飼料用とうもろこし 月 旬 4 中 上 下 5 中 上 下 生育期節 上 出芽期 6 中 下 上 7 中 上 下 上 雄穂 抽出期 幼穂形成期 (6~8葉期) 3~5葉期 下 8 中 乳熟期 9 中 下 10 中 上 糊熟期 ■ その他 下 ○幼穂形成期頃の低温 幼穂形成期頃の低温 (10℃以下が数日 間)は花粉不足によ る不稔を発生させる。 ○細胞分化の異常 細胞分化の異常は 細胞分化の異常 (写 真1) 、品種の差では なく極端な気象条件 や劣悪な圃場条件に よって誘発される。 黄熟期 絹糸 抽出期 当地域の 農作物生育 データ 105~ 110日クラス (堆肥散布)・(石灰施用)・耕起・整地 作 業 前年秋に、堆肥散 布・石灰施用を済 ませるケースあり (5月上~中旬) 雑草 対策 土壌処理 生育処理 0.67 労働時間 堆肥・石灰・耕起・整地 (時/10a) 除草剤散布 施肥・播種・鎮圧・(除草剤散布) 施肥・播種・鎮圧・除草剤散布 除草剤 散布 0.48 85日 クラス 関 わ 品 ら 種 ず に 共 通 105~ 110日 収穫・サイレージ調製 90日 クラス 100日 クラス 牽引式/2条刈り・塔型サイロ 管内・露地一般栽培 作業人員1名当たり 0.06 95日 クラス 牽引式/2条刈り・水平サイロ 写真1 異常分化した雌穂状器官 1.04 0.66 計 計 ○通常の肥培管理下で は、収穫時の硝酸態 硝酸態 窒素濃度は心配ない。 窒素濃度 2.25 1.87 1 地域の気象条件と品種特性 3 播種作業とその精度 ○当地域の積算気温を参照する(表1) 。 ○各販売メーカー種子パンフレット等により品種特性を十 分確認し、確実に黄熟期に達する品種を選ぶ(表2) 。 ○表5の適正栽植密度を参照し、単位面積当たりの生産量を向上させる。 (1)除草剤処理 ○種子サイズに合った播種板を用い、時速4km程度でゆっくり走行する(田端式の場合) 。 ○生育初期の競合を避ける(日照・養分・水分)ため除草剤を散布。 表5 うね間・株間と栽植密度の目安(本/10a) ・播種後~出芽前、雑草発生前の「土壌処理」を基本とし、その 表7 栽植密度と種子サイズ別播種量 後の雑草発生量と種類を観察し、 「生育処理」を検討する。 株間 16cm 18cm 20cm 22cm 24cm うね幅 播種量(kg/10a) ・水分競合の影響は、干ばつ年ほど顕著に現れ収量を低下させる。 9,500 8,400 7,600 6,900 6,300 栽植密度 66cm ・雑草がサイレージ原料に混入すると、発酵品質が低下(写真2) 。 69cm 9,100 8,100 7,200 6,600 6,000 L M S (本/10a) ○「生育処理」時期が遅れると、薬害を招くので3~5葉期に散布。 72cm 8,700 7,700 6,900 - - 1kg粒数の例 ○イチビ(写真3)は、登録薬剤により拡散防止(H20年両町で発見) 。 2,750粒 3,500粒 4,200粒 75cm 8,300 7,400 6,700 - - ・繁殖力が強く、サイレージの嗜好性も低下させるので要注意。 ) ÷ うね幅(cm) ÷ 株間(cm) 3.3 2.6 2.1 9,000 【算出式】 ①目標栽植密度(本)=10,000,000(cm ②株間(cm)=10,000,000(cm ) ÷ 目標栽植密度(本) ÷ うね幅(cm) 3.1 2.4 2.0 8,500 表6 種子サイズと播種板の選択 2.9 2.3 1.9 8,000 種子サイズ M S L 2.7 2.1 1.8 7,500 (1kg当たり粒数) (2,500-3,000) (3,500前後) (4,200前後) 2.5 2.0 1.7 7,000 14mm 13mm 12mm 播種板 2.4 1.9 1.5 6,500 表1 檜山北部地域の積算気温(過去5年間) 平均気温の アメダス 積算期間 地点 H16 H17 H18 H19 H20 5ヵ年 平均 備考 (作付け圃場の目安) 5/16 せたな 2,497 2,469 2,421 2,501 2,375 2,453 山間部の圃場, 条件の悪い圃場 ~9/30 今金 2,466 2,441 2,393 2,505 2,339 2,429 5/16 せたな 2,641 2,615 2,575 2,645 2,512 2,598 平地部の圃場, ② ~10/10 今金 2,595 2,568 2,525 2,622 2,460 2,554 条件の良い圃場 【アメダス地点】 せたなアメダス:瀬棚区消防署付近,今金アメダス:今金町役場付近 ① 表2 北海道優良品種(各販売メーカーの2009年種子パンフレットより抜粋) クラス 85 90 95 100 105 110 品種名 39H32 ※1 チベリウス リッチモンド ブリザック KD417 ※2 シンシア90 ※2 