石灰窒素の深層施肥による大豆の安定多収と品質向上の新たな展開

石灰窒素だより No.147(2013.1)
新潟大学農学部大山車爾・高橋能彦・石川伸二
新潟県農業総合研究所南雲芳文
電気化学工業株式会社坂下普志・野坂佳史
(独)農業・食晶産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター細川
務鈴
紋K
回転換畑での主要作物
タ互の収震を上げるには
・収量不安定、しわ粒多発が問題
蜘降、醤Y
l
lJ、納豆
大豆は、古来、豆腐、 i
寿
産物や窒素栄養の欠乏により発生する可能
性が指摘されている(関口ら.2
0
0
8、
│
王l
i
j
;
1
J
・2
0
0
7、Tewariら・ 2
0
0
6
b
)。
・窒素固定と窒素吸収が大切
大 EF. は、種子に約 35~40% と多量のタ
1t
の大立様子
などわが国の伝統食品として日本人の栄養
ンパク質を集積するため、
lギl
を支えてきた。また、世界的にも主にYi
を生産するには約 8
0
k
gもの皇室素を必姿と
や飼料紋物として、大立の生産高は急増し
し、同じ収量を得るにはイネの約 4
1
音も
0
1
0年には 2
.
6
2
億tと、穀物では
ており、 2
の窒素が必要である。また、大立は、栄養
トウモロコシ、水稲、小麦に次ぐ生産高と
生長期間と生殖生長期間が重なり、子実肥
なっている。
大W
Jの窒素要求畳も高いため、
しかし、わが聞の水旧転換1:111における主
要作物である大豆は、収f
初当止く安定して
J
I
.
r
]
{
E
期以降
も主主素同化を高く持続することが霊安であ
る(大 1
1
1・2
0
0
0
)。
いなし、。さらに近年、北陸地域で、は、しわ
大5
"
1
.の収量は、生育期j
1
間全体の総窓索同
粒の多発による品質低下が問題となってい
化量とキl
I閲がi
向く、高い収量を上げるに
る。大立のしわ粒には、種皮に f
色の 1
'
[
'
1羅状
は、総主主素同化育j: をいかに噌やすかがi~とめ
のしわが生じる「危甲じわ」、種皮と子葉
予-である。大互の場合、ほかの作物とは異
にギザギザの波 I~I i'築様ができる「ちりめん
なり、単純に施IJ~窒素量の増加で高いl氏量
じわ」と性質がェ異なる 2種鎖がある(関口
を得ることはむずかしし、。これは、一般に
ら・ 2008) 。しわ粒の発生機tl~ は完全には
多量の速効性窒素肥料の刷J~は十則自r:5 ll!tと
解明されていないが、f,@
.
1
干lじわは、収穫直
主主素 i
司定を抑制し、茎葉音I
1
の徒長や倒伏、
前の乾湿の繰り返しによる稜皮と子葉の剥
青立ちを引き起こすためで、ある。また、大
離に由来すると考えられている。一方、ち
豆は、窒素の必要量が極めて高いため、窒
りめんじわは、小粒で扇王子な発育の悪い種
素必要量全量を肥料で供給することは、 j
集
子に多くみられ、生育後期における光合成
家の経済負担や環境負荷の面から好ましく
石灰窒素だより NO.147(20l~
1)
ない。したがって、大豆の多収栽培には、
収量が得られた (
T
a
k
a
h
a
s
h
iら・ 1
9
9
1
)。
快粒の窒素固定を高くかっ長期j
にわたり維
その後、 T巴wanらは、石灰窒素または
則立の
持することが大切になる。しかし、 4
被覆尿素を用いた深陪施日出鵡会を新潟県内
窒素閏定だけでは十分な生育が確保でき
の 3ヵ所の岡場で実施した (
T
e
w
a
r
iら
・
ず、子実収量も上がらない。そこで、根粒
2
0
0
2、2
0
0
3、2
0
0
4
a
b
)
o2
0
0
1年 に 、 長 岡
の窒素悶定と恨からの地力窒素や肥料窒素
市にある新潟県農業総合研ザ切?の水回転換
のi
吸収との両立が夫切である。
T
e
w
a
r
iら・ 2
0
0
2
)、道路工事
初年度知1(
・窒素肥料の深属施肥試験
0
c
m客土造成した直後の長岡
残土を厚さ 3
高橋らは、深層施j
J
凶器種機を用い、慣行
市の低地悶場 (
T
e
w
a
r
iら
・ 2
0
0
3
)、新潟
の大豆用化成肥料の基肥施用 (
M
E
安1.6
k
g
市 五 十 嵐 の 砂 丘 地 匝i
場 (
TewariG・
N/10a、PZ056kg/10a、K208kg/10a
2
0
0
4
a
) において、石灰窒素と被覆尿素の
を含む大立用化成肥料を表土約O~ lOcm に
深層施肥効果を比較検討した。室素肥料
ロータリで全局施用)に加え、リニアタイ
は、高橋らの試験と同様に大豆!日化成肥料
プの被覆尿素 (
CU-100:í~ijIW,名LP-100)
の基J
J
巴胎測に加えて、石}天窓素または被被
l
OkgN/10aを一基肥として摘種と同時に揃
0
c
mの訪日さに条施肥する新規
種 列 直 下 約2
尿素 10kgN/10aをJ
括原直│て約 2
0
c
mの深さ
)、慣行区よりも年
方制巴法を考案し(1玄ト 1
尿素の深層施肥区と深!留施肥を行わない慣
次によらず多収が得られることをコ被告した
I
J
J
?Ml
こ
行区を設けた。大豆の J
(Tal
王a
hashiら・ 1991、 1992、 1993c、
1
9
9
4、 1
9
9
9、市H
喬ら・ 1
9
9
3
a
b
)
o1
9
9
0年
を用いた。
ると、子実収量はどの岡場でも慣行区より
の 新 潟 県 農 業 試 捌dU
J
l
i¥'iJr潟県農業総合研
も尿素深層施JJ~IRがまさり、さらに被斑尿
ヲ恒升)の水間転換初年度対1における因坊試
素深層』卸J~区と石灰窒素深層施肥区で、最Fiji
験では、慣行 1;< の収量480kg/10a~ こ対し、
値を示した。石灰窒素深屑1JíiiJJ~区と被被尿
深層施肥区で、は 5
92kg/10aと極めて高い
素 i35J留施 JJ~ 区で、は統計的に有志;差はない
d
進行方向
、
警
に施刑した。この説話失では、比較のために
3つの闘場で!肥料の効果を比べ
が、石灰窒素i
1
5
!
