アニュアル・レポート 2010 http://www.teijin.co.jp Annual Report 2010 2010 年 3 月期 本誌は大豆油インクを使用しています。また、表紙及び P1 ∼ P46 までは FSC 認証紙を使用しています。 2010 年 7 月発行 プロファイル 帝人株式会社の概要 (2010 年 3 月 31 日現在) 帝人グループは、高機能素材とヘルスケアを中心に、8 つの事業をグローバルに展開しています。 創立 1918 年(大正 7 年)6 月 17 日 絶え間ない挑戦と変革を創業 (1918 年)以来続けてきた結果、高機能素材では、アラミド繊維、炭素繊維が世界で 本社 大阪本社 〒 541-8587 大阪府大阪市中央区南本町 1-6-7(帝人ビル) TEL:06-6268-2132(代表) トップクラスのシェアを有し、ヘルスケアでは、在宅酸素療法と睡眠時無呼吸症候群治療器が国内でトップクラス のシェアを有するなど、多くの製品やサービスが市場で高いシェアを獲得しています。 東京本社 〒 100-8585 東京都千代田区霞が関 3-2-1 (霞が関コモンゲート西館) TEL:03-3506-4529(代表) 「アドバイザリー・ボードの設置」 「取締役会改革」などの先進的なコーポレート・ガバナンス体制を 1999 年以降、 構築し、事業戦略、CSR と一体となった経営を推進しています。 決算期 株式 3月 発行可能株式の総数 発行済株式の総数 資本金 企業理念 株主数 帝人グループ会社数 Quality of Life 計 従業員数(連結) 帝人グループは 社会と共に成長します 人間への深い理解と 国内 海外 国内 海外 社員と共に成長します 豊かな創造力で クォリティ ・オブ・ライフの 向上に努めます 計 上場証券取引所 東京、大阪 証券番号 3401 三菱 UFJ 信託銀行(株) 配当額は、通常、5 月と 11 月に決議され、支払われます。 株主名簿管理人 配当 ブランドステートメント 3,000,000,000 株 984,758,665 株 708 億 17 百万円 124,769 名 76 80 156 10,197 名 8,581 名 18,778 名 株主・投資家への情報提供 会社案内 アニュアル・レポート ファクトブック 決算短信 CSR 報告書 定時株主総会 毎年 6 月末までに開催 会計監査人 あずさ監査法人 インターネットでのテイジン http://www.teijin.co.jp ホームページでは、多くの企業情報や製品情報を掲載しており、最新のアニュアル・レポートや 決算情報、ニュースリリースがご覧いただけます。 IR 窓口 広報・IR 室 〒 100-8585 東京都千代田区霞が関 3-2-1 (霞が関コモンゲート西館) : TEL 03-3506-4407 FAX:03-3506-4150 E- メール:[email protected] テイジンブランドの約束を“Human Chemistry, Human Solutions”と表現します。 この約束は、 「人と地球環境に配慮した化学技術の向上と、 社会と顧客が期待している解決策を提供することで本当の価値を実現することに挑戦し続けること」 を意味しています。 見通しに関する注意事項 本アニュアル・レポートに掲載されている内容は、種々の前提に基づいたものであり、記載された将来の予測数値や施策の実現を確約したり、保証す るものではありません。 ● 本誌内に記載されている商品の名称、サービス名称等は、帝人グループの商標もしくは登録商標です。またはその他の商品の名称、サービス名称等は、各社の商標もしくは登録商標です。 ©2010 帝人株式会社 All Rights Reserved. 目次 page 2 page 財務ハイライト 12 減収減益 売上高 営業利益 総資産圧縮 総資産 18.8% down 前期比 25.2% down 事業一覧 前期比 5.8% down 前期比 2,052 合成繊維事業 1,778 化成品事業 1,317 2,053 キャッシュ・フロー フリー・キャッシュ・フロー 創出 前期比 売上高 億円 1,229億円 up 459 医薬医療事業 Fiscal 2009 営業利益 億円 80 化成品事業 242 医薬医療事業 流通・リテイル事業 IT・新事業他 34 30 -151 4 ステークホルダーの皆様へ 流通・リテイル事業 IT・新事業他 合成繊維事業 事業概況 帝人は 「2 0 1 0 年度の構造改革の完了と黒字化実現」 14 「2 0 1 1 年度の成長軌道への回帰」 16 を目指しています。 9,500 売上高 18 600 7,658 億円 134 億円 -357 億円 当期純利益 2008 ポリエステル繊維 樹脂 22 フィルム 24 医薬医療 医薬医療 27 流通・リテイル 流通・製品 28 2009 炭素繊維 化成品 300 8 合成繊維 20 営業利益 2007 アラミド繊維 2010 2011 予想 (年度) イメージ IT IT・新事業他 29 新事業開発 31 マネジメントシステム コーポレート・ガバナンス 世界で 4 0 年振り り 新薬、 りの 32 38 42 44 46 痛風・高尿酸血症治療剤 痛 痛風 風・高尿 風・高尿酸血症治 尿酸血 症 療 TMX-6 TM MX-6 7 の 47 財務セクション 48 50 60 11年間の主要連結財務データ 特集 TMX-67 グロ グローバル展開 研究開発 知的財産 帝人の社会的責任 人財の育成と活用 財務報告 連結財務諸表 Teijin Limited 1 財務ハイライト 売上高営業利益率 営業利益 売上高 億円 % 1,200 12 1,000 10 800 8 600 6 400 4 200 2 0 0 億円 12,000 9,234 10,000 8,000 6,000 8,904 8,746 8.2% 7,614 4,000 4.0% 3.2% 4.4% 7,658 6.3% 652 751 519 387 353 295 9,434 7.4% 768 5.7% 5.7% 437 10,366 10,096 9,381 9,084 1.9% 2,000 0 1.8% 180 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 134 2008 2009 (年度) ROE 当期純利益 % 億円 450 300 15 341 249 160 5.2% 150 10 92 85 10 126 3.3% 3.1% 3.0% 0.3% 9.7% 7.9% 5 0 0 -150 -5 -7.1% -210 -12.3% -300 -12.4% -357 -430 -450 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 -10 -15 2009 (年度) 総資産 D/E レシオ 有利子負債 12,000 10,585 11,046 10,365 9,145 10,000 8,520 9,440 8.5% 9,999 % 12 12 10 10 8 8 6 6 3,203 4 4 1.6% 1.18 倍 2 2 0 0 10,160 8,742 7.7% ROA 倍 億円 8,231 8,000 6.5% 6,000 4.2% 3,786 4,000 2,000 0 4,292 2.7% 1.18 倍 2000 4,436 3.3% 2001 3,567 1.21 倍 1.59 倍 1.38 倍 2002 5.9% 4.0% 2003 2,770 2,983 0.95 倍 0.88 倍 2004 2005 2,955 3,252 0.81 倍 0.83 倍 2006 3,613 1.9% 2007 1.18 倍 2008 2009 (年度) 営業活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー フリー・キャッシュ・フロー 億円 1,200 794 800 400 583 524 289 -400 -76 -505 -513 -800 -1,200 2 Teijin Limited 2000 2001 860 804 537 127 14 470 -255 -741 2003 404 94 -167 -659 2002 965 755 450 283 11 0 733 2004 2005 -871 2006 -792 -334 -759 -1,163 2007 2008 2009 (年度) 億円 前期比 (%) 百万米ドル 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2008-2009 2009年度 ¥ 9,381 ¥ 10,096 ¥ 10,366 ¥ 9,434 ¥ 7,658 -18.8% $ 8,231 営業利益 768 751 652 180 134 -25.2% 144 当期純利益 249 341 126 -430 -357 ̶ -384 研究開発費 312 351 363 376 334 -11.4% 359 総資産 9,440 9,999 10,160 8,742 8,231 -5.8% 8,846 有利子負債 2,983 2,955 3,252 3,613 3,203 -11.4% 3,442 自己資本 3,386 3,668 3,910 3,056 2,713 -11.2% 2,916 営業活動によるキャッシュ・フロー 755 965 537 404 804 864 投資活動によるキャッシュ・フロー -741 -871 -792 -1,163 -334 -359 フリー・キャッシュ・フロー 14 94 -255 -759 470 505 財務活動によるキャッシュ・フロー 15 -191 161 792 -429 -462 経営実績 売上高 財政状況 キャッシュ・フロー 円 米ドル 1株当たり情報 ¥ 26.6 ¥ 36.8 ¥ 13.2 ¥ -43.7 ¥ -36.3 $ -0.390 364.8 395.2 397.3 310.5 276.2 2.969 7.5 10.0 8.0 5.0 2.0 0.021 ROA 8.5% 7.7% 6.5% 1.9% 1.6% ROE 7.9% 9.7% 3.3% -12.3% -12.4% 0.88倍 0.81倍 0.83倍 1.18倍 1.18倍 当期純利益 純資産 現金配当 指標 D/Eレシオ 注 : 1. 表示されている米ドル金額は、読者の便宜のため、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の為替相場 9 3.0 4 円/ 1.0 0 米ドルにより換算しています。 2. 本アニュアル・レポートでは、ROA= 営業利益/期首期末平均総資産、ROE= 当期純利益/期首期末平均自己資本、D/E レシオ=期末有利子負債/期末自己 資本で計算しています。 なお、自己資本=純資産合計−新株予約権−少数株主持分で計算しています。 四半期別売上高推移 四半期別営業利益推移 億円 億円 3,000 2,500 2,485 2,366 2,000 1,500 2,613 2,649 2,620 2,532 2,479 2,056 1,942 2,001 2007 年度 2008 年度 2,056 2009 年度 1,660 200 100 86 50 0 500 -50 1Q 2Q 3Q 4Q 165 190 150 1,000 0 165 -100 64 132 72 43 21 -15 2Q 3Q 2009 年度 2008 年度 -43 1Q 2007 年度 86 4Q Teijin Limited 3 4 Teijin Limited ステークホルダーの皆様へ 緊 急 対 策・構 造 改 革は着 実に進 展 中。 緊 急 対 策として、設 備 投 資の圧 縮、費 用・在 2 0 0 9 年度は前半までの急激な需要縮 庫の削減、役員報酬の一部返上を行うとともに、 小と構造改革費用の増加で赤字 人員体制の見直しや残業削減等の労務費削減 策を実 施しました。また、構 造 改 革として、固 2 0 0 9 年 度は、前 半での需 要の落ち込みが大 定 費は前 期 比 3 4 0 億 円を削 減し、設 備 投 資は きく影響し、売上高は前期比 1 9% 減少し 7,6 5 8 395 億円の圧縮を実現しました。在庫について 億円、営業利益は 2 5% 減少し 1 3 4 億円となりま も、在 庫 金 額 目 標の 1,1 0 0 億 円を 3 7 億 円 下 回 した。後半には需要が回復してきたことに加え、 る 1,0 6 3 億円としました。加えて、長繊維の国 緊急対策及び構造改革の効果が着実に発現し 内からタイの子会社への生産移管やインドネシ てきました。年度通算では、当期純損益は、前 アの子 会 社の売 却 等ポリエステル繊 維を中 心 期に比べ赤字が 7 3 億円減少しましたが、構造改 とした素 材 事 業の構 造 改 革を積 極 的に進めま 革費用等の増加により 3 5 7 億円の赤字となりま した。 した。 これらにより、重 点 課 題として挙げていた 「キャッシュ・フローの確保」は、前期の 7 5 9 億 円の資金支出から 1,2 2 9 億円改善して 4 7 0 億円 黒字体質への転換の実現 の資金収入に転換し、目標としていた「稼働率 この環境激変の中にあって、成長軌道への回 7 0% でも黒字が確保できる事業構造」に大きく 帰に向け、2 0 0 8 年度後半から緊急対策と構造 前進しました。 「稼働率 7 0% で 改革に取り組み、2 0 0 9 年度は、 も黒字が確保できる事業構造の確立」に取り組 成長軌道への回帰 んできました。また、キャッシュ・フローの創 2 0 0 9 年度は、緊急対策と構造改革の進展に 出を経営の機軸に置き実践しました。 より、素材事業全般において黒字体質への転換 が進みました。医薬医療事業においては、医薬 フリー・キャッシュ・フロー 億円 1,000 品・在宅医療とも順調に推移し、期待の世界的 860 750 +1,229 億円 500 な新薬である痛風・高尿酸血症治療剤 TMX-6 7 470 もライセンス先の米国で着実な実績を上げたほ か、欧州でも販売を開始しました。 250 14 94 帝人は「2 0 1 0 年度の構造改革の完了と黒字 0 化実現」 「2 0 1 1 年度の成長軌道への回帰」を目 -250 指しています。 -255 このため、素材事業で「構造改革の効果を計 -500 -750 -1,000 画どおりに発現」するとともに中国・ASEAN 等 -759 2004 2005 2006 2007 2008 を中心とした地域で拡大する需要を取り込み、 2009 (年度) Teijin Limited 5 さらに安定的な収益基盤を持つ医薬医療事業 技 術 革 新を核に、 「グリーンケミスト 等を拡大することにより、確実な「黒字化の達 リー」と「ヘルスケア」で持続的成長を 成」を図ります。 実現 当社は、成長軌道への回帰となる 2 0 1 1 年度 に、営 業 利 益 6 0 0 億 円、当 期 純 利 益 3 0 0 億 円、 長期的には、帝人グループは 2 0 2 0 年度近傍 ROE7% 以上、ROA 6% 以上、D/E 比率 1.0 以下 で、売上高 2 兆円、営業利益 2,0 0 0 億円、当期純 の達成を目標としています。これを実現するた 利益 1,0 0 0 億円を目指します。 めに、次の 4 つの施策を重点施策としています。 このため、帝人は、技術革新を核に、事業ポー 「医薬医療事業の拡大」 「アラミド繊維・樹脂の トフォリオを変革し、高機能素材領域やグリー 全面的拡大」と「炭素繊維の成長軌道への回帰」 ン・エネルギー領域などの「グリーンケミスト の 3 つの成 長 施 策と、赤 字 解 消・黒 字 化で増 益 リー」と医薬品と在宅医療の「ヘルスケア」、及 効果を実現する「ポリエステル繊維・PET フィ び先端医療材料や高耐熱性バイオプラスチック ルムの構造改革の進展」です。 などの「融合領域」を重点事業領域とし、高度な ソリューションを提供しながら持続的な成長を 成長軌道への回帰に向けた業績イメージ 実現します。 営業利益 売上高 地域戦略では、今後大きく成長する新興国・ 当期純利益 億円 億円 12,000 8,000 9,500 7,658 652 180 134 800 する一方、結果として日本における売上高を現 600 在の 60% から 40% 程度に縮小する見込みです。 600 320 4,000 126 興国・アジアの比率を 2 倍弱の 35% 程度に拡大 8,000 9,434 6,000 2,000 加速します。現在、売上の 20% 程度を占める新 10,366 10,000 300 400 200 0 2007 2008 -357 2009 また、景気循環サイクルが異なる素材事業と 医 薬 医 療 事 業のようなサービス事 業との事 業 100 0 -430 アジアに焦点を当て、地域ポートフォリオ戦略を 2010 2011 予想 (年度) イメージ 間でのバランスをとる一 方、素 材 事 業では、川 中・川下の加工事業の取り込みにより高付加価 -200 値を確保し、安定的に高い収益性の実現を目指 -400 します。 -600 これらにより、長期的な目標イメージとして、 ポリエステル繊維・PC 樹脂のような汎用素材 事業の売上高構成を現在の半分の 2 5% にする 帝人は 「2 0 1 0 年度の構造改革の完了と黒字化実現」 「2 0 1 1 年度の成長軌道への回帰」 を目指しています。 とともに、現 在 1 0% の高 機 能 素 材 事 業と新 事 業を 3 倍の 3 0% に、また、1 5% の医薬医療事業 を 2 0% に拡大し、収益力のある高機能素材・新 事 業・医 薬 医 療 事 業 の 売 上 高 構 成 を 全 体 の 5 0% に高めます。営業利益率では、汎用素材事 6 Teijin Limited 業で 5 ∼ 6%、高機能素材事業・新事業で 1 0 ∼ ステークホルダーの皆様には、今後とも変わ 2 0%、医 薬 医 療 事 業は現 在と同 水 準の 2 0% を らぬご理解とご支援をお願い申し上げます。 維持することを目指します。 帝人グループは、企業理念(「人間への深い理 2 0 1 0年7月 解と豊かな創造力でクォリティ・オブ・ライフ の向上に努めます」 「社会と共に成長します」 「社 代表取締役社長執行役員 CEO 員と共に成長します」 )に基づき長期的視点で経 営を実践し、 持続的な成長を果たしながらステー クホルダーの皆様のご期待に応えていきます。 重点領域でのソリューションの提供 高機能素材領域 ● 炭素繊維主体の複合材料 基盤技術群 ポリマー技術、紡糸・製膜技術、エンジニアリング技術、創薬技術等 グリーン ケミストリー 融合領域 グリーン・エネルギー領域 ● 電気 / 電子分野の革新素材 バイオプラスチック 先端医療材料・再生医療 医薬品・在宅医療 基幹技術群(成長ドライバー) ヘルスケア 繊維・フィルム・樹脂・製剤製造技術、次世代電池材料技術等 ● TMX-67 グローバル展開 ● 在宅医療グローバル展開 主要事業売上高 高機能素材・ヘルスケアを中心に拡大 高機能素材事業+新事業 35% 医薬医療 15% 25% 25% 10% 流通・リテイル、IT 他 199 98 年度 2020 年度 2008 年度 近傍 高機能素材事業: アラミド繊維、炭素繊維、その他高機能素材 50% 汎用素材事業: ポリエステル繊維、PET フィルム、ポリカーボネート樹脂 30% 15% 汎用素材事業 50% 25% 20% 海外売上高 成長する新興国・アジアを中心に拡大 10% 日本 北米・欧州 25% 20% 新興国・アジア 40% 15% 1 9 9 8 年度 20 0 0 8 年度 20% 75% 2 0 2 0 年度 近傍 傍 60% 35% Teijin Limited 7 特集 痛風と高尿酸血症 ● 血清尿酸値 高尿酸血症となってから痛風の発作が起こるまでの期間は、血清尿酸値の値 mg/dL によっても違いますが、短くて2 ∼ 3年、一般的には5 ∼ 10年といわれています。 9 ただし、長い時間が経過してもすべての人が痛風を発症する訳ではありません。 痛風発症が有意に高まる このため欧米では、医療経済性の観点から、血清尿酸値を下げてコントロール する治療は、痛風の発症後から行われます。 高尿酸血症 8 しかし、痛風の症状が出なくても、腎臓障害や尿路結石などの病気にかかる リスクは高まっていきます。また、血清尿酸値が 9.0mg/dL を超えると、痛風を 7 尿酸の結晶化 6 治療目標血清尿酸値 発症するリスクが有意に高まります。さらに、高血圧や脂質異常症(高脂血症)、 糖尿病などの生活習慣病がある場合には、血清尿酸値が高いことが動脈硬化を 進行させる危険な因子のひとつとなります。このため、日本では、高尿酸血症 も治療の対象となっています。 正常な男性の平均値 5 4 8 Teijin Limited 正常な女性の平均値 帝人は、世界で 4 0 年振りとなる痛風・高尿酸血症治療薬 TMX-6 7 を創製し、 グローバル展開を進めています。 TMX-6 7 の登場が痛風で苦しむ患者様に 新しい治療機会を提供できるものと期待しています。 TMX-6 7 の特徴 マ(株)において研究を重ねた結果見出された新 Q 医薬医療事業での TMX-67 の位置付 けは ? A 帝人グループの医薬医療事業は、1 9 7 3 年の 規痛風・高尿酸血症治療薬です。TMX-67 のこ 医薬事業、1 9 8 2 年の在宅医療事業開始から順 れまでの臨床試験の成績から、1 日 1 回の服用で 調に拡大を続け、現在では、帝人グループの中核 治療目標値である 6.0mg/dL 以下まで血清尿酸 事業にまで成長しました。そして、事業のさら 値を低下させ、維持することを確認しています。 なる発展のため、医薬事業、在宅医療事業共に、 また、従来の薬剤は、腎機能低下がある場合、細 今後より一層のグローバル展開を目指していま かな用量の調節が必要でしたが、TMX-67 は主 す。こうした中、医薬事業においては、優れた有 要な代謝・排泄臓器が腎臓ではないため、軽度・ 効性と高い安全性を併せ持つ痛風治療薬として 中等度の腎機能低下がある場合にも用量調節の 欧州、米国にて承認を受け、上市されており、対 必要がなく、多くの患者様への使用が可能と期 象 患 者は国 内よりもむしろ海 外に多いことか 待しています。 ら、 TMX-67を世界戦略商品と位置付けてグロー TMX-67(フェブキソスタット)は、帝人ファー バル展開を行っています。 TMX-67 Q 米国・欧州ではすでに発売を開始した とのことですが ? A 米 国では武 田ファーマシューティカルズ・ 肝代謝 フェブキソスタット 代謝物(不活性体) ノースアメリカ社とライセンス契約を結び、FDA か ら 承 認 を 受 け て い ま す。2009 年 3 月 か ら 糞中排泄 腎排泄 TMX-67(フェブキソスタット)は肝での代謝で不活性化された後、 胆汁及び腎臓の複数の経路を介して(多排泄経路)で排泄されます。 「ULORIC ®」として販売が開始され、着実な業績 を記録しています。欧州ではイプセン社(仏)と ライセンス契約を結んでいますが、昨年さらに欧 州全域での開業医向けの販売力を誇るメナリー 一般名: フェブキソスタット 販売名: 米国 ULORIC ® 欧州 ADENURIC ® ニ社(伊)とサブライセンス契約を結び、欧州・ロ シア市場の開拓を進めています。すでに 2010 年 3 月からフランス、イギリス、ドイツ、アイルラ ンドなどで販売が開始されており、想定どおり ULORIC ® ADENURIC ® 西川 修 医薬医療事業グループ長 Teijin Limited 9 も順次各国での販売を開始していく予定です。 Q 今後の展開策は ? A 東アジア地域においては、2 0 0 9 年 6 月には 痛 風の患 者は米 国で約 2 3 0 ∼ 2 6 0 万 人、欧 韓国の導出先である SK ケミカルズ社が販売承 州で約 2 4 0 万人いるといわれており、ライセン 認を獲得しており、発売に向けた準備を進めて ス先の売上高として北米、EU・東欧・ロシアで います。2 0 0 9 年 5 月には台 湾アステラス社と 各々 4 0 0 ∼ 6 0 0 億 円、国 内 外でのピーク時 現 台 湾における独 占 販 売 契 約を締 結しました。 地売上高の合計として、世界で 1,0 0 0 億円以上 日 本 国 内では 2 0 0 9 年 1 2 月に製 造 販 売 承 認の の売上高を期待しています。 再 申 請を行いました。また、2 0 1 0 年 4 月には、 の立ち上がりを見せています。欧州では、今後 地域別痛風の潜在患者数と上市状況及び計画 申請・承認 上市 米国 2 0 0 9 年 2 月承認 痛風の対象患者 2 0 0 9 年 3 月 2 3 0 ∼ 2 6 0 万人 進捗状況 着実な滑り出し 2 0 1 0 年度:2 0 0 9 年度比倍増 疾患啓蒙、営業力強化策実施 欧州 2 0 0 8 年 4 月承認 2 0 1 0 年 3 月 2 4 0 万人 2 0 1 0 年 3 月 仏、独、英、アイルランドで 販売開始 韓国 2 0 0 9 年 6 月承認 2 0 1 0 年度 2 0 1 1 年度 2 0 1 1 年度 2 0 1 2 年度 2 0 1 4 年度 2 0 1 0 年 1 2 月 薬価収載予定 日本 2 0 0 9 年 1 2 月申請 香港 2 0 1 0 年 4 月販売契約締結 台湾 2 0 0 9 年 5 月販売契約締結 中国 2 0 1 0 年 4 月販売契約締結 1 5 ∼ 8 5 万人 8 7(+ 7 0 0)万人 * 1 万人 2 5 万人 3 5 0 万人 承認審査中 2 0 1 0 年第 2 ∼第 3 四半期 承認申請予定 2 0 1 0 年第 3 四半期 承認申請予定 2 0 0 9 年 1 1 月 治験申請 ( ) 内は高尿酸血症患者数 * 近藤史郎フェロー TMX-67の誕生 尿酸を生成する酵素のキサンチンオキシターゼ(XO)を阻害する薬の開発は、 1 9 7 0 年代から世界各地で多くの研究者がアプローチしてきましたが、開発は うまくいかず、研究は次第に下火になっていきました。