資料4−7 地元企業参入への問題点

資料4−7
地元企業参入への問題点
(1)現状
福井商工会議所では、
「オープン・テクノロジー・マーケット」等を開催し、県外大手企業、公
設試験研究所等から、応用可能な技術について具体的なテーマの提供をもらい、また、品質管理、
安全管理についての考え方を教示されることにより、全県的に地元企業への移転や共同研究を進め
ている。
敦賀商工会議所のエネルギー産業起業化研究会は、エネルギー関連の誘致等と併せ、産学官によ
るエネルギー関係の技術を応用した地元企業の新分野への移転等の起業化を支援している。
また、同会議所の大型プロジェクト関連企業協議会は、日本原子力発電(株)からの工事発注の
受注拡大のための受け皿として機能している。
県外の事例として、茨城県において「
(株)ひたちなかテクノセンター」では、平成15年度か
ら日本原子力研究所からの受注拡大のため、コーディネータを配置して中小企業連合による受注に
努めている。
注)
「(株)ひたちなかテクノセンター」:自治体、企業等の出資により平成2年に設立
(2)原子力発電所工事の特色
①ピーク人員の確保
定期検査の短縮化により2シフト、3シフト体制も有り得るが、原子力発電所工事時期以外は、
一般産業との兼務等余剰人員の対策が必要となる。
②現場工事以外での書類作成、打合せ、試運転待機等の間接的負荷が大きい。
(3)課題等
・参入について
①OJTを行いたいが、インフラがない。
②社員を教育するための、具体的な研修制度(教育プログラム等)がない。
③余剰人員がいるわけではないので、長期間、社員を研修所等に派遣することが難しい。
④どのような仕事があるのか分からない。
⑤その後の利益等が分からないと、企業等が費用負担をして研修等を行うことは難しい。
・特許の活用について
①事業者の担当者と企業者等が定期的に話し合う場所がない。
②事業者の説明者が博士クラスの場合は、説明内容を理解することが難しい。
③特許等の本質を理解している「コーディネーター」がいない。
・共同研究について
①利益を出す仕組みづくりがない(共同研究しても売上げにつながらない。
)
。
(県内企業ヒアリング)
注)当課題は、今後、引き続き調査等を行う予定である。
(参考)
技術力として各種法的資格以外に下記の管理能力が必要である。
1
放射線管理:管理要領策定、現場管理、記録採取保存
2
工事管理 :工事要領策定、工事要領書の作成(電力会社により異なる。
)
現場管理、品質管理、工程管理、記録採取保存
3
安全管理 :管理要領策定、現場管理