静施肥区の方がE円制足立が
高かった。
施肥機
恨粒i
1
s
i
の接種効果
また、このf,jt!験では、 i
も同時に調べた。パーミキュライトを充境ー
したペーパーポットに優良根粒菌
USDAllO
株を接種した大立市を移植した
│豆では、干愛子接種区や根粒i
1
s
i
を接種しない
~I~接種ペーパーポット移椴区よりも収量が
高かった。この試験の詳細は、『石灰窒素
だより 1
4
1
号(大山ら・ 2
0
0
6
)
J
. (現代農業
図 -1 大豆用深層施肥機と耕うん、施肥、
播種の概要
正転口一宮リで耕うんした後、ナイフ状施肥管で土壌を割り
c
mに
ながら深層部に条施肥する。土寄せ後、播種機で深さ 3
大豆種子を播種する。
2
別1
11J'に転故、大 l
l
iら・ 2
0
0
9
) に紹介した。
本稿では、石灰窒素の深層 I
副巴技術の新
副巴深さと施
たな展開として、石灰窒素のb
石灰窒素だより N
O.147(2013.l
)
肥量がブミ豆の収量・品質におよぽす故三年単に
液を採取するとともに、植物地上部をサン
閲する試験結果を紹介するとともに、最
司定活
プリングし、相対ウレイド法で窒素 l
近、細川らが(独) ;呉研機構中央設業総
1
1した(大 1
1
1•
性と窒素吸収速度を算 1
合研究センター北陸農業センターで開発し
1
9
9
0、大山ら・ 1
9
9
2
)。また、石灰窒素の
た耕うん同時ïi~0L.て栽培技術と石灰窒素の
施肥深度が大立の生育と子実の収珪・品質
深層bむ)j~ を組み合わせた;坂下らの前脱結巣
におよぽす効果を調べた。
を紹介する。また、石灰窒素や窒素肥料の
・乾物璽、子実収襲
深層施肥技術は、大豆のみならず、麦や多
R2 :揃程7
1
1
:
1後)、子実)肥
開花煤期 (
用途米生産などの省力・省肥料オ却剖こ活用
大始J
O
j(R5:t
l
l
T
極1
0
2日後)、成烈独創U
]
(
R7
できる可能性があり、現在、農林水産省の
:播種 1
3
0日後)のどの時間においても、石
実用技術開発事業を実施しているので紹介
灰室素の施J巴深度が深いほどよく生育し、
する。
1
地上官1
乾物重が高くなる傾向がみられた。
栄さ 2
0
c
mに石灰窒素を施刑した 1
;
<
特に、 i
の収量・晶買におよぼす影響
の乾物重がどの時期にも最高債を示した。
7
0
0
)J巴は行わない)、大豆用化成肥料の基肥に
nu
(大豆用化成肥料の全開基肥のみで深層施
ロその他
回ちりめんじわ
斗
(
T巴wanら.2
0
0
6
a
)。基J
I
巴は、窒素(1.6
喰 (
6k
gP
z
0
5
/
1
0
a
)、
kgN/10a)、リン l
8k
gKz
O/10a) を含む大豆朋化成
カリ (
肥料と消石灰 (
1
0
0
k
gCa (OH)z/10a)
を表面施用し、ロータリ緋うんで深さ約 1
0
した。処理 1
;
<は、対照│玄
c
mまで、に全層出干n
NunHv
n川 ︾ ︽
n H v n H v n H︾
合研究所(長岡)の水回転換畑で、行った
子実重盛
f
0
0
3
:
j
oに新潟県!民業総
大立の栽塙は、 2
a
RUFDA
・水回転換畑で試験
園亀甲じわ
ロ小粒
ロ整粒
1
0
0
1
0
対照区
1
0
c
m区 1
5
c
m区 2
0
c
m区
図 -2 石灰窒素の施肥深度が大豆の子実
収量・品質におよぼす影響
1
0
k
gN/10a) を播種直
加え、石灰窒素 (
図の棒グラフの上の異なるアルファベット (
t5%以内の有意
差を示す。
下深さ 1
0
c
m
、1
5
c
m
、または 2
0
c
mに埋め込
成熟期 (
R8 :掃秘1
4
3日後)に収穫し
0
c
m
区
、1
5
c
m
l
豆
、2
0
c
m
l
Rの 4区を設けた。
む1
0
c
m区
、
た大豆の子実収量は、対照区、 1
素(窒素濃度20.6%、 15N波)~1O.9atom %
)
1
5c
m区
、 2
0cm区 で そ れ ぞ れ428g/r
r
f、
507g/r
r
l、525g/r
r
l、614g/ぱとなり、
0
c
m区の子実収量が
生育が良好で、あった 2
2
)。
最高で、あった(医1
をあたえる区を設けた。:j;各種時に、種子を
・整粒重量、子実整粒割合
大豆の品種は「エンレイ」を!日い、 J耐~1l
密度は 8
.
9
株/ぱ(i妙、 I
l
¥
j
7
5
c
m
、株間 1
5
c
m
、1
木立)で栽培した。一部に 1
5
N
標識の石灰窒
B
r
a
d
y
r
h
i
z
o
b
i
u
mj
a
t
o
l
l
i
c
u
m,
ダイズ根粒菌 (
USDAllO
株)懸濁液に 1
0
分間浸潰し、接
1
から導管
種を行った。生育時期別に茎基音1
0
c
m医
、 1
5
c
m区
、
整粒重量は、対照区、 1
2
0
c
m区で、それぞれ214g/r
r
f、329g/r
r
f、
294g/r
r
l、4
0
1
g
/
r
r
lとなり、 2
0
c
m区の捻
3
石灰窒素だより N
O
.