そのような状況の中、今 後もニーズが高まるのに対し、使える薬が少ないこの分野に着目し、1 9 8 8 年に研究を開始しました。 これまで開発が進められたキサンチンオキシターゼ(XO)阻害剤は、試験管レベルでは従来薬である アロプリノールを超える XO 阻害活性を示すものの、動物実験では従来薬の血清尿酸低下作用を超え ることができませんでした。この原因の究明を進めていった結果、XO 阻害の作用メカニズムの落とし 穴に気づきました。アロプリノールは体の中で、XO によって代謝を受けオキシプリノールとなります が、オキシプリノールの XO 阻害活性はアロプリノール単独の 1,0 0 0 倍も強かったのです。 この阻害メカニズムに着目するとともに、非プリン体でオキシプリノールの XO 阻害活性を超える化 合物を目指して合成を始めました。非プリン体とした理由は、従来薬が副作用を起こすのは、その構造 が生体中のプリン体に類似しているためであると考えたからです。 最初の 2 年間は化合物探索の試行錯誤が続き、なかなか成果が出ませんでした。周りからはもう研 究を止めた方がいいのではないかと言われたこともありましたが、化合物の構造とその評価結果をよ く解析しながら、仮説を立てそれを検証する作業を何度も繰り返すことにより、1 9 9 1 年に従来薬の 1,0 0 0 ∼ 1 万倍という強い活性の化合物の開発に成功しました。 10 Teijin Limited アステラス中国社、香港アステラス社と、それぞ 帝人グループでは、TMX-6 7 の世界展開を通 れ中国、香港における独占販売契約を締結しま じて、世 界で約 1,5 0 0 万 人といわれる痛 風 ・ 高 した。さらに、その他のアジア諸国、中南米、中東 尿酸血症の改善に大きく貢献できるものと期待 などにも展開を拡大していく計画です。 しています。 TMX-6 7 の地域別ピーク時予想売上高 欧・ロシア EU U・東欧 400-6 600 億円 北米 円 400-600 億円 日本 150-250 億円 中東・ア アフリカ カ 10-2 20 億円 アジ ジア・オセアニア 20-80 億円 20 009-10 年上市 20 011-12 年上市 中南 南米 20-50 億円 20 013-14 年上市 医薬部門のさらなる成長を目指して 帝人の医薬医療事業は、これまで着実な成長をしてきましたが、成長事業としてさらなる拡大が期 待されています。このためには、パイプラインの充実と、開発の成功確率を上げることが研究開発とし て不可欠です。 パイプラインの充実では、導入も積極的に行っていきますが、やはり自社で開発した新薬を持つこと が重要です。このため私たちは、新薬の開発を「骨・関節」 「呼吸器」 「代謝・循環器」の 3 つの領域に絞る 宇野 洋 医薬開発部門長 ことと帝人グループとして連携することにより、研究開発の効率化、 研究開発の競争優位性強化を図っ ています。 開発の成功確率を上げるためには、単純なようですが、当たり前のことをきちんとやることが重要で す。このため、開発のプロセスの中で PDCA(Plan Do Check Action)のサイクルをしっかり回すシス テムを構築し、プロジェクトマネジメントの機能を進化させてきています。TMX-6 7 に続き、心房細動 及び粗動の治療薬及び予防薬 NTC-8 0 1 が大型新薬として期待されていますが、プロジェクトマネジ メントを適切に行うことで、確実な上市を目指しています。 医薬医療分野では中堅規模の医薬事業が発展してきたのは、パイプラインの充実や開発の成功確率 の向上を考える根底に、病気で苦しんでいる人々を救いたいという強い気持ちがあったからです。こ の気持ちをすべての基本として医薬事業をさらに発展させていきたいと思っています。 Teijin Limited 11 事業一覧 合成繊維 化成品 億円 3,176 2,933 2,879 2,732 2,610 2,938 2,645 2,580 15.5% 売上高 2,052 11.8% 売上高 1,778 410 5.6% 339 7.7% 5.9% 6.9% 244 202 173 145 売上高営業利益率 4.5% 0.1% 営業利益 2 -1.0% -28 2005 2006 2007 2008 80 2009 (年度) 営業利益 -151 2005 2006 2007 2008 2009 (年度) -7.4% アラミド繊維事業 世界トップシェアのアラミド 繊維をグローバルに展開 売上高営業利益率 page 14 主要製品・サービス 樹脂事業 成長市場のアジアでシェア No.1 の ポリカーボネート樹脂 page 20 主要製品・サービス ● アラミド繊維 ● ポリカーボネート樹脂 ● ポリエチレンテレフタレート(PET) 樹脂 炭素繊維事業 世界トップクラスのシェアの 炭素繊維をグローバルに展開 page 16 フィルム事業 世界トップシェアの PET フィルムと 独自の PEN フィルムを合弁で展開 主要製品・サービス ● 炭素繊維 主要製品・サービス ● ポリエチレンテレフタレート(PET) フィルム ● ポリエチレンナフタレート(PEN) フィルム ポリエステル繊維事業 世界トップクラスの技術力で 高付加価値品を展開 主要製品・サービス ● ポリエステル繊維 ● ポリエチレンナフタレート(PEN) 繊維 12 Teijin Limited page 18 page 22 医薬医療 IT・新事業他 流通・リテイル 億円 億円 18.3% 19.0% 18.7% 19.5% 18.4% 売上高営業利益率 2,598 2,665 2,659 2,392 売上高 2,053 売上高 1,056 193 2005 1,131 1,144 217 212 2006 2007 1,271 7.8% 7.8% 売上高営業利益率 6.4% 営業利益 248 2008 8.8% 8.0% 1,317 242 2009 2.0% 2.0% 2.0% 53 54 53 2005 2006 2007 page 24 1.7% 1.6% 営業利益 39 2008 488 472 34 2009 流通・製品事業 page 27 459 38 43 35 36 2005 2006 2007 2008 営業利益 30 2009 (年度) page IT 事業 IT 関連のトータルソリューション、 医薬品 治療領域を絞った医家向け医薬品を展開 国内トップクラスの 繊維専門商社を中心にグローバルに展開 主要製品・サービス 主要製品・サービス ● 骨粗鬆症治療剤 ● 衣料製品、 産業資材の販売、輸出入 主要製品・サービス ● 去痰剤、喘息治療剤 ● メンズ・レディースウェアの小売り ● IT ソリューション ● 高脂血症治療剤 売上高 459 448 (年度) (年度) 医薬医療事業 売上高営業利益率 28 システム運用、コンテンツ提供など サービスを展開 ● コンテンツ提供 在宅医療 在宅医療事業で日本のパイオニア 全国展開でトップシェア 主要製品・サービス ● 在宅酸素療法(HOT) 関連機器 ● 睡眠時無呼吸症候群(SAS) 治療器 page 新事業開発 29 インキュベーション、探索研究、 グループ横断領域の研究の推進 Teijin Limited 13 事業概況 アラミド繊維 Q 2009 年度の業績は ? A 生 産・販 売 量の大 幅 減 少により、減 収 減 益 Q 今後の市場環境、課題と対応は ? A 昨年度後半から自動車関連用途を中心に順 となりました。パラアラミド繊維「トワロン®」 調な需 要 回 復が続いており、2 0 1 0 年 度も引き 「テ ク ノ ー ラ® 」は、2 0 0 8 年 度 の 終 わ り か ら 続き堅調に推移すると思われます。新製品・新 2 0 0 9 年度の前半までは売上が大幅に減少しま 規用途開発を積極的に推進し、需要の開拓や拡 した。その後は、自動車生産の回復に合わせ関 販を進めるとともに、コストと在庫の削減に注 連用途を中心に回復傾向にあります。また、メ 力していきます。 タアラミド繊維「コーネックス®」も、製鉄業に 長期的には、成長性と競争優位を維持するた 回復の兆しが見えるなど、産業資材需要は回復 め、研究開発に積極的に投資し、顧客との関係 傾向にあります。 強化に努めていきます。 Q パラアラミド繊維の成長性は ? A パラアラミド繊維は、その高機能性によって 「安全」 「環境(軽量・省エネ、省資源) 」分野を中心 に、需要は持続的に拡大すると考えています。長 期的には年率 7% の成長を予測しています。タイ 、光ファイバー補強材、 ヤ補強材「サルフロン™」 海底油田用掘削ホース補強材などの新製品、新 規用途の開発に注力しています。 主要製品の特徴 トワロン® 軽量で耐熱性・耐薬品性・耐衝撃性を備え、 鉄の 6 倍の強度 アイソ・W.A. アルバータ・フォン・ エッケンシュタイン アラミド繊維事業グループ長 コーネックス® 2 0 0 度の高温環境に 長時間耐えられる耐熱性 テクノーラ® 耐薬品性に優れ、 強度はトワロン® 以上 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 帝人テクノプロダクツ株式会社 Teijin Aramid BV 14 Teijin Limited http://www.teijin-technoproducts.co.jp/top/top.html http://www.teijinaramid.com/ 市場の概況 帝人とデュポンの 2 社で市場を 2 分し、技術的な参入障壁が高い市 場。需要は、ピークから 2 0% 下落したが、2 0 0 9 年 4 ∼ 6 月期を底に 順調に回復を続けている。主な用途は、ブレーキパッドなどの摩擦材 が 3 0%、タイヤが 1 0% など、自動車関連が 約 5 0%、防護衣料を中心とする安全分野が パラアラミド繊維の 用途別シェア( 2009 年) 3 0%、光ファイバーの補強材が 1 5% となっ その他 5% 摩擦材 ている。 ゴム資材 長期的には、軽量化、省エネルギー、高機 タイヤ 10% 能化などの要因により年率 7% で需要は拡 10% 30% 15% 大する見通し。 30% 安全分野 (防護衣料) 光ファイバー 世界のパラアラミド繊維の需要見通し 販売量ベース、当社推定 主要製品 トン + 7 % / 年以上 60,000 48,000 トン 45,000 47,000 トン 38,000 トン パラ系アラミド繊維 ブランド トワロン®、テクノーラ® 用 途 ブレーキパッド、ガスケット、 ゴム補強材(ホース、ベルト)、タイヤ、防護衣料、 樹脂補強材、土木資材、光ファイバー補強材 30,000 メタ系アラミド繊維 15,000 0 当社推定 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 ブランド コーネックス® 用 途 消防服、耐熱フィルター、ゴム補強材、樹脂補強材 人工皮革 ブランド コードレ® 用 途 スポーツ用品(シューズ、ボール) Teijin Limited 15 炭素繊維 Q 2009 年度の業績は ? A 一般産業用途、スポーツ・レジャー用途の需 Q 中長期的な課題と戦略は ? A 炭素繊維は、中長期的には、軽量化、省エネ 要不振に加え、航空機メーカーの生産調整の動 ルギー、高機能化などの要因により年率 1 5% 以 きが表面化し、比較的順調であった航空機用途 上需要は拡大する見通しです。特に航空機用途 に調整が見られるなど、販売量が大幅に減少し と一般産業用途の成長率は高く、同用途での売 ました。徹底したコスト削減、在庫の削減を行 上高・シェアの拡大を図ります。2 0% 以上の需 いましたが、大幅な赤字となりました。 要の伸びが見込まれる一般産業用途では、順調 に拡大している風力発電の羽根の補強用途や圧 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A 2 0 0 9 年 度 第 1四 半 期(2 0 0 9 年 1 ∼ 3 月)を 力容器補強用途、また、中期的には大きく伸び 底に需要は戻りつつありますが需給バランスの 航空機向け高機能プリプレグの開発を実現する 回復にはしばらく時間がかかると思われます。 とともに「複合材料開発センター」を活用して このため、営業力の強化による需要開拓・拡販を 川中・川下分野を強化し、売上構成を現在の糸 進めるとともに、徹底した固定費の削減と効率 売り中心からプレプリグ・コンポジット売り中 的な生産体制の構築に取り組み、稼働率 7 0% で 心にシフトします。また、コーポレートととも 収益が確保できる事業構造の確立を目指します。 に、技術革新を進め、高機能炭素繊維の開発や ると予想される自動車用途に注力します。一方、 自動車用途を意識したコストの大幅削減等を実 現します。 三嶋 孝司 Q 具体的な戦略は ? A 民間航空機では、顧客との直接契約締結に 炭素繊維事業グループ長 よりシェア拡大を図るとともに次世代航空機用 の高機能炭素繊維とプリプレグの開発を行いま す。風力発電では、品質優位を武器にシェアを 拡大させるとともに、インド、中国などの新興市 場における需要の取り込みを進めていきます。 コンパウンドでは、顧客ニーズの取り込みによ る新規用途開発を進めます。圧力容器では、積 レクサス LFA に採用された 炭素繊維複合材料 極的な顧客開拓により ワールドワイドに拡 販を 展開していきます。また、 自動車では、高級車用途へ の確実な参入により、汎用 車 用 途への足 場 作りを行 います。 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 http://www.tohotenax.com/tenax/jp/index.php Toho Tenax Europe GmbH http://www.tohotenax-eu.com/en/home.html Toho Tenax America, Inc. GmbH http://www.tohotenaxamerica.com/ 東邦テナックス株式会社 16 Teijin Limited 市場の概況 帝人、東レ、三菱レイヨンの上位 3 社で生産能力の 6 0% を占め、技術 的な参入障壁が高い市場。需要は、2 0 0 7 年のピークから 3 0% 下落し たが、2 0 0 9 年 1 ∼ 3 月を底に回復傾向にある。ただし、需給バランス の回復にはしばらく時間を要すると思われる。現在の用途別売上高比 率は、一般産業が約 5 0%、航空機が 3 0%、スポーツ・レジャーが 2 0% となっている。2 0 1 0 年度は 2 0 0 9 年度比 2 0% 程度需要が拡大すると 考えている。 長期的には、軽量化、省エネルギー、高機能化などの要因により航空 機用途及び一般産業用途を中心に年率 15% で需要は拡大する見通し。 世界の炭素繊維の需要見通し トン 80,000 63,000 トン + 15 % / 年以上 60,000 40,000 31,000 トン 主要製品 23,000 トン 20,000 炭素繊維 ブランド 用 途 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 当社推定 テナックス® 航空機 構造材、内装材 産業資材用途 風力発電ブレード、圧力容器ほか スポーツ用品 ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット、ヨット Teijin Limited 17 ポリエステル繊維 Q 2009 年度の業績は ? A 国内外での価格是正、高採算分野へのシフ 料用染色事業からの撤収を行いました。グロー ト、積極的なコスト削減など、2 0 0 8 年度からの 繊維生産及びポリエステル繊維原料の重合のタ バル最適生産体制の構築では、ポリエステル長 取り組みが効果を発揮し始めており、赤字は大 イへの移管を決定し、2 0 1 0 年度末の完了予定 幅に縮小しました。衣料用途は厳しい状況にあ で移管作業を進めています。また、工業繊維で りますが、産業資材用途は自動車用途を中心に は、不採算分野の縮小を行うとともにタイと日 回復基調にあります。 本でプロダクトミックスの最適化を進めていま また、構造改革では、 「赤字構造からの脱却と す。バリューチェーンの構造改革では、 カーシー 安定収益体制の構築」 「収益性ある新しいビジネ ト事業で住江織物(株)と合弁会社を設立し、営 スの仕組みの構築」の達成に向け、不採算事業 業を開始しています。 の抜本見直し、 グローバル最適生産体制の構築、 バリューチェーンの構造改革を中心に、集中的 な取り組みを行いました。 Q 中長期的な経営の方向性は ? A 安定的な収益構造を実現するための方向性 「高機能+エコ」への重点 は 3 点です。1 つ目は、 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A 構造改革の結果を出すことが最大の課題で 化による高付加価値製品の拡販です。「環境配 す。このため、 「長繊維の国内からタイ子会社へ 成長機会をとらえ、グローバルに成長を図って の生産移管」や「工業用繊維の国内とタイの生 いきます。2 つ目は、バリューチェーンの構造改 産拠点での最適生産体制への移行」を着実に進 革です。既成の流通にとらわれない新機軸の垂 め、グローバル生産体制の構築により徹底的な 直統合や水平統合、他産業との連携など、アラ コスト削減を図るとともに、商品開発や川中・ イアンスの積極的な活用により、市場ニーズへ 川下への展開も進め、黒字化を目指します。 の対応力を強化し、成長の機会を追求していき 慮」と「高機能」を追求することにより、新たな ます。すでに、カーシート事業における住江織 Q 構造改革の進展状況は ? A 不採算事業の抜本見直しでは、インドネシ 物(株)との合弁会社設立、ファッション分野に アの子会社の譲渡、米国でのモノフィラメント 造小売業)への資本参加など、バリューチェー 事業からの撤収、PTT 繊維の合弁解消、国内衣 ンの構 造 改 革に着 手しています。3 つ目は、重 おける(株)フランドルの新たな業態の SPA(製 点 市 場・重 要 顧 客 に 向 け た 新 た な サ プ ラ イ チェーンの構築と、顧客と一体となったスピー ディーな商品開発です。統合されたグローバル 亀井 範雄 ポリエステル繊維事業 グループ長 な生産・販売ネットワークを駆使し、日本を含 め成長するアジアの重点市場・重要顧客への対 応を強化します。 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 帝人ファイバー株式会社 http://www.teijinfiber.com/ 18 Teijin Limited 市場の概況 世界の合成繊維生産は、2 0 0 0 年以降も繊維全体の生産を上回る着 実な増加を続けてきた。2 0 0 8 年の生産量は世界同時不況の影響を受 けて 4% の減少となったが、2 0 0 9 年には 5% と再び増加に転じた。合 成繊維の中では、ナイロンが横ばい、アクリルが減少したが、ポリエス テルは順調に生産を拡大してきている。 ポリエステルは、2 0 0 8 年には 2% の減 少となったが、2 0 0 9 年には 9% の増加となった。しかし、スプレッドは長期的に低下傾向にある。 ポリエステル繊維生産増加の牽引は中国で、世界の生産量に占める中 国の比率は、2 0 0 0 年の 3 0% 強から 2 0 0 9 年には 7 0% 弱にまで拡大し ている。 主要製品 ポリエステル繊維 世界の合成繊維の生産量推移 ブランド 万トン 用 途 4,000 衣料 紳士・婦人ファッションウェア、スポーツウェア、 ユニフォーム、インナーウェア、裏地 ナイロン アクリル インテリア・生活資材 3,000 2,000 カーテン、椅子張り、寝装具、 オフィス用ファブリック、紙オムツ、 ワイピング素材、ウェットティッシュ、 換気扇フィルター、ベッドマットレス用詰綿 ポリエステル 産業資材 1,000 自動車・列車・航空機用シート、タイヤコード、 ゴム補強材、シートベルト、マット、クッション、 フィルター その他 0 テイジン®テトロン® 2000 2001 2002 2003 2004 出典:日本化学繊維協会(2009 年は速報値) 2005 2006 2007 2008 2009 ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維 ブランド 用 途 テオネックス® 産業資材 タイヤコード、トランスミッションベルト、 高圧ホース、スピーカーコーン Teijin Limited 19 樹脂 Q 2 0 0 9 年度の業績は ? A 第 2 四半期から販売量は急回復しましたが、 メガネフィルムでも 60% を超えるシェアを獲得 しました。 原料価格急落に伴い販売価格も下落し、減収と また、国内実用車では初めてポリカーボネー なりました。しかし、徹底したコスト削減、在庫 ト樹脂「パンライト®」がリア・クオーターウィ 削減を行った結果、利益は大幅に改善し黒字に ンドウ等に採用されました。 転換しました。 は、中国内需向けの急回復により、2 0 0 9 年 4 月 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A 業績は順調な回復基調にありますが、事業 以降好調に推移しました。このため、稼働率を 体質を一層強化するために、収益を意識した商 次第に上げていき、中国工場は 4 月から、シンガ 品構成の最適化を進め、また徹底した経費の節 主力のポリカーボネート樹脂「パンライト®」 ポール工場は 6 月からフル稼働を継続しました。 減、固定費のさらなる削減に取り組み、7 0% の 樹脂加工品では、透明導電性フィルム「エレ 稼働でブレークイーブンとなるコスト構造を構 クリア®」がスマートフォン等のタッチパネル向 築 し ま す。 同 時 に、成 長 戦 略 と し て、中 国 や けに販売量を伸ばしま ASEAN での事業基盤を強化するとともに、コ した。位相差フィルム ンパウンドや樹脂加工事業による付加価値創 「エレクリア®」 「ピュアエース®」も、携 帯電話の反射防止フィ ルム向けが増加すると ともに、3D 映画鑑賞用 出を加速させます。 Q 中長期の戦略は ? A 市 場のグローバル化につれて、顧 客の要 求 が、付加価値にこだわる「機能追求」と必ずしも 高品質は求めない「コスト追求」へ二極化して おり、これへの対応が求められています。 「機能追求」については、顧客との密接な関係 酒井 和幸 樹脂事業グループ長 に基づくソリューション型ビジネスを強化しま すが、技術面では、成長が期待できる分野での 積極的な研究開発機能の強化により、新商品比 率 2 0% 以上を中長期目標とします。 「コスト追求」については、アジアでの先行優 位性を軸として、グローバル生産体制の最適化、 原料調達構造の改革を進めます。 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 帝人化成株式会社 http://www.teijinkasei.co.jp/ 20 Teijin Limited 市場の概況 Bayer、SABIC、帝人、DOW、三菱の上位 5 社でポリカーボネート樹 脂 の 生 産 能 力 の 9 0% 弱 を 占 め る。 需 要 は、2 0 0 8 年 の ピ ー ク か ら 1 0% 下落したが、2 0 0 9 年 1– 3 月期を底に回復傾向にある。生産能 力の増強が続く見込みだが、新興国の需要拡大により、今後安定的に 年率 5 ∼ 6% の成長が続く見通しで、稼働率は 2 ∼ 3 年のうちに 8 0% まで改善すると見られる。 世界のポリカーボネート樹脂の需要見通し 生産能力 万トン 500 400 300 主要製品 万トン 稼働率 79 % 稼働率 71 % 395 万トン 433 万トン 344 万トン 稼働率 85 % 281 万トン 500 282 万トン 400 ポリカーボネート樹脂 ブランド パンライト® 用 途 電気 ・ 電子部品、AV ・ OA 機器、パソコン外装材、 光ディスク(ブルーレイ、DVD、CD)、 精密機器部品、自動車部品(ヘッドランプ、 ドアハンドル、バンパーなど) ブランド パンライト®シート、エレクリア®、 ピュアエース® 300 240 万トン 200 200 100 100 用 途 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 シート 液晶テレビバックライト拡散板、 自動車用計器板、 各種銘板、ヘルメットシールド フィルム 0 携帯端末用液晶ディスプレイ、 タッチパネル(OA・FA 機器、ゲーム機) 当社推定 ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂 用 途 ペットボトル ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂 ブランド テオネックス® 用 途 化粧品容器、給食用食器、医療品容器 Teijin Limited 21 フィルム Q 2 0 0 9 年度の業績は ? A 米国合弁会社の持分法適用会社化で大幅な 場体制に移行します。