今年の干支は戊子

新年の話題
え
と
つちのえ ね
今年の干支は戊子
干支は、中国で使われてきた順番を表わす符号ですが、漢字が意味を持つことから占いに
じっかん
使われるようになりました。
「干」は十干の干で木の幹、
「支」は十二支の支で木の枝と考え
られ、組み合わせて判断します。
今年の「干」の『戊(ぼ・つちのえ)』は、茂ると同じ意味で、木の葉が茂るように、現在の
情況がさらに進展していくことを意味しています。その結果として競争が激しくなり、日陰
になる部分も出てくることを表わしています。
一方、今年の「支」の『子(し・ね)』は、滋(ふえる・しげるの意)の意味を持っています。
ネズミが増えるように、数が増えていくことを意味しています。
「戊子」として組み合わせて今年を考えると、今年はあらゆるものが進展すると同時に種類
が増え、細分化していくと考えられます。結果として様々な面での競争が激しくなっていく
年となることを示しているようです。
え
と
干支の順序
今年
来年
甲
癸
乙
亥
壬
子
丑
戌
寅
丙
と
支
酉
辛
辰
午
庚
巳
戊
己
干
卯
申
未
1 福銀調査月報 2008年1月
え
丁
え
と
●初詣……今年の干支、ネズミに縁のある神様
今年の干支はネズミです。ネズミを祭った神社を探してみましたが、見つかりませんでし
こまいぬ
こまねずみ
た。しかし、ネズミを使いとしている神様はあります。その中には狛犬ならぬ狛鼠が迎えて
くれるところもあります。
ねずみを使いとしている神様は、
「大黒様」と「大国様」です。どちらもダイコク様と呼ば
れることから、混同されています。
「大黒様」とは七福神の一人「大黒天」のことです。大黒頭巾をかぶり、肩には大きな金袋
をかけ、右手には打ち出の小槌を持ち、2つの米俵の上に乗って、福徳円満の顔をしていま
りょうしょく
つかさど
す。もとはインドの戦闘の神様だったのですが、いつの頃からか財福をもたらし、糧食を掌
る神様へと性格が変化したようです。そのため、米を食べる鼠を自分の使いとして管理して
いるそうです。
おおくにぬしのみこと
やおよろず
一方、
「大国様」とは、出雲大社の主神「大国主命」のことです。わが国の八百万の神様を
束ねる神様で、10 月には日本中の神様を出雲に集め、縁結びの話し合いを統括するとされて
かん な づき
かみあり
います。そのため、出雲以外では 10 月は神無月(神のいない月)なのに対し、出雲では神在
月(神の居る月)となるそうです。
鼠が大国主命の使いとされているのは、スサノオによって大国主命が焼き殺されそうに
なった時、鼠が助けたからです。なお、大国主命は縁結びの神様とされていることから、初
詣にも縁起の良い神様だと思われます。
大国主命を祭った主な神社
おなむち
八坂神社(北九州市)、大己貴神社(筑前町)、十日恵比寿神
社(福岡市)、西戸崎神社(福岡市)等多数
七福神(大黒天)を祭った主な寺・神社
大豊神社
如意輪寺(小郡市)
、南蔵院(篠栗町)
、宮地嶽神社(福津市)
等多数
狛鼠が迎えてくれる神社は、福岡県にはありませんが、
大豊神社(京都市)、杉山神社(横浜市)、敷津松之宮大国主
神社(大阪市)があります。
狛ネズミ
福銀調査月報 2008年1月 2
子(ね)/ねずみいろいろ
ネズミは、十二支の最初に登場する動物です。
「ふえる」という意味を持ち、
「子孫が繁栄
する」との意味も込められています。一方、動物として見ると、ネズミはもっとも身近にい
る動物であることから、様々な比喩に使われています。なお、
「ネズミ」という名前は、夜、
人間が寝ている間に食料を盗むので、寝盗み(寝ている間にこっそりと盗む)が転じたとい
われています。
ことわざ
●ねずみの諺
きゅうそ
か
『窮鼠猫を噛む』 弱いものでも土壇場になると強いものに逆襲することがあるという意
たいざん めいどう
『泰山鳴動して鼠一匹』
