの低減目僚は. E ¥ 3 フライホイールパァテ 、 1 1ウルトラキヤ"シタ トラッ 7 トラ γ ク 路線,(ス 2倍以上 U-tL't.米プ/ソリン ' 1 0 2 1 : ' ,:以上(i;fディーゼル i ! ( ) う( } . t. f Ul iディーゼル1J() 2 1 1 エンジン t1)~同等クラスiI() CNG 主に CNG メタノー J レ LNG DM: E (ジメ 4・J レエーテル) F ゼJ レ 問料パス 2 . 5f 告(対現行デイーゼルエンジ ンt 1 t 絞 2トントラッヲ) (付録期組制適合デイ 1 ; ' 1 1 . 員I Tの定める 1 丘公害JtLの技術指針が変i!!された時点で定めることとする. -動力源には,図体応分子 ~1燃料 .)島本的に低エミ"ションである -セラミックス製燃焼~と~熱情 ( P E F C ) をmいて . t : iい効 天然ガスエンジンとフライホイ 迭によ句,冷却系を取り除いた 従池 . . ] J リある L 特i 向上 日 γド (シリーズ/パラレル!JI:Jff1j式) キベ・パシ Y リ γ ド'応措; 3 11~'f'n~iJJW工業 CNGエンジン俗 l u : . . INGハイブリッドパス ハイブリ y ドトラック (シリーズ ) j 目 バ : l 方式) (シリーズ/パラレル!J!:lIJ リーンバーン 碍:を;l.CfJlする. -J レパ"テリを組み合わせるこ , 事H i t,コンパクトなエンジンを 燃料にはメタノールを mい,改 とでライフサイクルを i f iしてク 開発する.燃焼~に 11 ,問問弁 質器により水素に変換して P E F C リーンかつ長寿命な車両を開発 {すきの/ill J 燃焼室を役け, に供給する. . 1 ¥ ま3 官は.コンブレッサで圧縮し た空気から供給する. -改質 i i l 1,水蒸気改貨と節分殴 する. -天然ガスの貯認には,凶5のよ !l貯夜襲位も う な 大 規 筏 な 低i C N Gのような高圧タンクも必要 化を組み合わせ,自動車 mとし ない吸治 ~J を m いる ANG 技術を て怪適なものを開発する. 採用する. .P E F Cをパッテリと組み合わせて シリーズ式ハイブリッドとし. i I J l 動エネルギーを回生させる. 自動車用制御システム及ぴシス 主術の研究開発. テム要紫 j αG,メ C N G を燃料としたリーンノ Tーン 山知~!tl の LNG ミラーサイ 7 ル DME燃料ディーゼルエンジン エンジンを開発する エンジンを開発する. でj 込矧. N Ox. PMの先生を大 n -シリーズ/パラレル!J lJハイプ リッドl:1!再を開発する. 1,リ -エネルギー貯i{システム 1 f ; ¥ t t災 I r t (エヰル -コンデンサ!lH ギ』キャパシタシステム)を際! 発する. タノールなどの憾科を使用でき チウムイオン電池などの各組禽 高効率向 1 mモータ/発電機を m る多極燃料エンジンとする. 性能パッテリを中心に.キャパ いたシリーズ式ハイブリッド慌 -排気エネル4'"ーを回収するター ピン発電機を用いて高い再生効率 を実現する. -車軸に付けられた高速電動俊に より駆動するシリーズ式ハイプ リ γ ドとする. -エンジンの最高出力は,高速走 f lも検討する. シタなどの話r ~J 動エネルギーをモーターで 1ヰ 51-, フライホイール 1 <ッテリ 一等について研究を行い,エネ fスクリーン 級トラ γ クの排出 f 化、組低燃費化を図る. じて君主も効率的に行う. -パ γテリは繍助的に用いて小型 化し,システム全体の 1 1 1量 低 減 と短距般のエンジン停止走行を 可舵とする. J 支 持: i .{ Y J I えI !ウルトラキャパシ 定員培、航続距般向上) -都 m 内走行主体の m~畳 2 トン ~本制御は,各組走行条件に応 用い.制動エネルギーの回生効 プリッドシステムに i 車した蓄電 の軽量化.利便性改磐.験送効 をよ回る依にs:定する.また. 率を向上させる m術に左右されるので.