このため、汎用品中心の 減収となりました。また、国内販売量の減少で また、フローレンス工場も順次ラインを止めて 減益となりましたが、アジア地域を中心に需要 おり、2 0 1 0 年末に完全閉鎖の予定です。 は回復し、売上高、営業利益とも四半期ごとに 欧州では、ルクセンブルク工場で、2 0 0 9 年 3 増加しました。 月に 1 ラインを厚物用にライン改造するととも 日本では、光学用途を中心に需要が回復に転 に、6 月に 1 ラインを休止しました。厚物用に改 じ、主 力のひとつである FPD(フラットパネル 造したラインは、同年秋からフル生産・フル販 ディスプレイ)反射板向けの需要が前期を上回 売の状態となっています。また英国は、いち早 る活況を呈しました。また、太陽電池用バック く薄物から厚物(工業用付加価値品)への転換 シート向けも前 期 並みの水 準まで回 復しまし が進み、堅調な業績を示しています。 た。一般用途を中心とするインドネシア、中国 の合 弁 会 社では、2 0 0 9 年 4 月 以 降フル稼 働と なっています。一方、欧米は厳しい事業環境が 続いたため、構造改革を推進しています。 工場であったサークルビル工場を完全閉鎖し、 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A 構造厚物需要の増加に対応するため、生産 設備の能力増強を推進しています。また、成長 が続くアジアへのシフトと、米国とルクセンブ Q 欧米での構造改革の進捗状況は ? A 構造改革は順調に進んでおり、欧米でも収 益は改善してきています。 米国では、原料・製膜を行うホープウェル工 場と、後 加 工を行うスプルーアンス工 場の 2 工 ルク工場の構造改革を着実に進め、収益を生み 出す事業構造への転換を目指します。 Q 中長期的な戦略と具体策は ? A PET フィルムでは、成長が続くアジアへの シフトの加速と、高機能分野の強化が基本戦略 です。 アジアへのシフトの加速では、最適オペレー ション体制の構築とマーケティング網の充実を 高橋 卓 進めています。高機能分野では、高いシェアを フィルム事業グループ長 持つ FPD 反射板用や太陽電池バックシート用 フィルム等の付加価値品を強化していきます。 PEN フィルムでは、デファクトスタンダード を確立しているデータストレージ用途に加え、 今後の高成長が見込まれているカーエレクトロ ニクス、情報エレクトロニクス、エネルギー分野 を、重点戦略分野と位置付けており、今後 2 ∼ 3 年で、販売量倍増を目指します。 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 帝人デュポンフィルム http://www.teijindupontfilms.jp/ DuPont Teijin Films 22 Teijin Limited http://www.dupontteijinfilms.com/ 市場の概況 PET フィルムの成長は、2000 年以降も年率 5% 以上を示していたが、 世界的な景気後退により需要が減少。その後、需要は、2 0 0 9 年第 1 四 半期を底に、2 0 0 8 年並みの水準まで回復。 主要製品 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム ブランド 世界の PET フィルムの用途別需要量 千トン 用 途 1,800 工業 ディスプレイ用材料(液晶、プラズマ、 有機 EL)、カード(IC カード、ID カード、 RFID など)、自動車用材料(内外装、 電子部品) 1,600 1,400 包装 包装用途 飲料用 ・ 食品用フィルムラミネート缶、 シュリンク包装、レトルト ・ パウチ、 環境対応型プラスチックトレー用材料 1,200 1,000 磁気用途 800 工業用途 600 400 イメージング 200 電子用途 0 テイジン®テトロン®、マイラー™、 メリネックス®、テフレックス® 2000 2001 出典:業界団体統計 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム ブランド テオネックス® 用 途 デジタルビデオテープ(DVC)、 高密度データストレージ用テープ、 エレクトロニクス材料、電子回路材料、 自動車用高機能材料(シートセンサー、 ハイブリッドカーモーター用)、 写真(APS)用フィルム 2009 加工フィルム ブランド ピューレックス® 用 途 液晶ディスプレイ(LCD)用材料、電子材料、 半導体 ・ 医療材料 ・ 光触媒応用フィルム、 美容用フェイスマスク ブランド カレンファイン® 用 途 フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、 メンブレンスイッチ Teijin Limited 23 医薬医療 Q 2 0 0 9 年度の業績は ? A 販売量は拡大したものの、技術料収入の減 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A 2 0 1 0 年 度は薬 価 改 訂が減 収・減 益 要 因と 少があり、増収減益となりました。 なりますが、骨粗鬆症治療薬をはじめとする医 医薬品分野は、週 1 回服用の骨粗鬆症治療薬 薬品や、在宅医療機器の一層の拡販により、収 「ボナロン® 錠 3 5mg」 が順調に販売を伸ばした 益の確保を図ります。また、痛風・高尿酸血症 ※ ほか、活性型ビタミン D3 製剤「ワンアルファ®」 治療剤 TMX-6 7 の早期拡大と、中国などの欧米 も底堅く推移し、両剤で骨粗鬆症市場における 以外の地域への展開を推進します。在宅医療事 トップシェアを維持しています。また、大型新 業では、海外拠点の強化と収益基盤の拡大を図 薬として期 待される通 風・高 尿 酸 血 症 治 療 剤 ります。 TMX-6 7 の販売が、米国に続き欧州でも開始さ 高水準のレンタル台数を維持するとともに、睡 Q T M X-6 7の米 国・欧 州での販 売 状 況 は? A 米 国では武 田ファーマシューティカルズ・ 眠時無呼吸症候群治療器(CPAP)や超音波骨 ノースアメリカ社(TPNA)社が、2 0 0 9 年 3 月か 折治療器(SAFHS®)も順調にレンタル台数を ら「ULORIC®」という商品名で販売を開始し、 伸ばしました。 着実に売上を伸ばしています。欧州ではイプセ ※ ボナロン® /Bonalon® は Merck & Co., Inc. の登録商標です。 ン社(仏)とライセンス契約を、また開業医向け れました。 在宅医療分野では、主力の在宅酸素濃縮器は 販売を得意とするメナリーニ社(伊)とサブライ センス契約を結び市場の開拓を進めています。 すでに 2 0 1 0 年 3 月からフランス、イギリス、ド イツ、アイルランドなどで販売が開始されてお り、想 定どおりの立ち上がりを見せています。 欧州では、今後も順次各国での販売を開始して いく予定です。 また、韓国、台湾、中国などでの展開が進んで いますが、さらに、その他のアジア諸国、中南米、 西川 修 医薬医療事業グループ長 中東などにも展開を拡大していく予定です。 Q パイプラインの状況は ? A 骨・関節領域、呼吸器領域、代謝・循環器領 域の 3 分野に新薬研究の重点を置き、自社研究 開発ならびに国内外の大学・研究機関・製薬会 社等との共同研究・開発を積極的に行い、パイ プラインの充実を図っています。 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 帝人ファーマ株式会社 http://www.teijin-pharma.co.jp/ 24 Teijin Limited 市場の概況 主要製品 医薬 帝人は、骨・関節領域、呼吸器領域、代謝・循環器領域の 3 分野に 呼吸器 ● 主要医薬品 重点を置いた事業展開をしていますが、呼吸器、骨・関節領域で国 ムコソルバン® 去痰剤 内トップクラスのシェアを有しています。 スピロペント® 気管支拡張剤 アトロベント® 気管支収縮抑制剤 リノコート® アレルギー性鼻炎治療剤 オルベスコ® 吸入ステロイド喘息治療剤 % 17 ボナロン® 「ボナロン® 錠 35㎎」 ワンアルファ® 9 ムコソルバン® 25 ベニロン® 30 17 ラキソベロン® 21 ボンアルファ® Copyright 2 0 1 0 IMS ジャパン(株) ● 主要在宅医療製品 ハイサンソ® シリーズ 酸素濃縮式供給装置 マイルドサンソ® 酸素濃縮式供給装置 NIP ネーザル® オートセット™ GoodKnight ® スリープ ウォッチャー® 出典 : IMS 医薬品市場統計 2 0 1 0 年 3 月 無断転載禁止 マスク式補助換気用人工呼吸器 スリープメイト® 睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器 睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器 睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器 高性能睡眠検査装置 * 骨粗鬆症、外用ビタミン D、吸入ステロイド、の各市場は自社市場定義 * ベニロン®、ボンアルファ®はブランド合計のシェア 骨・関節 ● 主要医薬品 在宅酸素療法(HOT) HOT は、19 6 0 年代半ばに米国で開発され、日本では帝人が 19 8 2 年に最初に事業化しました。帝人は、この事業を「安心を売る事業」 ボナロン® 骨粗鬆症治療剤 ワンアルファ® 骨粗鬆症治療剤 ● 主要在宅医療製品 セーフス® 超音波骨折治療器 ととらえ、常にサービスの質の向上に努め、患者様や医療関係者の 方々との強固なネットワークを築いています。現在、国内でこの治療 代謝・循環器 法を行っている患者数は約 15 万人と推定されており、帝人は約 6 0% トライコア® 高脂血症治療剤 の市場シェアを確保しています。 その他 HOT の市場シェア 日本における在宅酸素療法患者数の推移 (当社推定) 単位:人 180,000 60% ベニロン® 重症感染症治療剤 ラキソベロン® 緩下剤 ボンアルファ® 皮膚疾患用治療剤 120,000 60,000 0 1982 1990 2000 注:2008 年は 10 月までの数値、2009 年は予想数値 2009 (12 月末) 出典: ガスメディキーナ 2008 Vol.13 Teijin Limited 25 (2 0 1 0 年 3 月末現在) 臨床開発段階と最近の段階移行状況 臨床開発段階 領域 骨・関節 呼吸器 代謝・循環器 その他 Phase 1 開発コード 対象疾患 薬効・特徴 GTH-42V 骨粗鬆症 アレンドロネート製剤 ITM-058 骨粗鬆症 ヒト PTHrP アナログ BTR-15K 気管支喘息(小児) 吸入ステロイド TMX-67 痛風・高尿酸血症 XOD 阻害剤 ITM-014 先端巨大症 徐放性ソマトスタチン・アナログ ITM-077 Ⅱ型糖尿病 ヒトグルカゴン様ペプチド 1・アナログ ’09/04 NTC-801 心房細動・粗動 心房選択的抗不整脈剤 ’09/04 GGS Churg-Strauss 症候群 ヒト免疫グロブリン GGS 多発性硬化症 ヒト免疫グロブリン Phase 2 Phase 3 ’10/03 (国内) ’09/09 方針です。また、韓国では、YUYU,Inc. との合 Ⅱ 型 糖 尿 病 治 療 薬 ITM-0 7 7、ならびに日 産 化 弁により、本格的な市場形成と拡大を推進して 学工業(株)と共同開発中の新規心房細動及び います。 粗動の治療薬及び予防薬 NTC-8 0 1 が第Ⅱ相臨 アジアでの展開も検討していますが、多くの 床試験に移行しました。また、1 2 月には、痛風・ アジアの国では未だ医療制度が未整備の状況で 高尿酸血症治療剤 TMX-6 7 について、日本にお す。このため、韓国で行ったように、保険制度の ける製造販売の承認申請を行いました。 重要性を関係機関に理解してもらうように働き かけながら、マーケットでの中 心 的なプレー 図っており、海外の在宅医療事業の収益貢献は 今後高まっていく見通しです。 米国では、すでに 1 2 0 カ所の営業拠点網を確 立しています。2 0 0 9 年度は医療制度改訂の影 響 が あ り、利 益 貢 献 は あ り ま せ ん で し た が、 2 0 1 0 年 度は黒 字 化できる見 通しです。また、 保険制度改訂により、保険適用となる患者数が 大幅に増加する見込みです。欧州も、スペイン の大手製薬会社エステベ社と設立した合弁会社 がすでに 2 万 人の患 者を獲 得するなど、順 調な スタートを切っています。今後は、スペインか ら欧州へ、さらに東欧へと市場を拡大していく 26 Teijin Limited ’09/12 (再申請) 2 0 0 9 年 4 月に中外製薬(株)と共同開発中の Q 在宅医療のグローバル展開の状況は ? A 米 国、欧 州、アジアを視 野に入れた展 開を 承認/ 新規上市 申請 ヤーとなれる方策を探っていきます。 ’10/01 流通・製品 Q 2 0 0 9 年度の業績は ? A 緩やかな回 復 傾 向が見られる中、依 然とし て低迷する小売市場や、欧米を中心とした景気 回復の遅れなど世界同時不況の影響が未だ続い ており、大幅な減収となりました。継続した商 圏の見直しや、物流コストの削減、経費効率の 徹底した改善により利益率は向上しましたが、 減収による影響は大きく、減益を余儀なくされ 野における床壁材・カーテン、 ました。 リビング用 品 分 野は、積 極 的 な商権拡大への取り組みが功 Q 部門別の状況は ? A 衣料繊維部門、産業資材部門とも大幅な減 を奏し好調に推移しました。 低迷、円高、さらに国内原糸メーカーの生産撤 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A 消費低迷と低価格志向の影響で、衣料繊維 退の影響により原糸・テキスタイル販売が大幅 分野はしばらく厳しい経営環境が続くと思われ に落ち込みました。産業資材部門では、自動車 ます。これに対し産業資材分野では、先行きに 関連のタイヤ・エアバッグ用途の販売は前期比 不透明感はあるものの需要回復の足取りがしっ 7 ∼ 8 割まで回 復しましたが、設 備 投 資の冷え かりしてきています。 込みにより、運 搬ベルト・ゴムホース用 途の販 このような状況に対し、引き続き徹底した経 売は低調に推移しました。また、インテリア分 費効率の改善、商圏の見直しや物流コストの削 収となりました。衣料繊維部門は、欧米市場の 減を進め、収益性を高めていきます。また、多様 化する市場ニーズに対応したグローバル・ネッ トワークを活用し、成長分野での商権創出に注 力します。 北野 弘 流通・製品事業グループ長 Q 中長期的な経営方針は ? A 「多様化する市場・顧客ニーズとグローバル 化に対 応し、繊 維 専 門 商 社 No.1 としての基 盤 強化を図ること」を中期経営ビジョンに掲げ、持 続的な成長の実現を目指します。この実現に向 け、海外事業の戦略的拡大、産業資材部門の拡 大、消 費 市 場・販 売 経 路の変 化への対 応、主 要 顧客との SCM の積極的な推進などを行ってい きます。 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 NI 帝人商事株式会社 http://www2.ni-teijinshoji.co.jp/index.html Teijin Limited 27 IT Q 2 0 0 9 年度の業績は ? A 企業の IT 投資抑制など厳しい事業環境が続 きましたが、前期に引き続き収益力の向上に向 けたプロジェクト管理機能の強化やコスト削減 の徹底を進めたことで増益となりました。また、 にあり、厳しい事業環境は継続すると思われま 投 資の重 点 化や検 収の平 準 化を図った結 果、 す。このため、インフォコムグループの中期経 キャッシュ・フローも改善しました。 営計画の推進により着実な成長を目指すととも IT ソリューション分野は、厳しい受注環境の に、収益力の向上策を継続し景気に左右されな 影響で減収となりましたが、コスト削減やプロ い収益体質を確立していきます。 ジェクト管理機能の強化により収益力は大幅に サービス分 野では、コンテンツ配 信や e- コ Q 中長期的な戦略は ? A 収益力の向上、重点分野への経営資源のシ マ ー ス 事 業 の さ ら な る 拡 大 を 図 る と と も に、 フト、事業基盤の継続的強化を経営方針として、 データセンター事業の競争力強化を継続的に進 利益ある成長を目指します。 め、増収増益となりました。 重点分野への経営資源のシフトでは、ネット 向上し増益となりました。 Q 2 010 年度の課題と対応は ? A ネットビジネス市場は順調に拡大すると思 われますが、企業向けはまだ IT 投資の抑制傾向 ビジネス領域・ヘルスケア領域での新事業を含 めた成長加速、GRANDIT ® 事業の推進、SaaS* 型 事 業の展 開 加 速を推 進していきます。事 業 基盤の継続強化では、インフォコムグループ人 材の流動化と育成強化、継続的品質向上に向け た管理体制の強化・管理技術の展開推進、グルー 吉野 隆 IT 事業グループ長 プ全体の潜在リスク最小化などを推進していき ます。 また、事業基盤の強化、コア事業の競争力強 化、成長事業の創出、効率的なグループ経営、優 秀な人 材の確 保・育 成・強 化の 5 点を経 営 課 題 と考えており、中長期的な視点から積極的に取 り組んでいきます。 *Software as a service の略 詳しい事業内容につきましては、以下の Web サイトをご覧ください。 インフォコム株式会社 http://www.infocom.co.jp/ 28 Teijin Limited 新事業開発 発 Q 新事業開発グループの事業内容は ? A 新事業開発グループには、大きく分けて 3 つ ディーな新 事 業 創 出を目 指し、インキュベー Q 高耐熱 性バイオプラスチック 「バイオフ ロント®」では、実証プラントの稼働が開 始されましたが、事業化の状況は ? A これまで年産 200トン規模のパイロットプラ ション機能を発揮すること。2 つ目は、将来のビ ントで生産を行ってきましたが、2009 年 9 月に、 ジネスの萌 芽となる技 術の探 索を行う探 索 研 年産能力1,000トンの実証プラントが稼働を開 究。3 つ目は、長期的な視点によるグループ横断 始しました。従来のプラントがラクチドという原 的な領域での研究の推進です。 料から生産するのに対し、実証プラントではラク 特に、インキュベーション機能の発揮には力 チドの前段階である乳酸から生産できるため、コ を入れています。現在、具体的には、高耐熱性 スト構造を検証することができます。プロセス バイオプラスチック「バイオフロント®」、高熱伝 のコストダウンができると期待しています。今 導性炭素繊維「ラヒーマ®」、リチウムイオン二 後、性 能 改 善と市 場 開 次電池(LIB)用セパレーター、複合材料などの 拓を進め、2011年度に 早期事業化を目指しています。 は年 産 5,000トン規 模 の ミ ッ シ ョ ン が あ り ま す。1 つ 目 は、ス ピ ー の量 産 体 制を 構 築し、 本格的な事業化を目指 「ラヒーマ®」 していく計画です。 実証プラント 久保 健二 新事業開発グループ長 「バイオフロント®」 :従来のバイオプラスチックの課題を克服し、 多くの分野での使用が期待されます。 従来のバイオプラスチックが抱えていた耐熱性・耐湿性という 2 大課題 を克服しただけでなく、成形加工性に優れ、従来のバイオプラスチックでは 不可能だった繊維としての使用が可能である点が大きな特徴のバイオプラ スチック。 「バイオフロント®」は、融点が最も汎用的なバイオプラスチックであるポ リ乳酸より約 4 0 度高い 2 1 0℃と、代表的なエンジニアリングプラスチック である PBT(ポリブチレンテレフタレート)に匹敵する耐熱性を有する。こ のため、ポリエステル繊維と同様に、高温・高圧下での染色、アイロン掛け が可能。耐湿性についても、独自技術により、石油から作られるプラスチッ クと同レベルを達成。 また、成形可能性も飛躍的に向上。従来のポリ乳酸は、結晶化 速度が遅いため、大型・複雑な形状に成形することが難しく、これ も普及を妨げていた。 「バイオフロント®」の結晶化速度はポリ乳 酸より数倍速いため、比較的大型・複雑な成形加工も可能。 現在は、自動車用シートファブリックやフロントパネル、 メガネフレームや着物などでの共同開発が進められている が、さらに多くの分野での用途開発を進めていく予定。 カーシートファブリック Teijin Limited 29 Q 新事業開発グループの研究開発体制の 充実が進んでいますが ? A 2009 年 4 月に経営基本方針で示したように、 Q 探索研究の具体的内容は ? A 主として、バイオプラスチック、エネルギー・ エレクトロニクス、先端医療材料の 3 つの領域 帝人グループは、 「グリーンケミストリー」 「ヘル で、探索研究に取り組んでいます。 スケア」の領域で、技術革新を核としてソリュー バイオプラスチックでは、すでに「バイオフロ ションを提供することを推進しています。その ント®」がありますが、今後は食料問題に影響し 中心となるのが、新事業開発グループです。新 ないよう原料の非可食化などに取り組んでいき 事 業の創 出は、たやすいものではありません。 ます。エネルギー・エレクトロニクス領域では、 それを数多く立ち上げていくためには、組織的 印刷技術を用いて電子部品を製造する「プリン な対応力を大幅に強化する必要があります。 タブル・エレクトロニクス」を実現するためのナ このため、インキュベーション機能を担う拠 ノ材料や新規デバイス技術などの研究に取り組 点として 2008 年 4 月に「先端技術開発センター」 んでいます。先端医療材料では、 バイオポリマー を、7 月には複合材料の研究開発拠点として「複 の活用に取り組んでいます。 合材料開発センター」を設置しました。さらに、 2 0 0 9 年 7 月にはさまざまな探 索 研 究を行うた めに「融合技術研究所」を新設しました。 新事業の研究開発体制 先端技術開発センター 2 0 0 8 年 4 月開設。研究開発の成果を製品としての形にし、世の中に送り出 すためのプロジェクト推進拠点。オープンラボを導入するなど、 帝人グルー プの新事業開発におけるインキュベーションセンターの役割を担う。 複合材料開発センター 2 0 0 8 年 7 月開設。複合材料に関する主要な研究・開発機能とマーケティ ング機能を集約。企画をお客様と一緒に技術や製品に落とし込むカスタ マーラボの役割を担う。 融合技術研究所 2 0 0 9 年 7 月開設。バイオポリマーや先端医療材料、エレクトロニクス材料 などの技術、及びそれらの融合領域の研究開発を担う。複数の研究領域を 1つの組織に集約することで、市場ニーズへの対応を高め、市場投入までの 時間短縮を図る。 30 Teijin Limited マネジメントシステム Management System Teijin Limited 31 コーポレート・ガバナンス 企業の基本的使命の認識 意思決定、業務執行、監視・監査の分離 と強化 企業は株主から資本を預託され、事業活動を 通じて利益を上げ、中長期にわたり株主価値を 現状のコーポレート・ガバナンス体制を選 持続的に増大させることが期待されています。 択している理由 この株主の付託に応えることが企業経営の基本 コーポレート・ガバナンスの仕組みについて 的使命であり、この基本的使命を踏まえた上で、 は、その時点で会社の目的達成に最適と思われ 企業は従業員そして顧客・債権者を含む取引先、 る仕 組みを採 用することとしています。した 消費者、地域住民と地域社会等の株主以外のス がって、社会環境・法的環境の変化に伴い適宜 テークホルダー(利害関係者)に対するそれぞれ 見直すこととしています。 の責任を果たしていかなければなりません。 現在の会社法のもとで、取締役会に要求され これらを踏まえて事業活動を行うためには、 ている業務執行と、経営の監視・監督機能の両 コーポレート・ガバナンス(企業統治)の確立が 機能を適切に機能させるためには、片や社内取 不可欠です。当社は取締役の選任、報酬の決定、 締役が主導する業務執行と、片や社外取締役が 経営監視、コンプライアンスの確保を含む経営 力点を置く経営の監視・監督機能、並びに監査 の諸問題に関し、 「透明性の向上」 「公正性の確 役・監査役会による当該機能の両輪を核とした 保」 「独立性の確保」 「意思決定の迅速化」を追求 ガバナンス体 制が適 切であると判 断していま し、抜本的な経営改革を行い、各種の経営シス す。これに加え、近年の法制面での監査役機能 テムを確立し運営しています。 の強化の流れもあり、当面「監査役会設置会社」 を継続することとしています。これは、 「委員会 コーポレート・ガバナンスの歩み 設置会社」が目指す経営に対する監視・監督機 1993 企業理念、行動指針、企業行動規範 1998 倫理委員会設置 当社においては、 「アドバイザリー・ボード」 「独 企業行動基準 1999 2003 能の強化と同様のコーポレート・ガバナンスを、 立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」 「独 アドバイザリー・ボード 執行役員制 立社外監査役を含む監査役体制」等を通じて実 持株会社制 質的に果たしていることによります。 