オヤジライダーが行く

2015年
9月発行
第214号(通巻214号)
グッド・ウッドニュース
オヤジライダーが行く
暑
かった夏も過ぎ、季節は少しずつ秋に向かっている今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。最近は夜には鈴虫も鳴くよ
うになり、稲穂も頭を垂れ始めています。また少しずつ日も短くなってきましたし、夜は窓を開けていると肌寒く感じたりもします。
とはいってもまだ9月、残暑もまだ厳しく、日中はまだまだ熱中症に注意をしなければなりません。また台風にも注意が必要です。し
かしこれからはどんどん陽気もよくなり行楽の季節へとなってきますので、皆さん元気にお出かけしましょう。
さて、お出かけと言えばオヤジライダー、先月のお盆休みに恒例のツーリングに行って参りました。今回の行き先は、東北の宮城県で
す。山形県と宮城県の県境あたりの山間を2泊3日でしたが、林道走行を楽しんできました。
出発の朝は4時に起床、前日に荷物はバイクに積んでおき、膝パット・ブーツ・ヘルメットと走行のための身支度をし、近所を気にしなが
らエンジンをスタートさせ5時に出発です。天気は曇りでしたが、雨も無く良好です。今回は宮城県ということもあり東北自動車道で行こう
かと思ったのですが、何せお盆の初日、渋滞の事を考え急遽日本海側廻りへとルートを変更しました。佐久インターより長野自動車道にて上
越を目指します。オヤジライダーのバイクはオフロードバイクのため、タイヤはゴツゴツ、振動も多いので高速は苦手なのですが、距離を稼
ぐため頑張って走って行きます。途中路面が濡れている所もあったのですが、幸いにも直接雨には遭わず新潟県に入ります。そして上越市の
新井 PA にて休憩、隣のライダーと話をします。あらオヤジ、いや同年代です。これからフェリーに乗って佐渡へ帰省との事。お互い気をつ
けての合言葉にて出発です。まもなく上越 JCT へ、そして北陸自動車道に入り新潟市を目指します。米どころ新潟を思わせる広い田園の中の
高速を走り、もうそろそろ海が見えるかなという所で PA に寄り燃料補給です。実は満タンで 200km 程しか走れないので、いつも走行距離
を気にしながら早めに給油をしています。そしてまた出発です。道はさほど混んではおらず、ルート変更して正解だったかな!などと思いな
がら進むと日本海が見えて来ました。オヤジ、子供の頃から海といえば日本海だったので少々感動?しながらそれでも先を急ぎます。新潟市
まではまだまだありますから。途中関越道と合流の長岡 JCT を過ぎ、そしていよいよ新潟市に入り磐越自動車道との JCT も越え、この先は
日本海東北自動車道となりさらに北上、途中より無料区間となって国道7号線に合流します。実はオヤジ、日本海東北自動車道を
知らなかったので、これまた少々感激してしまいました。国道7号線に出てすぐのところの道の駅にて休憩。だいぶ道も濡れていて先程まで
雨が降っていたのが一目瞭然です。いよいよ雨具の出番か~と思いながらも先に進み、そしてすぐに今日2回目の給油です。国道7号線は山
間から海沿いに出ます。ここは「日本海に落ちる夕日を見ながら走る」道との事で、きれいなのですが、オヤジにはそんな時間も余裕
も無いので先を急ぎます。その後まもなく山形県鶴岡市に入りました。するとまた日本海東北自動車道があり、そこを走って進みます。ここ
は長いトンネルが幾つか連なっていましたが、無料区間でした。そのまま行くと山形自動車道に合流し、有料となるので、オヤジは都合に
よりその手前で一般道に降り、鶴岡市街地を抜けて国道 345 号を進みました。このあたりでお昼になったのでコンビニに寄り、おにぎり一
個とジュースを食べながら、進行方向の山を見ると、もう真っ黒!ここ数年雨具は着た事が無いので雨が降りませんようにと願いながら再出
発です。しかし、オヤジの清らかな願いは天には届かず、国道47号線で最上川にさしかかった辺りで急に風が吹き始めたため、あわてて
雨具を着用、すぐに降雨。これより雨の中を走ることとなりました、残念。濡れながら国道をしばらく進むと、いよいよ宮城県に入りました。
この頃には雨も強くなり、メガネやゴーグルは曇り、グローブもびしょ濡れです。そしてやっと目的の鳴子温泉に到着です。とりあえずは
鳴子温泉駅に行きました。ここでしばし休憩です。鳴子温泉といえばこけしが有名です。近くにはこけし館や資料館がありますし、また
駅内にも飾ってありました。オヤジも少々眺め、そして今後の予定を検討です。本来なら、今日この近くの林道を走る予定でしたが、雨なの
でキャンセル。体も濡れてしまったので、温泉に泊ろう!と思ったのですが、いやいやオヤジライダー、そんな根性の無い事ではいかん!
