プレス発表文 - ミクロスソフトウエア

形式的仕様記述を用いた
高信頼ソフトウェア開発プロセスの研究とツール開発
~北海道を形式手法に基づくソフトウェア開発の先進地域に~
(地独)北海道立総合研究機構 産業技術研究本部
北海道電子機器株式会社
株式会社ミクロスソフトウエア
株式会社リック
株式会社ヴィッツ
形式的仕様記述を用いた高信頼ソフトウェア開発の研究
(地独) 北海道立総合研究機構 産業技術研究本部、北海道および
中部地区に拠点を持つ中小ソフトウェア企業である北海道電子機
器(株)、(株)ミクロスソフトウェア、(株)リック、(株)ヴィッツが中心とな
り、北海道大学大学院情報科学研究科、(独)産業技術総合研究所
の協力を得てコンソーシアムを形成し、形式的仕様記述を用いた高
信頼ソフトウエア開発プロセスの研究とツール開発を開始します。
このプロジェクトは、経済産業省北海道経済産業局 平成22年度
戦略的基盤技術高度化支援事業に採択されており、総括研究代表
者を北海道電子機器(株)が、副総括研究代表者および事業管理者
を(地独)北海道立総合研究機構が務めます。
平成22年度 戦略的基盤技術高度化支援事業
経済産業省の支援事業
川上企業と川下企業が連携して、中小企業のものづくり基盤技術を
高度化し製造業の国際競争力の強化と新たな事業の創出を促進す
ることを目的としています。
川上企業:ものづくり技術を持つ中小企業者
川下企業:川上企業の要素を利用し製品の製造を行うメーカー
重要産業(20分野)
「組込みソフトウエア」
タイトル
「 形式的仕様記述を用いた
高信頼ソフトウェア開発プロセスの研究とツール開発 」
組込みソフトの課題:ソフト爆発と不具合比率
我が国が得意とする組込み機器
開発において、電子装置開発、
特に組込みソフトウェア開発規模
は爆発的に増大し(8年で19倍)、
そのため、ソフトウェアの品質維持
が困難となりつつある。
組込み製品の不具合比率では、
ソフトウエアの不具合が53%を占
める。
組込みソフトウェア
に起因する重大故障が大きな社
会問題となりつつある。
8年で19倍!
トヨタ自動車 エンジン制御分野でのソフト開発量の推移
53%!
ソフトウエア不具合の1番の原因
● 信頼性が低下する原因
要求仕様の問題
要求仕様の不具合原因は?
42%
あいまい性、矛盾を含んでいる
不具合の42%を占める!
この対策を行うことが1番効果的
● なぜ、あいまいになるのか?
自然言語の使用に起因する。
例) Aが終了するまで、Bを処理する。
Aが終了するまでに、Bを処理する。
Aが終了するまでには、Bを処理する。
解決法として、形式的仕様記述が
注目されている。
「2009年度組込みソフトウェア産業実態調査」
(IPA/経済産業省、調査対象:国内188事業所)に
基づく効果試算
● 品質問題が生じた事による対策費を除く損失
188事業所の損失合計
112億円以上
● 品質問題の再発防止対策から不具合原因の
割合を推定
・要求仕様に起因する不具合 全体の42%
112億円 × 42% =47億円の損失!