1
4
7
(
20l3
.
1
)
粒重量が最高で、あった。子実整粒割合も、
i
制度がlOc
m、1
5
c
mと比べて 2
0
c
mで、高い増
対照区に比べて石灰窒素の施肥で 10-15%
収効巣カ f認められた。また、 2
0
c
r
n区で、は、
高くなり、 2
0
c
m区で最高値を示した。整粒
1
0
c
m区
、 1
5
c
m区と比べて窒素回定活性の
割合が増加したのは、亀甲じわ、ちりめん
促進が著しく高く、かつ肥料利用率、土壌
じわ粒の割合がともに低下したことによる 0
窒素吸収量も増加した。この理由として以
・窒素固定活性と窒素服収速度
下の点が挙げられる。
図 -3に、生育時期別の恨粒窒素国定活
す近にあ
1
継が地表下 2
0
c
m
1
①試験問場ーの羽:
性と根からの窒素吸収速度の推移を示し
り、施肥した肥料が下方に移動しにくい。
目 (R2 :播種7
1日
た。どの区も開花盛 j
②深い施肥位置ほど、石灰窒素から尿索、
後)から子実肥大始期 (R5・揃種1
0
2日
アンモニアへの変換が遅く、硝酸化成を受
後)に最高値を示し、その後、成熟始期
けにくい。
(
R7:捕植 1
3
0日後)まで低下した。 深さ
別では、lOc
m匿と 1
5
c
m
lxが対照│豆よりも
高く推移し、 2
0
c
m
l
豆が最も回定活性が高
③j
3
2く胸j
巴するほど、地上部近くに多く着
かった。恨からの窒素吸収速度も同様の傾
I
:I来窒素も多く i
吸収
根の発述を促し、土岐 E
向が認められた。
する。
生する恨粒の生長や活性を阻害しにくい。
④深い位置に施肥することにより、深部の
緩
議
争
ポ
ロ窒索吸収速度
震石灰窒素の施肥盤が
沿い
ふ大豆の収量・晶買におよぼす影響
紛 糾
・水回転換畑で試験
0
0
3
年に新潟県農業総合
栽培試験は、 2
制抑制
1日当たり窒素固定活性と
窒索吸収速度(略N/ 日)
-窒索固定
転換畑で行った
研究所(長岡)の水 m
(T巴wanら
・2
0
0
6
b
)。基肥、 J
括経?谷度、
根粒菌接種方法は、前述した「脳出来度の
2
r
実験」と同様である。処理区は、対照 1
播種後一 7
1
1
0
2
1
3
0I
7
1
1
0
2
1
3
0I
7
1
1
0
2
1
3
0
(大立用化成肥料の基肥)に加え、石灰窒
回数
素 5kgN/10a
、10kgN/10a、20kgN/
対照区 I1
0cm区 I 15cm区 I20cm区
図 -3 石灰窒素の施肥深度が大豆の生育
時期別窒素固定速度、窒素吸収速
度におよぼす影響
e15N標識石灰窒素の利用蚤
1
5
N
標識石灰窒素の利用量は、 1
0
c
m区
、
1
5
c
m区
、 2
却O
仕
伽
α
C
叩m
区で、それぞ
1
.3
1
叩
O
伽
伽
n
昭
r
]
ぼ
gN/r
ぱ
吋
Z
f
、,
17
6
0
m
gN/m'となり、 1
0
c
m区と 1
5
c
m区は同程度で、あったが、 2
0
c
m
区では雨i
い値を示した。
0cmで増収と晶質向上
・施肥深度 2
長岡の水回転換~m で、は、石灰窒素の施肥
4
1
0
aを橘極直下深さ 2
0
c
mに深層施肥する 5
kgN区
、 1
0kgNI
豆
、 2
0
k
gNI
哀を設けた。
一部に 1
5
N
標識の石灰窒素をあたえる区を設
寺期別に試料を採取し、石灰窒
けた。生育H
j
f
i
封
j
巴量が大豆の生育、窒素同化および
素の 1
子実の収量・品質におよぽす効果を調べたo
・子実収量、晶質
図 -4に示したように、子実収E
まは、対
照
│
玄
、 5kgNI
豆
、 1
0
k
g
N
I
豆
、 20kgN
区で
それぞれ4
85g/ni、530g/ぱ
、 585g/
ぱ
、
石灰窒素だより
(
R7 :播種 1
3
0日後)まで低下した。施肥
6
0
0
子
重
実5
0
0
回その他
4
0
0
図ちりめんじわ
g3
0
0
圃亀甲じわ
最
2
0
1
3
.
1
)
N
O
.
