第5号 - 札幌市立平岡中学校

情報モラル通信
札幌市立平岡中学校&PTA
2009.12.25
第5号
Information
冬休みを前に
いよいよ明日から冬休みです。生徒たちは,学習,部活動,ウィンタースポーツなど,休み中の計画をたてて
いることと思いますが,家で長時間ゲームなどを楽しむことが増える時期でもあります。今回は,ゲーム中毒に
ついて説明します。
本来,インターネットやコンピュータは,髙本 PTA 会長がコラムで書かれているように,明るく楽しく使う
べきものです。インターネットをよりよい使い方をし,子供たちにとって未来を開く道具になって欲しいと願っ
ています。3学期にはPTA役員の皆さんが,保護者向け研修会を行ってくださる予定です。情報モラル通信を
読んだだけでは,どのように対応するのか,よくわからないと感じている方は,ぜひご参加ください。詳しい案
内は次号でお知らせします。
第 3 回 ゲーム中毒に注意しよう
情報社会の進展とともに,情報機器が普及し,1980 年代にはゲーム機ブームが訪れます。それに伴い,子供
たちの生活様式も変化し,家でゲームを楽しむ子供たちが増えていきます。小学生の頃からゲームに親しんでい
る場合が多く,昨年度実施した生活実態調査の結果を見ても長時間ゲームをしている生徒がいることがわかりま
した。
ゲーム中毒とは,ゲームにのめり込むことにより,ゲーム以外のことが考えられなくなり,生活のリズムが乱
れ,睡眠時間の減少や体調不良に陥る,過度なゲーム依存症であり,海外では若い人が,ゲームをやり続け死亡
する事例も発生し,社会問題となっています。
また,ネットゲームで使うアイテムを入手するために,無断でクレジットカードを使用したり,お金を持ち出
し,コンビニでアイテムを購入したりするという事例もあり,深刻な問題になっています。
多くの家庭では,コンピュータを居間に置き,ゲームを楽しむことにしていると思います。この場合,目が行
き届きやすく,長時間ゲームをしないように注意することができますし,利用時間や利用出来るソフトウェアを
制限することもできます。
ところが,このような場合でも,高速なインターネットや無線 LAN を利用する家庭が増えてきたため,無線
LAN を利用する携帯型ゲーム機や携帯電話などの利用を認めている場合,親の目の届かない場所でネットワー
ク型のゲームができるので,注意が必要です。自分の部屋で一生懸命勉強していると思っていたら,ゲーム中毒
になっていたということもあるようです。
また,思春期の子供は,体や心が不安定になり,家族との会話が少なくなるなど,様々な変化があるため,ゲ
ーム中毒に陥っていることに気がつくのが遅れることがあります。体調や言動の変化,学習状態の変化,生活リ
ズムの乱れなどに気づいたら,要注意です。
対応策は?
・できるだけ,居間や親の部屋などにコンピュータやゲーム機を置き,保護者や家族の目が届くところで利用
させること。携帯型ゲーム機を利用する場合も同様に利用するルールを決めること。
・無意識のうちに,現実生活からの逃避のために,ゲームやインターネットなどの中毒になってしまうことも
あります。そのような場合には,あたたかな家庭の雰囲気を作り,お子様とのコミュニケーションを大切に
することが効果的です。まず,生活環境の見直しを行い,あたたかなコミュニケションをとるようにしてく
ださい。
・急に,一方的にゲームを行うことを制限しても,暴力的な行動をとったり,自分の心の中に閉じこもったり
してしまうこともあります。徐々に,自ら利用を制限するような約束をし,それを応援していけるように
してください。また困ったときは,家族だけで悩まず,学校や相談機関などに相談することも必要です。
子供を「信じている」とゲーム利用について約束をするだけで,利用の制限をしないという考え方もあります。
しかし,好んで中毒状態に陥る子どもはいません。保護者が責任を持って,子供を守る必要があります。
(東京書籍「情報モラルとコンピュータ」保護者向け資料を参考にしました)
PTA 会長コラム
私が子どもの頃は,年末年始の過ごし方の一つに,家族でゲームをするという選択肢がありまし
た。その頃のゲームといえば,人生ゲームやオセロのようなボードゲームが主流でした。しかし,
