クリーンエネルギー自動車の将来展望 - 一般社団法人 水素エネルギー

(
・
特集 1
1│電気自動車とその関連技術
]
クリーンエネルギー自動車の将来展望
岩井信夫寧
1. ま え が き
-電気自動車
3
.
9
2
5台
.CNG自動車
8
1,
747台
.LNG自動車
電気自動車等クリーンエネルギー自動車の開発
955台
02等地球温暖化物質排出総量
導入の意義は,①C
・メタノール (M85)自動車
の削減,②石油資源の枯渇に対処する石油代替エ
.メタノー jレ(M100)自動車
ネルギーの開発および③都市の大気環境悪化への
-エタノー jレ(
E
8
5
)自動車
対応等である.また,今後発展途上国の急激な経
・エタノール (
E
9
5
)自動車
済成長が予想されるため
.LPG自動車
来世紀には,より一層
1
9,
787台
1
3
0台
5,
859台
3
4
1台
2
7
3,
000台
の一
本稿は,特集「電気自動車とその関連技術J
増した石油代替エネルギ一利用,省エネルギー・
部として,電気自動車の環境対策,省エネルギ一
高効率化および低公害化が要求される.
1
9
9
4年 1
2月 1
6日,わが国の総合エネルギ一
等の特性を他の天然ガス自動車,ハイブリッド自
対策推進閣僚会議では石油代替エネルギーの供給
動車等のクリーンエネルギー自動車のそれと比較
目標を達成するため,新エネ jレギー導入大綱を制
し,それらの自動車の将来展望を含めて解説する
定した.この大綱の中で
ものである.
自動車関連分野では天
然ガス自動車,電気自動車,メタノール自動車,
2
. 自動車用石油代替工ネルギーの候補
デイーゼル代替 LPG自動車およびハイブリッド
石油代替の炭素源は,石炭,天然ガス,メタン
自動車がクリーンエネルギー自動車と定義され,
その積極導入が決定された.平成 8年度(平成 9
ハイドレード,オイルシェル,オイルサンドおよ
年 3月末)の普及台数は以下の通りである.
びリニューワプルのバイオマス資源等がある.メ
-電気自動車
2,
7
0
0台
タンハイドレードは,深海の高圧低温下で水分子
ゐ天然ガス自動車
1
,
2
1
1台
とメタン分子が水素結合しているものである
・メタノール自動車
3
2
7台
,ハイプリッド自動車
2
2
8台
1)
これらの炭素源の中で自動車用燃料として直接
9
9
0年改正の大気浄化法およ
また,米国では 1
利用可能なものは天然ガス
エタノールおよびバ
イオデイーゼル油のみで
他の炭素源は合成燃
9
9
2年制定のエネルギ一政策法によりクリー
び1
料製造の原料として用いられる.圧縮天然ガス
ンエネルギー自動車の開発導入が政策的にも推
(CNG)は既に実用化され,今後の技術として検
進された. 1
9
9
7年の普及台数は以下の通りであ
討する必要があるのはむしろ液化天然ガス (LNG)
る.
である.
• Nobuo Iwai 財団法人日本自動車研究所 第一研究部
部長主席研究員工学博士
FutureOutlookofClean Energy V
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合成ガソリンおよび合成軽油は既存のエンジン
システムをそのまま利用できる価値の高い新燃料
でいくつかの製造法がある.南アフリカ共和国の
(2
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7
1
9
9
8年 3月 号
- 62ー
走行過程を合わせて比較したものである 3) 電 気
SASOLでは石炭を原料としてガソリン,灯・軽
油を製造中である.マレーシアではロイヤルダッ
自動車は,走行過程では CO2を排出しないが発
チシェル法により天然ガスを原料にベンゼンおよ
の生成量は,
電過程にて C02を生成する. CO2
び硫黄を含まないガソリン,灯・軽油を製造中で
発電方式によって異なる.同図には幅のある形で
ある.ニュージーランドでは,モービル法により
示しであるが,同じ代替燃料自動車でも ,CO2の
天然ガスを原料としてメタノールを経由したガソ
排出量は,ケースによって既存のガソリンおよび
リンを合成して稼働したが,現在は休止している.
デイーゼル自動車よりも多い場合と少ない場合が
合成燃料は,代替エネルギーの他に低公害の意味
ある.棒グラブの中央値は一般論としていわれて
を持つ.特に合成軽油は,硫黄分をほとんど含ま
いる値と概ね一致する.中央値でガソリンに比較
ないことから,今後普及する触媒付きデイーゼル
して概ね 30%以上の C02の 削 減 率 が 得 ら れ る 代
車にとっては重要な意味を持つ.大量普及にはほ
替燃料自動車は木材原料のメタノー jレおよびエタ
ノール自動車,原子力利用の水素自動車および原
ど遠いが,将来の低公害燃料候補として注目され
子力利用の電気自動車である.
る.
メタノールはあらゆる炭素源から製造できる液
また,図 2は特に電気自動車に注目し,ガソリ
体燃料で,燃料電池も含めて将来燃料としての研
ン,デイーゼル,天然、ガス自動車それぞれの
DME)
究が実施されている.ジメチルエーテル (
COz排出量と比較したものである 3)‘ガソリン代
は,沸点が -25"Cで常温では気体であるが数気圧
替天然ガス自動車は燃料中の水素/炭素比から,
の圧力で液体になること,最近天然ガスから直接
走行過程では約 28%の C02の削減が期待できる.