1
4
7(
口小粒
/ノ
ば2
∞
口整粒
1
0
0
。
対照区
5
k
g
N区 1
0
k
g
N区
図 -4 石灰窒素深層施肥 (
2
0
c
m
)の施肥量
差別で、は、 5k
gNlxと2
0
k
gNlxが対照区
i
kgN区が最も悶定活
よりも高く推移し、lO
性が高かった。根からの窒素吸収速度は、
R5 :摘種 1
子実肥大始期 (
0
2日後)以降、
10kgN区と 20kgNlxが対日夜区、 5kgN区
より高くなった。しかし、 1
0kgN区と 2
0
k
g
N区では、ほぽ同等の吸収速度を示した。
e15N標識石灰窒素の利用量
A
I
l質割合については、
量が符られた。種子 J
1
5
N
標識石灰窒素の利用量は、 5kgN
区
、
、 2
10kgN区
0
k
gN
I
2
5
:で、それぞ、れ345mgN/
討
、 710mgN/
ぱ
、 1
I
000mgN/凶となり、
,
kgN区では、 5kgNlxのほぼ 2倍の!吸収
l
O
量・であったが、 2
0kgN区で誌はlOkgNiXより
石灰窒素の深層1jlli lJ~でし、ずれの施肥量でも
l
吸収量は増加したもののl. r.:に官まった 0
整粒割合が対照区の 52%から 67%前後に
・窒素固定の促進効果
が大豆の子実収量・品質におよぼす
影響
図の棒ダラフの上の異なるアルフアベットは 5%
以内の有意
差を示す。
515g/m'となり、 1
0
k
gN/10alxで最高収
増加し、iu.'干iじわが半減し、ちりめんじわ
の割合も低下した。
.窒素固定活性と窒素眠収速度
図 -5に、生育時期j
別の根粒窒素固定活
4
1
今I
0
k
g
T
Iの試験では、石灰窒素施用量 2
N/10alxは窒素施用量が多いにもかかわ
らず、 10kgN/l
豆よりも大豆の収量が
Oa
l
)
低下した。これは、施J
巴主主素吸収量は増加
性と根からの窒素 l
吸収速度の推移を示し
したが、窒素固定の促進効果がlOkgN/
R2:揃1"1[[71日後)
却
](
た。どの区も開花1
6
F
)。
豆よりも低下したためである(図-5
l
Oa
l
から子実肥大始期
(
R5:播種1
0
2日後)
2
0
0
5
) は、大豆の根を上
Yashimaら (
に最高値を示し、その後、成熟始期
下二重のポットで栽培し、下部ポットの水
0
0
[
窒 17
素日
吸当
1
v
l許証に硝酸をあたえて、上部恨の恨柱形成
jを調べた。その
と窒素固定にあたえる i
;
錯f
結果、下部ポットに比l
史的高に濃度の硝酸
i
収た m
0
0
速り 5
度婁 400
(
5mM/L) を継続的にあたえると上部
(詰
間
ポットの1
叫笠生長および窒素回定活性が阻
日と
与されたが、下部ポットから低濃度の硝酸
f
(
1m M /L)をあたえて栽精したところ、
h
t
上部ポットの1
則立形成と窒素悶定が促進さ
播種後→
7
1
1
0
2
1
3
0I
7
1
1
0
2
1
3
0
0
k
g
N区 I2
対照区 I5
0
k
g
N区
k
g
N区 I1
日
数
図 -5 石灰窒素の施肥盤が大豆の生育時
期別窒素固定速度、窒素吸収速度
におよぼす影響
図の棒クラフの上の異なるアルファベットは 5%以内の有意
差を示す。
れた。この実験から、深い位置に低レベル
ではあるカt
継続的に化合態皇室索が恨に供給
されると、地表近くの根粒形成を抑制せ
ず、むしろ促進する場合があることが1i
か
t
められた。
5
石灰窒素だより NO.147(2013.l
)
した石灰窒素と被覆原素の
t
ターン
.子実収量、品質
)は、被
子実の収量と品質割合(図-6
覆尿素または石灰窒素の深層施肥で改善さ
れ、整粒割合は、対照区 57%に対し、被
-水回転換畑で試験
0
0
5年に新潟県農業総合
栽培試験は、 2
覆尿素区 62%、石!天窓素区 66%と増加し
研究所(長岡)の水回転換畑で行った
た。同時に、ちりめんじわの割合が低下
(
T
e
w
a
r
iら・ 2
0
0
7
)。栽培方法は前記と│百j
し、しわ粒の低減に効果が認められた。
様である。処理I!区は、対照区[大豆用化成
・窒素固定活性と窒素服収速度
J
巴は行わない]、
肥料の基肥のみで深層施J
図 -7に、十l
Q
粒窒索開定活性と恨からの
被覆尿素区[大豆用化成肥料の基肥に加
守期別推移を示した。
窒素吸収速度の生育 H
0
0日タイプの被誼尿素 CU-100 (
1
0
え
、 1
どの区も開花始W
J(
R1:
t
香種6
1日後)以
酎垂直下深さ 2
0
c
mに埋め込
kgN/10a) をJ
降に窒素回定活性が高まり、着爽始期
む]、石灰窒素区[大豆)fJ化成肥料の基肥に
(
R3:捕種目日後)から子実肥大始期
k
gN/
l
Oa
) をJ
翻垂直下
加え、石灰窒素(lO
0
c
mに埋め込む]を設けた。栽格│まの
深さ 2
(
R5:橋被 1
0
2日後)に最高値を示し、そ
U
J(
R7::
1
訪
韓1
3
0
E
I後)ま
の後、成熟始 }
5
N
標識の被覆尿素(窒素濃度40%
、
一部に 1
で低下した。石灰窓素と被夜尿素の深信j
施
1
5
N
濃度3
.
2
2
a
t
o
m
%
) または石灰窒素(窒
素ì~Ulf[ 20.6 %
、 1
5
N
濃 度1
0
.
8
a
t
o
m%)をあ
0kgN/10a) を設けた。
たえる区(施J巴最 1
J
巴区では、 )
1
司花始以降、窒素回定活性が対
定を抑制しないことがわかった。
・肥料由来窒素服収量
7
0
0
子6
0
0
ロその他
事 500
ロ亀甲じわ+
ちりめんじわ
ロちりめんじわ
図亀甲じわ
震 4
0
0
3
0
0
予2
0
0
0
0
T
T
I1
0
H
?