形式手法とは
ソフトウェアの仕様や設計を、数学、論理学に基づく形式的な
表現を用いて表現すること
仕様や設計での記述の曖昧さを排除したり(形式的仕様記述)、
その記述内容の正しさを数学的理論に基づいて検証したり(形
式検証)することによって、より高い品質のソフトウェア開発を
実現する手法です。
1970年代から大学レベルでは様々な手法が研究されてきまし
たが、数学理論などの専門知識が必要であり、企業のソフトウ
ェア開発現場への技術普及は進んでいませんでした。
欧州では高い水準の安全性が必要な製品での形式手法の適
用が義務づけられるといった動きもあり、我が国の産業界とし
ても技術対応が求められる状況となっています。
形式的仕様記述による不具合を0にする取り組み
● サンプルプロジェクトによる実践
・自動車部品用組込みソフト
(自動車部品メーカーから提供)
・通信プロトコル
(TCP/IPプロトコルスタック)
アイシン精機提供:
RFC791
ボディ系ECUソフト要求仕様
TCP/IP API仕様
形式記述導入
従来開発手法
要求仕様
要求仕様
アーキテクチャ仕様
モジュール仕様
V.S
アーキテクチャ仕様
ソースコード
広い分野での適用を考慮
モジュール仕様
検証
ソースコード
検証
ソースコードを除くと全て
が自然言語で多くの曖昧
性を含む
自然言語の要求仕様を論
理的・数理的な形式記述
とすることで、それ以降の
曖昧性を排除する
● どの様に?
要求仕様
形式的仕様記述による再開発
ソフトウェア要求定義
形式的仕様記述の
開発プロセスを確立
ソフトウェア総合検証
ソフトウェア結合検証
ソフトウェア設計
ソフトウェア単体検証
ソフトウェア実装
形式的仕様記述による再開発
従来手法との比較・分析
有効性の検証
システム総合検証
ソフトウェア
開発プロセ
スの対極で
品質、安全
性の検証
アーキテキチャ仕様
ツール・教材の開発
形式的仕様記述を
広く普及させるために
形式手法実践の先進地域を目指す
委託
北海道大学
北海道立総合研究機構
形式的仕様記述を用いた高信頼ソフト
経済産業省
ウェア開発プロセスの研究とツール開発
川下、川上の連携によるコンソーシアム
北海道電子機器㈱
㈱ ミクロスソフトウェア
㈱ ヴィッツ
㈱ リック
㈱ 日本除雪機製作所
ルネサス
エレクトロニクス㈱
アイシン精機㈱
北海道日本電気
トヨタ自動車㈱
ソフトウェア㈱
苫小牧高専
産業総合研究所
名古屋大学
組込みソフトウェア全分野への横断的な技術展開を実現
事業化体制
支援機関
経済損失
47億円
北海道大学 / 名古屋大学
/苫小牧高専
北海道立工業試験場
セミナ・コンサル事業
グループ
機能安全
対応分野
技術相談
技術指導
セミナ教材販売・セミナ実
施・コンサルタント実施
発注
受託開発
事業推進機関
㈱ ヴィッツ
コンサルティング&セミナ
ツール販売
富士通ラーニングメディア
CQ 出版
日本テクノセンター
0へ
発注
北海道電子機器㈱
技術提供
㈱ミクロスソフトウェア
㈱ ヴィッツ
㈱リック
技術提供
発注
技術提供
デジタル家電・
IT分野普及グループ
発注
次世代ロボット
航空宇宙普及グ
ループ
北海道日本電気
ソフトウェア㈱
アイシン精機㈱
トヨタ自動車㈱
㈱日本除雪機製作所
普及・促進
受託開発
トヨタ自動車㈱
発注
産業総合研究所
受託開発
運輸機器等普及
グループ
普及・促進
受託開発
・先進的な
研究
・地域活性化
など
普及・促進
経済効果
プラスへ!
デジタル家電・
IT分野
運輸機器分野
次世代ロボット
航空宇宙分野
形式的仕様記述を国内へ普及
北海道のブランド化
経済産業省北海道経済産業局
「平成22年度 情報政策の重点取り組みについて」より
北海道で、先進的開発を!
「形式手法は北海道」
北海道のブランド化を!
本発表への問合せ
総合問合せ先
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
産業技術研究本部 工業試験場
情報システム部:吉川 毅 TEL 011-747-2955
技術的問合せ先
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
産業技術研究本部 工業試験場
情報システム部:堀 武司 TEL 011-747-2942