コーポレート・ガバナンスガイド 取締役会と執行役員制度 意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化 独立社外メンバーの比率 (2 0 1 0 年 7 月現在) 総メンバー数 独立社外メンバーの人数 独立社外メンバーの比率 取締役会 監査役会 アドバイザリー・ ボード 10 3 30% 5 3 60% 7 5 70% 注 : 米国の証券取引所で規則化されている独立要件と同等の基準を採用しており、以下に掲 げるすべての条件に合致しない場合、独立社外メンバーとみなします。 1)帝人グループの内部従事者・内部出身者 2)帝人グループに対する専門的サービス提供者 3)帝人グループの顧客・取引先としての関係を有する者 4)帝人グループと「取締役の相互兼任」の関係を有する者 5)帝人グループとその他の利害関係を有する者 詳しい定義・内容につきましては以下の当社 Web サイトをご覧ください。 http://www.teijin.co.jp/about/governance/requirements.html 32 Teijin Limited を目的に、取締役の数を定款で10名以内と定め、 大幅な権限委譲のもとで執行役員制度を導入 しています。社内取締役の中から会長、社長を 選任し、その他の社内取締役は原則としてチー フオフィサーを兼任しています。取締役のうち 3 名を、独立性を確保した社外取締役としてい ます。また、取 締 役の任 期は定 款で 1 年と定め ています。なお、監視・監督と社内的業務執行 (説明責任)の向上に貢献する役割を担っていま の分離のため、取締役会の議長は会長が務める す。具体的には、取締役会において、株主・社外 こととしています。会長は対内的業務執行には 視点、また、個々人の経験からの視点に基づいた 携わらないものとし、別段の必要がある場合を 発言を行うとともに、社長の人選や評価・報酬の 除いて代表権は持ちません。 決定においては、その諮問機関である「アドバイ また、社外取締役は、社内取締役に対する監 ザリー・ボード」の日本人構成メンバーとして 督機能、さらには見識に基づく経営助言機能を 参画することによって、このプロセスに株主・社 通じ、 取締役会の透明性とアカウンタビリティー 外視点を入れた判断を行う機能を担っています。 独立社外取締役からのメッセージ 日本の企業で本格的に「社外取締役」制度の導入を検討しはじめてからまだ十 年足らずである。現在でもその採用については賛否相半ばするといったところであろう。 どのような制度にも長所・短所があり議論が分かれるのはある意味で当然ともいえる。 制度を評価するに当たっては制度そのものの妥当性だけではなく,その制度が有効に運用されるか否かも重 要なファクターとなる。現在の帝人の社外取締役制度では,取締役会議長である会長の議事進行 及び執行部門を代表する社長以下の取締役の議案の説明・情報の開示が適切に行われている。 一方社外取締役も積極的な発言を行い経営の透明性や客観性を強化すべく努力しており,制度は 一方社外取締役も積極的な発言を行い経営の透明性や客観性を強化すべ 相当有効に機能していると評価している。 社外取締役に期待される役割として四点を挙げれば次の通りとなろう。 • 適法な経営体制の確立 • 経営の効率化 • 株主全体の視点での経営のチェック • 社外の目で経営を見ることによる論点の拡大と議論の活性化 自ら社長・会長を経験した会社(商船三井 )では社外取締役の意見を受ける立場にあったが, 帝人では社外取締役としての責任を自覚し微力ながら社業の健全な発展に貢献すべく努力していきたい。 鈴木 邦雄 Teijin Limited 33 また、 「当社株式の大量取得行為に関する対応策 ています。加えて、社 外 監 査 役のうち 1 名は公 (買収防衛策) 」の発動に際しては、 「独立委員会」 認会計士を選任するなど、監査役の専門性を考 の委員として、有事における社外の視点を入れ 慮し、バランスのとれた構成を目指しています。 た判断をする役割を担っています。なお、取締 また、監査役会の機能充実のため、 「監査役付」 役会から権限委譲された業務執行に関する重要 組織を設置して 2 名を配置しています。さらに、 事項については、週 1 回開催される「グループ経 グループ企業の監査役で構成するグループ監査 営戦略会議」及び月 1 回開催される「グループマ 役会で、グループ連結経営に対応したグループ ネジメント会議」において審議され、意思決定さ 全体の監視・監査の実効性を高め、より公正な れます。 監査が実施できる体制になっています。加えて、 常勤監査役は、グループ中核企業の社外監査役 監査体制と監査役会 を兼務しています。 監査役監査体制については、当社の監査役会 当社及び帝人グループでは、会社法、金融商 は 5 名で構成され、独立性を確保した社外監査 品取引法等で定められた監査役監査、会計監査 役を過半数の 3 名とすることにより、透明性を確 人監査に加え、内部監査を含めた三様監査体制 保し、トータル・リスク・マネジメントの監査を を取り、各々が相互連携のもとにコーポレート・ 含む経営に対する監視・監査機能を果たしてい ガバナンスの充実を図っています。監査役会と ます。常勤監査役は、取締役会から権限委譲さ 他の監査主体との関係では、会計監査人の選任・ れた当社及び帝人グループの業務執行に関する 交代は監査役会が主導するとともに、内部監査 重要事項の意思決定機関である「グループ経営 については、特に「経営監査室」との連携を強化 戦略会議」及び「グループマネジメント会議」に し、内部監査情報の恒常的かつ網羅的把握を行 出席しており、監査役監査の実効性向上を図っ うこととしています。 帝人グループのコーポレート・ガバナンス・システム (2 0 1 0 年 7 月現在) ガバナンス体制 社外メンバー主体 アドバイザリー・ボード アラミド繊維 指名・報酬委員会機能 炭素繊維 持株会社組織 取締役会 合計 10 名(うち社外 3 名) TRM コミティー (CEO、CSRO、CTO、CFO、CHO 等) ※ チーフオフィサーズ CEO : Chief Executive Officer CFO : Chief Financial Officer CMO : Chief Marketing Officer CTO : Chief Technology Officer CSRO : Chief Social Responsibility Officer CIO : Chief Information Officer CENO : Chief Engineering Officer CHO : Chief Human Resources Officer 34 Teijin Limited 9つの事 業 グル ー プ 株主総会 CEO グループ経営 戦略会議 ※ (チーフオフィサーズ ) 監査役会 監査役 5 名(うち社外 3 名) グループ監査役会 グループ マネジメント会議 (チーフオフィサーズ、 事業グループ長) ポリエステル繊維 樹脂 フィルム 医薬医療 流通・製品 IT 新事業開発 内部監査体制については、当社に CEO 直属 の内部監査組織として「経営監査室」を設置し、 グループ・グローバル横断的に「内部統制の妥 アドバイザリー・ボード・メンバー (2 0 1 0 年 7 月現在) 帝人株式会社 取締役会長 長島 徹(委員長) 1 9 9 9 年の経営改革では、世界で存在感 当性・効率性評価等」の監査を実施するととも に、監 査 役の監 査 活 動と連 携を行っています。 なお、上場子会社等一部では、個別に内部監査 組織を設置しています。2010 年 3 月 31 日現在、 帝人グループの内部監査人は、上場子会社等の 該当者を除き 2 0 名となっています。 元デュポン社 上席副社長 のある企業となるため、優れたコーポレー ジョン・W. ハイムズ ト・ガバナンスの確立を目指しました。そ UBS インベストメントバンク副会長 UBS リミテッド会長 の中心的役割を果たしたのが「アドバイザ レオン・ブリタン卿 リー・ボード」です。国内トップクラスの 社団法人 日本ブラジル中央協会 有識者に加え、化学業界を常にリードして 理事長 きたデュポン社 元 CEO のクロール氏、元 鈴木 勝也 アドバイザリー・ボード 経営全般へのアドバイスと経営トップの評価 を行うことを目的に、国内外の有識者で構成す る「アドバイザリー・ボード」を設置し、取締役 ICI の会長で英国におけるコーポレート・ガ 株式会社商船三井 相談役 バナンス確立で重要な役割を果たしたハン 鈴木 邦雄 ペル委員会の委員長を務めたハンペル氏に TDK 株式会社 代表取締役会長 も、最初のメンバーとして加わってもらい、 澤部 肇 会の諮問機関と位置付け運営しています。アド 帝人株式会社 代表取締役社長執行役員 CEO バイザリー・ボードには、5 ∼ 6 名の社外アドバ 大八木 成男 帝人グループのコーポレート・ガバナンス 確立に向け、活発な議論が展開されました。 その後もアドバイザリー・ボードは、新た イザー(日本人 3 名、外国人 2 ∼ 3 名)と会長、社 なメンバーを加えながら、企業価値の向上 長(CEO(最高経営責任者))がメンバーとして に向けたさまざまな提言を行っています。 参加し、アドバイザリー・ボードの委員長は会 長が務めます。また、定 例 会 合は年 2 回 実 施し ています。 「アドバイザリー・ボード」は、指名・ 報酬制度と報酬の状況 報 酬 委 員 会 機 能を有し、CEO の交 代 及び後 継 帝人グループの役員の報酬制度及び報酬水 者の推薦、会長の選任に関する審議、帝人グルー 準は、アドバイザリー・ボードで審議されます。 プの役員報酬制度・水準の審議、CEO・代表取 取 締 役の報 酬 額は、連 結 営 業 利 益 ROA、連 結 締役の業績評価等を行っています。審議内容が、 ROE、連結営業利益額を定量的指標とし、その CEO または会長に係る案件については、当該利 害関係人は退席し、審議することとしています。 水準や達成・改善度合いと、取締役個人の業務 執行状況の定性評価に応じて決められます。ま た、執行役員の報酬額は、連結営業利益 ROA、 指名制度と報酬制度 担当領域のROA・営業利益額を定量的指標とし、 その水準や達成・改善度合いと、執行役員個人 取締役候補者の選定 の業務執行状況の定性評価に応じて決められま 取締役候補者については、当社のトップマネ す。なお、2 0 0 9 年度に、当社取締役及び監査役 ジメントを担当するにふさわしい、人格見識共 に支払った報酬は以下のとおりです。 に優れた人物を、本人の能力、過去の業績等を 勘案した上で取締役会で決定し、株主総会に推 薦しています。 取締役・ 監査役報酬等 支給人員 支給額 支給人員 支給額 (人) (百万円) (人) (百万円) 社内取締役 8 212 社内監査役 2 28 社外取締役 3 39 社外監査役 4 28 11 252 合計 6 56 合計 Teijin Limited 35 コンプライアンスとトータル・リスク マネジメント する体制に改めるとともに、財務健全性リスク 帝人グループは、 「コンプライアンス」と「トー を加えて体制を強化しました。現在、TRM コミ タル・リスクマネジメント」はコーポレート・ガ ティーのメンバーは CSRO 及び CEO が指名す バナンスの目的実現のための必須条件と考えて る 他 の チ ー フ オ フ ィ サ ー で 構 成 さ れ、CEO、 います。 CSRO、CTO、CFO、CHO、経営企画部門長が も含めた経営戦略リスクの比重が高まることに 対応し、メンバーに CFO(グループ財務責任者) メンバーとなっています。取締役会は、TRM コ コンプライアンス ミティーから提案される TRM 基本方針、TRM コンプライアンスについては、 「企業の役員・ 年次計画等の審議・決定を行います。 従業員は、法令遵守は当然のこととして、社会 の構成員としての企業人・社会人として求めら アカウンタビリティーに基づく情報開示 れる倫理観・価値観に基づき誠実に行動するこ 企業のアカウンタビリティーは、事業の繁栄 とが求められており、このような誠実な行動が を図り株主価値を高めることと不可分の活動で 企業価値増大に不可欠である」という認識のも す。企業はそのミッションとビジョンを明確に と、帝人グループの世界共通の規範として「企業 示し、またコーポレート・ガバナンスの仕組みに 行動規範」や「企業行動基準」等をすでに策定し、 ついて、適宜説明を行うべきであると考えます。 経営者・従業員への周知徹底を図っています。 また、コンプライアンスやトータル・リスクマネ ジメントについても、そのポリシーの浸透を図 トータル・リスクマネジメント る必要があります。帝人グループは、常に株主 2 0 0 3 年 4 月から、企業が直面する不確実性に や社会の要請に配慮し、さらに高いアカウンタ 対する予 防 手 段として経 営 戦 略リスクと業 務 ビリティーを目指して行動します。 運 営 リ ス ク を 対 象 と す る「 TRM(Total Risk 方針 (統合リスク管理委 Management)コミティー」 1. 具体的な情報の公開に当たっては、国内外に (グ 員会)を取締役会の下に設置し、CEO、CSRO 向けて、同時、同内容の開示を行うことを基本 ループ CSR 責任者)、CSO(グループ経営計画 方針とする。 責任者)、CTO(グループ技術責任者)、CHO(グ 2. 法定の財務情報の開示のみならず、CSR の観 ループ人財責任者)をメンバーとして、リスクに 点から会社の情報の開示を積極的に行う。 対する統 合 管 理を行ってきました。2 0 0 9 年 4 3. 帝人(株)の株主総会は「開かれた株主総会」 月からより迅速な経営戦略立案・戦略リスクマ を常に志向し、株主とのコミュニケーション ネジメントのため、CSO を廃止し CEO が直轄 を重視する。 帝人グループの ホットライン Corporate Ethics Opinion Box( 海外) グループ社員・役員 企業倫理意見箱、社内イントラ、E メール コンプライアンス・ホットライン(外部機関) CSRO、 CSR企画室長 セクハラ・ホットライン(外部機関) 社外取引先 36 Teijin Limited 社外通報受付窓口、インターネット HP CSR 企画室担当者 マネジメントチーム 取締役、監査役、アドバイザリー・ボード・メンバー、チーフオフィサー、事業グループ長 (2 0 1 0 年 7 月現在) 取締役 取締役会長 代表取締役社長執行役員 代表取締役副社長執行役員 代表取締役専務執行役員 取締役専務執行役員 長島 徹 大八木 成男 片山 森田 順二 亀井 範雄 取締役常務執行役員 取締役執行役員 独立社外取締役 独立社外取締役 独立社外取締役 谷田部 俊明 福田 善夫 鈴木 勝也 鈴木 邦雄 澤部 肇 監査役 之 アドバイザリー・ボード・メンバー 長島 徹(委員長) 常勤監査役 古川 博 常勤監査役 佐野 喜八郎 ジョン・W. ハイムズ 独立社外監査役 林 良造 レオン・ブリタン卿 独立社外監査役 守屋 俊晴 鈴木 勝也 林 紀子 鈴木 邦雄 独立社外監査役 澤部 肇 大八木 成男 チーフオフィサー CEO 大八木 成男 CFO 片山 CMO 森田 順二 CTO 谷田部 俊明 CSRO 森田 義一 CIO 西川 修 CENO 後藤 陽 CHO 武居 靖道 之 事業グループ長 アラミド繊維 アイソ・W.A.アルバータ・ フォン・エッケンシュタイン 炭素繊維 三嶋 孝司 ポリエステル繊維 亀井 範雄 樹脂 酒井 和幸 フィルム 高橋 卓 医薬医療 西川 修 流通・製品 北野 弘 IT 吉野 隆 新事業開発 久保 健二 CEO : Chief Executive Offi cer CTO : Chief Technology Offi cer CENO : Chief Engineering Offi cer CFO : Chief Financial Offi cer CSRO : Chief Social Responsibility Offi cer CHO : Chief Human Resources Offi cer CMO : Chief Marketing Offi cer CIO : Chief Information Offi cer Teijin Limited 37 研究開発 技術革新による持続的な成長 帝人グループでは、技術革新を持続的な成長の核として認識し、成長性と収益性の向上を目的とした 新事業創生への研究開発活動に積極的かつ効率的な投資を継続して実施しています。国内 9 カ所、海 外 7 カ所のグローバルな研究開発ネットワークにおいて 1,6 0 0 名余りの研究者が、各事業グループの 技術責任者(CTO)のもと、基礎研究を含めたグループ全体の研究開発戦略に基づく R&D と連携強 化を進め、ブランドステートメント“Human Chemistry, Human Solutions”を反映した研究開発 と独創的なビジネスモデル構築の推進に努め、成果の早期事業化を目指しています。 重点技術領域 グリーンケミストリー Green Chemistry 高機能素材領域 ● グリーン・エネルギー領域 複合材料 (自動車/航空機/風力発電用部材) ● 太陽電池/燃料電池材料 ● 放熱材料 ソリューション力向上を目指す R & D 戦略 持続的成長に向けた R&D 戦略として、注力 4 市場である「自動車・航空機」 「情報・エレクトロ ニクス」 「ヘルスケア」 「環境・エネルギー」におい ● アラミド繊維 ● 表示材料 て環境保全・省エネ・軽量化、BRICs の成長・高 ● 炭素繊維 ● 高密度記録材料 機能化などの環境変化に対応し、帝人グループ ● 高密度記録材料(PEN) ● 照明機器材料 ● バイオポリマー のソリューションを提供するべく、3 つの重点技 ● 水処理技術 術領域として「高機能素材」 「グリーン・エネル ● リサイクル技術 ギー」及び「ライフサイエンス」を特定しました。 さらに基幹技術群の中にポートフォリオ変革の ための将来技術群を特定し、製品開発のパイプ ヘルスケア Health Care ライフサイエンス領域 38 Teijin Limited ラインを設定・管理することで開発の加速を図 ります。このために高分子化学、触媒化学など の化学技術や医薬・医療技術、IT 技術など基盤 ● 医薬品 技術を融合させ、ナノテクノロジーやバイオテ ● 医療機器 クノロジー等の先端技術も組み入れ、基幹技術 ● 先端医療材料 群の充実と新たな価値創出を進めます。 ポリエステル、ポリカーボネート、アラミド、 「グリーン・エネルギー」領域では、石油に代 炭素繊維に代表される「高機能素材」領域では、 わる植物由来原料をベースにした高性能バイオ 性能と価格の追求に加えて、環境対応を配慮し プラスチック(「バイオフロント®」)の商品開発 た付 加 価 値 向 上を進めます。例えば、新 幹 線 に向けた実証プラント稼働や環境にやさしいバ N-7 0 0 系のポリカーボネート樹脂窓での軽量化 イオテクノロジーを用いた排水処理、高機能炭 に続き、自動車用樹脂窓の実用化に向けた技術 素繊維による放熱材料、耐熱アラミド素材を用 開発を進め、炭素繊維複合材料による車体の軽 いた電池部材や機能性ナノファイバーなどの先 量化とともに環境対応技術による市場早期拡 端技術にも積極的に取り組みます。 大に貢献します。また、自動車部材、電気・電子 「ライフサイエンス」領域においては、世界戦 分野などの川中・川下の加工事業を取り込むこ 略製品として大型化を期待する新規痛風・高尿 とで、顧客や市場の信頼獲得とともに、素材の 酸血症治療剤 TMX-6 7 の開発に成功し、販売エ 付加価値向上を図ります。循環型社会の構築 リアの拡大を進めるほか、在宅医療事業では米 を目指し、世界に先駆けたポリエステル繊維の 国に加え欧州、アジアへの展開など海外におけ ケミカルリサイクル(「エコサークル®」)の推進 る事業基盤の強化を図ります。 も継続展開します。 重点技術領域での商品開発パイプライン(主要なもの) 2010 年 高機能素 素材 領域 2020 年 ● ● 風力発 発電用炭素繊維 風力発電用 用 プリプレグ グ ● ● グリーン・ エネ ネルギー 領域 域 自動車用構造材 ● ● ● ● ● アラミド 安全防護材料 タイヤ部材 サルフロン アラミ ミド パルプ 新素材 防護材料 安全・防護複合材 ● ● 太陽電池 PET T フィルム ● ● ● ● ● LED 照明用 LiB 用耐熱 LiB 放熱材料 セパレー ーター 電極材料 薄膜 膜 太陽電 電池部材 代替 エネルギー部材 ● タッチパネル ル 用フィルム 電子ペーパー 基盤フィルム ● ● ● ● 多層光 光学 フィル ルム HEV・EV 有機 半導体材料 塗布型 電子機能回路 モータ用フィルム ● ● ● PLA 耐熱性 PL LA A 樹脂 非可食バイオ樹脂 ● ● ● 排水再生システム バイオ水処理装置 置 ライ イフ サイエン ンス 領域 ● 航空機用構造材 航空機用プ プリプレグ ● ● TMX-67 TMX-67 IT TM-077 ITM-058 NTC-801 痛風(日本) 糖尿病 骨粗鬆症 心房細動 痛風(欧米) ● バイオプロセス水処理システム ● ● ● ● 新規高尿 酸血症薬 バイオ 関連製品 ● ● ● ● ● 在宅リハビリ リハビリロボット HOT DW1350 先端医療材料 グローバル 酸素濃縮装置 置 骨粗鬆症 新規在宅医療 在宅透析 ハイブリッド電気自動車、電気自動車 HOT:在 在宅酸素療法 LiB:リチウムイオンバッテリー HEV、EV:ハ Teijin Limited 39 2 0 0 9 年度の研究開発活動 合成繊維 ● アラミドパルプ 炭素繊維(自動車用) コンポジット 高機能繊維分野 アラミド繊維分野では、帝 コーポレート研究 人テクノプロダクツ(株)において、メタアラミド コーポレート研究(グループ共通の基礎研究 繊維「コーネックス®」で、次世代高性能消防服 及び新事業・新製品創出)では、これまで培って の開発や生産性向上技術の開発を行いました。 きた合成化学や高分子化学分野での研究開発基 また、パラアラミド繊維「テクノーラ®」の生産性 盤をさらに強化し、新規事業創出を目指してい 向上技術や樹脂補強材の開発を行いました。ナ ます。中長期の研究開発では、2 0 0 9 年 4 月に発 ノテクノロジーを用いた高性能化・高機能化の 表した経営基本方針の製品開発パイプラインに 研究も引き続き推進しています。Teijin Aramid 基づき、ポリマー、先端医療材料、エレクトロニ B.V. では、パラアラミド繊維「トワロン®」を用い クス材料等にかかわる技術探索を進めています。 新規高性能パルプの用途開発を継続しています。 基礎研究分野では、社内外の技術融合を図るこ 炭素繊維分野では、東邦テナックス(株)にお とを目的に「融合技術研究所」を開設しました。 いて、高強度・高弾性率等の優れた機械特性を 新事業・新製品創出については自社開発の高耐 発揮させる技術開発、電気伝導性・耐食性等の 熱性バイオプラスチック「バイオフロント®」の 特徴を応用した材料開発を行いました。また、 市場開発を加速することを目的として、松山事 帝人(株) 「複合材料開発センター」と連携して 業所に実証プラントを建設し 2 0 0 9 年 9 月から稼 自動車用部材をはじめとするコンポジット技術 働を開始しました。水処理では、大阪府と中国 開発を進めています。 江蘇省の日中友好交流の枠組みの中で、農村集 ポリエステル繊維分野 環境対応技術や機 落排水整備プロジェクトへ参画し、現地で実証 ● 試験を実施することで合意しました。その他自 能繊維素材の研究と商品開発を推進しています。 動車・航空機分野では複合材料の研究開発なら 環境対応技術としては、100℃以下の常温・常圧 びに市場開発を複合材料開発センターで推進し で染 色ができ、染 色に必 要なエネルギーを約 ています。さらにエレクトロニクス分野ではフ 3 0% 抑制できるカチオン可染素材“V4”を開発 レキシブルディスプレイ用の基板開発を進めて しました。また、ポリエステルの循環型リサイク います。 ルシステム「エコサークル®」については、カーテ ン・寝具・マリンウェア等への適応範囲拡大を進 めました。機能素材としては、繊維を垂直方向 に配向させ高反発・低ヘタリ と高度な通気性を兼備した新 規不織布構造体「V-Lap®」の 製 品・用 途 開 拓に取り組み、 本格的な商業生産・販売を開 始しました。 「V-Lap®」は繊 研合繊賞ニューフロンティア 部門を受賞し、高く評価され ています。 40 Teijin Limited 化成品 第 5 世代リニアテープオープン(LTO5)用ベース 樹脂分野 ポリカーボネート樹脂「パンライ フィルムの開発を行ってきましたが、この春に上 ト ®」の改良改質、成形加工技術、新規ポリマー 市されました。また、PEN フィルム「テオネック の開発及びフィルム・シート押出加工技術の研 ス ®」については次世代太陽電池・照明、自動車 究を行っています。自動車の燃費向上・環境対 分野、易成形フィルム「テフレックス®」について 応として軽量化ニーズが高まる中、鋭意研究し は自動車、装飾・意匠用分野、超多層フィルムに てきたガラス窓の樹脂化は、素材の開発と独自 ついては装飾・意匠用、偽造防止用途分野の拡 の超大型射出プレス成形機による成形加工技術 大を推進しています。 ● ポリカーボネート製 リア・クオーターウィンドウ の開発により、国内で初めてポリカーボネート樹 脂製のリア・クオーターウィンドウ、 パーティショ 医薬医療 ンウィンドウに採用されました。