ハイ 司 事向上(ノンステップ化.来耳L 発電電力は,常にパ 7テリを経 ギーの損失を防止する. イヒを図る -エネルギー ~11 'l'.の有効活月lI i 罫 !tする高効$回生システムを H l I ーシリーズ/パラレル切り然えの -究放電効率の高いキャパシタを H l lハイプ シリーズ/パラレル U ) 1・ノド使 f 障を探 I Iし.思低燃f¥' 発する. 行時ゃ~~時に要求される出力 自せずに電動機に伝え,エネル 、 t 再の開発. 'LNG利用による天然ガスパス 刊に I s:涼する 'LNG シリ日ズハイブリッド に最適な車問構造の開発 ルギ一回生の有効な手段を客室立 し,自動車の総合効率を向よさ せる 日産自主投草 ・ . ・悶・ ・ ‘・t ・欄同園傭‘1I子 品 刷H L _ 空気コンプレ,ザー If ( お 平 ト 4守 こ R V 目叫岬.;:- - " E E 1111<<E誕 生 値目島国包 . . . . '‘内. 宜 . ・ 町 FC) 1"-" I 1 Tlu 一 本田技術研究所 ι Eすダセラミックス研究所 タイヤ 三菱自重苦草 日産ディーゼノル B! l f白星設草 @守口口…I~ 日 LJOO.~ dム e9 図6 . 1 高効率クリーンエネルギー自動車の各社開発概要 - 73 一 O L C E l / . . " ; . . . 7 . エ ネ ル ギ ー 消 費 率 お よ び C02排 出 率 減効果の絶対値は大型車両のほうが大きく,大型車のハイ 本プロジェクトにおいて開発している 6種の車両は,車 種と燃料種が異なるため,走行時と燃料ライフサイクルの プリッド化は省エネルギーおよびC02削減効果に大きな効 果がある. 両者でそのエネルギー消費率および C02排出率を比較し, 設定した開発目標の省エ不ルギーおよび C02削減効果に ついて検討した. 各種エネルギーあるいは燃料のエネルギーフローを図7. 3 に示す.このエネルギーフローを基仁,燃料ライフサイク ルのエネルギー消費率およびC02排出率を求めた結果を図 . 1および図 7 . 2は走行時のエネルギー消費率および 図7 7.4および図 7 . 5に示す.天然ガスを原料とするメタノール, C02排出率を示すものである.各車両の開発目標は走行時 1 2のエネルギー消費率および C02排出率となる.ま で約 1 た,それぞれの開発車両の目標値はほぼ 1本の直線上にあ り車両重量でほぼ整理できる.同図から, 1台当たりの削 DMEは燃料製造時の効率低下により,石油系,天然ガス系 と比較して,省エネルギーおよび C02削減効果が少ない燃 料といえる.ただし,リニューワプル資源、からの製造法も あり,これらも合わせて検討する必要がある. • L~BV 0 HEV BV I 25 0, HEV X . . . . 1車両と同一世目"とした唱古 一→ "U'i.lït 内剖b~ ~・ 川 ;'JUl ・向 "WI Wl曹が'ト<!-い崎 f.u.~ 記入} ( へ ・ 4 申剛と附 惚1 1 1 1 6 0 0 E 要 ヘ4 車両 望20 鮒 阪 至 宝1 5 . E 1400 急 1200 鉛 到 1 0 0 0 主 社 ' " 800 J主 主10 O s H 5 L と 剖 + 口 ~~ 2000 g600 問先車両 同・ o E 、 , ( 、 4000 6000 400 制 6000 10000 12000 14000 1 6 0 0 0 総 資E 干価時の車両の重量 k g 200 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000 鎚貨評価時の車両の重1!:k g 図7 . 1 走行時のエネルギー消費率 図7 . 2 走行時の C02排出率 CNGV. CNGHEV, ANGHEV 備考数字は% f 小林 紀ほか:各種自働Jlの効率およひ:C02m出の検討, El創車枝術会 学 l . { j .lA満会前 s t J t t‘ No.9639030J と rTN0 レポート j を基に JARIが作成 図 7. 