製造可能なプロセスが開発されたこと,セタン価
しかしデイーゼ、 jレ代替として利用する際には,特
C02の削減効果と
が高いこと,排気煙を生成しないことからデイー
に低負荷での熱効率が低下し
ゼル代替の合成燃料として最近注目されている 2)
相殺される.電気自動車の導入により,石炭火力
の多い場合には CO2の排出量は増加し,原子力,
3
. 環境対策への貢献
水力の多い場合には減少する.原子力発電の多い
3
. 1 クリーンエネルギー自動車の CO2排出
フランス,水力発電の多いカナダ等の国々では電
気自動車の普及促進は C02の排出削減に効果が
特性
各種クリーンエネルギー自動車の C02の排出
ある.欧州全体および我が国では,電気自動車の
は燃料製造・輸送過程と走行過程を合わせて評価
自動車単位走行距離当たりの COz排出量はガソ
する必要がある.図 1はガソリン,デイーゼル,
リン車の約 60%,ディーゼル車の約 80%である.
天然、ガス,メタノール,エタノール,水素および
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)
ハイブリッド自動車の C02排出量は燃費(k
電気自動車の各種クリーンエネルギー自動車の
を 2倍と仮定して筆者が原図に加筆したものであ
CO2 の相対的排出特性を燃料製造・輸送過程と
る.現状技術ではハイブリッド自動車が最も
C02の排出が少ないシステムといえよう.
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図
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:Adapted from OECD 1
9
9
3
)
化学工業
- 63一
3
. 2 自動車大気汚染物質排出の削減効果
1月,中央環境審議会では, 2
0
0
0年
平成 9年 1
車の開発導入の目的に一つに排出ガスの低減があ
いることが挙げられる.クリーンエネルギー自動
以降に表 14)に示す自動車排出ガス規制の強化を
る.環境庁では電気,天然ガス,メタノール,ハ
実施するとの第二次答申がまとめられた.また同
イプリッド自動車の 4車種を低公害車として位置
答申では, 2
0
0
5年頃を目途に,さらに半減する
付け,その導入を促進してきた.図 3は,将来排
ことを検討するとされている.その背景には,ガ
出ガス規制値とクリーンエネルギー自動車の現状
ソリン車の排出ガスレベルの実態が,現行ガソリ
値のイメージを NOxに関して示したものである.
3年規制と比較して大幅に低減して
ン車の昭和 5
/
1
0
従来,電気自動車の NOxはガソリン車の約 1
表 1
ガソリン.LPG自動車の排気管排出ガスの許容限度設定目標値
試験方法
ホットスタート
現 行 *1
目標値
NOx
昭和田
ー一一ーー一一
一一一一一一一
日C
乗用車
昭和 5
0
‘
。25
一ー一一一一一一
0
.
0
8
0
.
0
8
.
CO
NOx
昭和 5
0
2.
10
平成 2
0
.
5
0
0
.
2
5
平成 1
0
一一一一一一
日C
軽貨物車
平成 1
0
2
.
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2
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一一一一一ーーー
ーーー一一一一一
CO
1
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NOx
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8
NOx
平成 6
一一一ー一一一
日C
0.
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2.
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一一一一ー一一ー
昭和 5
0
平成 1
0
一一一ー一一一一
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A.49%
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一一一一一一一一
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1
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.
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平成 1
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中量車・ 2
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時期
削減率
1
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一一一一一一一一
0
昭和 5
目標値
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削減率
1
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k
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シャシベース
達成
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平成 4
平成 1
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一一一一一一一一
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.
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一一一一一一一一
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平成 4
平成 1
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.
.
.
8
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%
.A69%
い
入
一一一一一一一一
一一一一一一一一
平成 1
3
(
2
0
0
1)
人¥
*1 上段は現行規制値(平均値) 下段は告示済みの次期規制(平均値)
本2
従来の区分は,中量車はl.7t超え 2
.
5
t以下,重量車は 2
.
5t超え
ディーゼル特殊自動車の許容限度設定目標値
測定方法
窒素酸化物
炭化水素
一酸化炭素
粒子状物質
19kW以上 37kW未満
C
lモード
8.0g/kWh
1
.5g/kWh
5.0g/kWh
0.8g/kWh
37kW以上 75kW未満
C
lモード
7.0g/kWh
1
.
3g/kWh
5.0g/kWh
O.
4g/kWh
75kW以上 130kW未満
C
lモード
6.0g/kWh
1
.0g/kWh
5.0g/kWh
0.3g/kWh
130kW以上 560kW未満
C
lモード
6.0g/kWh
1
.0g/kWh
3.5g/kWh
0.2g/kWh
時期
│
平成 1
6
(
2
0
0
4
)
(2
0
7
)3
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1
9
9
8年 3月 号
- 64-
カリフォルニア什│に代表される米国の環境問題は
昭和 53年規制
0
.
2
5
オゾンである.オゾンは ROGと NOχ の光化学
反応によって生成される. ZEV(Zero Emission
0
.
2
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)の 規 制 は 電 気 自 動 車 か ら の ROGが 少
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ないことに着目したもので , NOxの特性に注目
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したものではない.図 5は TLEV(
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)および LEV(LowEmis-
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)の CNG,LEVの M85の オ ゾ
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1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010
年
ン生成量を比較したものである
といわれてきた. しかし, 2000年以降の規制強
パl件
U
。│
図 3 ガ ソ リ ン .LPG車の将来排出ガス規制値 (NOx)と
クリーンエネルギー自動車の現状値のイメージ
電気自動車と
5)
化により,電気自動車等のクリーンエネルギー自
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差が無くなる可能性がある.
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一
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動車の排出ガスレベルはガソリン車と比較して大
•
米国カリフォルニア州の排出ガス規制は,わが
国の将来排出ガス規制の先取りともいえる.図 4
0
はカリフォルニア什│の例ではあるが,それぞれ
0
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)の排出ガスの総和,すなわち総燃料サ
イクルエミッション 3)の比を示したものである.