これによりガ ● 医薬品分野 骨・関節領域、 呼吸器領域、代謝・ ラス対比 4 0% 以上の軽量化が実現されました。 循環器領域の 3 分野に新薬研究の重点を置き、 また、環境対応型の難燃技術を開発し、業界で 自社研究開発ならびに国内外の大学・研究機関・ の 最 薄 肉(厚 み 1.5mm 米 国 安 全 性 規 格 UL 製薬会社等との共同研究・開発を積極的に行っ 9 4V-0 相当)で、透明性を保持した難燃グレード ています。 を上市しました。射出成形用と押出成形用をラ 代謝・循環器領域では、2009年4月に、中外製 インアップし、今後成長の期待できる LED 照明 薬(株)と共同開発中のⅡ型糖尿病治療薬 ITM- 用途等への参入に努めます。基盤研究としては、 077が第Ⅱ相臨床試験に移行しました。また、同 2 0 0 9 年 4 月に国立大学法人山形大学工学部に、 月に日産化学工業(株)と共同開発中の新規心房 ポリマーアロイの権威である 井上 隆 客員教授 細動及び粗動の治療薬及び予防薬 NTC-801が、 の指導のもと「高分子ナノ構造制御工学講座」 第Ⅱ相臨床試験に移行しました。9月には、イプ を開設しました。ナノオーダーの分散技術を用 セン社(仏)から導入した先端巨大症治療薬 ITM- いた高機能ポリマーを開発し、理論的アプロー 014が第Ⅲ相臨床試験に移行しました。12月には、 チによりポリマー設計技術の高度化を図ります。 自社創製した痛風・高尿酸血症治療剤 TMX-67 について、日本での承認申請を行いました。 フィルム分野 ポリエチレンテレフタレート 「オルベス 呼 吸 器 領 域では、2 0 1 0 年 3 月に、 ・ポリエチレンナフタレート(PEN)フィ (PET) コ ®」の小児に対する適応追加の承認申請を行 ルム・ポリカーボネート(PC)フィルムを中心と 「ベニロン®」 いました。また、2 0 1 0 年 1 月には、 した高機能・高性能フィルムの開発を行ってい のチャーグ・ストラウス症候群 ※ への適応追加 ます。液晶ディスプレイを中心としたフラット が承認されました。 ● 透明導電性フィルム 「ベニロン®」 ® パネルディスプレイ(FPD)用やタッチパネル用 新規高機能フィルム及びその加工品の開発、グ ● 在宅医療分野 安全性と操作性のより向上し ローバルで需 要が急 拡 大している太 陽 電 池 用 た新規医療機器の開発・導入とともに、新たな在 フィルム及び次世代照明用フィルム、環境負荷 宅医療分野の創出に向けた研究開発を行ってい 低減を重視した新規工業用・加飾用・特殊包装 ます。2009 年度は、日本特殊陶業(株)と共同 用フィルムの開発に注力しています。大容量化 開発を行った酸素濃縮器 5FX の製造準備を終え、 が加速されるデータストレージ分野においては、 上市を決定しました。 酸素濃縮器 5FX ※ 気管支喘息の人で、血液中の白血球の一種である好酸球の増加が著明な人に、細い血管に血管障害(血管炎)を生じる疾病。厚生労 働省 難治性疾患克服研究事業の対象疾患に指定されています。 Teijin Limited 41 知的財産 事業戦略・研究開発戦略と 一体となった知的財産活動 帝人グループは、技術経営の一環としてグループ・グローバルを意識した知的財産戦略に基づいて、 特許・ノウハウを中心とした知的財産の創造・保護・活用を図っており、独立した組織である帝人知的 財産センターを中心に、経営戦略・技術戦略と一体となった知的財産活動を行っています。また、 「ブ ランド」を帝人グループの「企業価値を高める重要な知的財産資産」として認識し、広報・IR 室が中心 となってブランド価値を向上させる取り組みを日々進めています。 知的財産戦略 進し、重点技術テーマに関する日本での出願特 帝人グループでは、事業展開を優位に行うた 許の割合は、2007 年度 26% ※2、2008 年度 32%、 めに、重点戦略事業、及び注力市場分野を設定 そして 2 0 0 9 年度 3 9% となりました。また、外 し、強化すべき研究分野について積極的な発明 (2008 年度 17%)となりました。 国出願率は 13% 発掘、特許出願・権利化及び競合する他社特許 注力市場別では、自動車・航空機分野について の情報解析を行い、 「特許網」の構築と「特許存 は、欧米以外でも外国出願件数が増加していま 続期間」の最長化など、 「知的財産価値の増大」 す。情 報・エレクトロニクス分 野については、 を図り、ひいては企業価値の向上を目指してい 需要増加につながる新規用途や次世代の素材 ます。 開発だけでなく、中国、韓国等のアジア各国に おけるフィルム・樹脂の市場拡大に対応した出 特許出願 願を行っています。また、環 境・エネルギー分 グループ重点技術テーマ※ 1 に集中し、強い特 野については、2 0 0 8 年に引き続き、バイオプラ 許権獲得を目指した質の高い特許出願活動を推 スチックの「特許網」の構築に注力しました。ヘ ルスケア分野では、重点疾患分野である骨・関 節系、循環器、呼吸器の各分野で積極的な出願 2 0 0 9 年度国内特許出願件数 を行い、ライフサイクルマネジメントを考慮し 合成繊維 288 化成品 217 医薬医療 34 新事業他 170 合計 709 た出願も行いました。 ※ 1:グループ全体で推進支援する重大テーマ ※ 2:重点技術テーマに関する出願件数 / 出願総件数 知的財産の活用 知的財産の活用については、各事業グループ 新事業他 24% において戦略的な活用を図っています。医薬医 40% 合成繊維 医薬医療 5% 化成品 42 Teijin Limited 31% 療事業では、海外に有償でのライセンス供与及 特許の貢献が著しく大である場合に、この基本 びクロスライセンスを積極的に行っています。 特許の発明者を厚く表彰するものです。 例えば、痛風・高尿酸血症治療剤TMX-67では、 東欧・ロシアを含む欧州での販売強化のためサ ブランド ブライセンス契約を締結し、台湾においては独 帝人グループは、1 9 9 3 年に、企業理念である 占販売契約を締結しました。 「社会と共に成長します」 「社員 「Quality of Life」 また、再生医療市場への本格参入に向けて、 と共に成長します」を制定しました。これに続 画期的な脳卒中治療薬として期待される き、企業理念や経営戦略をテイジンブランドに 「SB6 2 3」の日本における開発・販売に関する独 反映させた顧客や社会に向けた「テイジンブラ 占的な新規脳卒中治療薬のライセンス契約を締 ンド」の約束として、2 0 0 3 年にブランドステー 結しました。 トメント“Human Chemistry, Human Solutions” (人と地 球 環 境に配 慮した化 学 技 術の向 上と、 知的財産管理体制 社会と顧客が期待している解決策を提供するこ 帝人知的財産センターは、事業グループ会社 とで本当の価値を実現することに挑戦し続ける や帝人の関係部署と連携しつつ、経営戦略・技 こと)を制定しました。 術戦略と一体となったグループ全体の知的財産 今後も、帝人グループの事業活動・CSR 活動 戦略を立案・実行しています。 等あらゆる活動を通じて、社内外のすべてのス 同センターでは、知的財産戦略の企画機能を テークホルダーに向けてテイジンブランドを発 強化する知財戦略室を設置し、併せて主要事業 信し、持続的な企業価値増大に貢献します。 グループ会社に知的財産管理の要員を配置して います。また、知的財産管理・情報総合システ ムなどの活用を通じて、情報の共有化とグルー プ内展開を図っています。 一方、帝人グループ知財教育プログラムを制 定し従業員に対する知財教育を行い、競争力強 化に貢献する発明の創出と権利化、事業におけ る知財のリスクの最小化と最大活用等の知財マ インドの醸成に努めています。 発明・褒賞制度 グループ表彰規程において「帝人発明賞」を 制度化し、従業員の発明を奨励しています。「帝 人発明賞」は、グループの新規事業の創出、既存 事業の新規技術分野の開拓に多大な貢献をなし た特定の製品について、当該製品売上に対する Teijin Limited 43 帝人の社会的責任 CSR 経営の実践 さらに、2 0 0 5 年 4 月には、グループ CSR 責任 帝 人 グ ル ー プ で は、企 業 理 念「Quality of ンス(法令遵守)、リスクマネジメント、ESH(環 「社会と共に成長します」 「社員と共に成長 Life」 境・安 全・健 康) 、社 会 貢 献の課 題など、さまざ (企業の社会的責任) します」の実現のため、CSR まな CSR 活動を総合的に推進するための体制 の基本方針を策定し、長年にわたり組織的かつ を整え、基本方針・目標・戦略の立案・推進に取 計画的な CSR 活動を展開してきました。 り組んでいます。 者(CSRO)を設置し、企業倫理、コンプライア 具体的には、CSR活動を、企業倫理、安全環境、 地球環境への貢献、PL・品質保証などの「基本 的 CSR 課題」、CSR の考え方を人財・労働政策 CSR 活動のフレームワーク や購買・物流政策に反映する 「拡張的 CSR 課題」、 選択的 CSR 社会貢献活動 社会貢献活動の推進・支援等の「選択的 CSR 課 題」と 3 つのカテゴリーに分け、その内容と方向 性を明確にし、中期的な目標を設定し、実効性 拡張的 CSR 人財・労働・購買・物流 のある活動を展開しています。 帝 人グループの CSR 経 営は、国 際 的な SRI 基本的 CSR 企業倫理・コンプライアンス・ リスクマネジメント・ ESH(環境保全、安全・防災、健康) ・製造物責任・品質保証 (社 会 的 責 任 投 資)指 標 で あ る「Dow Jones 「FTSE4Good Index Sustainability Indexes」 Series」や「Ethibel Sustainability Index」に採 用されるなど、SRI 分野でも高い評価を得てい ます。 地球環境との調和 SRI(社会的責任投資)からの評価 帝人グループは、2 0 1 0 年 7 月現在、 国際的な SRI 指標である 環境経営宣言 帝人グループは、地球環境問題を重要な経営 課題と捉え、1 9 9 2 年に「帝人グループ地球環境 「Dow Jones Sustainability Indexes」 憲章」を定め、積極的に取り組んできました。し (評価基準:経済・環境・社会) かし、地球環境問題は深刻の度合いを深めてお 「FTSE4Good Index Series」 (評価基準 : 環境・社会問題・人権) り、さらに踏み込んだ取り組みが必要との認識 「Ethibel Sustainability Index」 (評価基準 : 経済・環境・従業員・社会) 境保全」 「環境配慮設計」 「環境ビジネス」に基づ などに採用されています。 「環 から 2 0 0 7 年 7 月に「環境経営宣言」を行い、 く経営を推進しています。 「環境保全」では、環境負荷を低減させるさま ざまな活動を行っています。特に重要と考えら れる、二酸化炭素(CO2)排出量、化学物質排出 量、非有効活用廃棄物発生量の 3 つについては、 長期的な目標を定め、その確実な達成を目指し ています。 44 Teijin Limited 環境保全の長期目標(2 0 2 0 年度) 対象 項目 内容 CO 2 排出量 国内 1 9 9 0 年度対比 2 0% 以上削減 化学物質排出量 世界 1 9 9 8 年度対比 8 0% 以上削減 非有効活用廃棄物発生量 世界 1 9 9 8 年度対比 8 5% 以上削減 「環境配慮設計」では、製品や事業プロセスの 全般にわたって環境負荷の低減を目指すため、 独自のガイドラインを策定し、認定制度を実施 しています。昨 年 度からは、この認 定 制 度を 「アース・シンフォニー」と名付け、より積極的 生産における CO 2 排出量の推移 万トン 400 300 海外 な推進を図っています。 「環境ビジネス」では、ポリエステル製品の循 環型リサイクルシステム「エコサークル®」や高 耐熱性バイオプラスチック「バイオフロント®」 などを現在展開していますが、今後も環境改善 を実現する製品やビジネスを積極的に推進して いきます。 長期目標(国内) 200 100 0 国内 1990 2004 2005 2006 2007 2008 2009 (年度) 化学物質の環境排出量 トン また、 「生物多様性」を重要テーマとして積極 的に取り組んでいます。帝人グループの環境配 10,000 7,500 慮設計「アース・シンフォニー」では、生物多様 性への影響も考慮に入れた評価項目を設定して います。 5,000 2,500 海外 国内 0 社会・人々との共生 1998 長期目標(世界) 2004 2005 2006 2007 2008 2009 (年度) 相互に信頼できる豊かな関係を目指して 帝人グループは、 「良き企業市民」として、地 域社会や国際社会の一員であると自覚するとと 共通の社会貢献プログラムを策定し推進してい もに、人々とのかかわりを通じて、相互に信頼で ます。このプログラムでは、 「環境」 「国際交流」 きる豊かな関係を築き上げていくことも企業の 「社会教育」を重点領域に設定し、社員のボラン 大切な役割であると考えています。そのため、 ティア活動を軸にして地域社会に寄与すると同 毎年、経常利益の 1% 以上を目標に、社会貢献費 時に、社員の社会意識を醸成することを目標と 用に充てきました。構造改革を実施するなど厳 して進めています。それに伴い、個々の社員が しい経営環境にありますが、昨年度もこの方針 社会貢献や地域貢献などの公共活動に取り組め に基づいて拠出を継続しました。 るように、ボランティア休職制度、ボランティア 事業所、グループ会社が個別に推進する企業 休暇制度、骨髄提供者・消防団員登録者への公 市 民 活 動に加え、2 0 0 6 年 度より帝 人グループ 認休制度などを整えています。 セミの抜け殻調査 ブック・ドリーム・プロジェクト 自然観察指導員講習会を共催 Teijin Limited 45 人財の育成と活用 「社員と共に成長します」という企業理念を実 社員の多様性を尊重する人財活用へ 現していくため、帝人グループでは、人としての 帝人グループで働くすべての人が、年齢や経 成長、能力の向上、能力の発揮を促す仕組みに 歴・障がい・国籍人種などにかかわらず尊重され、 加え、社員一人ひとりの生活や価値観を尊重す 自己の能力を十分に発揮し活躍できるよう、 ワー る人財マネジメントを行っています。現在は、 ク・ライフ・バランスの向上に重点を置いた人事 「人財の確保・育成・活用」を最重要課題のひと 制度と企業風土の両面から、取り組みを進めて つと位 置 付け、生 産 性の継 続 的 向 上と社 員の います。東洋経済新報社が主催する「ダイバー QOL 向上に取り組んでいます。 シティ経営大賞」で「女性管理職登用部門賞」を 受賞するなど、女性が働きやすい会社として外 生産を支える「現場力」の向上のために 帝人グループでは、現場の核となるリーダー 部から認識されるとともに、一昨年導入された 「在宅勤務制度」も高い評価を受けています。 層のレベルアップを図ることで、現場力(生産 力)のより一層の強化を目指す「技術人財の育 成」に取り組んでおり、2 0 0 7 年は「帝人テクノ カレッジ」を、 2008年は「工場長教育プログラム」 を開講しました。 「帝人テクノカレッジ」では、帝人在職中にそ の道の第一人者と呼ばれた管理職 OB を中心に 「教授」を任命しており、彼らから現場の固有技 ダイバーシティ推進誌 帝人テクノカレッジ 「together」 能・技術の伝承を図るとともに、各人の問題発 見・解決能力を向上させ、将来、現場の中心とな るリーダーを養成しています。 女性管理職比率の推移 % グループ・グローバル経営を担うコア人財の育成 帝人グループは、世界中で 1 5 0 社以上が事業 を展開し、約 1 万 9,0 0 0 人の社員が活動していま す。帝人グループが、グローバルな競争環境の 中で持続的成長を実現するため、優れた人財を 4.0 3.0 2.0 1.0 0.53 0.55 0 1998 1999 早期に選抜し、計画的に育成・配置する「グルー プコア人財育成制度」を運営しています。2006 年度からは対象を 3 0 歳代にまで広げ、グループ 横断プロジェクトへの参画や海外派遣など多く の成長機会を設定し、早期育成に取り組んでい ます。また、2 0 0 9 年 4 月に「グローバル人事室」 を設置し、グローバル化に対応した人事制度の 1.28 2.25 2004 2005 2.85 2.87 3.01 1.62 0.71 2000 2001 2002 2003 2006 2007 2008 2009 (年度) 女性総合職比率の推移 % 16.0 11.11 11.28 12.0 8.0 強化、社員のグローバルコミュニケーション力 強化などにも取り組んでいます。 1.23 2.12 2.50 8.78 4.47 4.82 5.92 12.90 14.19 15.25 15.74 9.46 6.90 4.0 0 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 (年度) ※ 2 0 0 2 年度までのデータは、帝人株式会社社員を母数としていましたが、2 0 0 3 年 4 月の持株会社 化に伴い、2 0 0 3 年度以降は、主要なグループ企業 1 2 社の社員を母数としています。 46 Teijin Limited 財務セクション 1 1 年間の主要連結財務データ 48 財務報告 50 50 51 53 56 57 59 財務報告の概要 全社業績 事業別業績の概況 財政状態 今後の見通し 事業などのリスク 連結財務諸表 連結貸借対照表 連結損益計算書 連結株主資本等変動計算書 連結キャッシュ・フロー計算書 連結財務諸表注記 独立監査人の報告 60 60 62 63 65 66 88 Teijin Limited 47 1 1 年間の主要連結財務データ 経営実績 売上高 売上総利益 対売上高比率 営業利益 対売上高比率 当期純利益 対売上高比率 事業別セグメント 売上高: 繊維事業 合成繊維事業 化成品事業 医薬医療事業 流通・リテイル事業 機械・エンジニアリング事業 IT・新事業他 (2) 合計 営業利益: 繊維事業 合成繊維事業 化成品事業 医薬医療事業 流通・リテイル事業 機械・エンジニアリング事業 IT・新事業他 (2) 消去又は全社 合計 財政状況 総資産 流動資産 有形固定資産 流動負債 長期借入金 自己資本 キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フロー 減価償却費 投資活動によるキャッシュ・フロー 有形固定資産の取得による支出 財務活動によるキャッシュ・フロー 現金及び現金同等物増加(減少)額 1 株当たり情報 当期純利益:希薄化前当期純利益 希薄化後当期純利益 純資産 現金配当 指標 自己資本当期純利益率(ROE)(3) 総資産営業利益率(ROA)(3) 自己資本比率 配当性向 その他 研究開発費(百万円) 発行済株式数(千株) 従業員数(人) 1 9 9 9 年度 2 0 0 0 年度 2 0 0 1 年度 2 0 0 2 年度 ¥ 604,173 169,188 28.0% 26,285 4.4% 7,079 1.2% ¥ 761,410 205,404 27.0% 43,713 5.7% 15,950 2.1% ¥ 923,446 211,660 22.9% 29,497 3.2% 975 0.1% ¥ 890,434 209,491 23.5% 35,298 4.0% (20,977) –2.4% 317,544 — 112,921 87,217 — 38,990 47,501 ¥ 604,173 343,911 — 210,997 88,643 — 71,538 46,321 ¥ 761,410 509,891 — 192,426 94,542 — 74,481 52,106 ¥ 923,446 489,485 — 182,398 92,464 — 72,784 53,303 ¥ 890,434 (1,953) — 7,779 16,570 — (313) 3,552 650 26,285 430 — 17,560 15,809 — 4,744 4,684 486 43,713 7,435 — (3,158) 16,916 — 2,568 4,919 817 29,497 8,221 — 3,734 16,192 — 3,723 3,528 (100) 35,298 ¥ ¥ ¥ ¥ ¥1,015,857 437,876 369,819 354,680 220,564 294,643 ¥1,058,514 416,784 391,383 386,477 189,121 320,769 ¥1,104,633 459,334 433,022 495,591 159,661 311,469 ¥1,036,518 435,187 432,999 444,140 207,774 278,527 61,061 36,824 (39,852) (36,484) (22,925) (4,601) 79,446 48,777 (50,511) (41,520) (55,842) (26,267) 52,394 51,185 (51,284) (50,862) (6,197) (3,957) 58,316 53,028 (65,919) (66,936) 10,842 2,762 ¥ 7.8 — 325.2 6.0 ¥ 2.4% 2.8 29.0 77 ¥ 28,452 905,993 21,971 17.6 17.3 354.1 6.5 ¥ 5.2% 4.2 30.3 37 ¥ 30,275 905,993 22,256 1.1 1.1 335.5 6.5 ¥ 0.3% 2.7 28.2 607 ¥ 31,864 928,299 24,026 (22.7) (22.7) 300.3 6.5 –7.1% 3.3 26.9 — ¥ 29,880 928,299 23,265 注:1. 2 0 0 3 年度より、全社共通営業費用の配賦方法を変更しています。 2. 2 0 0 3 年度より、 「新事業他」を「IT・新事業他」に表示変更しています。 3. このアニュアル・レポートを通し、 「ROE」=「当期純利益」 /「自己資本(期首期末平均) 」、 「ROA」=「営業利益」 /「総資産(期首期末平均) 」、 「自己資本」=「純資産合計」−「新株予約権」− 「少数株主持分」で計算されています。 48 Teijin Limited 百万円 2 0 0 3 年度 2 0 0 4 年度 2 0 0 5 年度 2 0 0 6 年度 2 0 0 7 年度 ¥874,569 212,682 24.3% 38,745 4.4% 8,455 1.0% ¥908,389 222,607 24.5% 51,865 5.7% 9,159 1.0% — 247,530 186,504 93,104 256,295 43,290 47,846 ¥874,569 ¥938,082 250,365 26.7% 76,757 8.2% 24,853 2.6% ¥1,009,586 258,737 25.6% 75,061 7.4% 34,125 3.4% — 278,846 216,432 97,104 261,199 — 54,808 ¥908,389 — 260,967 264,511 105,589 259,828 — 47,187 ¥938,082 — 9,144 4,020 17,252 5,320 3,861 5,456 (6,308) ¥ 38,745 — 10,520 19,145 18,148 6,145 — 3,758 (5,851) ¥ 51,865 — 14,549 40,950 19,318 5,316 — 3,760 (7,136) ¥ 76,757 ¥ ¥914,502 342,127 393,820 330,862 199,298 293,898 ¥852,029 369,860 322,652 320,828 158,959 290,586 ¥943,991 399,002 346,498 397,919 108,715 338,609 44,973 52,794 (16,715) (47,569) (32,325) (4,451) 73,313 52,287 12,708 (43,900) (79,643) 6,249 75,491 50,389 (74,062) (66,620) 1,511 4,689 ¥ 9.0 9.0 316.8 6.5 3.0% 4.0 32.1 72 ¥ 32,830 928,299 20,551 ¥ 9.7 9.7 313.3 6.5 3.1% 5.9 34.1 67 ¥ 30,024 928,299 18,960 ¥0 26.6 26.6 364.8 7.5 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 ¥1,036,624 256,428 24.7% 65,162 6.3% 12,613 1.2% ¥943,410 218,636 23.2% 17,966 1.9% (42,963) — ¥765,840 191,901 25.1% 13,436 1.8% (35,684) — — 293,280 287,902 113,093 266,492 — 48,819 ¥1,009,586 — 317,612 293,834 114,403 265,931 — 44,844 ¥1,036,624 — 273,208 258,004 127,146 239,163 — 45,889 ¥943,410 — 205,154 177,791 131,711 205,314 — 45,870 ¥765,840 — 17,342 33,900 21,192 5,395 — 4,320 (7,088) 75,061 — 24,448 20,247 21,691 5,255 — 3,516 (9,995) 65,162 — (2,780) 226 24,838 3,873 — 3,589 (11,780) ¥ 17,966 — (15,111) 7,997 24,201 3,441 — 2,954 (10,046) ¥ 13,436 ¥ 999,917 417,409 379,632 426,748 102,105 366,753 ¥1,015,991 417,395 382,568 417,534 117,200 391,010 ¥874,157 351,120 339,704 325,074 177,081 305,577 ¥823,071 332,746 316,901 293,848 188,480 271,306 96,456 54,009 (87,065) (69,996) (19,074) (9,309) 53,740 62,668 (79,218) (78,821) 16,080 (9,271) 40,392 67,364 (116,304) (75,845) 79,178 1,274 80,433 61,879 (33,437) (34,119) (42,949) 4,128 ¥ 7.9% 8.5 35.9 28 ¥ 31,196 928,299 18,819 36.8 36.8 395.2 10.0 ¥ ¥ 9.7% 7.7 36.7 27 ¥ 35,097 928,299 19,053 13.2 13.2 397.3 8.0 3.3% 6.5 38.5 61 ¥ 36,282 984,754 19,125 ¥ (43.7) — 310.5 5.0 –12.3% 1.9 35.0 — ¥ 37,630 984,759 19,453 ¥ (36.3) — 276.2 2.0 –12.4% 1.6 33.0 — ¥ 33,356 984,759 18,778 Teijin Limited 49 財務報告 財務報告の概要 経営環境 世界経済は、各国の景気刺激策の効果もあり、緩やかな回 復が見られました。