前触れや騒ぎばかりが大きく、結果はささいでつまらないことでしかないという意
『鼠が塩を引く』 ささい
取るに足らない些細なことでも、放っておくと重大な事態を招くということ
鼠
●鼠を含む単語 ●ネズミ偏の字
『海鼠』 なまこ
『栗鼠』 りす
『針鼠』 はりねずみ
『鼬/鼬鼠』 いたち
『
/
『
』 もぐら
『山鼠』 やまね(体長 7㎝、鼠似の尾の長い動物) 『
てん そ
こうもり
『天鼠』 蝙蝠の別名
でん そ
『田鼠』 モグラの別名
3 福銀調査月報 2008年1月
『
鼠』 むささび、ももんが
』 はつかねずみ
』 ひょう(豹)
●ネズミを使った表現
『鼠算』……………………ねずみが一気に増えるように、加速度的にふえて行く計算法
『ネズミ講』………………鼠算的に会員を増やすことで利益を分配する無限連鎖講
禁止されている
『ただの鼠ではない』……気を許すことが出来ないということ
『鼠に引かれる』…………家にポツンと孤独でいる状態
『袋の鼠』…………………追い詰められて逃げることが出来ない状態
『ネズミ捕り』……………検問の俗称
『こま鼠のように』………休みなくあちこち動き回るさま
『ねずみ花火』……………ネズミの様に地面を走り回る花火
●物語に出てくる鼠
・『ねずみ小僧』…江戸時代に大名屋敷ばかりを狙い義賊とされている泥棒
ひねずみ
・『火鼠』…………中国で火山の火の中に住んでいると信じられていたとされる動物
かわごろも
竹取物語の中でかぐや姫が求婚者に対し、火鼠の皮衣を求めました。
・英語では、小型のネズミをマウス(Mouse,複数形はMice)
、
大型のネズミをラット(Rat,複数形は Rats)と呼び分け
ています
福銀調査月報 2008年1月 4
2008年の主な予定
●北海道洞爺湖サミット(7月 7∼ 9 日)
「環境との共生」をコンセプトに、北海道洞爺湖地域において、環境問題を主議題に開催。
なお、狭義では「サミット」は首脳会合を指しますが、広義では、3 月 14 日から日本各地で開
催される一連の会合を全体として「サミット」と呼んでいます。
●北京オリンピック(8月 8日∼ 24 日)
○中華人民共和国の首都北京を主な会場として開催。サッカーは 6日から予選リーグ。
○日本が出場する競技
出場権を獲得している種目は 49 種目、標準記録をクリアしている選手がいる種目が
38(12月 11日現在)。
○今大会の特徴
・多くの競技で午前中に決勝。
(米国の夕方∼夜に中継するため)
・2008年 8月 8日午後 8時 8分開会
中国で縁起がよいと言われる「8」を 5個集めた日時分に開会(日本時間 pm9:08)。
○オリンピックのあとに同じ会場で開催される他の五輪
・9 / 6 ∼ 17 パラリンピック
身体障害者を対象とした世界最高峰のスポーツ競技大会。なお、
「パラリンピック」
とは、平行(Parallel)+オリンピック(Olympic)で、
「もう一つのオリンピック」の意。
・10/ 3∼ 18 頭脳五輪(第 1回世界マインドスポーツ競技会)
チェス、ブリッジ、囲碁、チェッカー、中国将棋(象棋)の五種目。
5 福銀調査月報 2008年1月
●米大統領選挙(11 月 4日)
○選挙日は 11月 4日だが、各党の候補を決める予備選挙が 1月 3日から始まる。
○第 1 段階(予備選挙)……各党の候補を決める選挙
・1 月 3 日のアイオワ州を皮切りに各州で順次行われる。
・各州の予備選挙が集中する 2月 5日(スーパーチューズデイ)までに候補が決定
○第 2 段階……大統領を決定する選挙(11月 4日)
・州単位で選挙人を選出、最も多くの選挙人を獲得した候補が大統領に決定。ただし、
多くの州では一票でも多い方がその州の選挙人全てを獲得するため、カリフォルニ
ア州やニューヨーク州などの人口の多い州の勝敗が結果を左右することから注目さ
れる。
○他の主な選挙
・3 月に台湾総統選挙、ロシア大統領選挙