3 各種エネルギーあるいは燃料のエネルギーフロー - 74- o H(V イ 4 車両と肉 -mflとした1(吉 ' 今 cJ KE EX r之 M町 , ﹁ ・ 、 ,4 γ ,叫・ f t町側J'. (へ・-,~,両止伺-I!', nl 一 + 刊サl.U' ・句町置5f (a;曹が4 ・5い 唱 合 I J " " ! . !人} 一-+ E Lq' 1 6 0 0 山 B E1200 g1附 ~ 8 0 0 t 剛 丈 4∞ 「 、 ∞ E 町 、 t 、 t om<;惇' l i t = nu い﹂、小耳怒 ﹂ ﹁ hmThvh UF3nurDnu 内 ﹄‘‘守 lwミ件 H Q 6 tH∞ 窓口~ ∞ ∞ ∞ α ) ( ) 6o 8o1 2 0 0 0 4 ( ) ( ) ( ) ( ) 1 2000 4 0 0 0 6000 8 6 0 0 0 0 0 0 t 4 0 0 0 1 2 0 0 0 1 蝕 央l f価時の車両の藍Itkg 也 ∞ 160∞ ∞ 14 1 2 0 銘費評価時の車両の重量 k g . 5 燃料ライフサイクルの C02排 出 率 図7 図 7. 4 燃料ライフサイクルのエネルギー消費率 トMTG)はオクタン価が高<. る.天然ガス問液化法 (Mobi 8 .合 成 偲 料 の 調 査 ガソリン基材として優れている. 8 . 1 調査目的 合成燃料は,将来,エネルギ一事情等により導入される 可能性がある.合成ガソリン,合成軽油の性状がガソリン (引合成軽油 石炭直接液化法は芳香族炭化水素成分法度が高い.ま およびデイーゼルエンジンの排出ガス・燃費・エンジン性 た.低セタン価,高硫黄分濃度のため実用には適さない. 能へ与える影響を調査し,エンジン側から撚科性状への要 間接液化法は,石炭・天然ガスの原料種を問わず,低硫黄, 求特性を明らかにする. レ燃料として優れている. 高セタン価でデイーゼ J 8 . 2合成燃料の性状 合成傑科の性状は,原料の種類と用いているプロセスに より異なる.プラント規模で開発が行われた代表的な合成 9 . まとめ 本計画は,燃費を大幅に向上させるハイブリッド機構と ガソリンと合成軽油の性状を図 8 . 2に示す. . 1および図 8 レギーを組み合わせた省エネルギー・低公害 クリーンエネ J (り合成ガソリン レプロジェクトによって開発しよ 自動車を日本のナショナ J 石炭直接液化法は硫黄分および窒素分涯度が高い短所が うとするものである.計画実施の過程で.多くの技術が開 ある.石炭間接液化法 (SASOL)はオクタン価が低い短所 発されるものと信じる.この技術開発により次世代の自動 がある.最終製品は改質 Lてオクタン価を向上させてい 車社会に貢献できれば幸いである. 表8 . 2 代表的な合成軽油(デイーゼル抽)の特性 表8 . 1 代表的な合成ガソリンの特性 コ ご と ご 石炭直銭液化 石炭問俵液化 SASOL 天然ガス 問後絞化 MobH-MTG 立て 組成、% 16 60 55 芳香悠 オレフィン 6 32 12 抗策 ナフテン 55 芳香篠 19 1 。 4 8 I f . . 貨 O .5~ 1. 5 lOppm 箆耳石 0.2-1 .0 15ppm 80 35 オクタン価 天然ガス間後液化 EXXON Shell Syntrotou回 組成、 % パラフィン その他有の 控宝物 石炭 石炭 間 続 液化 直後液化 SASO L 比重 0.733 J . も R90< 170 't 7 セタン価 <3 62 0.5 ~1. 10 5 く lppm >70 く 1 く N/O く 1 N/O 10ppm N / O 75 74 76 O .780 0.780 o .780 28 比重 FlashPt 0 .. 780 88'C CloudPt 93 81't -12'C R90% 1't 340't lsP 200 't FBP 360'C ' 明 白 一 ; J'90%に立HR90%;分 f i l l i i o底 E N/ V:NotDctect~blc 〆 - 75-
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