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我が国の状況と比較して,燃料製造・輸送過程,
!0.2
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発電過程,走行モード等が異なるが,一応の参考
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にはなる.同図より,それぞれの排出ガスの種
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類毎に得意な燃料種があることが解る.すなわ
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(RF-A)
ち,NOxは天然ガス自動車が, COおよび ROG
図
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も低い総燃料サイクルエミッションとなる.わが
国の大都市の環境問題は NOxとPMに代表される.
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化学工業
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目U由一山山
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rrepeated
measurement;暗averagev
a
l
u
ef
o
rr
e
p
e
a
t
;RF-A and
a
s
o
l
i
n
e
s typ巴S
Phase2- g
~ 0
.
3
~0.25
o0
.
2
U
圏
ULEV. LEV
LEV-ga~
は比較できないが,同図の範囲では ULEV-CNG
自動車も登場しつつある.電気自動車の低公害性
が最もオゾン生成量が少ないといえる.
が,他の自動車に比較して将来とも絶対的に優位
先に述べた 2
0
0
0年からの規制強化には,米国
の認証方法と同様に 8万 k
r
nの
カリフォルニアナH
耐久が要求されている.図 6はカリフォルニア州
であるとはいい切れない.
4
. 高効率化への挑戦
の認証の例を示したもので, M85は TLEVまで,
既存の自動車は最大熱効率が概ね 30~40% の
CNGは LEVおよび ULEVまで適合した実績が
エンジンを搭載している.しかし,アイドリング
ある.電気自動車の低公害性に匹敵する内燃機関
および低負荷では熱効率ゼロもしくはそれに近い
条件で運転され,減速時にはブレーキ操作により
運動のエネルギーを熱エネルギーに変換して放散
CNG
される.そのため,実走行時のエンジンの熱効率
FordCrownV
i
c
t
o
r
i
a
Voyager,
Ram等→
C
h
r
y
s
l
e
rCaravan,
0
1
5モードの熱効率は,概
は大幅に低下する. 1
CNG
ね 15%前後である. したがって,エンジンの運
C
h
r
y
s
l
e
rB2500,
BR1500等→
転条件からアイドリングおよび低負荷をなくして
M85
高負荷のみで運転すること,減速時の制動エネル
C
h
r
y
s
l
e
rI
n
t
r
e
p
i
d
FordTaurusFFV→ i
ギーを回生すること,あるいは高負荷から低負荷
0
.
2
5
まで高効率で運転できる原動機とすること等によっ
0
.
2
て熱効率 30~40% の条件のみで運転することが
5
E
刃0
.
1
5
可能となる.また排気エネルギーで発電器を駆動
~ 0
.
1
‘。05
II
して電気エネルギーとする等のボトミングサイク
TLEV
ルの併用によりさらに高い熱効率を得る可能性が
ある.この概念を実現する方法が電気と内燃機関
o
2
.
5
の技術を組み合わせたハイブリッド自動車である.
2
~1.5
O
4
. 1 クリーンエネルギーハイブリッド原動機
システムの概念
1
ハイブリッド自動車は,例えばエンジンと電動
0
.
5
。
モータの二つの動力源を持ち
0
.
0
8
0
.
0
7
06
目的に応じてそれ
ぞれの最も効率的な使い方をし,省エネルギーと
司。
。
言 05
低公害性を両立しようとするものである.
先に述べた通り,既存のエンジンを搭載した自
0
.
0
4
動車は,アイドリングも含めた低負荷の走行頻度
が多い条件にて熱効率が悪化する.図 76)はその
8
z
2003
0
.
0
2
0
.
0
1
。
現象をエンジン負荷(軸平均有効圧, PME)とエ
0
.
0
1
0.009
0.008
急
ε0.007
0.006
0.005
で,火花点火 CNGエンジンとデイーゼルエンジ
2
工
t
30004
0.003
0.002
0
.
0
0
1
PMEが 8b
a
r付近の高負荷ではほぼ同等, 2b
a
r
ネルギー消費率 (
BSEC)との関係で説明したもの
ンが併記しである.火花点火 CNGエンジンのエ
ネルギー消費率はデイーゼル代替に比較して
付近の低負荷では約 3
0%増大していることが分
。
かる.そこで,低負荷でのエンジン運転を電動モー
図 6 米国,カリフォルニア州の乗用車排出ガス規制値(5万
マイル耐久値)と販売された CNG車および M師 事
(規制値は g/mileを g
/
k
r
nに変更して表現)
タに代替し,省エネルギー性の向上を図るコンセ
プトがクリーンエネルギーハイプリッド自動車で
(209) 4
1
1
9
9
8年 3 月 号
- 66一
.
•一
CNG
-ー CNG+3way C
a
t
a
l
y
s
t
.
・I
D
ID
i
e
s
e
l
o .
--Ga80line
O
.
.
.
“ Gasoline+3way C
a
t
a
l
y
s
t
0
20
2000rpm MBT
1
6
b
.
I
)
O
8
Z
位
一
一
一
「
台
.o
・
・
・ロ
・
・
e
o・・ ・
o
ディーゼルエンジン
a
三 也 品 話 三A
2 3 6
9
火花点火天黙ガスエンジン
aa
O
最大熱効率
×発電充放電効率
n
v
・
・
O
熱効率
5
1
2
H
最大熱効率
PME (
b
ar
)
30
負荷
_
_
_2
5
~
図8
概念
20
の 4モード分類で構成される.ハイプリッドシス
~
d15
テムの燃費向上効果はそれぞれの走行モード分類
包 10
毎の燃料消費量削減効果を累積すれば予測するこ
(
/
J
凶
1
惨
クリーンエネルギーハイプリッド原動機の運転範囲の
5
O
とができる.