中国では内需主導の景気回復が進み、日 総資産 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 増減 8,742億円 8,231億円 -5.8% 本を除くアジア諸国も順調に景気が回復しました。一方、日 在庫の削減や大型設備投資の凍結と減価償却の進捗によ 本でも景気は回復基調に入りましたが、円高やデフレ傾向が り有形固定資産残高が減少したことなどにより、総資産は減 続き、緩やかな回復にとどまりました。また、米国・欧州は、 少しました。 景気後退に歯止めがかかり回復基調となったものの、本格的 な景気回復には至りませんでした。 フリー・キャッシュ・フロー 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 -759億円 470億円 戦略と活動 営業キャッシュ・フローの増加に加え、大型設備投資の凍 構造改革の一環として、主として素材事業において、稼働 結により設 備 投 資を大 幅に削 減したため、フリー・キャッ 率 70% でも当期純利益が確保できる事業構造改革の実現、重 シュ・フローは大きく改善しました。 点課題として「キャッシュ・フローの確保」に取り組みました。 ポリエステル繊維を中心に、課題事業の構造改革を着実に 主要財務実績 実行するとともに、固定費と設備投資の大幅削減、在庫の大 幅圧縮を行った結果、 「稼働率 7 0% でも黒字が確保できる事 業構造」に大きく前進するとともに、フリー・キャッシュ・フ ローは 1,2 2 9 億円改善しました。 2 0 0 9 年度 ROA 1.9% 1.6% ROE -12.3% -12.4% D/E レシオ 1.18倍 1.18 倍 減益を主要因として、ROA は低下しました。また、有利子 業績 売上高 2 0 0 8 年度 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 増減 負債の削減が進んだものの、当期純損失により自己資本が減 9,434億円 7,658億円 -18.8% 少したため、D/E レシオは前期から変化がありませんでした。 素材関連は、後半に需要が回復してきたものの前半の落ち 込みが大きく、医薬医療事業が増収となったものの、売上高 今後の対応 は大幅に減少しました。 2 0 1 0 年度は、 「構造改革を完了し、黒字化を実現する年」と 位置付けています。2 0 0 8 年度後半から行っている素材事業 営業利益 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 増減 180億円 134億円 -25.2% 国・ASEAN 等を中心とした世界経済の回復による需要回復 化成品事業は大幅な増益となりましたが、合成繊維事業の や、安定的な収益構造を持つ医薬医療事業等により「黒字化 営業損失の拡大などにより、減収となりました。 の達成」を目指します。 当期純損益 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 増減 -430億円 -357億円 − 生産設備の稼働低下に伴う異常操業損失の発生に加え、構 造改革に関連した事業構造改善費用の発生や金銭信託の追 加拠出による損失の計上等があったものの、法人税等の減少 もあり、当期純損失は縮小しました。 50 での「緊急対策と構造改革の効果の計画どおりの発現」と、中 Teijin Limited 販売費及び一般管理費は、緊急対策による固定費の削減に 全社業績 より、1 7 9 億円(前期比 1 1.0%)減少しました。しかし、売上 高が 1 8.8% 減少したことなどにより売上高販売費及び一般 売上高 管理費比率は、1.6 ポイント上昇の 1 8.9% となりました。 後半に需要が回復してきたことに加え、緊急対策及び構造 研究開発費は、重点技術領域及び、新規事業創出に向けた 改革の効果が発現しましたが、前半の落ち込みが大きく、売上 コーポレート研究を積極的に継続していますが、集中と選択 高は、 1,776億円(前期比18.8%)減の7,658億円となりました。 医薬医療事業が増収となったものの、合成繊維事業や化成 品事業といった素材事業及び流通・リテイル事業の販売減等 % 40 100 で、大幅な減収となりました。 73.3% 合成繊維事業は、大幅な減収となりましたが、第 1 四半期 売上高販売費及び 一般管理費比率 % 売上高原価率 75.3% 74.4% 76.8% 74.9% 75 30 を底に売上は回復傾向にあります。アラミド繊維、炭素繊維、 ポリエステル繊維ともに減収となりましたが、自動車用途を 中心に、アラミド繊維とポリエステル繊維は回復基調にあり 50 15.2% 15.0% 14.7% 20 18.9% 17.3% 25 10 ます。炭素繊維は、年間を通して厳しい状況が続きましたが、 足元には回復の兆しが見られます。化成品事業も、大幅な減 0 2005 2006 2007 2008 0 2009 (年度) 収となりましたが、第 1 四半期を底に売上は回復傾向にあり ます。樹脂は、中国内需の急回復を受け、需要が好調に推移 しました。また、フィルムは、アジア地域を中心に需要が回 ● 研究開発 復しました。医薬医療事業は、医薬品、在宅医療とも順調に セグメント別研究開発費 推移し、増収となりました。また、大型新薬として期待する 痛風・高尿酸血症治療剤 TMX-6 7 については、北米に続き欧 州での販売が開始されました。流通・リテイル事業は、産業 コーポレート研究費の比率 400 376 363 351 移し、前期並みの売上高を確保しました。 334 300 30 売上高のセグメント別増減 売上高 9,434 9,000 合成繊維 11.7% 0 -802 2005 化成品事業 医薬医療 +46 医薬医療事業 売上高 7,658 流通・リテイル -338 7,000 流通・製品事業 IT ・新事業他 コーポレート研究費 IT ・新事業 -0 2008 20 14.3% 10.8% 10 合成繊維事業 8,000 0 19.1% 200 -681 化成品 21.0% 100 億円 10,000 40 312 用資材が回復傾向にありますが、衣料繊維の低迷により減収 となりました。IT・新事業他は、IT サービス分野が堅調に推 % 億円 2006 2007 2008 2009 0 (年度) 2005 2006 2007 2008 2009 74 61 136 2 3 98 66 144 2 3 104 68 135 2 2 104 68 128 2 1 88 48 126 2 0 37 38 52 72 70 帝人グループでは、技術革新が、これからの企業成長の基本である との認識のもと、 「自動車・航空機」 「情報・エレクトロニクス」 「ヘルス 2009 (年度) ケア」 「環境・エネルギー」を 4 注力分野と位置付け、研究開発活動を積 極的かつ効率的に行っています。 売上原価・販売費及び一般管理費 売 上 原 価は、売 上 高の減 少 及び原 価 削 減の徹 底により、 1,508億円(前期比20.8%)減少しました。素材事業を中心に、 売上高原価率は 1.9 ポイント減少し、7 4.9% となりました。 特に、コーポレート研究では、技術革新及び新事業の創生を目指し、 集中的な資源投入を行っており、研究開発費全体に占める割合も 1.9 ポイント上昇し、2 1.0% にまで高まっています。 なお、研究開発の詳しい状況につきましては、p3 8 をご覧ください。 Teijin Limited 51 をしっかり行ったことにより、4 3 億円(前期比 1 1.4%)減少 大しました。化成品事業は、樹脂が第 2 四半期からフル稼働 の 3 3 4 億円となりました。 を継続するとともに、フィルムも回復基調にあり、大幅な増 益となりました。医薬医療事業も堅調に推移しましたが、技 営業利益 術料収入の減少により、 営業利益は微減となりました。流通・ 営業利益は、合成繊維事業での需要低迷の影響が大きく、 リテイルも販売量の減少により減益、IT・新事業他も減益と 4 5 億円(2 5.2%)減益の 1 3 4 億円となりました。また、売上 なりました。 高営業利益率は、0.1 ポイント低下の 1.8% となりました。 また、営業利益の前期比増減要因別では、原燃料価格の低 事業セグメント別では、合成繊維事業は、ポリエステル繊 下、コストの削減による増益効果が 7 6 0 億円ありましたが、 維がコストダウンにより赤字を縮小しましたが、アラミド繊 販売数量の減少、販売価格の下落など 8 1 0 億円の減益要因が 維、炭素繊維ともに減益となったため、営業損失は大幅に拡 あり 4 5 億円の減益となりました。 営業利益要因分析グラフ 営業外損益及び特別損益 億円 1,000 750 コスト削減 +340 販売数量減 原燃料価格低下 その他の支出(営業外損益と特別損益の合計)は、前期の -370 5 1 9 億円から 1 8 億円減少し、5 0 0 億円となりました。 支払利息は金利率の低下等により 4 7 億円減少し、持分法 販売価格変動 ※1 -410 +420 による投資損失は前期に計上したネーチャーワークスの損失 500 がなくなったことなどにより 4 7 億円減少し、減損損失も 7 2 その他 ※2 -30 250 営業利益 0 億円減少するとともに、投資有価証券の売却益が 7 0 億円増 営業利益 180 2008 134 加しました。 2009 しかし、インドネシアのポリエステル繊維子会社の譲渡な (年度) どにより事業構造改善費用が 1 7 3 億円増加したことや、金銭 ※ 1 販売価格下落、販売構成改善、薬価改定による価格ダウン ※ 2 のれん償却増を含む 信託の追加拠出による損失が 7 2 億円あったため、その他の支 出は前期比 1 8 億円の減少にとどまりました。 営業利益(セグメント別) 売上高営業利益率 億円 % 1,000 12 768 8.2% 750 751 当期純損益 上記の結果、税金等調整前当期純損失が拡大しましたが、 652 9 7.4% 6.3% 500 134 180 1.9% 250 1.8% 6 当期純損失は、前期比 7 3 億円改善し 3 5 7 億円となりました。 この結果、ROE は前期から 0.1 ポイント低下し、-1 2.4% と なりました。 3 ROE 当期純利益 0 -250 0 2005 2007 2008 2009 (年度) 2005 145 2006 173 2007 244 化成品事業 410 339 202 2 80 医薬医療事業 193 212 217 248 242 流通・リテイル事業 53 54 53 39 34 IT ・新事業他 38 43 35 36 30 消去又は全社 -71 -71 -100 -118 -100 合成繊維事業 52 2006 Teijin Limited 2008 -28 2009 -151 -3 億円 % 500 16 249 250 7.9% 341 9.7% 8 126 3.3% 0 0 -250 -500 -8 -357 -430 2005 2006 2007 -12.3% 2008 -12.4% 2009 (年度) -16 事業別業績の概況 タイ、インドネシアの子会社では厳しい状況が続きました。 また、構造改革の一環として、2 0 0 9 年 1 2 月 1 8 日には「イン ドネシアのポリエステル繊維子会社の譲渡」を決定し、2 0 1 0 合成繊維事業 年 4 月 1 5 日に譲渡が完了しました。 売上高 2,0 5 2 億円(前期比 2 4.9% 減) 営業損失 1 5 1 億円(同 1 2 3 億円損失増) アラミド繊維分野 ● 需要は順調に回復 「テクノーラ®」が、自動車生 パラアラミド繊維「トワロン®」 産の回復に合わせ関連用途を中心に需要が回復しています。 売上高営業利益率 営業利益 億円 % 売上高 億円 450 12 300 8 150 4 0 0 -151 -150 -4 -7.4% 2009 -300 -8 4,500 3,000 1,500 2,610 5.6% 2,933 5.9% 3,176 7.7% 173 145 2,732 244 2,052 0 -1.0% 「トワロン®」においては、防護用途・光ファイバーケーブル用 -28 途の市場が堅調に推移したことも追い風となりました。メタ アラミド繊維「コーネックス®」も製鉄業に回復の兆しが見え、 関連用途を中心に需要回復傾向にあります。このような環 2005 2006 2007 2008 (年度) 境下で、新規用途開発を積極的に推進するほか、固定費削減 を中心としたコスト削減策を進めています。 化成品事業 炭素繊維分野 ● 需要減少に対し在庫圧縮・コスト削減を実施、足元に回復 の兆し 売上高 1,7 7 8 億円(前期比 3 1.1% 減) 営業利益 8 0 億円(同 7 8 億円増) 炭素繊維「テナックス®」では、前半は一般産業、スポーツ・ レジャー用途の需要が減少、後半は航空機の生産調整により、 樹脂分野 比較的堅調であった航空機用途に調整が見られ、年間を通し ●ポリカーボネート樹脂は需要回復、樹脂加工品も順調 て厳しい環境が継続しました。 樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂「パンライト®」 このような状況のもと、営業体制強化による拡販を図ると は、中国内需向けの急回復により、2 0 0 9 年 4 月以降好調に推 ともに、日欧米各拠点において在庫圧縮に努めました。加え 移しました。このため中国、シンガポールのポリマー工場は、 て、人員配置の適正化や徹底したコスト削減対策を実施しま 漸次稼働率を上げ、それぞれ 4 月下旬、6 月中旬からフル稼働 した。各用途で在庫調整が進展し、回復の兆しが表れるなど、 を継続しました。 本格的需要回復への期待が高まっていますが、需給バランス 樹脂加工品では、透明導電性フィルム「エレクリア®」がス の回復にはしばらく時間がかかると思われます。 マートフォン等のタッチパネル向けに販売量を伸ばしまし た。また、位相差フィルム「ピュアエース®」は、携帯電話の反 ポリエステル繊維分野 射防止フィルム向けが増加したことに加え、3D 映画鑑賞用メ ● 構造改革の進展で赤字幅が大幅縮小 ガネ用フィルムでは 6 0% 超のシェアを獲得しており、さらに 景気低迷の影響により厳しい事業環境が続いていますが、 販売を拡大します。 高採算分野へのシフトや積極的なコスト削減を実施し、前期 また、2 0 0 9 年末、国内実用車では初めてポリカーボネート 比で赤字は大幅に縮小しました。国内の帝人ファイバー(株) 樹脂「パンライト®」がリア・クォーターウィンドウ等に採用 では、衣料用テキスタイルは市況低迷の影響を受けています されました。今後、さらに将来を見据えた研究開発・販売を が、産業資材用途は自動車用途を中心に回復基調にあります。 強化します。 Teijin Limited 53 フィルム分野 ● P E T フィルムはアジア地域で需要回復、欧米では構造改 医薬医療事業 売上高 1,3 1 7 億円(前期比 3.6% 増) 革を推進中 フィルム分野では、世界 6 カ国で米国デュポン社と合弁事 業を行っています。2 0 0 9 年 3 月までは世界的な景気後退の 営業利益 2 4 2 億円(同 2.6% 減) 影響が継続しましたが、その後はアジア地域を中心に需要は 医薬品分野 回復しました。 ●ボナロン®は順調に拡販、痛風・高尿酸血症治療剤 TMX-67 日本では、2 0 0 9 年 3 月ごろより光学用途向けを中心とし て需要が回復に転じ、特に第 2 四半期以降は、主力用途のひと つである FPD(フラットパネルディスプレイ)反射板向けの需 要が前期を上回る活況を呈し、太陽電池用バックシート向け は展開拡大 骨粗鬆症治療薬では、週 1 回服用の「ボナロン® 錠 3 5mg」が 順調に販売を伸ばしたほか、活性型ビタミン D3 製剤「ワンア ルファ®」も底堅く推移し、両剤で骨粗鬆症市場におけるトッ 等の用途も前期並みの水準まで回復しました。 また、インドネシア及び中 国の合 弁 会 社の生 産ラインは 2 0 0 9 年 4 月以降フル稼働となっています。 一方、欧米は厳しい事業環境となりました。このような状 況のもと、2 0 0 9 年 2 月の米国サークルビル工場閉鎖と同 6 月 のルクセンブルク工場での 1 ラインの休止に加え、米国フロー レンス工場の段階的閉鎖等の構造改革を推進中です。2 0 0 9 年秋口以降は、 需要の回復も見られ、 構造改革の効果と相まっ て収益の改善に貢献し始めました。 プシェアを維持しています。 研究開発では、2 0 0 9 年 4 月に中外製薬(株)と共同開発中 のⅡ型糖尿病治療薬「ITM-077」、ならびに日産化学工業(株) と共同開発中の新規心房細動及び粗動の治療薬及び予防薬 「NTC-8 0 1」が第Ⅱ相臨床試験に移行しました。また、1 2 月 には、自社創製した痛風・高尿酸血症治療剤「TMX-6 7(一般 」について、日本における製造販売 名 : フェブキソスタット) 承認申請を行いました。TMX-6 7 は、欧州の導出先であるフ ランスのイプセン社が、イタリアのメナリーニ社と独占的サ 売上高営業利益率 営業利益 億円 % 売上高 億円 3,600 2,645 15.5% 2,879 410 11.8% 6.9% 202 2 2005 15 400 10 4.5% 900 0 600 デニュリック)」としてフランス等で販売を開始しました。米 国では、武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ社 が、 「ULORIC®(ユーロリック)」の商品名で着実に売上を伸 ばしています。 1,778 339 1,800 20 2,938 2,580 2,700 800 (ア ブライセンス契約を締結し、2010 年 3 月より「ADENURIC® 2006 2007 2008 80 200 5 0 0 在宅医療分野 ● HOT、CPAP は共に順調 主力の酸素濃縮装置は高水準のレンタル台数を維持して 0.1% 2009 (年度) います。睡眠時無呼吸症候群治療器(CPAP)も、順調にレン タル台数を伸ばしており、さらなる市場拡大を目指します。 また、2 0 0 9 年 9 月には、専門のスタッフが常駐するサービス センターを開設し、医療機関及びユーザーからの問合わせに 迅速に対応しています。 54 Teijin Limited 売上高営業利益率 営業利益 売上高 億円 % 18.4% 600 1,317 20 450 15 242 300 10 150 5 0 0 億円 1,600 18.3% 1,200 1,056 800 193 18.7% 1,131 19.0% 19.5% 1,271 1,144 248 217 212 2005 2006 2007 売上高 4 5 9 億円(前期比横ばい) 営業利益 3 0 億円(同 1 7.7% 減) ● IT サービス分野は堅調に推移 IT サービス分野では、前期に引き続き収益力の向上に向け 400 0 IT・新事業他 2008 2009 たプロジェクト管理機能の強化や、コスト削減の徹底等を進 めました。また、コンテンツ配信や e - コマース事業のさらな る拡大を図るとともに、データセンター事業の競争力強化を (年度) 継続的に進めており、業績は堅調に推移しています。また、 流通・リテイル事業 2009 年 11 月 30 日付で、インフォコム(株)の普通株式 7,200 売上高 2,0 5 3 億円(前期比 1 4.2% 減) 株(5%)を取得し、持分は 5 5.1 4% となりました。 営業利益 3 4 億円(同 1 1.2% 減) 一方、新事業他の分野では、重点分野の「バイオプラスチッ ク」 「複合材料」 「高機能電子材料」 「高熱伝導材料」及び「水処 ● 衣料繊維部門はテキスタイル販売は不振、アパレル分野の 理」分野で、早期事業化に向け積極的な研究・開発に取り組ん でいます。 拡大を推進、産業資材部門は自動車関連素材が回復基調 衣料繊維部門では、欧米市場の低迷に円高推移、さらに国 内原糸メーカーの生産撤退の影響により原糸・テキスタイル 販売は大幅に落ち込みました。一方、テレビ通販事業への参 入による中 国 内 販 強 化、また原 宿オフィスの拡 張や出 資 先 SPA(製造小売業)新会社イッツインターナショナル(株)の 店舗オープンによる首都圏衣料ビジネスの拡大など、アパレ 「バイオプラスチック」の分野では、植物由来の高耐熱性バ イオプラスチックである「バイオフロント®」について、耐久 性を大幅に向上させることが可能な加水分解防止技術の開 発に成功しました。また、松山事業所で建設を進めてきた実 証プラントの建設が予定どおり完成し、9 月から稼働を開始 しました。これらの施策により開発を加速していきます。 基礎研究の分野では、バイオポリマーや先端医療材料、エ ル分野の開拓を進めました。 産業資材部門では、自動車関連資材のタイヤ・エアバッグ 運搬ベルト・ 用途の販売は前期比7 ∼ 8割まで回復しましたが、 ゴムホース用途の販売は低調に推移しました。またインテリ レクトロニクス材料等の技術、及びそれらの融合領域の研究 開発を行う新たな拠点として、7 月に東京研究センター内に 「融合技術研究所」を開設しました。 ア分野における床壁材・カーテン、リビング用品分野は積極 的な商権拡大への取り組みが奏功し好調に推移しました。 売上高営業利益率 営業利益 億円 % 売上高 億円 売上高営業利益率 営業利益 売上高 億円 億円 % 4,000 200 4 150 3 3,000 2,598 2.0% 2,665 2.0% 2,659 54 53 1,000 0 2,053 1.6% 53 2005 2006 2007 8.0% 600 8.8% 38 120 10.0 7.8% 488 472 400 2,392 2.0% 2,000 800 6.4% 459 459 448 43 7.8% 35 36 7.5 60 5.0 30 2.5 0 0 30 200 100 90 2 1.7% 39 2008 0 34 50 1 2009 0 0 2005 2006 2007 2008 2009 (年度) (年度) Teijin Limited 55 財政状態 総資産 D/E レシオ 有利子負債 億円 倍 12,000 9,440 資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析 ため、D/E レシオは、有利子負債の減少があったものの、前期 と同じ 1.1 8 倍となりました。また、自己資本比率は、2.0 ポイ 10,160 8,742 9,000 1.18 有利子負債は、4 1 1 億円減少し、3,2 0 3 億円となりました。 自己資本は、3 4 3 億円減少の 2,7 1 3 億円となりました。この 9,999 2.0 0.88 6,000 0.81 2,983 2,955 8,231 1.18 0.83 3,252 1.0 3,613 3,203 3,000 ント低下の 3 3.0% となりました。 0 1.5 0.5 2005 2006 2007 2008 財務健全性指標に改善がなく、長期債の格付けは前期同様 2009 0 (年度) にとどまっています。