現在ゲームといえば DS や PSP のような携帯ゲーム機,PS3 や Wii のように居間でテレビに接続
し楽しむタイプが主流です。携帯電話もゲーム機として十分な機能を持っていますね。私自身も出
張時の電車の中や待ち時間に簡単なゲームをすることがあります。ゲーム機の進歩はコンピュータ
技術の進歩でもあるのですが,最近のゲーム機の進歩には驚かされるものがあります。Wii のよう
に従来のゲーム pad を持たずに,体重移動やコントローラの動きを検知して遊べるものがその一
つです。また,Xbox はコントローラも持たずに,人の動きに連動したり,声や顔を認識しログイ
ンするなどの機能も発表されています。エンターテイメント系だけではなく学習系のソフトが充実
してきていることも面白い動きです。DS などはその筆頭ですね。介護施設のリハビリで利用する
という話もあります。脳トレ系のゲームなどは年齢に関係なく楽しむことができます。
ゲーム機も通信機能が当たり前になり,ゲーム機からホームページを閲覧したり,インターネッ
トを利用して対戦ゲームが家でできるのもそのおかげといえます。最近では,携帯ゲーム機の電源
を入れたまま外出し,同様の状態の人とすれ違うだけで,訪問者が増えたり,アイテムを交換した
りできる機能も開発されています。
「すれちがい通信」といわれるものです。現実世界では人との
交流が苦手な世代も,ゲームの世界ではなんの抵抗もなく受け入れることができるということで
す。全く逆の二つの空間,鏡のような世界観がそこにあるのかもしれません。その世界を理解する
のに,どちらが実像でどちらが虚像なのかということではなく,たぶんどちらも実像であると私は
感じています。外から見える姿と心の中ということに近いのではないかと。
年末年始には,インターネット上でウィルスなどの脅威が増える時期でもあります。一般的に市
販されているパソコンのほとんどは,ウィルス対策ソフトがインストールされています。ウィルス
バスターやノートンアンチウィルス,インターネットセキュリティなど製品は様々ですが,どの製
品にも共通して言えることは,ウィルスのパターンファイルを日々更新しなければ意味がないとい
うことです。パターンファイルとは,
「今認識されているウィルスの一覧」のようなものです。熱
があるので病院に行って,風邪だと診察され薬をもらったが一向に良くならない。実は新型インフ
ルエンザだった。これは,その先生が新型インフルエンザの存在を知らないから起きることです。
つまりウィルス対策ソフトも,いつも新しい流行?のリストを持っていないと誤った判断をする可
能性があります。もう一度マニュアルを見たり販売店に行って,パターンファイルの更新方法など
を確認してみるといいですね。自動で行うこともできますよ。
なぜ情報モラル教育なのか
これまで4回,情報モラル通信を発行してきました。ご家庭でインターネットや携帯電話を子供たちに使わせ
ていないのに,何で情報モラル教育?と疑問をお持ちの方もいるのではないかと思います。本校の場合,1,2
年生の携帯電話の所有率は 50%ほどで以前に比べると減少しトラブルも減っています。では,なぜ情報モラル
教育なのか?それは,1 年生が平岡タイムで行った情報モラルに関する知識テストでは,ある程度知識は身につ
いていますが,問題解決のために必要な判断力が不足していることがわかってきました。情報モラル教育の目標
は,正しい知識をしっかり身に付け,問題に遭遇したときに,正しい判断・行動ができ,危険やトラブルが起こ
ることを回避し身を守る力を育てることにあります。この力は,中学校時代に育てておきたい力なのです。だか
ら,本校では,計画的に情報モラル教育に取り組むことが大切だと考えています。さらに,ネット上のトラブル
は,その多くが家庭で起きており,ご家庭の協力が不可欠な状況です。そこで,PTA の役員の皆さんに協力い
ただき,家庭と連携した情報モラル教育に取り組んでいます。全ての子供たちがネットを上手に利用し,よりよ
くネット社会を生きる力が身につくことを願いこの学習を行っているのです。
ご意 見 , 取 り 上 げたい内 容 などありま し たら,(883-3761 担 当 尾 崎 ) まで 連 絡 く ださいますようお願 い します。