デザイ ン基礎Ⅱ 05 小空間の設計

05
デザイン基礎Ⅱ
2026
2001 会田達朗
伊藤孝興
1年後期・第4課題
小空間の設計
建築は「生活」とは切っても切れないものであるが、この課題では、
空間をデザインする楽しさを味わうことに重点をおいて空間をデザイ
ンする。但し、建築的空間は人があってこそ存在するものであること
を認識し、人体寸法や行為を意識しながらデザインを考えて欲しい。
・人間が入ることのできる空間を考える。
・光によって生まれる空間性を考える。
・行為と空間を関係付ける。
・ボリューム:4 m ×6 m ×9 m。
・それをどのように置くか、使うかは自由。
2040 梅林孝治
2067 小山政幸
2085
川端有里
2098
2212 林泰平
2220
藤原圭吾
小関恒司
2229
前田有一
2268
山部なつ紀
内田―ここら辺のレベルに行く人はそんなにいないと思いますけど。
線あると思うんですけどね。単純に癒されたいといって上の方にちょこっ
んだテーマはジェームズ・タレルだとかドナルド・ジャットとかみたいに
今村―だからこのレールだよ、こっちのレールじゃないよっていうとこ
と窓があるという作品とは違って…。難しいですね。
自分の中でそれが本当に表現出来ていればそれをヨシとする。ということ
ろの説得のしかたっていうか理解のさせかたっていうのが難しいところだよ
今村―その行為の言い方も難しい。この山部さんのと川端さんのじゃ
ですかね。昔僕ら6×6×6(m)っていうのをどこの大学でもやっていたと
ね。ちょっと高いレベルの話になると思うんだけど。まあいずれ本人達が気
あどう違うのか学生がどういうふうに解釈するかっていうことですけどね。
思うんですけど…。
付いてくれるだろうけど。じゃあ、照明の課題の後は4×6×9(m)プ
単なるパッと見た感じの模型からイメージするものと違って、川端さん自
安田―僕今、横国(横浜国立大学)でやっているんですが。3×3×
ロジェクトの話になるんですけど、これはもう押さえどころというのは
身の中では、人間の上下の動きだとかイメージする、そういうものが4×
3(m)のやつを。
4×6×9という枠から逸脱しないでそれと格闘するということですよね。
6×9の中でクモみたいに人がうごめいているわけでしょ?それを「見せ
今村―そうそうあれ昔からある定番なんだよね。横国でやってる3×
図と地の関係みたいなところで4×6×9の枠の概念をどこまでをヨシ
る」という話では山部さんのは、ただこっちから向こうに通り抜けて行く
3×3は?
としながら考えているかということかな。
という話だけなんで、それが悪いかっていったら、悪いっていう訳ではな
安田―四畳半くらいの大きさで自分の、私の空間を作りなさいってい
内田―あとこの課題、住宅を作るのではないけれども、一応行為を求め
いのだけれど、明らかにスタティックなものとアクティブなポテンシャル
う。
られているんですよね。何のためのスペースかっていうのを。いきなりこの
が違う。
今村―それは今年から?
段階で考えさせると意外と難しい。学生がまず「何をします」「何をする場
内田―この安田先生の班の川端さんですが、フレームとして単に4×
安田―もうずいぶん昔からやっています。
所にします」というふうに考えるトレーニングというのかな。初めてなん
6×9なだけなんです。だから課題の答えとしてはそんなにないんだけど、
今村―学生はどういうふうなことを考えるんですか?
で、戸惑う子も多いんですよ。
逆に人の行為を見せるっていう視点がそれが行為として影絵として
安田―うーんと、どういうのがでてくるかな?まあ横国で注意してい
今村―この課題難しいよね。行為っていう言葉自体が初めてかも
見える訳ですよね、外から。その前の年にも、女の子で都市空間の中で、要
るのは太陽は東からのぼって西に沈む。太陽の動きとかを考えて 24H 滞在
しれないよね。その次に行為っていったとき、お風呂に入るとか、ルームタ
は純粋に門構えの4×6×9の大きさがあってそこにスクリーンがあって
する空間。なんかそういうコンテクスト、周囲の状況をふまえてつくりな
イプをイメージしちゃうでしょ?「トイレが…」とか、「リビングが…」と
中に人がいると影絵みたいに、ライトがついていて外にいろいろ動きが見
さいって、そして場所は大学の裏を与えられているんですよ。だからみん
かそういう言葉にまず置き換えるよね。今までの生活の中から。でもそうじ
えるっていうのがあった。やってることは単純極まりなくて、大きさなん
な見に行ってこっちにこういう木が生えているっていう環境を解釈してか
ゃないよという話を1年生に教えること自体が難しいよね。
てそのまま与えられているようなものなんだけど逆にその「行為」って言
ら飛ぶんですよ。
内田―ただ、こうひたすら歩き回るスペースだったりね。やっぱり一番
えるかわからないんですけど、人の動きっていうものが外に見える事によ
今村―やっぱりこういうコンテクストっていうのは大事だね。これ
多いのは瞑想するスペースっていうのなんですよ。光がいっぱい入って、安
って逆に寂しかったり雑踏の中に1人でいるようなこう妙な落ち着きみた
も1年生には初めて出てくる言葉かもしれないけど、さっきの川端さんの
らぎたいとか癒されたいとか。それが1/3ぐらい。
いなものを表現しているんですけど…。
にしてもやっぱり砂漠の中にあっても意味がないと思うし、都市の中にあ
今村―そんなときはどのように答えているのですか?
今村―かなりその子はアーティスティックですね。シーンをイ
るというシチュエーションが重要。こういうのは簡単に切り取られた中に
内田―逆にいえば、藤原君の作品もどちらかというとメディテーション
メージしているかな。
まぁ第3課題の住吉の長屋の影響があるのかもしれないけど。そうすると
なんですよね。でも割と論理的に考えていて、ある一番明るい場所に行くの
内田―でもそれは行為ということにある意味すごく結びついた案です
やっぱりこの小空間の設計ってコンテクストがキーワードなんでしょうね。
に、一回地下に潜って細い所を抜けて行くことによってだんだん広がってい
よね。
くようなストーリーが彼の中にはあって…。ストーリーが組み立てられてい
今村―まあそういうアーティスティックなところもあるし建築化して
ると、安易にこう色を塗ってみてそれが落ち着くというふうにしたものと一
いる人もいるし。それから先程のメディテーションスペースとかを持ち込