蛍光 X 線分析 - SLiT-J

蛍光 X 線分析
X-ray Fluorescence Spectroscopy (XRF)
●⾼い精度で試料に含まれる元素の定性・定量分析が可能
●簡便な測定⼿法であり、蛍光 X 線スペクトルの解釈は⽐較的容易
●マイクロビームを⽤いた⾼分解能マッピングによる元素分布のイメージング
測定原理 X 線を試料に照射すると、試料に含
まれる元素の、電⼦のエネルギー準位差に対応
した蛍光 X 線が放出される。蛍光 X 線のエネ
ルギーは元素に固有であるため、得られた蛍光
X 線スペクトルより、試料を構成する元素に関
する情報を得ることが出来る。
得られる情報 蛍光 X 線のエネルギーから、
試料を構成する元素の同定が可能となる。また
蛍光X線強度は試料中の元素濃度に⽐例するの
で、その強度から元素濃度を求めることができ
る。蛍光 X 線スペクトルのピークシフト・⾮対
図 1. ⽣体試料の XRF 測定 (KEK, BL12C)*1
称性や半値幅の違いからは、化学結合状態に関
する情報が得られる。
特徴 固体・液体試料の測定が可能である。測定のダイナミックレンジが広く、主成分から微
量元素(ppm)までの分析が可能であり、定量精度が⾼い(0.1%程度)。得られる蛍光X線スペク
トルは⽐較的単純であり、解釈が容易である。
応⽤例 茶葉中の⾦属元素の蛍光 X 線分析 (SPring-8) :味覚および栄養価の観点から、重要な
要素である Fe, Mn, Zn 等の元素含有量を XRF により分析し、茶葉の品質評価に応⽤
http://www.spring8.or.jp/ext/ja/iuss/htm/text/06file/safety_security_anal_eval-1/ito_kyoto.pdf
図 2.蛍光 X 線スペクトルの例*2
図 3. モエジマシダ切⽚中の元素マッピング*3
東北放射光施設における展開 波⻑が選択可能な⾼輝度放射光を⽤いることにより、分析感
度のオーダーは ppb レベルまで上昇する。集光系を利⽤したマイクロビームにより、⾼感度の
微⼩部分析を容易に⾏なうことが出来る
既存ビームラインとの基本スペック⽐較
S LiT -J
XRF
B L-0 2
B L-0 3
B L-0 4
光源
アンジュレータ
アンジュレータ
アンジュレータ
エネルギー範囲[keV ]
0 .1 ~3
3 ~3 0
0 .1 ~3
エネルギー分解能 ΔE/E
~1 0 -4
~1 0 -4
~1 0 -4
ビームサイズ [μm ]
~1
< 0 .1
< 0 .1
光子数(集光位置) [photons/sec]
~1 0 1 3
~1 0 1 0
~1 0 1 0
S Pring-8
XRF
K EK (PF ring)
B L27S U -B /C
B L16X U
B L-4A
光源
アンジュレータ
アンジュレータ
偏向電磁石
エネルギー範囲[keV ]
2.1~3.3/0.17~2.2
4.5~40
6~20
エネルギー分解能 ΔE/E
~10 -4
~10 -4
~10 -4
ビームサイズ [μm ]
15×15/10×200
1000×1000(非集光時)/1×1(集光時)
5×5
光子数(集光位置) [photons/sec]
~10 11
~10 12 (非集光時)/~10 10 (集光時)
~10 10
*1 : https://www.kek.jp/ja/Facility/IMSS/PF/PFRing/XAFS/
*2 : http://www.nanoscience.co.jp/application_notes/surface_analysis04_next.html
*3 : http://www.rada.or.jp/database/home4/normal/ht-docs/member/synopsis/020265.html