と自分に言い聞かせ、ライダーの鉄則、キャンプをすることにしました。今日 3 度目の給油をした後、この先の山中にある鬼首温泉の吹上高
原キャンプ場へと向かいました。雨は益々激しくなってきましたが、ここはとても広くてきれいなキャンプ場でした。受付し係の人に、「バ
イクで来ている人はいますか?」と尋ねたところ、「この雨ではねえ~、他にはいません」との事でした。「やっぱり温泉旅館に泊るべきだ
ったか」と思ってももう遅い、沢山の家族連れのなか、オヤジライダーは一人寂し
く小さなテントを設営するのでした。ただここには温泉もあり、地ビールも、少し
の食料品もあったので、さっそく着替えて入浴してきました。生き返った心地です。
そして地ビールを頂き、今晩の夕食のカップ麺を買ってテントに戻りました。疲れ
て少し寝て起きると周りでは豪華な夕食が始まっていました。オヤジはその漂って
くるバーベキューの匂いをおかずに、カップ麺をすするのでありました。そして明
日は天気でありますようにと願いながらオヤジライダーは寝袋に潜り込むのでし
た。(本日の走行距離
522km)
朝はテントに叩きつける雨の音で目を覚ましました。「今日も雨か」と思いなが
らも出発の準備をはじめ、びしょ濡れの雨具を着て AM6 時には出発します。初め
から濡れていますのでもう怖いものなしです。鳴子まで降り、コンビニに寄って朝
食です。バイクも何台か来ましたが、山へ行くバイクはオヤジだけ。ホットコーヒ
ーを飲み、ついでに栄養ドリンクも飲んで、いよいよ林道に突入です。鳴子温泉街
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を進み、駅も通り過ぎた所から山へ入っていきます。始めに行くつもりの林道への道を間違えてしまい潟沼へ。ここは硫黄の臭いが立ち込
める緑色の湖沼でした。近くには湯気が上がっている所もあり、温泉が出ているようでした。ただ誰もおらず(朝も早いので)、貸しボート
もあったのですが、蔵王や白根山の湯釜のようで、オヤジはちょっとボートには乗れないなと、勝手に想像してしまいました。気を取り直し
再出発です。今度は間違えず鳴子ゴルフ場の中を通って行くと、それらしい林道がありました。沼井林道です。小川ぞいの道を進んで行きま
す。もちろん未舗装路です。道はあまり広くなく草木が道に覆いかぶさってきています。あまり車が通っていない証拠です。草がバ
イクや体にバンバン当たるのですが、幸い雨具を着ているので草だらけになっても平気です。林道途中で写真撮影です。この日のために買っ
てきた自撮り棒を使って撮ります。何しろ一人旅ですし、山の中は誰もいませんから。がなぜか上手くシャッターが切れたり、切れなかっ
たり。この後何枚か撮るのですが、ブレてしまっているのも多いです。またデジカメでも自撮りしました。ただ撮影のたびリュックから出す
のも大変でした。(写真はブログに載せますので、良かったら観て下さい。)
しばらく走ると他の林道にぶつかりました。今度は築沢林道です。道は走りやす
く整備されているようでした。そしてここより加美群加美町となりました。気
持ち良く走っていくと 4 差路の舗装路に出ました。さっそく地図で調べます。
県道 262 号のようです。現在地を確認し、17km のロングダート林道を目差し
ます。が、わからない、標識も無い。地図で観ると通り過ぎたよう。ただこの県
道も途中よりダートで山形県側もダートなので行ってみることに。はじめは車
も通れそうでよかったのですが、途中より生い茂った草が道を塞いでいて車は
軽トラでも困難な状態に。また片側は崖、これは通り抜けるのも難儀なので数キ
ロ入った所で引き返すことにしました。出発した所まで戻ると一台の乗用車が
進入してきました。が、すぐにバックして戻りました。オヤジは止まって車のもっとオヤジと話をします。「この先は通れないですよ」と教
えてやったつもりが、「おまえ何でこんな所を走っているんだ!」と怪しまれてしまいました。確かに誰もいない山の中を一人で走っている
のだから怪しいか。よくよく話を聞くと、原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場をこの場所に建設する計画が出ていて息子を連れて見