アシル90 おおぞら DKC34-20 36B08 KD500 34N84 34N84 LG3520 適正栽植密度 耐倒 すす 適応単純積算 (本/10a) 気温(℃) 伏性 紋病 8,000~9,000 7 7 8,000~9,000 6 5 8,000 9 8 8,000~9,000 7 8 8,000~9,000 - 9 8,000~9,000 9 8 7,000~8,000 8 9 6,800~8,000 極強 普通 8,000 8 8 7,000~8,000 7 8 8,000~9,000 - 9 7,000~8,000 7 7 7,000~8,000 7 7 7,000 7 8 2,340 2,340 2,200-2,300 2,360 2,300-2,400 2,300-2,400 2,300-2,400 2,380 2,300-2,400 2,430 2,400-2,500 2,490 2,490 2,490 販売 メーカー ホクレン ホクレン 雪印種苗 ホクレン カネコ種苗 雪印種苗 雪印種苗 ホクレン 雪印種苗 ホクレン カネコ種苗 ホクレン ホクレン 雪印種苗 耐倒伏性・すす紋病のスコア表記は、1劣る←3やや劣る←5普通→7やや優れる→9優れる ※1:極多収であるが、倒伏・すす紋病の発生の恐れが少ない圃場に作付けする ※2:除草剤「ワンホープ乳剤」の使用は注意(生育抑制の恐れがあるのでメーカーに確認) 2 2 ○播種位置が適切であれば(図4) 、遅霜が当たって地上部が枯死しても回復する。 覆土が3cmあれば生長点は守られ、新しい葉が再生してくる(後述にも関連記載) 。 ○スキップは播種機の精度と種子の発芽、ダブルは播種機に限られた問題(図5) 。 写真2 除草剤処理の成功例(左)と失敗例(右) 写真3 イチビの幼植物と種子 (2)病害対策(耕種的) スキップ (欠株) 図4 望ましい播種・施肥位置 2 石灰質資材の施用と施肥例 ○化学肥料の連用で土壌は酸性化し、特にリン酸を吸収しづらくなるので、石灰を毎年施用する。 表4 堆きゅう肥施用時の施肥例(カリ減肥タイプBB肥料) ○土壌診断を実施し、矯正目標は土壌pH6.0とする(表3) 。 窒素 りん酸 カリ ○堆きゅう肥と「S380」の連用では、カリ過剰を助長するので、 施肥標準量 13 18 10 表3 土壌pH6.0矯正に必要な炭カル施用量(kg/10a) 必ずカリ減肥銘柄を 施用量 施用養分量 銘柄 pH値 土壌診断 選択する(表4) 。 5.0 (トン/10a) 5.0 5.0 25.0 堆きゅう肥 土性 5.2 5.4 5.6 5.8 60.0 (kg/10a) 7.8 12.0 3.0 BB.S305 ○定期的な土壌診断で、 砂壌土(やや砂質) 202 150 101 48 (kg/10a) 施用養分量の合計 12.8 17.0 28.0 壌 土 270 202 135 67 養分バランスを確認 埴壌土(やや粘土質) (%) 338 255 169 86 養分充足率 98 94 280 しておく。 ※仮比重1.0、腐植含量(富む)、改良深さ10cmの場合 ※有機物の利用と単収向上のため、堆肥を施用する(最低5ン/10a程度) ※消石灰0.75倍量、ホクトウ・ライムエース1.3倍量とする 4 除草作業の留意点と病害対策 ※この例でもカリ過剰は避けられないので、土壌診断によりバランス確認 ダブル (2粒落ち) 図5 播種精度のイメージ図 ○すす紋病などが発生した圃場では、必ず抵抗性品種を作付けする。 ・罹病原料のサイレージは、発酵品質・栄養価・採食量が低下。 ○連作によって発病が助長されるため、連作は3~4年を目安。 ○透排水性などの土壌物理性を改善する。 ・冷害が原因ではないのに「先端不稔」が目立つ圃場は要改善。 5 収穫タイミング(黄熟期)と細切時の留意点 ○ミルクラインで判断する際は、1/2~1/3降下時が収穫適期となる(表8・写真4)。 ○理想的な原料水分は65~70%で、設定切断長を9~11ミリとする(破砕処理時14~19ミリ) 。 ○切断状態は発酵品質と採食量に影響するので、最後まで刃の切れ味を維持する(写真5)。 子実の外側半分が 黄色くなった時が1/2 (ハーフ:点線のライン) 表8 熟期ステージと子実の性状 写真5 均一で理想的な切 乳熟期 水熟期から10日後 ミルク状 れ方(左 )とア ンモニ 糊熟期 乳熟期から約10~14日後 チーズ状・でんぷん質に変化 黄熟期 糊熟期から約3週間後 内部は爪で割れるほど硬化 1/3 ア臭がひどい劣悪な 完全 コーンサイレージ(右) 完熟期 黄熟期から約10~14日後 水分含量35% 熟期ステージ(105~110日クラス) 子実の性状 ミルク ライン 降下 写真4 ハーフミルクライン
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