O
5' 6
2 3
PME (
b
ar
)
図 9は車両重量が変化しても加速性能が変化し
8 9 1
0
ないよう動力機構およびエネルギー貯蔵媒体の性
図 7 CNG. ガ ソ リ ン , デ イ ー ゼ ル エ ン ジ ン の エ ネ ル ギ ー
消費率 6)
0
1
5モードの燃費を数値シミュレー
能を与え. 1
ションにより予測したものである.計算に用いた
車両は車両総重量1.8トンのミニパンである. こ
ある.
この概念をエンジン負荷と熱効率との関係で説
の値を基に発電・充放電効率を与え,制動力回生,
翌1.8
打即
2
使用し,最大熱効率点で運転すると,最大熱効率
%%
等である.天然ガスエンジンを発電機の駆動用に
尭発
mT 地
口電
ンとデイーゼルエンジンの最大熱効率点はほぼ同
率率
効効
電衛
政放
充充
電電
橿口
明したのが図 8である.火花点火天然ガスエンジ
:
31
.6
に発電・充放電効率を掛けた図中に SHEV(シリー
ズハイブリッド電気自動車)として横線で示す熱
~ 1
.4
1
.2
:
:
>
ぜ
効率となる.同国より, SHEVの 熱 効 率 は 低 負
寒~
"
- 0.8
荷ではエンジン運転よりも優位であるが高負荷で
I
t
' 0
.
6
は劣っていることがわかる.そこで,低負荷では
げ1
一 0.4
SHEV,高負荷ではエンジン運転とすれば低負荷,
0
.
2
SHEV
+ 定 常 時 SHEV
+停車時エンジン停止
ンエネルギー・シリーズ・パラレルハイブリッド
自動車 (SPHV)の概念である.
+制動力回生
と低公害性を両立することになる.これがクリー
ガソリン車
O
高負荷とも最良の燃費で運転でき,省エネルギー
4
. 2 ハイブリッド自動車の燃費向上効果の予
測
自動車の走行モードは停止,加速, 定常,減速
0・1
5モ ー ド 燃 費 改 善 予 測
図 9 ハイプリッドシステムの 1
(GVW1
.8tの ガ ソ リ ン ミ ニ パ ン を 基 準 . 要 素 の 出 力 .
質量の変化を考慮)
4
2 (210)
化学工業
- 67ー
定常時 SHEVおよび全域
停車時エンジン停止
分子型 (PEFC:PolymerE
l
e
c
t
r
o
l
y
t
eF
u
e
lC
e
l
l
)
SHEVのシステムを j
順次付加してそれぞれの燃
の水素および天然ガス燃料電池について横軸に負
費向上効果を予測した.同図には 5条件が示しで
荷,縦軸に走行時の効率をとり,比較したもので
あるが,全て車両重量が異なっている.補助動力
ある.ここでの最大効率は
機構およびエネルギー貯蔵媒体の出力密度は最新
42%,水素 PEFC55%,天然、ガス PEFC42%.
の値を使用している.同図に示す結果では,ウル
ハイブリッドシステムの発電・充放電・モータの
デイーゼルエンジン
7
トラキャパシタを用いて発電・充放電効率を 7
効率 70%および電気自動車の充放電・モータの
%として与えた場合には,市J
I
動力回生,加速の高
効率 55%として示している.内燃機関の場合に
負荷時にエンジン運転
停車時のエンジン停止お
は現状で最も効率の高いディーゼルエンジンの例
よび低負荷定常時のシリーズ方式を組み合わせる
を示したが,エンジンをセラミックスによって遮
いわゆる SPHVは基準のガソリン自動車に比較
熱化し,高温の排気をターボコンパウンド発電等
して約1.9倍の燃費性能が得られている.この予
によって利用すればさらに高効率となる.電気自
測値は,用いたエンジンの燃費マップ,各種の効
動車の充放電・モータの効率 55%は,交流受電
率,係数等によって異なってくる.車両重量の軽
端を基準とし,一充電走行距離試験の平均値の実
減,エンジンの熱効率向上,電気系構成要素の効
績から与えたものである.
率向上により 2倍以上の燃費性能を得ることも可
ここで与えた電気自動車の充放電・モータの効
能である.電気自動車にエンジン発電機を搭載し
率 55%は,ハイブリッドシステムの発電・充放
た SHEVでは1.3
5倍の結果である.燃費の向上
電・モータの効率 70%よりも低いが,その理由
の利点もあるが,エンジンを定常で運転すること
は電池の使用状態が異なるためである.ハイブリッ
による低公害化の利点も合わせ持つ.
ド自動車の電池の充電状態は
概ね 50~80% の
SOCCStateo
fCharge)で管理され,回生時の大
4
. 3 高効率自動車の可能性
電流の受け入れと高効率の充電が可能である.さ
電気自動車,内燃機関自動車,さらにハイブリツ
らに SHEVの場合には電池を経由しないでモー
ド自動車の省エネルギー性は,資源の採掘から走
タを直接駆動し,見かけ上 100%の電池の充放電
行までの総合効率で議論する必要がある.
効率となる条件も含んでいる.それに対し電気自
0の左図は,内燃機関,電気自動車. SHEV
図1
および SPHVのハイブリッドシステム,国体高
動車の場合には. SOCが 100%付近から使用され,
回生時の大電流の受け入れと高効率の充電に不利
EV
(交流受電端を碁噂)
水紫 PEFC
Alli--総合効率
411111定行時の効率
ディーゼル
ディーゼ)L-SHEV
EV
負
荷
圃 圃 圃 圃. .