I
玄よりも高く推移し、木施肥j
去が窒素│宣l
否
・小粒
ロ整粒
対照区
被覆尿素区石灰窒素区
図 -6 石灰窒素と被覆尿素の深層施肥が大
豆の子実収量・品質におよぼす影響
図の棒ダラフの上。:異なるアルファベットは 5 %以内の有意
差を示す。
時期別の被覆尿素と石灰
図 -8に、生清l
窒素由来窒素吸収j
君;の推移を示した。両者
t
r
J(
R1:摘
由来の窒素吸収監は、開花始}
稜6
1E
I後)まではほぼ同等であるが、着
J(R3 :描種81 日後)、子 ~J肥大始
爽 始W
期 (
R5 :橋被1
0
2日後)には被覆尿素が
石灰窒素を上回った。しかし、石灰議紫
は、子実肥大始期から成熟始期
(
R7:描
肥
料
由
来
R
n
n
n
標".v山
播種後一
回数
識
窒
素
護
1
68
1
1
0
2
1叩
対照区
!被援尿素区│石灰窒素区
図 -7 石灰窒素の施肥深度が大豆の生育
時期別窒素固定速度、窒素吸収速
度におよぼす影響
図の棒グラフの上の異なるアルファベットは 5%以内の有意
差を示す。
6
持
m1
開花始期
着実始期子実肥大始期成熟始期
図ー 8 深層施肥した被覆尿素由来窒素また
は石灰窒素の大豆地上部への吸収
石灰窒素だより NO.147(
2
0
13
.
1)
種1
3
0日後)にかけて多量に吸収され、成
A
Eさ2
0
c
mに施肥したた
これは、石灰窒素を i
熟始I~jの石灰窒素l吸収量は被覆尿素吸収量・
め、アンモニアからの硝酸化成の遅れと、
をヒ 1
mった。成熟始期の石灰窒素と被控尿
根がカ創出立置に到達してから吸収されたこ
素の器官別分配率はほぼ同様であり、子実
とによるのではないかと考えられる。
に約半分が分配された。
・石灰窒素の服収経過
石灰窒素と被覆尿素の比1佼については、
これまで、T巴wanらの研究で、石灰窒素を
i
栄さ 2
0
c
m
の位置にlOk
gN
/
1
0
a
1
i肥するこ
とにより、被覆尿素と│可等かそれ以上の増
-耕うんと同時に畝立てが可能
大豆は湿答に開く、特に日本海側で広く
T
e
w
a
r
iら・ 2
0
1
1、
収効果が認められた (
日では排水不良が}也
分布している重粘土水 I
火山ら・ 2
0
1
1
)。今問、石灰窒素と被覆尿
こりやすく、湿害が生育・子実収監に影響
素の吸収経過を生育 JI~f期で、追って調べた。
することが知られている。キI
H川らは、(独)
1)ま
皮切f
機構中央良川センター北陸研究セン
では被覆J
J
i
(
素
の CU-100とほぼ同様に吸収
ターにおいて、アップカットロータリの緋
されるが、その後、被磁尿素より I
吸収が少
うん爪を変えることにより、羽1: うんと同JI~'
肥大しタンパク質を替える子
なく、子実がj
にi
i
ホ立てができるように改良した(図-9)
U
l(R5)から成熟始期 (R7) ま
実肥大始I
(
剤
1
I
J
11• 2
0
0
4
、細川ら・ 2
0
0
5、T
a
k
a
h
a
s
h
i
でに大量の窒素を供給することが明らかと
ら
・2
0
0
6、みんなの農業広 i
坊、!長引iJ
f
機構
なった。このような窒素の供給パターンは、
ホームページ)。ロータリの後部に施肥機
大豆の窓素要求パターンと合致しており、
とJ
各種機を装着することにより、畝立て、
室素回定を促進する効果も高いものと考え
J
、
巴
耕うん、施I
られる。石灰窒素が、子実肥大始1
m(R5)
できるので、作業能率が向上し降雨への対
の施肥 1
0
0:
1
1
日以降に多旦に吸収されること
応にも{必れている。相l うん問Jl~;ïíl氏立て ti1'i種
は、石灰窒素の土壌 1
:
1
こ
I
で、の分解速度として
栽培技術は、専用機が既に1.0
0
0台以上販
一般に考えられているよりもかなり遅い。
i
邸主によ
売され広く普及しており、湿筈のl
その結果、石灰窒素は l~fJ1E始期 (R
J
樹
立l
をー工程で行うことが
る収i
i
Eの増加が認められている。
.畝立てで生育初期の排水促進
多くの大豆は、排水か不良な水旧で司裁者
0
0
5
) ため、 i
E害
されている(細川ら・ 2
の発生により、世1
立ちが安定せず、初期生
育が不良となる場合がある。市I
I
J
1らの耕う
包こ皇怨
E
J牛
"
'
、
、
、
'
、
、
、
、
、
、
拘
令
一
一
一
一
一
一
一
一
ノ
司
吻
均
一
一
司
司
一
守
司
司
図… 9 アツププpカツト口一タリの爪配列と、
0
0
5
)
畝の作製(細川ら・ 2
寺
ん同時畝立て播積オ鮎今では、最初の崎種H
から、第 l回目の中羽:
1
培土を実施した後と
同様に、大豆の畝か高く、畝間が低くなる
ため、初期の排水が促進される。さらに、
酎霊位置か高くなるた
慣行栽培に比べて、 J
7
石灰窒素だより
N
o
.
1
4
7
(
2
0
1
3
.1
)
め、地下水位の高い国場や、 J樹~TI後に強い
水分が低くなり、降雨後の土中酸素濃度の
雨が降っても正常に発芽生育し、種子の腐
回復が早くなった(赤IllJlI
2
0
0
4
)。そのた
0
0
4
)0
敗や出芽不良が回避された(細川・ 2
め、どの岡場でも、砂直て栽培では、平畝
・子実童、子実百粒重
栽培よりも窒素回定量、窒素吸収量ともに
排水条件の異なる 3岡場 (A悶場はH
音渠
あり、 B圃坊と C圃場は暗渠なし)で栽;情
説放を実施した結果、図 -10
のように、 A、
B、C
I
歯i
場いずれも i
削又効果がみられ、増
収率はそれぞれ26%、13%、25%で、あった
増加した(図 -12)。
3
0
2
5
薬2
0
同1
5
岱1
0
。
:
:
;5
.