●久留米市が中核市に昇格(08 年 4月 1日)
中核市とは、比較的大きな都市で事務権限を強化し、できる限り住民の身近なところで行
なうことができるようにした都市制度。これまで市が申請を受け付け、県が認定していた身
体障害者手帳の発行などの事務処理を市が一括して行うようになります。
九州では、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の 5市が中核市となっています。
福銀調査月報 2008年1月 6
●物価について
今年の経済で最も注目されるのは物価の動きです。景気の回復を確認するためにも、物価
の下落(デフレ)の収束が気になりますが、一方では、生活に直結する物価の上昇は困ると
言うのも本音です。
図 1 は、最近の企業物価指数と消費者物価指数
の動きを見たものです。企業物価指数は、03 年 6
月を底に上昇傾向にあります。一方、消費者物
価指数は 03 年 1 月以降ほぼ横ばいで推移してい
ますが、07年3月からは上昇傾向となっています。
図1 物価指数の動き
103.9
104
消費者物価指数
102
100.9
100
98
96
企業物価指数
図 2 は、上昇傾向にある企業物価指数の上昇要
因と消費者物価への波及の関係の主なものを図
示したものです。
94
99
00
01
02
03
04
05
06
07
図2 物価上昇の要因
様々な要因から、消費
者物価の上昇が見込まれ
る情況になっています。
一方、上昇を押し止め
る要因もあります。小売
企業は、流通の合理化や
P B( 企 業 ブ ラ ン ド 商 品 )
導入などにより、価格上
昇を回避しようとしてい
ます。また、米国のサブプ
ライム問題による景気悪
化懸念は引き下げ要因と
なる可能性があります。
上昇要因と押し止め要
因の力関係で物価の動き
が決まることになります。
7 福銀調査月報 2008年1月
〔上昇要因〕
(企業物価)
(消費者物価)
石油製品の上昇
原油上昇
代替
需要
石炭、天然ガス、
ウランの上昇
光熱費上昇
燃料費上昇
製品価格へ転嫁
運送費の上昇
運賃の上昇
化学製品上昇
衣料品、日用品
の上昇
CO2 削減
バイオ燃料上昇
穀物需
要増加
穀物価格上昇
食品価格上昇
オーストラリア
旱魃(かんばつ)
鉄鋼、非鉄金
属、紙上昇
中国需要拡大
輸入品価格上昇
ユーロ高、円安
日本の需要拡大
建築資材上昇
中国の
出荷抑制
レアメタル上昇
(家電品価格上昇)
●2008年上半期の
福岡県の産業天気図
業 種
業 況 の 見 通 し
自 動 車
国内販売は緩やかな回復傾向。
対中輸出は増加が続くが、対米は伸び率が低下。
福岡県についてはエンジン工場が稼動するほか、自動車関
連工場の進出もあり、生産額は拡大傾向が続く。
電子部品
ゲーム機、デジカメ、携帯電話、車載向け半導体の好調が
続く。
アメリカに加え中国、東南アジア諸国への輸出の拡大が続く。
一般機械
半導体製造装置は韓国向け輸出の一服で減速。
建設機械は中国や東南アジア、中東諸国の需要拡大で増加
が続く。
鉄
鋼
自動車や船舶向けの高級鋼板は需要拡大で増加が続く。
建築用も中国、東南アジア諸国の需要増で好調が続く。
学
化学繊維や合成樹脂は需要の拡大が続くが、原油価格の高
騰で生産は横ばい。
新素材は需要の拡大が続いており好調を持続。
設
公共工事は底堅い動き。交通インフラ整備が堅調に推移。
民間の建築工事は建築基準法改正の影響があるものの、回
復傾向。
宅
建設基準法改正に伴う賃貸マンションや分譲マンションの
停滞は徐々に解消に向かう。一方、一戸建ての多い持家は
堅調を持続。
レジャー
原油高騰のあおりで国内観光が見直され、旅行取り扱いは
堅調に推移。
外国人観光客は、韓国人の増加が続くのに加え、中国人も
増加。
化
建
住
天気図
福銀調査月報 2008年1月 8