ー
負荷
-圃圃・-ーー
国1
0 負荷と走行時の効率および総合効率
(211) 4
3
1
9
9
8年 3 月 号
- 68-
充放電・モータ等 ~55
I
EV
図1
1 総合効率試算のためのエネルギーフロー(文献 71を参考に作成)
な条件を含むこととなり
ハイブリッドシステム
最近乗用車の駆動系ユニットの位置に発電機と駆
に比べて充放電の効率が低下する.電気自動車の
動用モータを装着してコンパクトにまとめ 8,9)
さらなる高効率化には充電方法の管理が一つの課
燃費 (
k
m
/
L
)を 2倍とする
題といえる.
注目が集められている.
0の右図は図 1
1に示す資源の採掘から燃料の
図1
システムが提案され,
9)
6
.まとめ
製造・輸送 7)および走行時の効率までを考慮に入
れて総合効率を比較したものである.原動機の省
以上,環境と効率を論点に電気自動車と各種の
エネルギー性はこの総合効率で議論する必要があ
クリーンエネルギー自動車を比較し,それぞれの
る.総合効率は,図 1
1に示す太線枠の値すなわち
自動車の特長分野と将来展望について述べてきた.
原動機の効率を負荷によって変化させて試算して
それらの次世代自動車の中には,市販が開始され
いる.燃料電池の場合には水素,天然ガスあるい
たものから試作段階のものまで多くのレベル差が
はメタノー jレを燃料とする PEFCが考えれらる
ある.これらが,社会に受け入れられるためには,
1の右図は比較的高効率でかつインフラス
が,図 1
今後とも技術開発が必要である.本稿が将来の低
トラクチャの面からも実現性の高い天然ガス
公害,省エネルギー,石油代替の自動車開発の指
PEFCを例に取り示してある.
標となれば幸いである.
同図より,総合効率の序列は低負荷と高負荷で
変わることがわかる.低負荷で相対的に最も高い
総合効率が得られるのは天然ガス PEFCである.
天然ガス PEFCは,高負荷でも相対的に比較的
高い総合効率が得られている.高負荷で相対的に
最も高い総合効率が得られるのはディーゼルエン
ジンである.デイーゼルエンジンとハイブリッド
,
システムを組み合わせたデイーゼル SPHVは
低負荷でも比較的高い効率が得られ,低負荷およ
び高負荷とも高い総合効率が得られるシステムと
いえる.
以上述べたとおり,電気自動車と内燃機関の技
術を組み合わせた SPHV と燃料電池自動車は高
効率自動車の高い可能性を持つといえる.いずれ
も発展型の電気自動車である.前者の SPHVは
文 献
1)兼子.メタンハイドレードとその将来性.エネルギー総合
.2
0, NO.l (
19
9
7年 4月)
工学, Vol
2
) Workshop:D
i
m
e
t
h
y
l
e
t
h
e
ra
s an automotive f
u
e
l,
TNO r
e
p
o
r
t, (
19
9
7
.2
.2
6
)
3
) Comparison o
fR
e
l
a
t
i
v
eE
n
v
i
r
o
r
t
m
e
n
t
a
l Impacts o
f
A
l
t
e
r
n
a
t
i
v
eandConventional Motor F
u
e
l
s, IEA, (Sep,
1
9
9
5
)
4
) 中央環境審議会,今後の自動車排出ガス対策のありかたに
1月 2
1日
ついて(第二次答申),平成 9年 1
5
) Kunimi, e
ta
l
.
:Three-Dimensional AirQualitySimulat
i
o
nstudy on Low-Emission V
e
h
i
c
l
e
si
n Southern Calト
f
o
r
n
i
a, Atmosphenic Environment Vol
.3
1, No.2 (
19
9
7
)
6
) 長島他.天然ガスエンジンの開発, (初日本機械学会第 4回
環境工学シンポジュウム講演論文集, p
.219, (
19
9
4年 6月)
7
) 小林他.将来のエネルギーと自動車,自動車技術, Vol
.5
0
.
No.l, (
19
9
6
)
:Dual System-Newly Development
8
) Yamaguchi e
ta
l,
Hybrid System, EVS1
3, (Oct
.1
9
9
6
)
9
) 阿部他.乗用車用量産型ハイブリッドシステムの開発,
19
9
7
)
動車技術会学術講演会前制集, No.975 (
4
4 (212)
化学工業
- 69-
自
高効率クリーンエネルギー自動車の研究開発
一通産省 'NEOOによるプロジェクトー
岩井信夫
((財)日本自動車研究所
)
Ml
TI/NEDOAdvancedC
l
e
a
nEnergyVehi
c
1eP
r
o
j
e
c
t
NobuoIWAI
(
J
a
p
a
nAutomobileR
e
s
e
a
r
c
hI
n
s
t
i
t
u
t
e
.JARI)
c
1
e
,
A
l
t
e
r
n
a
t
i
v
eF
u
e
1,F
u
e
lEconomy
,
F
u
e
lCe
l
Keywords :HybridVehi
1
.研究開発の背景と目的
天然ガス自動車,電気自動車等のクリーンエネルギー自
動車は航続距離,燃料供給に起因する走行地域等の制約が
あり,また,走行条件によっては既存車よりも燃費が悪化
する等の問題がある.そのため,クリーンエネルギー自動
車の開発にはより広く一般に受け入れられる新しいコンセ
NEDO 開発委員会
JA R1
ワーキング委員会
プトが求められている.すなわち,低公害と高効率を合わ
せ持つ f
高効率クリーンエネルギー自動車jのコンセプト
である.欧米仁おいても,鰐費の大幅向上のための官民共
同研究(白rofTomorrow.PNGV等)のプロジェクトがあり,
将来技術に向けての研究開発が進められている.