首加と
車
(1
1
1)
11-2
0
0
4
)0:
T
i
l収効果は、粒数のi
ともに、 1
3"粒立の増加にもよった(図 1
1
)。
子実霊(同時/叩a
)
ロ平畝
図畝立て
回唖根窒素
口窒素固定
思
.ちりめんじわ粒率が改善
2
0
1
0
) により、
同様な精巣が、南雲ら (
新潟県成業総合研究所の)1忠弘~1.1lIでも確認さ
図-10 3ヵ所の圏場における平畝栽培と
畝立て栽培の大豆子実重の比較(細
川
・ 2004より作図)
0
c
m以下の都合 :A困
場6
0
%、
日
圃
生育期間中の地下水位3
0
%、C回
場(
2
0
%
)
03ヵ所の圃埼とも 5%水準で有意。
場1
4
0
nuRunυ
1
3
5
百 3
0
粒 2
5
霊 2
0
g 1
5
れている。雨雲らは、生背後期のE
E
素供給
を高めるために、 i
玖立てJ
耐重と、シグモイ
ド型被覆尿素 (CUS60の培土期追肥また
のJ
制巴施用)を併用した。その
はCUS120
i
仇立てJ
品種と被覆尿素の併用によ
結果、 I
り、子実収量は最も土問加する傾向が認めら
ロ平畝
図畝立て
図-11 3ヵ所の圏場における平畝栽培と
畝立て栽培の大豆百粒重の比較(細
川1
2
0
0
4より作図)
A圃
場、日困場は、それぞれ 5%
、1%
水準で有意。 3ヵ
所
水準で有意。
の圃場とも 5%
れた(IT?
1
1
3
)。また、畝立て栽培や、畝
立て栽培と被磁!求素の1
j
1
:
fIJにより、ちりめ
んじわ粒率が悩行の 12% から 4~6% と
士初予以下に改善された(図 -14)。
・窒素固定量、窒素眼収量
湿害は、土壌の酸素濃度の低下を招き、
根粒の着生や窒素│宣!定を著しく阻害する。
吸収も
また、根の発育を阻害し、養水分の l
低下する。細川の試日掛古果では、畝立て栽
培を行うことにより、慣行ヰ賠に比べて常
に地下水位が低く、表層に近い部分の土壌
8
慣行区
図ー 1
3 長岡市の細粒グライ土圏場における
平畝栽培と畝立て栽培の大豆子実重
0
1
0より作図)
の比較(南雲ら・ 2
慣行区守平畝慣行栽培。畝立て区:畝立て同時施肥播種栽培。
追肥区:畝立て同時施肥描種栽培で、 6
0日
シ
グ
畝立て +cus
モイド型被覆尿棄を培土時に追肥。
2
0目
シ
畝立て +cus追肥区.畝立て同時施肥播種栽培で、 1
グモイド型被覆尿索を畝立て播種目寺に基肥として施用
201
3
.1
)
石灰窒素だより NO.147(
豆の増収効果を調べた。平畝j
支J
今で地表か
5
1
2
2
8
ら2
0
c
mに施)j目するには、将l
うん層の
め
m
ん, u
f
l
O
c
m
程度の未i
i
)
j
:
土を切り進むため、頑丈なナ
粒 6
い索引エネルギ
イフ状施肥管と、比較的許i
宮
ーを必要とする。一方、畝立てと深層施肥
4
の併用では、アップカットロータリで地表
0 1
節子区
立て区百京花房車直給料c
u
誌面
図ー 14 長岡市の細粒グライ土圏場におけ
る平畝栽培と畝立て栽培の大豆子
実のちりめんじわ粒発生率の比較
0
1
0より作図)
(南雲ら・ 2
慣行区、畝立区、畝立て +
cus
追肥区、畝立て +
cus
基肥
ド1
2
c
mを:f
J
t-うんすると同J
I
寺に、約lOc
mの
J
I
i
1
J巴位置をiI氏i
二
高さの畝がつくれるため、 )
部から深さ 2
0
c
mとするには、地表から約
10cmの深さの位置に)jωIl~すればよいことに
区・図 -13と同じ
なり、米 j
J
μ也を切る必要はない。そのた
・石灰窒素の深層施肥による増収効果
め、軽量な施J巴管の使用がTi
T
能であり、 ト
坂下らは、北陸研究センターが開発した
ラクタへの負担はi陸くできるメリットがあ
耕うん同時畝立て摘種機に深層施肥機を組
る。さらに、排水改普により生育前半の改
1
5
)に
み合わせた作業機(写真一 l、図 -
さが大きいi
j
仇立て栽耳?と、生育後半の
議効よi
より、畝上面から深さ 2
0
c
m
の位↑聞こ布灰窓
改善効果がブ三きい柄引制白)]巴i
去を組み合わせ
素を深間施肥する方法で、農家における大
ることにより、重粘土*E
E
I
l
I
転換1.
1で、の大豆
!
