2-1章 原子 量子 結合 資料③

化学
第2章
資料2-1
4月24日
周期表(periodic table)は、物質を構成する基本単位である元素を、それぞれが持つ物
理的または化学的性質が似かよったもの同士が並ぶように決められた規則(周期律)に従
って配列した表である。これは原則的に、左上から原子番号の順に並ぶよう作成されてい
る。周期表上で元素はその原子の電子配置に従って並べられ、似た性質の元素が規則的に
出現する。同様の主旨を元に作成された先駆的な表も存在するが、一般に周期表は 1869 年
にロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフによって提案された、原子量順に並べた元素
がある周回で傾向が近似した性質を示す周期的な特徴を例証した表に始まると見なされて
いる。この表の形式は、新元素の発見や理論構築など元素に対する知見が積み重なるとと
もに改良され、現在では各元素のふるまいを説明する洗練された表となっている。
1
1
H
18
13
14
15
16
17
2
He
5
B
6
C
7
N
8
O
9
F
10
Ne
12
13
Al
14
Si
15
P
16
S
17
Cl
18
Ar
28 29 30
Ni Cu Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
37 38 39 40 41 42 43
Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc
44 45 46 47 48
Ru Rh Pd Ag Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
55 56
72
*1
Cs Ba
Hf
76
Os
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
2
3 4
Li Be
11 12
Na Mg 3
4
5
19 20 21 22
K Ca Sc Ti
23
V
73
Ta
6
7
8
24 25 26
Cr Mn Fe
74
W
75
Re
9
27
Co
77
Ir
10
11
78 79 80
Pt Au Hg
87 88
104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118
*2
Fr Ra
Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Uut Uuq Uup Uuh Uus Uuo
*1 ランタノ 57
イド: La
58
Ce
*2 アクチノ 89
イド: Ac
90 91
Th Pa
59 60 61 62 63 64 65 66
Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy
92 93 94 95 96 97
U Np Pu Am Cm Bk
98
Cf
67
Ho
68
Er
69
Tm
99
Es
100 101 102 103
Fm Md No Lr
1 常温で固体
金属元素
アルカリ金属
1 常温で液体
半金属元素
アルカリ土類金属
1 常温で気体
非金属元素
ハロゲン
人工元素
希ガス
70
Yb
遷移元素
意味のない暗記法:すいへいりーべぼくのふね、なまあるけいりんいえんある、かっかすかっちばくろーまん
1
71
Lu
錬金術師、化学者、物理学者、科学者、その他無数の人たちによる知の集大成である。元
素の性質を簡潔かつ完成度が高く示した周期表は「化学のバイブル」とも呼ばれる。現在、
周期表は化学のあらゆる分野にて、反応の分類や体系化および比較を行うための枠組みを
与えるものとして、汎用的に用いられている。そして、化学だけでなく物理学、生物学、
化学工学を中心に工学全体に、多くの法則を示す表として用いられる。2011 年現在の周期
表では、発見報告がなされている 118 番目までの元素を含むものが一般的であるが、未発
見元素を含めた 117 番目までの元素を含む周期表も発表されている。
元素の分類
典型元素:1 族、2 族、12 族-18 族の 47 元素。これら以外は遷移元素
遷移元素:3 族―11 族の 64 元素(原子番号 111 までに限り)d または f 軌道に電子が入る。
アルカリ金属元素:1 族中の 6 元素(Li, Na, K, Rb, Cs, Fr)
アルカリ土類元素:2 族中の 4 元素(Ca,Sr,Ba, Ra)
ハロゲン元素:17 族中の 5 元素(F, Cl, Br, I, At)
希ガス元素:18 族中の 6 元素(He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn)
周期表の配列は、原子の中心に位置する核が保持する陽子の個数に基づいて付けられる
原子番号順に並べられる。陽子が 1 個である水素から始まり、1 マス進むごとに陽子が 1 つ
多い原子記号を示しながら並べる。周期律に沿って改行され、2 段目、3 段目と順次追加さ
れてゆく。そのため、左から右へ、また上から下へ行くにつれて原子番号が大きな元素が
並ぶ。 しかし、周期表は四角(長方形)ではなく中央に谷間があるおおまかな凹型をして
いる。これは、周期表が示す元素の近似的性質が必ずしも同じ原子番号の整数倍で現れな
いという現象を反映しているためである。周期律において右端にある原子番号 2 のヘリウ
ムと近い性質を持つ元素の仲間(族という)では、次に現れるものは原子番号 10 のネオン
であり、その次はアルゴン(元素番号 18)となる。ここまでは原子番号数の差分はいずれ
も 8 だが、続く仲間はクリプトン(同 36)、キセノン(同 54)と、増分は 18 に増える。
上に示された一般的なレイアウトの周期表では、この 18 で一巡し希ガスで改行する法則を
採り、縦方向でまとまる元素の族を 1-18 族という名称で設定する。このため、ヘリウムや
ネオンがある行では途中に空白が生じ、結果として周期表は凹型となる。
(暫定名称:ウンウンオクチウム)。
正式名称が決定していない新元素
ところが、ネオンに始まる族(希ガス)においてキセノンの下に続く元素はラドン(同 86)
であり、差分は 32 に増える。これを 1 元素一マスを使い表示した拡張周期表という形式も
あるが、一般的なレイアウトでは原子番号 57 から 71 までをランタノイド、89 から 103 ま
2
でをアクチノイドとして纏めて切り離し、欄外に表示する。結果、この周期表は縦 18 並び、
横 7 段、欄外 2 行の枠組みで構成される。この形式はスイスのアルフレッド・ベルナーが
1905 年に提唱したもので、現在でも国際的な標準となっている。2010 年現在、周期表には
118 個の元素が表示されている。
このうち、正式な元素名がつけられたものは 112 個である。
この 112 番目の元素コペルニシウムは国際純正・応用化学連合 (International Union of
Pure and Applied Chemistry, IUPAC) が 2010 年 2 月に正式名称として認定したものであ
るが、元素の発見は 1996 年にドイツの研究グループが合成に成功したことに遡る。これよ
りも原子番号が大きな元素は、113 番目を日本の理化学研究所(2004 年)、114‐116 およ
び 118 番目をアメリカ合衆国とロシアの研究チーム(1998 年、2000 年、2003 年および 2003
年)がそれぞれ合成に成功したと報告しており、再現性の追試験などが待たれる状態にあ
る。なお、117 番目の元素は未だ合成したという報告が無い。元素の数がどこまで増えるか
ははっきりしないが、研究者の中には 173 番目まで存在しうるという説もある。メンデレ
ーフの化学における業績は絶大であるが、ノーベル賞を取る前に死亡した。メンデレーフ
の周期表中に未知元素の発見でノーベル賞を得た化学者は多いが、その本家本元の表はメ
ンデレーフの死当時(1907)、まだ未完成で、その重要性が認知されなかったためであろう。
マックス・カール・エルンスト・ルートヴィヒ・プランク(Max Karl
Ernst Ludwig Planck, 1858 年 4 月 23 日 - 1947 年 10 月 4 日)はド
イツの物理学者で量子論の創始者の一人である。「量子論の父」とも
呼ばれている。1918 年にノーベル物理学賞を受賞。第一次世界大戦
中の 1914 年 10 月、プランクは進化学者のエルンスト・ヘッケル、化
学者のフリッツ・ハーバー、ヴィルヘルム・レントゲン、数学者のフ
ェリックス・クラインらと共に、ドイツの戦争を支援する「世界文明
への宣言」に署名した。この宣言によって、ハーバーらによる毒ガス
開発といった、研究者による大量破壊兵器の開発や、戦後の 1918 年
から 1923 年まで続いた連合国側研究者による研究者コミュニティか
らのドイツ人排除といった、国家間の対立の構図が研究者社会にまで
及ぶことになった。第一次世界大戦では、長男を失っている。1930 年、カイザー・ヴィル
ヘルム研究所の所長に就任。アドルフ・ヒトラーが政権をとった 1933 年以降、ユダヤ人に
対する迫害が始まり、ハーバー、エルヴィン・シュレーディンガー、アインシュタインら
が迫害、追放の憂き目をみた。これに対し、プランクはヒトラーに直接抗議を行ったが、
事態を改善することは出来なかった。ナチス政権下に於いても亡命はせず、ヴェルナー・
ハイゼンベルクらと共にドイツに留まる道を選んだ。第二次世界大戦中のプランクは不遇
であった。1943 年にはベルリン空襲によって家を失い、妻と共にエルベ川畔のローゲッツ
に疎開した。また、1944 年のヒトラー暗殺計画に加担した次男のエルヴィンが翌年に処刑
され、自身も「国賊の父」とされた。第二次世界大戦後、彼を記念してカイザー・ヴィル
ヘルム研究所はマックス・プランク研究所と改名された。マックス・プランク研究所は 21
世紀に入っても物理学研究の一大中心地として、様々な画期的研究成果を挙げている。
2.3)
水素原子の電子軌道、発光スペクトルとボーア模型
放電管に封入された水素に電圧をかけ放電すると、2.5 式に従った多くの輝線
スペクトルが紫外~赤外領域に観測された(図 2.5)。これは、電圧により n2 番
目の電子軌道に励起された電子が n1 番目の電子軌道に落ち込むときの発光であ
3
る。
1