図4
.
1 研究開発体制
本研究開発は,平成 9年度から 7カ年計画で新エネル
ギー・産業技術総合開発機構刷E∞)の事業として発足し,
石油代替のクリーンエネルギーを用いて低公害性を維持し
つつ,走行エネルギー消費を少なくとも既存車の 1
{2にし,
の排出を lfl以下』こする自動車を開発するもの
併 せ て ∞z
である.
2
.最 終 目 標
・プロトタイプ車を試作する.
-燃料には石油代替燃料を用いる.
-走行エネルギー消費率および C02の排出率を既存車の
1
ρ 以下とする.
・排出ガスの低減目標は,環境庁の定める低公害車の技
術指針値が変更された時点で定めることとする.
5
.研究開発概要
高効率クリーンエネルギー自動車を実現するため表 5
.
1
仁概要を示す研究開発を実施する.
(1)乗用車
・メタノール改質型燃料電池自動車
・フライホイールバッテリ搭載, ANGシリーズハイプ
リッド自動車
(
2
) 2 トン積みトラック
'CNG自己着火セラミックスエンヲン jキャパシタ/パツ
テリ静用,排気エネルギー回収技術併用シリーズハイ
プリッド自動車
'CNG希薄燃焼エンジン,リチュウムイオン電池搭載,
シリーズ/パラレルハイブリッド自動車
。)路線パス
・LNGミラーサイクルエンジン,キャパシタ搭載,シ
3
.研 究 期 間
平成 9年度 平成 1
5年度
平成 11年度には中間評価を実施し,最終年度にはプロト
タイプ車を試作する.
4
.研究開発体制
本プロジェクトは,図 4
.
1に示すとおり,通商産業省の補
助を受け,間DOからの(財)日本自動車研究所(J
A則)へ
の委託および同研究所からの複数の自動車メーカ.シンク
タンクへの再委託により実施される.
リーズハイプリッド自動車
-ジメチルエーテルエンジン フライホイールバッテリ
あるいはキャパシタ搭載シリーズハイブリッド自動車
(
4
) 合成ガソリン,合成軽油の調査
・性状,コスト,燃料サイクルのエネルギー効率.供給
能力,安全性,合成/製造技術の調査
・燃料サンプ J
レの性状,組成分析
・エンジン性能および排出ガス実験
6
.各社開発の高効率クリーンエネルギー自艶車
各社が開発する高効率クリーンエネルギー自動車の概要
を表 6
.
1と図 6
.
1に示す.
- 70一
喪5
.
1 高効率クリ戸ンエネルギー自動車の間究開発概要
合成燃料の担査
ハイブリッド自劃東の研究開尭
開発車両
燃料の理頭
2トン積みトラック
乗用車
メタノール
火花点火線開
ド司
~料電池
エネルギー貯i!
DME
日産ディーゼル工業
合成ガゾリン
合成経泊
トヨタ自働率
SHEV
いす¢セラミックス研究所
日野自重力車工業
SHEV
SPHV
トヨ~自貨車
日産自動車
SHEV
バッテリ
-メタノー Jレ改賀稔
主な技術開発内容
LNG
ェ菱自
SP
ト
勧i
車
Vエ築
SHEV
庄結婚火夜間
.
J
CNG
ANG
本国技術研究所
エンジン実験
路謀パス
-空気コンブレッサ等
燃料電池用要素技術
-燃料電ム技池術
自齢窓制御
システ
F
'
v
VB
• FWB
'ANG技術
パッテリー C
a
p
.併用
U
.
l
o
n電池
C
a
p
.
F
'
v
VBあるいは Cap.
'LNGミラ サイクル 'FWBあるいは Cap.を -性状、供給能力‘合成/剣道筏術等の銅交
機禍
エンジン
用いた SPHV
-燃料サンプルの性枚分析
エンジン
'栂
Ca
p
.を用いた SHEV 'DME
ン
希
ジ
簿
ン燃挽天然ガスエ 機
-俳気エネル V
ギ
筏
ー1
回
発収
技術併用 SHE
-エンジン位階および排出ガスエンジン実験
•C
a
p
.
P
u
H
,
V
i
o
筏
n
z
1
a
F
t
泌を崩いた
ラ
天
ミ
然
ッ
ガ
ク
ス
ス
エ
自
己
ン
満
ジ
火
ンセ S
ANG:I
現穏天然ガス. CNG:圧縮天然ガス. LNG:液化突然ガス
SHEV:シリーズ方式. SPHV:シリーズ/パラレル併用方式
FW8:フライホイールバッテリ. Cap.:キャパシター DME:ジメチルヱーテル
│
表6
.
1 高効率クリーンエネルギー自動車の各社開発概要
同C
出1
1
f
,
)
f'
!
1
:
I
t
i1
u 泥 1~lll~flli
本1
1
1校術研究所
いす吋うt
7
7
A研究所
メタノール燃料:tti
lハイプ )
1'1ド
CNGエンジン t
汗紋ハイブリッド
i
'
li
}
i
J
'
¥
(
f幼ヰ (7'
)ーンエヰ
セラミックス,d
f
1
!
'
かI
.
i
(シリーズ力式)
{シリーズ方式)
2
主 な ハ イ プ 燃料',¥1池パッチリ
ルギートうヴ?
(シリーズ )
j式)
エンジン・フライホイールパッテ
エンジン・キャパシ 7
:
ょ
と
i
'
l
J
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U
:来
:
I
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.