i
叫
栽培への効果カサ別待で、きる。試験の詳細l
は
、
坂下ら (
2
0
1
1
)の既報を参!思いたた、きたい 0
・農家圏場(新潟、富山)で試験
この試験は、 2
0
0
8
年から 2
0
1
0
年まで新
潟県、富山県の農家岡場で実施した。大立
閉場を二分
品種は「エンレイ」を!日いた。 l
1
うん同 1守
畝J
:て帰磁のみの対
し
、 -jJを羽:
照区とし、他方を剥:
1
うん問 1寺畝立てf
品種石
;
j
:)
I
J区とした。基肥畳は、
灰窒素深層施肥1
農家の慣行にあわせ、窒素で 2-3kgN
約加叩
o
m
約
τ百円
種子基肥
/10aを摘種位置の棋に条施肥した(写真
)
(は、石灰窒素(6kgN
一 1)。深層施肥 1
/10a) を、描種条直下に、畝上部から 2
0
c
mの深さに条t
伝肥した。
深層施肥¥
石灰窒素
、
0
1
1よ
図-15 作業後畝内の様子(坂下ら・ 2
り転載)
大亘種子、基肥、深扇施肥した石灰窒素の位霞関係
1~1-16 に、 8 ヵ所の聞場における対照
区と深層施肥区の品質別子実収:箇:を示し
た。収量では、 2
0
1
0
年試験地⑦の l地点
を除いて、いずれも深層施肥区が対照区を
上回った。全i
丸験区のj
*
馬方面)]巴による平均
l
(
R収率は 29%で、あった。新潟県、富山県
9
石灰窒素だより N
O.147(2013.1)
hu
i
②
ふ央
E
qu
nu
nu
門
4
試
年
f
k
g
10
~
地
⑤
W比
ふ
血λ
試M
qu
nu
nU
年
2
nU ハu n u n U
nURunURJU
5
0
0
子5
0
0r 2010
年試験地⑥
実
収
4
0
0
量3
0
0
トg
200
0
0
101
a
ハU
子実収鐙(岡山山a
)
ハ
UnU
r
子5
00
実1∞
211
U
ハ
対照
子実収量(匂/叩a
)
①
ふ宋
山也
試
年
門
qu
ハ
U
ハ
U
Ununununu
nU ハ
U U
U ハ
U ハ
nU ハ
内
RUAM-ndηζ43
①
由也
惇時閉
ふ白衣
ー
Qu
試
年
nu
ι
J
n
v
円
ハ
U
子実収璽(匂叩a
)
。ζU 4R 1u 4n 1u k u
2
υ
n
f
子実収翠(同叩a
)
nU ハ
U ハ
U ハ
U ハ
Unu
nU ハ
U ハ
UnunU
R U A M - q u n〆﹂ 43
2
0
0r 2009
年試験地③
子
実 1
5
0
収
深j
翠施肥
r
2010年試験地⑦
子5
00
2010
年試験地③
実4
00
収
壌3
00
収
翠3
00
三ヨその他被害粒
E
kg200
kg200
0
0
101
a
)
。
堅塁~蓄電甲じわ粒
実
400
医霊璽爽ずれ粒
0
0
101
~。
対照
深層施
n
l
E
wff;%aちりめんじわ粒
対照
深!習施肥
鶴警護軍書粒
図 -16 大豆畝立て播種栽培における深騎施肥の効果(坂下ら・ 2011)
対照区、深l
翠施肥区とも、畝立て同時掲極栽培を実施。深腐施肥区は、 6
kgN
. lOa
の石灰窒棄を深さ 2
0
c
mに基肥として深層施用した。
の土壌タイプ、重地土、埴壊土、砂壌土
害、田畑輪換を繰り返すことによる地力の
1
F
I
l
l
R
│
豆と深
で、いずれも効果がみられた0
消耗、 ~~I:盤による十1~域fIjリ I~Hのための相~1r11長
削巴区で、、百粒重は変わらなかったこと
層1
阻害などが挙げられている(全世ホームペ
から、深層施肥区の増収要因は、一次分枚
ージ)。最近、水 E
E
Iのi
1
i
D
J
(
機能を利用して、
数の増加と総節数の増加による英数の増加
H
音渠を排水だけでなく給水にも用いること
とそれにともなう子実数の地加であった。
により地下水を自由に設定できる「地下水
深層施肥 I~.では、すべての関場でサ賀行|玄
位制御システム (FOEAS)Jが開発され、
よりも整粒重の増加がみられた。その要因
大豆のi
毘害防止と干ばつ対策への有効性が
は、ちりめんじわの発生が低下したことに
期待されている[(独)朗肝機偽]。
よる。ちりめんじわは、生育後期の窒素や、
畝立て栽培は混寄の防止に有効で、あり、
光合成産物の供給不足により多発すること
発芽苗立ち、生育初期の根と恨粒の発達を
が知られている(関口ら・ 2008)。石灰窒素
促進する。また、石灰窒素の深層1
ω
j
目技術
の深層施肥は、生育後期まで窒素を補給す
は、窒素回定を阻害せず~ミ育後期に窒素を
るとともに、業の老化を抑制し、光合成産
供給し、地力低下のネi
l
完という意味合いも
物の種子への供給を維持したと考えられる。
ある。このことから、排水不良の重粘土水
水回転換1
1
1
1で、の大豆栽培の利点として
1
1
1では、畝立て栽i
t
f
fと石灰窒素深層施肥の
は、オt稲栽培時の槌水による雑草や土壌病
併用で大豆の安定多収カサ明侍され、専用の
害の抑制効果や潅水機能などが挙げられ
施肥機の普及か望まれる。
障
る。一方、留意点としては、湿害による i
10
石灰窒素だより NO.147(
2013
.
1)
…
大豆、麦、多用途米の新規生産向上技術の
三重素深層施肥による
開発と普及」を、新潟大学、秋田県立大
j
雲水田フル活用
機構中央農研北陸研究セン
学、(独)幾何f
現在、わが闘ではコメ以外の穀物自給率
タ一、新潟県農業総合併究所、松山株式会
は極めて低く、水凹転作が実施されてい
社、電気化学工業株式会社の述腕により開
1
1
1での穀物生産は、先n
作
る。しかし、転換1:
始した(写真一 2
。
)
f
化や委託栽培
物の湿害に加え、農家の高由:
i
l
時刻Bl
このプロジ、エクト研究では、水日J
面積のJ
広大などにより、いっそう効率的な
における主要l
i
去作作物である大豆、米麦、
栽培法が求められている。これまで、著者
二と、省力・省
小麦、多用途米の生産性向 i
潟
凡
f
j
l
県早における水│日1
刀
1
1
却
1
主
到
瑚
松
1!
ら
は
、 新i
エネルギー栽塙を目的とし、これまで大豆
素
や
石
石
宇1
双
灰
j天窒素のJ
揃
需
耐
干
種
重
条
干
下
.
へ
の
基
却杷
j
旭
j
巴
印i
深
架
刺
!
周
爵
剖t
施
伝
肥
j
f
l
i
)j巴技術を各種
で確立した窒素肥料の深層1
S
L子実の安定多収と品質 1
1
t
J
上Jこ寄与
が、大!