 R(
1
n1
2

1
n2
2
(
) n1,n2 は整数、n1  1, n2  n1+1, R はリュドベリ定数)
(2.5)
この現象は、ボーア(N.Bohr)により、次の仮定1,2を基にして解明された。
1)光の放出、吸収は、原子核(電荷+Ze)の周りを運動している電子(質量m)の
異なった二つの定常状態(エネルギーE1, E2)間の遷移に相当し、2.4 式が成立す
る。従って、各一つのスペクトル線の振動数は 2.6 式で表される。
hν=E1 E2
(2.6)
2) 電子が原子核を中心とした半径 r の軌道を速度 v で回転している状態(図
1-6)が定常状態であり、角運動量
量子化)。 L = nħ
L = mvr は 2.7 式で規定される(角運動量の
(ħ=h/2, デイラック(P.A.M.Dirac)のh、n:主量子数)
(2.7)
図 2.5 水素原子のスペクトル系列とエネル
ギー準位。n = ∞より上のエネルギー準位か
らの光の放出は連続スペクトルを与える。左
縦軸は n = 1 の準位からのエネルギー(V 単
位)、右縦軸は n = ∞の準位からのエネルギー
準位(cm1 単位)で、各系列の数字は波長であ
る(Å 単位)
。電磁波の図(下)は重要
cm
105
103
104
102
101
10-1
1
波長
m
10-3
10-2
10-4
マイ ク ロ波
電波
THz
GHz
振動数
Hz
103
10-4
104
10-5
105
μ m
10-6
106
10-7
107
10-8
108
nm
10-9
109
1010 1011
1012
1013
Å
10-10 10-11 10-12 10-13 10-14
波長
m
可視光線
近赤 外 線
赤外線
真空紫外 線
紫外 線
遠赤 外 線
振動数
Hz
1013
1014
1eV
赤
770
4
1015
1016
1017
X線
1018
1019
1keV
橙 黄 緑 青 紫
640 590 550 490 430 380 nm
γ 線
1020 1021
1MeV
1022
1023
1GeV