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〈
ス
エンジン
エンジ
DMEエンジシ I
!
i
(
u
:
.ハイブリ
パッチリ
エンジン
耳t
.
f
i
4
筏
燃t
yの
使用燃料
"
排出ガス
5
I'::I~ 内作
J
.
r
来
J
1
Jl
来月 I
U
.
r
2f
汗(
l
1
l
i
i
jクラスのガソリン i
!
O
2fl~
ANG {I汲治天然ガス)
併出ガスの低減目僚は.
E
¥
3
フライホイールパァテ
、
1
1ウルトラキヤ"シタ
トラッ 7
トラ γ ク
路線,(ス
2倍以上 U-tL't.米プ/ソリン '
1
0
2
1
:
'
,:以上(i;fディーゼル i
!
(
)
う(
}
.
t.
f
Ul
iディーゼル1J()
2
1
1
エンジン t1)~同等クラスiI()
CNG
主に CNG
メタノー J
レ
LNG
DM:
E (ジメ 4・J
レエーテル)
F
ゼJ
レ
問料パス
2
.
5f
告(対現行デイーゼルエンジ
ンt
1
t
絞 2トントラッヲ)
(付録期組制適合デイ
1
;
'
1
1
.
員I
Tの定める 1
丘公害JtLの技術指針が変i!!された時点で定めることとする.
-動力源には,図体応分子 ~1燃料
.)島本的に低エミ"ションである
-セラミックス製燃焼~と~熱情
(
P
E
F
C
) をmいて .
t
:
iい効
天然ガスエンジンとフライホイ
迭によ句,冷却系を取り除いた
従池
.
.
]
J
リある L
特i 向上
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(シリーズ/パラレル!JI:Jff1j式)
キベ・パシ Y
リ γ ド'応措;
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11~'f'n~iJJW工業
CNGエンジン俗 l
u
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INGハイブリッドパス
ハイブリ y ドトラック
(シリーズ )
j
目
バ
:
l
方式)
(シリーズ/パラレル!J!:lIJ
リーンバーン
碍:を;l.CfJlする.
-J
レパ"テリを組み合わせるこ
,
事H
i
t,コンパクトなエンジンを
燃料にはメタノールを mい,改
とでライフサイクルを i
f
iしてク
開発する.燃焼~に 11 ,問問弁
質器により水素に変換して P
E
F
C
リーンかつ長寿命な車両を開発
{すきの/ill
J
燃焼室を役け,
に供給する.
.
1
¥
ま3
官は.コンブレッサで圧縮し
た空気から供給する.
-改質 i
i
l
1,水蒸気改貨と節分殴
する.
-天然ガスの貯認には,凶5のよ
!l貯夜襲位も
う な 大 規 筏 な 低i
C
N
Gのような高圧タンクも必要
化を組み合わせ,自動車 mとし
ない吸治 ~J を m いる ANG 技術を
て怪適なものを開発する.
採用する.
.P
E
F
Cをパッテリと組み合わせて
シリーズ式ハイブリッドとし.
i
I
J
l
動エネルギーを回生させる.
自動車用制御システム及ぴシス
主術の研究開発.
テム要紫 j
αG,メ
C
N
G を燃料としたリーンノ Tーン
山知~!tl の LNG ミラーサイ 7 ル
DME燃料ディーゼルエンジン
エンジンを開発する
エンジンを開発する.
でj
込矧. N
Ox. PMの先生を大
n
-シリーズ/パラレル!J lJハイプ
リッドl:1!再を開発する.
1,リ
-エネルギー貯i{システム 1
f
;
¥
t
t災 I
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t (エヰル
-コンデンサ!lH
ギ』キャパシタシステム)を際!
発する.
タノールなどの憾科を使用でき
チウムイオン電池などの各組禽
高効率向 1
mモータ/発電機を m
る多極燃料エンジンとする.
性能パッテリを中心に.キャパ
いたシリーズ式ハイブリッド慌
-排気エネル4'"ーを回収するター
ピン発電機を用いて高い再生効率
を実現する.
-車軸に付けられた高速電動俊に
より駆動するシリーズ式ハイプ
リ γ ドとする.
-エンジンの最高出力は,高速走
f
lも検討する.
シタなどの話r
~J 動エネルギーをモーターで 1ヰ
51-, フライホイール 1
<ッテリ
一等について研究を行い,エネ
fスクリーン
級トラ γ クの排出 f
化、組低燃費化を図る.
じて君主も効率的に行う.
-パ γテリは繍助的に用いて小型
化し,システム全体の 1
1
1量 低 減
と短距般のエンジン停止走行を
可舵とする.
J
支
持:
i
.{
Y
J
I
えI
!ウルトラキャパシ
定員培、航続距般向上)
-都 m 内走行主体の m~畳 2 トン
~本制御は,各組走行条件に応
用い.制動エネルギーの回生効
プリッドシステムに i
車した蓄電
の軽量化.利便性改磐.験送効
をよ回る依にs:定する.また.
率を向上させる
m術に左右されるので.ハイ
司
事向上(ノンステップ化.来耳L
発電電力は,常にパ 7テリを経
ギーの損失を防止する.
イヒを図る
-エネルギー ~11 'l'.の有効活月lI i 罫
!tする高効$回生システムを H
l
I
ーシリーズ/パラレル切り然えの
-究放電効率の高いキャパシタを
H
l
lハイプ
シリーズ/パラレル U
)
1・ノド使 f
障を探 I
Iし.思低燃f¥'
発する.
行時ゃ~~時に要求される出力
自せずに電動機に伝え,エネル
、
t
再の開発.
