クイーンズランド大学の

オーストラリア
クイーンズランド大学派遣
社会学部3年
田中郁美
【クイーンズランド大学の概要】
1909 年に設立されたクイーンズランド州最古の大学で、世界の大学ランキング"Times
Higher Education-2009"で 41 位にランクするなど、高い評価を得ています。7 つの学部(人
文学部、商経済法学部、工学/建築/情報工学学部、健康科学部、天然資源/農学/獣医
学部、理学部、社会/行動科学部)からなる総合大学で、構内を歩けば色々なことを学ん
でいる学生と出会うことができます。メインキャンパスは緑が多くのんびりとしたセント
ルシアにあります。世界各国から学生が集まり、キャンパス内は国際色豊かで色々な国の
学生と交流することができます。
【ブリスベンについて】
ブリスベンは世界一笑顔の多い都市だと言われています(自称?)
。どこに行ってもフレ
ンドリーで優しい人ばかりです。話し好きな人が多く、タクシーに乗れば運転手と会話が
弾んで降りるのが惜しい、なんてこともよくありました。一年を通して温暖で天気も良く
過ごしやすいです。シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第三の都市で、日本の食
材や生活用品なども容易に手に入ります。物価が高いので、日本で暮らすよりも生活費は
かかりますが、新鮮な果物や野菜が豊富で、ブリスベン市内や周辺で定期的に開かれる市
場で買い物をするのも一つの楽しみです。
【学生生活 オンキャンパス】
世界ランキング上位の大学だけあって、学期中は授業についていくのが大変です。課題
はエッセイに加え、グループワークを課す授業が多いです。一学期は留学生向けのライテ
ィングや、オーストラリアの文化、歴史、民族、アボリジニについてのクラスを取りまし
た。英語での授業に不安があったため、いずれも一年生向けの授業を取りましたが、物足
りない印象を受けました。そのため二学期は、二年生以上向けの東アジアの国際関係、移
民、日本と世界についてのクラスを取りました。教授もクラスメイトもサポーティブで、
大変ではありましたが、苦痛と感じたことはありませんでした。
クイーンズランド大学は、留学生サポートも充実しています。特に Chat Mate という学
生が運営している会話グループは私の一番のお気に入りです。10人前後で人グループを
構成し、そのうちオーストラリア人学生2人がリーダーとして、活動運営をしてくれます。
基本的に週に1回集まり、2時間ほど自由に会話します。オーストラリアのスラングや文
化について話をしたり、自分の国の食事や文化について話をしたり、色々な国の学生から
なるグループだからこその面白い話ができます。課題が忙しい時でも、これだけはいつも
楽しみにしていて、ほぼ毎回欠かさず参加していました。他にも大学内にある語学学校が
運営している英語の授業(通常の授業とは別のオプション)もあり、一学期はそこで週に
2回、ディスカッションの授業を受けていました。
【学生生活 オフキャンパス】
クイーンズランドには数えきれないほどたくさんのソーシャルグループがあります。私
もいくつかのグループに所属していましたが、よく参加したのは Japanese Society と Latin
American Society でした。Japanese Society には日本人の学生と、日本に興味のある学生
で構成されていて、日本人学生とそうでない学生の比率は大体1:1でした。Latin American
Society は友人に誘われたイベントに参加したのがきっかけで、南アメリカ出身学生の底抜
けの明るさや陽気さに惹かれ、よくイベントに参加していました。ブラジルのカクテルを
作ったり、ダンスを教えてもらったりと、そこで会った友人とはイベント以外でも仲良く
していました。日本のほぼ反対側に位置する国の学生ともこのように交流できるのは、移
民大国オーストラリアならではの魅力でした。
【留学生活全体を通して】
「何事もやったもの勝ち」をモットーに9か月間を過ごしました。この9か月の留学な
くしては、今の私はなかったでしょう。特に留学の折り返し地点で、本当は9か月いるは
ずだった寮から出たことは私にとって大きな成長のための一歩でした。私ははじめキャン
パス内の寮で暮らしていましたが、生活に物足りなさを感じ、寮長に交渉して、後半の4
か月半は寮を出てシェアハウスをしました。寮の生活ではそれなりの経験ができましたが、
外に出なくても楽しむことができるがゆえに、生活が寮中だけで完結していたことに物足
りなさを感じました。一方寮の外では自分でアクションを起こさないと何も起きません。
逆を言えば、ハングリー精神をもって新しい環境に飛び込んでいけば、出会う人も世界も
どんどん広がります。私は寮を出てから、語学力も、一人で生きていく力もぐんと伸びま
した。一つ一つの出会いや会話を大事にするようにもなり、11月に遊びに来た妹には「初
めて会う人とも本当によくしゃべるんだね。
」と驚かれました。寮を出て自分の力で生きて
いくという経験は、人間としての私を大きく変えました。
【最後に】
このような二度とない素晴らしい経験ができたのは、交換留学の機会を与えてくださっ
た如水会、明治産業株式会社、明産株式会社の皆様のおかげです。心より感謝申し上げ
ます。また、留学を全面的にサポートしださった国際課の皆様、本当にありがとうござ
いました。この9か月間をこれで終わりにせず、これからの人生の糧となりますよう、
これからも様々なことに挑戦していきたいと思います。