に来たのだという。そして「絶対反対だ!おまえも長野に帰ったら反対してくれ」と、念を押されました。先程の 4 差路まで戻り、次に桧沢
林道に入ります。下りの林道になります。ここも走りやすい道です。途中の稜線からの眺望良しと地図にあったのですが、雨で曇っているの
で眺望は全くダメでした。あきらめて先を急ぎます。今日中に予定した林道はすべて走りきるつもりでいます。約 10km で林道を抜け、次に
進みます。この辺り全般に言える事なのですが、林道標識があまり無いのです。ですから何度も道を間違えながら進みました。今度の林道は
宇土沼林道です。ここも約 10km の上りの林道です。でも全体的に東北の林道は道が良いですね!RV 車なら充分行けます。この道も「展望
ポイントが」とありましたが、勿論ダメなので今回は走りに徹してしまいます。そしてまた先程の 4 差路に出ます。ここを基点に上り下り走
りましたが、この辺りの林道はこれで終了し、今度はその南側地域の林道群へと向います。下りは県道 262 号線、ここもまた未舗装路でした。
今日一回目の給油をします。国道 347 号よりまた山へ入ります。今度は葡萄沢林道、何度か迷ってたどり着きました。ここは約 12km ありま
す。川沿いを走る道ですが、少々石が多いです。ただ林の中は薄暗くてちょっと怖い、雨のせいもあるかもしれませんが。ただここまで快調
に走ってきているので気分は爽快です。林道を抜けると三差路に。地図で方向を確認し、また林道へ突入です。それにしてもここまで誰
にも遭わない。ウサギとキジに遭っただけです。ほとんどオヤジ専用林道です。ついでに携帯も繫がりませんが。その先また 10km 程走ると
沼があり近くにキャンプ場がありました。こんな山の中にとちょっとビックリです。立派な屋根付炊事場もあり駐車場は舗装です。ここで休
憩です。時間は午後 1 時を過ぎました。しかし誰もいません、熊出没注意があるだけです。雨具を脱いで、携帯食を食べてリラックスです。
30 分程休んでまた濡れた雨具を着用です。途中から青野岳山林道に入ります。峠を越える数 km の林道を越え、分岐である岳山林道へ進みた
いのだが、分岐がわからない。これだと思い進入して行きましたが数 km 走って、どうも違うなと思い引返してきます。さて道が解らなくな
ってしまいました。オヤジ焦ってきます。その時に「遭難するのはこういう時なのだな」と思いました。気を取り直し何とか目
的の林道を見つけました。今度の林道は 20km を越えるロングダートです。先程迷って時間をロスしたし、また暗くなる前には林道を出たい
のでスピードをアップします。たださすがに長い、もう手足は痛くなってきています。そしてカーブに差しかかったところで正面にバイクが、
あわや正面衝突するところでしたが、何とか避けました。この林道ツーリングで初めて遭ったバイクでした。林道をやっと抜け地図を見て
いると、バイクのナンバープレートが落ちそうになっているではないか!ヤバシ。振動でネジが片方外れてしまった。紐を見つけて仮補修し
ておきました。が、まだ升沢林道、大平桑沼林道と繋いで 10km は走らなければならないのですが、ナンバープレートが落ちてしまわないか
心配でスピードが出せないでいました。が何とか走りきり林道走行は終了しました。ふー疲れた。そこからは一般道を走り、仙台市の秋保温
泉にある森林スポーツ公園へ行き、ここのキャンプ場で泊りました。もう夕方 5 時をまわっていました。すごく混んでいましたが、バイクは
やはりオヤジライダーだけ、いったい皆はどこに行ってしまったのか?ここにも温泉があったので入ってきました。
(本日の走行距離
210km)
朝方までの雨もあがり、今日は帰るだけです。7 時に出発し、東北自動車道の仙台南 IC より入りひたすら走ります。渋滞も無く快調に走っ
てきました。途中給油のために寄った SA では燃料を入れる車が列を作っていましたが、
バイクは先に給させてもらい助かりました。そして上信越道の下仁田 IC で高速を降り、無
事に帰宅しました。(本日の走行距離 402km
全走行距離 1134km)
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