'LNG利用による天然ガスパス
刊に I
s:涼する
'LNG
シリ日ズハイブリッド
に最適な車問構造の開発
ルギ一回生の有効な手段を客室立
し,自動車の総合効率を向よさ
せる
日産自主投草
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空気コンプレ,ザー
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図6
.
1 高効率クリーンエネルギー自動車の各社開発概要
- 73 一
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.
7
. エ ネ ル ギ ー 消 費 率 お よ び C02排 出 率
減効果の絶対値は大型車両のほうが大きく,大型車のハイ
本プロジェクトにおいて開発している 6種の車両は,車
種と燃料種が異なるため,走行時と燃料ライフサイクルの
プリッド化は省エネルギーおよびC02削減効果に大きな効
果がある.
両者でそのエネルギー消費率および C02排出率を比較し,
設定した開発目標の省エ不ルギーおよび C02削減効果に
ついて検討した.
各種エネルギーあるいは燃料のエネルギーフローを図7.
3
に示す.このエネルギーフローを基仁,燃料ライフサイク
ルのエネルギー消費率およびC02排出率を求めた結果を図
.
1および図 7
.
2は走行時のエネルギー消費率および
図7
7.4および図 7
.
5に示す.天然ガスを原料とするメタノール,
C02排出率を示すものである.各車両の開発目標は走行時
1
2のエネルギー消費率および C02排出率となる.ま
で約 1
た,それぞれの開発車両の目標値はほぼ 1本の直線上にあ
り車両重量でほぼ整理できる.同図から, 1台当たりの削
DMEは燃料製造時の効率低下により,石油系,天然ガス系
と比較して,省エネルギーおよび C02削減効果が少ない燃
料といえる.ただし,リニューワプル資源、からの製造法も
あり,これらも合わせて検討する必要がある.
•
L~BV
0 HEV
BV
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0, HEV
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1車両と同一世目"とした唱古
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制
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0
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干価時の車両の重量 k
g
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2000
4000
6000 8000 10000 12000 14000 16000
鎚貨評価時の車両の重1!:k
g
図7
.
1 走行時のエネルギー消費率
図7
.
2 走行時の C02排出率
CNGV. CNGHEV, ANGHEV
備考数字は%
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小林
紀ほか:各種自働Jlの効率およひ:C02m出の検討, El創車枝術会
学
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.lA満会前 s
t
J
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t‘ No.9639030J と rTN0 レポート j を基に JARIが作成
図 7.
3 各種エネルギーあるいは燃料のエネルギーフロー
- 74-
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蝕 央l
f価時の車両の藍Itkg
也
∞ 160∞
∞ 14
1
2
0
銘費評価時の車両の重量 k
g
.
5 燃料ライフサイクルの C02排 出 率
図7
図 7.
4 燃料ライフサイクルのエネルギー消費率
トMTG)はオクタン価が高<.
る.天然ガス問液化法 (Mobi
8
.合 成 偲 料 の 調 査
ガソリン基材として優れている.
8
.
1 調査目的
合成燃料は,将来,エネルギ一事情等により導入される
可能性がある.合成ガソリン,合成軽油の性状がガソリン
(引合成軽油
石炭直接液化法は芳香族炭化水素成分法度が高い.ま
およびデイーゼルエンジンの排出ガス・燃費・エンジン性
た.低セタン価,高硫黄分濃度のため実用には適さない.
能へ与える影響を調査し,エンジン側から撚科性状への要
間接液化法は,石炭・天然ガスの原料種を問わず,低硫黄,
求特性を明らかにする.
レ燃料として優れている.
高セタン価でデイーゼ J
8
.
2合成燃料の性状
合成傑科の性状は,原料の種類と用いているプロセスに
より異なる.プラント規模で開発が行われた代表的な合成
9
. まとめ
本計画は,燃費を大幅に向上させるハイブリッド機構と
ガソリンと合成軽油の性状を図 8
.
2に示す.
.
1および図 8
レギーを組み合わせた省エネルギー・低公害
クリーンエネ J
(り合成ガソリン
レプロジェクトによって開発しよ
自動車を日本のナショナ J
石炭直接液化法は硫黄分および窒素分涯度が高い短所が
うとするものである.計画実施の過程で.多くの技術が開
ある.石炭間接液化法 (SASOL)はオクタン価が低い短所
発されるものと信じる.この技術開発により次世代の自動
がある.最終製品は改質 Lてオクタン価を向上させてい
車社会に貢献できれば幸いである.
表8
.
2 代表的な合成軽油(デイーゼル抽)の特性
表8
.
1 代表的な合成ガソリンの特性
コ
ご
と
ご
石炭直銭液化
石炭問俵液化
SASOL
天然ガス
問後絞化
MobH-MTG
立て
組成、%
16
60
55
芳香悠
オレフィン
6
32
12
抗策
ナフテン
55
芳香篠
19
1
。
4
8
I
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.
.
貨
O
.5~ 1. 5
lOppm
箆耳石
0.2-1
.0
15ppm
80
35
オクタン価
天然ガス間後液化
EXXON
Shell
Syntrotou回
組成、 %
パラフィン
その他有の
控宝物
石炭
石炭
間 続 液化
直後液化
SASO L
比重
0.733
J
.
も
R90<
170
't
7
セタン価
<3
62
0.5
~1.
10
5
く
lppm
>70
く
1
く
N/O
く
1 N/O
10ppm N / O
75
74
76
O
.780
0.780
o
.780
28
比重
FlashPt
0
..
780
88'C
CloudPt
93
81't
-12'C
R90%
1't
340't
lsP
200
't
FBP
360'C
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一
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J'90%に立HR90%;分 f
i
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〆
- 75-