水回転換作物~利用し、深層脳j巴機の改良
することを確認した。また、深層施肥装置
と普及をめざしている。追肥回数の多い大
を改良し、大麦栽培にも本技術の適用か市I
麦、小麦、多用途米などの生産でも、窒素
能であることを示した。
これらを基礎に、平成2
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年度から「新
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剖制巴により、全量基j
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たな農林水産政策を推進する実用技術開発
力・省日間81・・省エネルギー栽端、環境,1~~~
事業・窒素深層施肥による7]<.凹フル活用一
技術の確立をめざしている。
窒素肥料の基肥深層施肥技術を
転作作物に利用して水田をフル活用
大豆
1)深j
霞施肥機の改良と普及機の開発
2
) 深層施肥に適した窒素肥料の検討
3
) 北陸地域での普友をめざした総合的、実践的検討
4
) 農家における深層施肥技術の検証と普友
写真一 2 窒素肥料の深層施肥技術の各種水回転換作物への汎用化と普及ためのプロジェクト
平成23
年度新たな農林水産政策を推進する実用技術開発率業・窒素深腐施肥による水田 7)レ活用一大豆、麦、多用途米の新規生
2
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)
産向上技術の開発と普及 (
1
1
石灰窒素だより NO.147(
2
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)
-引用文献
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1.(独)震研機構他、地下水位制御システム (
による大豆の安定生産マニュアル
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2 平成23年度新たな農林水産政策を推進する実用
技術開発事業・窒素深層施肥による水田フル活用一
大豆、麦、多用途米の新規生産向上技術の開発と普
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3 細川寿 (
2
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4
)大豆の耕うん同時畝立作業機に
よる重粘土転換畑の湿害回避技術、農業機械学会
誌
、 66(
5
)、14-16、
4目細川寿・高橋智紀・松崎守夫・足立一日出
(
2
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0
5
)第 3章 ダイス手作における安定生産技術の
)湿害回避のためのダイス周耕うん同時畝立
開発、 2
て播種作業技術の開発、 7i'ーミンクシステム研究、
7、113-122、
5
. みんなの農業広場;耕松岡時畝立て播種技術に
より大豆の安定栽培をはかる
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6 南雲芳文・佐藤徹・服部誠・土田徹・細 1
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寿・高
橋能彦・大山卓爾 (
2
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ω 排水不良転換畑における
畝立栽培およびシグモイド型被援尿素肥料施用による
ターィスの窒素集穣増加とちりめんじわ粒発生率軽減効
果、日本土壌肥料学雑誌、 8
1、360-366、
7
.農研機構ホームページ;耕うん同時畝立て矯種機
を利用した湿害軽減技術、
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8
. 大山卓爾 (
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)“
第V
重量窒索化合物分析法"
植物栄義実験法.(日本土壌肥料学会監修)博友社、
174-203
9 大山卓爾・高橋能彦・池主俊昭・中野富夫
(
1
9
9
2
)単純相対ウレイド法による圏場栽培ダイスの
窒素固定活性と窒素吸収速度の評価.農業および園
,
1
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芸
, 67
1
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. 大山卓爾 (
2
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0
) タイスの特性と収蚤の考え方,
農業技術大系追録,第2
2
号,農文協,技 31
1.大山卓爾・ティワリ カウサル・高橋能彦
(
2
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)夕
、
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, 2つの問題点をクリアした 2つの方法
(深層施肥と根粒菌樹重).石灰窒素だより, 1
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2 大山卓爾・ティワリ カウサル・高橋能彦
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)ダ
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守題点をクリアした 2つの方法、
深層施肥と根粒菌接種。別冊現代農業、 2009
年7
月号「農家直伝、豆を卜コトン楽しむー食べ方・加工か
1
2
ら育て方までJ120-126
1
3
. 大山卓爾・大竹憲邦・末吉邦・ティワリ カウサ
2
0
1
1
)第 3章 作
ル・南雲芳文・土田徹・高橋能彦 (
物栄養条件がしわ粒発生に及ぼす影饗の解明窒素
施肥法が子実成分集積としわ粒発生に及ぼす影響、フ
ァーミンタシステム研究1
0
、「北陸地域に多発する大豆
しわ粒の発生防止技術の開発J
、50-75
1
4
. 関口哲生・小原洋・新良力也・重量1
I
1健一・田淵公
清(
2
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8
) ダイズ子実の縮緬じわ発生に及ぼす切葉、
摘爽処理の影響、日本土壌肥料学雑誌、 79
、8185
1
5
. 坂下普志・野坂佳史・細川寿 (
2
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1
1
)耕うん同時
畝立て栽培ダイス'における石灰窒素の深層施肥の効
果、燦業および園芸、 86、981-986
2
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0
7
)北陸地域におけるダイスめしわ
1
6
. 回測公清 (
粒などの品質低下要因の解明と対策、北陸作物学会
報
、 42 140-143
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699-708
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. 高橋能彦・池主俊昭・中野蜜夫・大山卓爾
(
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)綴効性窒素肥料(被覆尿素)の深j
翠施肥に
よるタ‘イ文安定多収技術の植物栄護学的解析.塁塁業お
よび園芸, 68,
282-288
2
1 高橋能彦・池主俊昭・中野富夫・大山卓爾
(
1
9
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3
ω ダイス・栽培闘場において追肥または深層施
肥した被緩尿素の土壊中における動態.日本土壌肥料
学雑誌, 64,
338-340
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.・皆川律子・菅沼丈人・藤掛浩行・大
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)窒素深層施肥と根粒菌接種が客土造成転換
畑初作ダイズに及ぼす影響.日本土壌肥料学雑誌,
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高収最・環境保全型ダマズ、オオムギ澗]日
深層施肥機の開発J(平成1
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年度)、新潟大学
プロジz:r.クト研究経世「石灰窒素の深層施肥に
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三度)、ならびに農林水産省新たな民.
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全米の新制生産向上技術の開発と普及J(
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成23年度より)の補助をいただいたことに感謝
申し上げます石松山株式会社の'
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層1jlliJJ巴機の改良にこ:1~1J力いただしサこことを深く
目
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