しかし、キャッシュ・フローの確保に 力を入れた結果、インタレスト・カバレッジ・レシオは前期の 4.0 倍から 1 3.1 倍に、キャッシュ・フロー対有利子負債比率 は前期の 8.9 倍から 4.0 倍へと、大幅な改善を示しました。 (2 0 1 0 年 3 月末現在) ムーディーズ 格付投資情報センター 格付け A3 A 見通し ネガティブ 安定的 キャッシュ・フロー対有利子負債比率 自己資本比率 倍 % 20 40 35.9% 36.7% 38.5% 35.0% 15 30 8.9 10 20 6.1 4.0 5 0 33.0% 2005 4.0 3.1 2006 10 2007 2008 2009 0 (年度) ● 資産、負債、純資産 総資産は 8,2 3 1 億円となり、前期末に比べ 5 1 1 億円(前期 比 5.8%)減少しました。これは、在庫の削減や大型設備投資 ●キャッシュ・フロー の凍結と減価償却の進捗により有形固定資産残高が減少し 当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、多額の税金 たことなどによります。 等調整前当期純損失に加え、売上債権の増加や法人税等の支 負債は前期末比 164 億円減少し、5,278 億円となりました。 払があったものの、在庫の削減、仕入債務の増加や、減価償却 このうち、短期借入金、長期借入金、コマーシャルペーパー等 費及びその他の償却費等により、8 0 4 億円の資金収入となり の有利子負債は、同 411 億円減少し、3,203 億円となりました。 ました。 有利子負債の減少は、設備投資の抑制や在庫削減等により確 投資活動によるキャッシュ・フローは、大型設備投資の凍 保したキャッシュ・フローを原資として返済を進めたことな 結により、設備投資を前期の 7 5 8 億円から 3 6 3 億円に圧縮し どによります。 たものの、投資有価証券の売却による収入等との差し引きで 純資産は 2,9 5 3 億円となり、前期末に比べ 3 4 7 億円減少し 3 3 4 億円の資金支出となりました。この結果、営業活動に投 ました。このうち「株主資本」に「評価・換算差額等」を加えた 資活動を加えたキャッシュ・フローは 4 7 0 億円の資金収入と 自己 資 本は、2,713 億 円と前 期 末 比 3 4 3 億 円 減 少しました。 なりました。 これは、 357億円の当期純損失を計上したことなどによります。 財務活動によるキャッシュ・フローについては、社債の発 行・償還、長短借入金の借入・返済と配当金支払い等の差し 引きで 4 2 9 億円の資金支出となりました。 これらの結 果、現 金 及び現 金 同 等 物に係る換 算 差 額も加 え、最終的な現金及び現金同等物の増加額は 4 1 億円となり ました。 56 Teijin Limited 億円 2 0 0 5 年度 2 0 0 6 年度 2 0 0 7 年度 2 0 0 8 年度 2 0 0 9 年度 営業活動によるキャッシュ・フロー 755 965 537 404 804 投資活動によるキャッシュ・フロー -7 4 1 -8 7 1 -7 9 2 -1,1 6 3 -3 3 4 フリー・キャッシュ・フロー 14 94 -2 5 5 -7 5 9 470 財務活動によるキャッシュ・フロー 15 -1 9 1 161 792 -4 2 9 現金及び現金同等物の増減額 47 -9 3 -9 3 13 41 今後の見通し 帝人グループは技術革新を核に、高機能素材領域やグリー ン・エネルギー領域等の「グリーンケミストリー」、医薬品と 在宅医療の「ヘルスケア」及び先端医療材料やバイオプラス 中期的な見通し チック等の「融合領域」の分野でソリューションを提供し持 素材事業の業績回復及び緊急対策と構造改革の効果発現 続的成長を実現します。 により 2 0 1 0 年度に当期純利益の黒字化を達成し、2 0 1 1 年 既存事業では、 「アラミド繊維のケーブルや石油掘削用ホー 度には成長軌道への回帰を目指しています。 ス補強」 「炭素繊維複合材料の航空機や自動車向け部材」 「ポ 2 0 1 1 年度の経営指標の目標として、ROA(総資産営業利 リカーボネート樹脂製の自動車窓」のような、軽量化や省エ 益率)6% 以上、ROE(自己資本当期純利益率)7% 以上、また 「PET 繊 ネに貢献する素材や「PET フィルムの太陽電池用途」 D/E レシオ(有利子負債 / 自己資本)1.0 以下をイメージして 維のケミカルリサイクル」のように、二酸化炭素排出量削減 います。 に貢献する素材など、地球環境に配慮した素材を提供してい く一方、医薬品では、重点分野のひとつである代謝・循環器 対処すべき課題 分野で、痛風・高尿酸血症治療剤 T M X -6 7 のグローバル展開 ● 全社課題 を推進します。また、在宅医療では、米国やスペインで着実 「構造改革を完了し、黒字化を実現する年」 2 0 1 0 年度は、 な拡大を図ります。 と位置付けています。 また、新規事業では、重点分野として、 「バイオプラスチッ 2 0 0 8 年度後半から行っている素材事業での「緊急対策と ク」 「複合材料」 「高機能電子材料」 「高熱伝導材料」 及び「水処 構造改革の効果フル発現」と中国、ASEAN 等を中心とした世 理」を定め、各分野で、早期事業化を目指し開発を強化してい 界経済の回復による需要回復や、安定的な収益構造を持つ医 ます。 「バイオプラスチック」分野では、高耐熱・成形加工性 薬医療事業等により「黒字化の達成」を目指します。 を特徴として市場開拓を行っており、実証プラントのスケー 素材事業においては、グローバルな視点での最適生産体制 ルアップ等で 2 0 1 1 年には 5,0 0 0 トン規模の量産体制を目指 を確立するとともに、社外との連携も含め川中・川下分野の します。 「複合材料」分野では、炭素繊維複合材料を中心とし 拡大を図ります。サービス事業においては、独自のビジネス て、自動車・航空機等の市場をターゲットに、技術開発と用 モデルの深化を通じて高収益体質を築きます。また、グルー 途開発を顧客と一体となって進めています。また、 「高機能電 プ共通の活動として、急速な市場の変化に対応して営業力の 子材料」分野では、リチウムイオンバッテリー用の耐熱セパ 再強化を図るとともに、技術力の強化・新規事業の育成と成 レータ、 「高熱伝導材料」分野では、放熱材料の開発を加速し 長分野・成長地域での拡大に注力します。一方、財務健全性 ます。併せて、水処理事業の中国本格展開を推進します。 の改善のため、大型設備投資の凍結や運転資本の効率化を継 続し、キャッシュ・フローの確保に注力します。 Teijin Limited 57 ● 事業別課題 次期見通し 2 0 1 0 年度より、合成繊維を高機能繊維とポリエステル繊 ● 業績の見通し 維の 2 つに分けるとともに、IT・新事業他を IT・その他と変更 2 0 1 0 年度の世界経済は、中国をはじめとするアジア地域 します。 では力強い回復が持続し、日本や欧米では、緩やかながら景 高機能繊維では、 「アラミド繊維分野」は、新製品・新規用 気回復が続くと予想されます。一方、原油価格を筆頭とした 途開発を積極的に推進し、需要の開拓・拡販と、コスト・在庫 原燃料価格の上昇リスクや、東南アジア・欧州の地政学的・ 削減に注力し、事業構造の強化を図ります。「炭素繊維分野」 経済変動リスク等企業を取り巻く環境は予断を許しません。 は、赤字縮小を目指し、営業力強化による需要開拓・拡販を このような環境のもと、当社の素材関連事業分野では、自 進めるとともに、徹底した固定費の削減と効率的な生産体制 動車分野や電気・電子分野等で回復傾向が持続するなど、需 の構築に取り組み、稼働率 7 0% で収益が確保できる事業構 要は着実に増加すると予想され、生産稼働率も 2 0 0 8 年度の 造の確立を目指します。また、複合材料事業の拡大に注力し 第 4 四半期を底に改善傾向が続いています。一方、医薬医療 ます。 では、市場は着実な拡大が見られ、特に、欧米で展開している ポリエステル繊維では、2 0 0 9 年度に決定した構造改革プ 痛風・高尿酸血症治療剤 TMX-6 7 の拡大が期待されます。こ ランのうち、実行中の課題である「長繊維の国内からタイの れらにより、素材事業での原燃料価格上昇や、医薬医療にお 子会社への生産移管」や「工業用繊維の国内とタイの生産拠 ける薬価・診療報酬改定(2 0 1 0 年 4 月)の影響が想定される 点での最適生産体制への移行」を着実に進め、グローバル最 ものの、業績は順調に回復する見込みです。 適生産体制の構築により徹底的なコスト削減を図るととも 以上により、連結業績見通しは、売上高 8,0 0 0 億円、営業 に、商品開発や川中・川下への展開も進め、黒字転換の達成 利益 3 2 0 億円、経常利益 2 6 0 億円、当期純利益 1 0 0 億円を予 を目指します。 想しています。売上高及び営業利益は、素材事業を中心に増 化成品では、 「樹脂分野」は、高い成長が見込まれる中国や 収、増益を見込んでいます。なお次期の為替レートは 1 米ド ASEAN での事業基盤をさらに強化します。また、グローバ ル =9 0 円、1 ユーロ =1 3 0 円、原油価格(Dubai)はバレル当た ル生産体制の最適化、効果的な原料調達を追求するとともに、 り 8 0 米ドルを想定しています。 コンパウンドや樹脂加工等による付加価値製品の拡大に取 り組みます。 「フィルム分野」は、厚物需要の増加に対応する ● 財政状態の見通し べく、生産設備の能力増強を推進しています。また、成長が キャッシュ・フローを確保することを最大限に重視し、大 続くアジアへのシフトと、米国とルクセンブルグ工場の構造 型設備投資の凍結を継続し、当面は今まで実施してきた先行 改革を着実に進め、収益を生み出す事業構造への転換を目指 投資の成果極大化を図ります。また、在庫を中心とした運転 します。 資本の効率化にも取り組みます。これらにより、2 0 1 1 年 3 月 医薬医療では、骨粗鬆症治療薬をはじめとする医薬品や、 期に ROA4.0%、ROE3.6%、D/E レシオ 1.1 を目指します。 在宅医療機器の一層の拡販により、収益の確保を図ります。 また、痛風・高尿酸血症治療剤 TMX-6 7 を欧米で早期拡販す るとともに、中国等欧米以外の地域への展開を推進します。 また、新薬開発の着実な進展を図ります。一方、在宅医療事 業では、海外拠点を含む収益力強化を図ります。 流通・リテイルでは、多様化する市場ニーズに対応したグ ローバル・ネットワークを活用し、成長分野での商権創出に 注力します。 IT・その他の「IT 事業分野」では、景気に左右されない収益 体質を確立し、着実な成長を図ります。 58 Teijin Limited 事業などのリスク 3. 医薬品の研究開発にかかるもの 医療用医薬品の開発には、多額の費用と長い期間がかかる うえ、創薬研究において、有用な化合物を発見できる可能性 帝人グループは、事業などのリスクに関し、組織的・体系的 は決して高くありません。また、臨床試験の結果、予測して に対処していますが、現在、帝人グループの経営成績及び財 いた有効性が証明できない、あるいは予測していない副作用 務状況などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のよ が発現したなどの理由で承認申請を断念しなければならない うなものがあります。なお、業績に影響を与える要因はこれ 可能性があります。また、承認申請した後でも審査の過程で らに限定されるものではありません。直近、金融情勢は一時 承認されない、また、市販後調査の結果、承認が取り消される に比べると落ち着きを見せており、帝人グループにおいては、 可能性があります。 資金調達に支障をきたすなどの状況にはありません。 4. 海外活動にかかるもの 1. 競合・市況変動にかかるもの 帝人グループは、 合成繊維事業、化成品事業、 医薬医療事業、 帝人グループは市況製品を展開しており、景気動向、他社 流通・リテイル事業を中心に、中国、タイ、シンガポールなど との競合に伴う市場価格の変動により事業業績が大きく左 の東南アジア、ドイツ・オランダなどの欧州、米国など海外で 右される可能性があります。 事業展開しており、これら海外での活動について為替変動に 特に、景気や他社との競合という観点からは、合成繊維の かかるリスクのほか、特に中国及び東南アジアの各国におい ポリエステル繊 維 分 野、化 成 品 事 業のフィルム分 野やポリ ては、次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象 カーボネート樹脂といった汎用素材の分野では、販売量、売 が発生した場合は、帝人グループの経営成績及び財務状況な 値及び原燃料調達価格に関し変動を受けやすい構造となっ どに悪影響を及ぼす可能性があります。 ています。また、これらの事業は、製造原価に占める原燃料 予期しない法律・規制の施行、不利な影響を及ぼす租税制度 ● コストのウェイトが高いため、原油価格の動向により、損益 に大きな影響を受ける可能性があります。 の変更 ● 経済変動、政変、テロ、戦争等による社会的混乱 また、帝人グループの素材事業は中間財が多く、末端需要 の拡大・収縮が各段階での在庫調整により実体経済以上に増 減する可能性があります。 加えて、医薬医療事業は、公定価格水準の変動といった価 格変動要因以外にも他社との競争はますます激化しており、 売値下落のリスクがあります。 また、為替や金利の変動が、帝人グループの経営成績及び 財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 2. 製品の品質にかかるもの 医薬医療事業においては、医薬医療事業の中核会社である 帝人ファーマ(株)内に、他の部門から独立した信頼性保証部 門を設置し、事業活動全般における品質保証を確保する体制 を敷いています。製造物責任賠償については保険に加入して いますが、生命関連商品を取り扱っているため、製品の欠陥 により、帝人グループの業績、財務状況、社会的評価などに悪 影響を及ぼす可能性があります。 Teijin Limited 59 連結貸借対照表 帝人株式会社 2009年及び2010年3月31日現在 千米ドル(注 1) 百万円 2009 2010 2010 ¥ 18,956 ¥ 23,122 $ 248,517 2,230 3,056 32,846 149,693 155,895 1,675,570 5,078 2,873 30,879 資産の部 流動資産: 現金及び現金同等物(注 3) : 受取債権: 受取手形及び売掛金: 非連結子会社及び関連会社 その他 短期貸付金 非連結子会社及び関連会社 528 627 6,739 19,584 13,036 140,112 135,065 106,315 1,142,681 9,170 19,783 212,629 12,873 10,710 115,111 (2,057) (2,671) (28,708) 351,120 332,746 3,576,376 非連結子会社及び関連会社 16,393 19,087 205,148 その他 46,215 43,289 465,273 非連結子会社及び関連会社 1,872 1,665 17,896 その他 1,152 2,514 27,021 前払年金費用(注 9) : 16,746 16,208 174,205 その他 18,741 12,794 137,510 (2,643) (2,005) (21,550) 98,476 93,552 1,005,503 46,180 45,636 490,499 建物及び構築物 184,567 187,267 2,012,758 機械、装置及び車両 554,892 575,159 6,181,847 工具器具 71,694 72,467 778,880 建設仮勘定 26,477 9,258 99,506 1,256 2,369 25,461 その他 その他 棚卸資産(注 7) 繰延税金資産(注 1 4) その他流動資産 貸倒引当金 流動資産合計 投資その他の資産: : 投資有価証券(注 5、8) 長期貸付金: 貸倒引当金 有形固定資産(注 8) : 土地 その他 減価償却費累計額 無形固定資産及び繰延資産 繰延税金(注 1 4) のれん 添付の連結財務諸表の注記をご参照ください。 60 Teijin Limited 885,066 892,156 9,588,951 (545,362) (575,255) (6,182,878) 339,704 316,901 3,406,073 15,623 17,614 189,316 2,891 2,438 26,204 66,343 59,820 642,949 84,857 79,872 858,469 ¥874,157 ¥ 823,071 $ 8,846,421 千米ドル(注 1) 百万円 2009 2010 2010 負債及び純資産の部 流動負債: 短期借入金(注 8) ¥ 72,432 ¥ 54,137 $ 581,868 一年内返済長期借入金(注 8) 34,561 24,319 261,382 コマーシャルペーパー 76,000 51,000 548,151 1,234 1,274 13,693 買入債務: 支払手形及び買掛金(注 8) : 非連結子会社及び関連会社 68,211 82,982 891,896 その他 33,222 30,916 332,287 未払法人税等 2,743 5,025 54,009 19,402 17,118 183,985 363 157 1,687 その他 未払費用 繰延税金負債(注 1 4) その他流動負債 事業構造改善引当金 流動負債合計 長期借入金(注 8) 退職給付引当金(注 9) 16,906 8,791 94,488 — 18,129 194,852 325,074 293,848 3,158,298 177,081 188,480 2,025,795 19,241 18,474 198,560 役員退職慰労引当金 1,838 1,801 19,357 繰延税金負債(注 1 4) 8,914 10,577 113,682 持分法適用に伴う負債 その他固定負債 23 19 204 12,001 14,590 156,815 偶発債務(注 1 9) 純資産(注 1 0) 株主資本: 資本金 発行可能株式:3,0 0 0,0 0 0,0 0 0 株 発行済株式数 ̶ 9 8 4,7 5 8,6 6 5 株(2 0 0 9 年 3 月期) 9 8 4,7 5 8,6 6 5 株(2 0 1 0 年 3 月期) 70,817 70,817 761,145 資本剰余金 101,325 101,328 1,089,080 利益剰余金 150,886 112,983 1,214,349 (226) (773) (8,308) 322,802 284,355 3,056,266 12,744 13,025 139,994 (1,321) 299 3,214 為替換算調整勘定 (28,648) (26,373) (283,460) 評価 ・ 換算差額等合計 (17,225) (13,049) (140,252) 5 8 7,1 9 3 株(2 0 0 9 年 3 月期) 自己株式: 2,6 1 6,3 4 3 株(2 0 1 0 年 3 月期) 株主資本計 評価 ・ 換算差額等: その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 新株予約権 少数株主持分 純資産合計 320 401 4,310 24,088 23,575 253,386 329,985 295,282 3,173,710 ¥874,157 ¥823,071 $8,846,421 Teijin Limited 61 連結損益計算書 帝人株式会社 2009年及び2010年3月31日に終了した年度 千米ドル(注 1) 百万円 2009 2010 2010 ¥943,410 ¥ 765,840 $ 8,231,298 売上原価 724,774 573,939 6,168,734 販売費及び一般管理費 163,040 145,109 1,559,641 37,630 33,356 358,512 17,966 13,436 144,411 1,790 1,591 17,100 (10,495) (5,785) (62,178) 投資有価証券売却益 198 7,165 77,010 有形固定資産売却益 1,273 1,022 10,985 売上高 原価及び費用: 研究開発費 営業利益 その他収益(費用) : 受取利息及び配当金 支払利息 移転補償金 有形固定資産処分損 投資有価証券評価損 減損損失(注 1 1) 貸倒引当金 事業構造改善費用 異常操業損失(注 1 2) 環境対策費(注 1 3) 持分法による投資損益 金銭信託の追加拠出による損失(注 2 0) その他 税金等調整前当期純損失 71 120 1,290 (2,379) (1,509) (16,219) (2,701) (1,221) (13,123) (11,588) (4,387) (47,152) (295) (525) (5,643) (3,320) (20,621) (221,636) (10,185) (10,713) (115,144) (17) (408) (4,385) (8,046) (3,389) (36,425) — (7,199) (77,375) (6,177) (4,173) (44,852) (51,871) (50,032) (537,747) (33,905) (36,596) (393,336) 法人税等(注 1 4) 法人税、住民税及び事業税 7,330 7,766 83,469 法人税等調整額 2,911 (9,288) (99,828) 10,241 (1,522) (16,359) 1,183 (610) (6,557) ¥ (42,963) ¥ (35,684) $ (383,534) 少数株主利益(損失) 当期純損失 円 1 株当たり損失(注 2) 1 株当たり損失 - 希薄化後 現金配当 添付の連結財務諸表の注記をご参照ください。 62 Teijin Limited ¥(43.65) 米ドル ¥(36.26) $(0.390) — — — 5.00 2.00 0.021 連結株主資本等変動計算書 帝人株式会社 2009年及び2010年3月31日に終了した年度 千米ドル(注 1) 百万円 2009 2010 2010 ¥ 70,816 ¥ 70,817 1 — 株主資本 資本金 前期末残高 $ 761,145 当期変動額 新株の発行 当期変動額合計 当期末残高 — 1 — — 70,817 70,817 761,145 101,325 101,325 1,089,048 資本剰余金 前期末残高 当期変動額 1 — — 自己株式の処分 (42) 3 32 自己株式処分差損の振替 41 — — 新株の発行 当期変動額合計 当期末残高 (0) 3 32 101,325 101,328 1,089,080 199,953 150,886 1,621,733 1,342 — — (6,398) (1,969) (21,163) (42,963) (35,684) (383,534) (1,007) (250) (2,687) 利益剰余金 前期末残高 在外子会社の会計処理の変更に伴う増減 当期変動額 剰余金の配当 当期純損失 その他※ (41) — — (50,409) (37,903) (407,384) 150,886 112,983 1,214,349 (245) (226) (2,429) 自己株式の取得 (77) (580) (6,234) 自己株式の処分 96 33 355 19 (547) (5,879) (226) (773) (8,308) 371,849 322,802 3,469,497 1,342 — — 2 — — 自己株式処分差額の振替 当期変動額合計 当期末残高 自己株式 前期末残高 当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 株主資本合計 前期末残高 在外子会社の会計処理の変更に伴う増減 当期変動額 新株の発行 剰余金の配当 当期純損失 その他※ 自己株式の取得 自己株式の処分 当期変動額合計 当期末残高 (6,398) (1,969) (21,163) (42,963) (35,684) (383,534) (1,007) (250) (2,687) (77) (580) (6,234) 54 36 387 (50,389) (38,447) (413,231) ¥322,802 ¥284,355 $ 3,056,266 ※剰余金の変動は、関連会社における英国会計基準に基づく退職給付債務の数理計算上の差異の処理等によるものです。 (次ページに続く) Teijin Limited 63 (前ページからの続き) 連結株主資本等変動計算書 千米ドル(注 1) 百万円 2009 2010 2010 ¥ 24,062 ¥ 12,744 (11,318) (11,318) 12,744 281 281 13,025 3,021 3,021 139,994 (341) (1,321) (14,198) (980) (980) (1,321) 1,620 1,620 299 17,412 17,412 3,214 (4,560) (28,648) (307,911) (24,088) (24,088) (28,648) 2,275 2,275 (26,373) 24,451 24,451 (283,460) 19,161 (17,225) (185,135) (36,386) (36,386) (17,225) 4,176 4,176 (13,049) 44,883 44,883 (140,252) 221 320 3,439 99 99 320 81 81 401 871 871 4,310 20,018 24,088 258,900 4,070 4,070 24,088 (513) (513) 23,575 (5,514) (5,514) 253,386 411,249 1,342 329,985 — 3,546,700 — 2 (6,398) (42,963) (1,007) (77) 54 (32,217) (82,606) ¥329,985 — (1,969) (35,684) (250) (580) 36 3,744 (34,703) ¥295,282 — (21,163) (383,534) (2,687) (6,234) 387 40,241 (372,990) $ 3,173,710 評価・換算差額等 その他有価証券評価差額金 前期末残高 $ 136,973 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 繰延ヘッジ損益 前期末残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 為替換算調整勘定 前期末残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 評価・換算差額等合計 前期末残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 新株予約権 前期末残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 少数株主持分 前期末残高 当期変動額 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 純資産合計 前期末残高 在外子会社の会計処理の変更に伴う増減 当期変動額 新株の発行 剰余金の配当 当期純損失 その他※ 自己株式の取得 自己株式の処分 株主資本以外の項目の当期変動額 当期変動額合計 当期末残高 ※剰余金の変動は、関連会社における英国会計基準に基づく退職給付債務の数理計算上の差異の処理等によるものです。 64 Teijin Limited 連結キャッシュ・フロー計算書 帝人株式会社 2009年及び2010年3月31日に終了した年度 千米ドル(注 1) 百万円 2009 2010 2010 ¥ (33,905) 67,364 11,588 1,717 — (164) (1,790) 10,495 8,046 1,106 (198) 2,701 33,989 (4,401) (35,110) (3,152) 58,286 3,527 (10,142) (11,279) — 40,392 ¥ (36,596) 61,879 4,387 (551) 18,129 (68) (1,591) 5,785 3,389 487 (7,165) 1,221 (7,234) 29,631 15,451 6,893 94,047 3,774 (6,155) (4,034) (7,199) 80,433 $ (393,336) 665,080 47,152 (5,922) 194,852 (731) (17,100) 62,178 36,425 5,234 (77,010) 13,123 (77,752) 318,476 166,068 74,086 1,010,823 40,563 (66,154) (43,358) (77,375) 864,499 (75,845) 2,022 (3,805) (24,537) 693 (8,085) (1,072) 673 (6,348) (116,304) (34,119) 1,757 (1,183) — 10,242 (2,502) (1,805) 260 (6,087) (33,437) (366,713) 18,884 (12,715) — 110,082 (26,892) (19,400) 2,794 (65,423) (359,383) 36,322 (23,000) 50,321 (32,764) 68,886 (13,302) (6,398) (879) (8) 79,178 (20,488) (25,000) 15,226 (28,436) 25,754 (8,473) (1,969) (169) 606 (42,949) (220,206) (268,702) 163,650 (305,632) 276,806 (91,068) (21,163) (1,816) 6,512 (461,619) (1,992) 1,274 19,094 (1,572) ¥ 18,796 81 4,128 18,796 40 ¥ 22,964 871 44,368 202,021 430 $ 246,819 営業活動によるキャッシュ・フロー: 税金等調整前当期純損失 減価償却費及びその他の償却費 減損損失 退職給付引当金の増加(減少)額 事業構造改善引当金の増減額 貸倒引当金の増加(減少)額 受取利息及び受取配当金 支払利息 持分法による投資損失 固定資産除売却損益 投資有価証券売却損益 投資有価証券評価損益 売上債権の増減額 棚卸資産の増減額 仕入債務の増減額 その他 小計 利息及び配当金の受取額 利息の支払額 法人税等の支払額 金銭信託の追加拠出額(注 2 0) 営業活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フロー: 有形固定資産の取得による支出 有形固定資産の売却による収入 投資有価証券の取得による支出 連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 投資有価証券の売却・償還による収入 短期貸付金の純増加額 長期貸付による支出 長期貸付金の回収による収入 その他 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー: 短期借入金の純増減額 コマーシャルペーパーの減少額 社債の発行による収入 社債の償還による支出 長期借入による収入 長期借入金の返済による支出 配当金の支払額 少数株主に対する配当金の支払額 その他 財務活動によるキャッシュ・フロー 現金及び現金同等物に係る換算差額 現金及び現金同等物の増加(減少)額 現金及び現金同等物の期首残高 連結範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増加(減少)額 現金及び現金同等物の期末残高 添付の連結財務諸表の注記をご参照ください。 Teijin Limited 65 連結財務諸表注記 帝人株式会社 1. 連結財務諸表の作成基準 添付の帝人株式会社(以下“当社” )の連結財務諸表は、日本の 実務対応報告第 1 8 号の 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了 金融商品取引法(以下“法”)およびその関連会計規則に定める規 した会計年度への適用による、連結財務諸表への重要な影響は 定に従い、日本で一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠 ありません。 して作成されています。日本で一般に公正妥当と認められた会 添付の連結財務諸表は、法の規定により財務省の管轄財務局 計原則は、国際会計基準で求められている会計処理及び開示の に提出するため、日本で一般に公正妥当と認められた会計原則に 方法とは一部異なっています。 準拠して作成された当社の連結財務諸表の記述を拡充したもの 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度より以前は、海外連結子会社 を再構成し、英語に翻訳したものです。日本語の法定連結財務 の決算書は、その連結子会社が所属する国において、一般に公正 諸表に含まれる一部の補足情報のうち、適正な表示に必要不可 妥当と認められた会計原則に準拠した会計記録に基づいて作成 欠でない部分は、添付の連結財務諸表には記載しておりません。 されています。 日本円金額の米ドル金額への換算は、単に日本国外の読者の 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した会計年度より、 「連結財務諸表作 便宜のために記載したものであり、1.0 0 米ドルにつき 9 3 円 0 4 銭 成における在外子会社の会計処理に関する当面の取り扱い」 (実 という 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日の一般的な為替レートを使用しておりま 務対応報告第 18 号、2006 年 5 月 17 日、企業会計基準委員会公表) す。この換算は、日本円の金額が、上記為替レートあるいは他の を当社は適用しています。原則として、当社は海外子会社に関す いずれかの為替レートで実際に換金された、換金され得た、また る会計基準を一本化し、連結決算上必要な修正を行っています。 は将来換金され得る、 ということを意味するものではありません。 2. 主要な会計方針の概要 連結 キャッシュ・フロー計算書 連 結 財 務 諸 表には、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終 了する年 度(以 下 キャッシュ・フロー計算書の作成においては、手許現金、随時 2 0 1 0 年 3 月期)において、当社及び主要な連結子会社 8 1 社の決 引き出し可能な預金及び取得日から 3 ヶ月以内に償還期限の到 算 を 含 ん で い ま す。2 0 0 9 年 3 月 3 1 日 に 終 了 す る 年 度(以 下 来する流動性の高い短期投資を、現金及び現金同等物とみなし 2 0 0 9 年 3 月期)には、主要な連結子会社 8 3 社を連結財務諸表に ています。 含んでいました。 7 0 社の非連結子会社及び関連会社については、軽微な例外も 貸倒引当金 ありますが、持分法を適用しています。 貸倒引当金は、予想される回収不能額を補填するに十分な金 連結対象会社には、4 0% 以上の議決権を持ち、かつ当社によ 額を計上しています。一般債権については貸倒実績率により、貸 り実質的に支配されている企業が含まれます。持分法は、実質的 倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を検討 に支配されるか事業及び財務政策が当社により重要な影響を受 し、回収不能見込額を繰入計上しています。 けている非連結子会社及び関係会社に適用されています。 66 連結子会社の資産及び負債の評価については、全面時価評価 有価証券 法を採用しています。 金融商品に関する日本の会計基準では、すべての企業が有価 のれんは、原則として 5 年間から 2 0 年間の効果が及ぶ期間で均 証券を、 (a)売買目的で保有する有価証券(以下“売買目的有価 等償却しています。 証券”)、 (b)満期まで保有する目的の債券(以下“満期保有目的の 1 2 月末を決算とする 4 1 社の連結子会社(2 0 0 9 年 3 月期は 4 1 債券”)、 (c)子会社及び関連会社の株式、 (d)上記のいずれのカテ 社)、1 月 末を決 算とする 2 社(2 0 0 9 年 3 月 期は 2 社)、2 月 末を決 ゴリーにも属さないその他すべての有価証券(以下“その他有価 算とする 2 社(2 0 0 9 年 3 月期は 2 社)については、それらの決算年 証券”)に、分類することを求めています。 度で連結しています。これらの子会社については、連結を目的と 当社及びその連結子会社(以下「当連結会社」 )は、売買目的の して、当社会計年度に対応する期間での財務諸表は作成してい 有価証券を保有していません。満期保有目的の債券については、 ません。 償却原価法で記載しています。 これら 45 社(2009 年 3 月期は 45 社)の連結子会社については、 非連結または非持分法適用の子会社及び関連会社の株式は、 それらの会計年度終了時と当社の会計年度終了時との期間に重 移動平均法による原価法で記載しています。市場価格のあるそ 要な取引が生じた場合は、連結上、必要な調整を行っています。 の他有価証券は、時価で記載しています。これらの未実現損益 Teijin Limited については、当該の法人所得税の純額を調整し、純資産の部に独 自社使用のソフトウェアは、社内における利用可能期間(5 年) 立した項目で計上しています。また、実現損益については、移動 に基づき定額法により償却しています。 平均法による原価基準で計算しています。 市場価格のない債券は、償却原価法で記載しています。その 研究開発費 他の有価証券で市場価格のないものは、移動平均法による原価 研究開発費については発生した段階で費用計上しています。 基準で記載しています。 満期保有目的の債券、非連結子会社及び関係会社の株式、そ の他の有価証券の時価が著しく下落した場合は時価で記載し、時 退職給付制度 (1)従業員 価と帳簿価額との差額は下落した会計年度の期間損失として計 従業員を対象とする退職一時金制度及び確定給付企業年金制 上しています。持分法を適用しない非連結子会社及び関係会社 度、適格退職年金制度を有しています。一部連結子会社は、退職 の株式の時価が容易に得られない場合で、その有価証券の正味 一時金制度及び確定拠出型年金制度、中小企業退職金共済制度 資産価値が著しく低下した場合は、その有価証券の正味資産価 を有しています。一部の子会社を除き、海外連結子会社には、年 値までの評価減を行い、損益計算書に相応の損失を計上します。 金制度はありません。 この場合、その時価または正味資産価値が、翌連結会計年度の期 退職一時金制度の条項に基づき、資格を有する従業員は、6 0 首における当該有価証券の帳簿価額となります。 歳での定年退職時または自己都合退職時に、退職時の給与水準 と勤続年数に基づいて計算された退職一時金を受け取る権利が 棚卸資産 与えられます。 棚卸資産は、主として総平均法による原価法で評価していま 退職給付に対する負債及び支出は、一定の見積りに基づき数 す。(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方 理計算された金額に基づいて決められます。当社及び連結子会 法により算定しています。) 社は、2 0 0 9 年 及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日の従 業 員の退 職 金を、退 職 (会計処理の変更) 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した会計年度から、 「棚卸資産の評価 給付債務の見積額と年金資産の時価に基づき積み立てています。 過去勤務費用と数理計算上の差異は、従業員の見積り平均残 に関する会計基準」 (企業会計基準第 9 号、2 0 0 6 年 7 月 5 日、企業 存勤務年数以内である 1 2 年間の定額法により、それぞれ当期及 会計基準委員会公表)を適用しました。この適用による影響は び翌期からの費用として認識しています。 軽微です。 (2)役員 有形固定資産 当社及び国内の連結子会社は、役員退職慰労金の支出に備え 有形固定資産は、原価で記載しています。減価償却につきま るため、当連結会計年度末における基準額相当額に達するまで しては、原則として、国内は資産の見積り耐用年数に基づき主と の額を繰入計上しています。 して定率法により、海外は定額法により決定しています。国内の 連結会社では、1 9 9 8 年 4 月 1 日以降に取得した建物(建物付属設 持分法適用に伴う負債 備を除く)については、定額法により減価償却を行っています。 持分法適用会社が債務超過となり、投資額に貸付金や債務保 (追加情報) 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した連結会計年度から、法人税法の改 証などを加えた金額よりも債務超過額が上回る場合は、超過額を 負債として計上しています。 正に合わせ、当社及び国内連結会社は、有形固定資産の見積り耐 用 年 数を見 直しています。この変 更により、営 業 利 益は 6 0 5 事業構造改善引当金 百万円、税金等調整前当期純利益は 8 2 2 百万円減少しています。 事業構造改善のために今後発生が見込まれる損失について、 この変更によるセグメント情報への影響は、注 1 8 の「セグメント 合理的に見積もられる金額を計上しています。 情報」に記載されています。 デリバティブ取引及びヘッジ会計 無形資産 デリバティブ金融商品は時価で評価し、その時価の変動につい のれん、特許、商標、その他の無形資産は、資産の見積り耐用年 ては、ヘッジ目的で使用されるデリバティブ金融商品に係わるも 数に基づき定額法により償却しています。 のを除き、損益として計上しています。 Teijin Limited 67 デリバティブ金融商品がヘッジ目的で使用され、一定のヘッジ 外国為替換算調整を純資産に記載しています。 要件を満たす場合は、当社及び国内連結会社は、ヘッジ対象に係 わる損益が認識されるまでの期間、デリバティブの時価の変動か 1 株当たり純利益(損失) ら生じる損益の認識を繰延べています。 普通株式 1 株当たり純損失の計算は、各会計年度に発行されて ただし、先物為替予約がヘッジ目的で使用され、一定の要件を いる加重平均株式数に基づいています。潜在株式調整後の 1 株 満たす場合は、その先物為替予約及びヘッジ対象は、以下の通り 当たり純損失は、転換社債、ワラント債が期初または発行時に転 会計処理されます。 換されたと想定して計算しています。 (1)既存の外貨建債権債務をヘッジする目的で先物為替予約を 行った場合、 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した会計年度の 1 株当た り純損失は、以下の要因に基づいて計算されています。 (a)ヘッジ対象の外貨建債権債務を為替予約開始日の直物 為替レートで換算した円貨額と当該外貨建債権債務の帳 簿価額との差額は、為替予約開始日が含まれる期間の連 結損益計算書の損益として認識され、 (b)先物為替予約の割引額または割増額(即ち、予約した外 貨を予約レートで換算した円貨額と予約した外貨を為替 予約開始日の直物為替レートで換算した円貨額との差 額)を為替予約の期間に振当処理を行います。 (2)先物為替予約が将来の外貨建て取引をヘッジする目的で行 われた場合には、将来の取引は予約先物レートにより計上さ れ、先物為替予約に係わる損益は認識されません。 また、金利スワップ契約が、ヘッジ目的で利用され、一定のヘッ ジ要件を満たす場合は、スワップ対象の資産または負債に係わる 利子に金利スワップにより支払うべきまたは受取るべき利子の 純額を加算または減算します。 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度 (a) 当期純損失: ¥42,963 百万円 ̶ 百万円 (b) 普通株主に帰属しない金額: (c) 取締役及び監査役に支給さ れた賞 与のうち(b)に含ま れる額: ションによる増加数: (h) 希薄化効果を有しないため、 潜 在 株 式 調 整 後 1 株 当たり 当期純利益の算定に含めな かった潜在株式の概要: 法人税等は、法人税、事業税及び住民税により構成されていま す。繰延税金資産・負債は、財務会計上と税務上の資産及び負 債に係る一時差異について、資産負債法により認識しています。 外貨の換算 984,208 千株 ̶ 千株 ̶ 千株 新株予約権 (新株予約権に基づいて発行さ れる可能性のある普通株式数: 5 8 5 千株) 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 (a) 当期純損失: ¥35,684 百万円($383,534 千米ドル) ̶ 百万円 (̶ 千米ドル) (b) 普通株主に帰属しない金額: (c) 取締役及び監査役に支給さ れた賞 与のうち(b)に含ま れる額: 法人税等 ̶ 百万円 (d) 普通株式に係る当期純損失: ¥42,963 百万円 (e) 期中平均株式数: ( f ) 増加株式数: (g)(f)に含まれるストックオプ ̶ 百万円 (̶ 千米ドル) (d) 普通株式に係る当期純損失: ¥35,684 百万円($383,534 千米ドル) (e) 期中平均株式数: 984,000 千株 ̶ 千株 ( f ) 増加株式数: (g)(f)に含まれるストックオプ ションによる増加数: (h) 希薄化効果を有しないため、 潜 在 株 式 調 整 後 1 株 当たり 当期純利益の算定に含めな かった潜在株式の概要: ̶ 千株 新株予約権 (新株予約権に基づいて発行さ れる可能性のある普通株式数: 3 9 0 千株) 外貨建金銭債権債務は、期末の円レートで換算しています。外 貨建のすべての収入と支出は、その取引があった時点の為替レー トで換算しています。その結果生じる為替差損または差益につ 68 (会計処理の変更) いては、損益として処理しています。 工事契約に関する会計基準(工事契約に関する収入と費用の認 海外の連結子会社及び持分法適用の関係会社の貸借対照表は、 識) 期末日の為替相場で換算しています。ただし、資本金及び当社が 2 0 1 0 年 3 月末に終了する事業年度より「工事に関する会計基 取引相手である資産または負債については、発生時の為替レート 準」 (企業会計基準第 1 5 号 2 0 0 7 年 1 2 月 2 7 日)及び「工事に関 で換算しています。損益計算書については、年間の平均為替レー する会 計 基 準の適 用 指 針」 (企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 第 1 8 号 トを使用しています。換算に伴う差異については、財務諸表の外 2 0 0 7 年 1 2 月 2 7 日)を日本国内の企業は適用しています。これ 貨換算調整勘定に記載しています。当社及び国内連結会社は、 により、今年度の工事契約から年度末までの進捗部分について Teijin Limited 成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、そ 表示方法の変更 の他の工事については工事完了基準を適用しています。この変 前年度の一部の数値は、当年度の連結財務諸表の表示方法に 更による損益に与える影響は軽微です。 適合するように勘定を組替え、再表示を行っています。これらの 組替え及び再表示は、既に報告した業績または内部留保には全く 影響ありません。 3. キャッシュ・フロー計算書 連結貸借対照表記載の現金及び定期預金と、連結キャッシュ・フロー計算書記載の現金及び現金同等物の調整は以下の通りです。 百万円 連結貸借対照表上の現金及び預金 預入期間が 3 カ月を超える定期預金 連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物 千米ドル 2009 2010 2010 ¥18,956 (160) ¥18,796 ¥23,122 (158) ¥22,964 $248,517 (1,698) $246,819 4. 金融商品の時価等に関する事項 (追加情報) については、支払金利の変動リスクを回避し支払利息の 当連結会計年度より、 「金融商品に関する会計基準」 (企業会計 固定化を図っています。 基準第 1 0 号 2 0 0 8 年 3 月 1 0 日)及び「金融商品の時価等の開示 帝人グループでは、先物為替予約、通貨スワップ、及び に関する適用指針」 (企業会計基準適用指針第 1 9 号 2 0 0 8 年 3 通貨オプションは、海外通貨による輸出入に伴う外貨建 月 1 0 日)を適用しています。会計基準変更に伴い、当会計年度 債権債務の外国為替変動によるリスクをヘッジするため に求められる金融商品についての情報は以下の通りです。 にデリバティブ取 引を行っています。その他のデリバ (1)金融商品の状況に関する事項 (a) 金融商品に対する取組方針 ティブ取引では、金利スワップは金利の変動に伴うリス クをヘッジするため、コモディティ・スワップは燃料の価 帝人グループは、資金運用については短期的な預金等 格変動リスクをヘッジするために利用しています。 に限定し、 また、資金調達については銀行借入、コマーシャ 当社は、ヘッジの有効性を、キャッシュ・フロー変動の ル・ペーパー及び社債発行による方針です。また実需原 累計額またはヘッジ対象とヘッジ手段の時価の変動で評 則を遵守し、投機目的やトレーディング目的のためにデ 価しています。 リバティブ取引は行いません。 また帝人グループは、定期的に CFO(最高財務責任者) (b) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制 及び当社経理・財務室に対して、デリバティブ取引の実績 営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リ 報告を行っており、ヘッジ会計が適用されない取引につ スクに晒されています。当該リスクに関しては、帝人グ いては、毎 決 算 終 了 後に取 締 役 会に対して実 績 報 告を ループの与信管理規定に従い、取引先毎の期日管理及び 行っています。更に、契約先の債務不履行によるリスク 残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を半期 を最小化するため、デリバティブ取引の契約先はいずれ 毎定期的に把握する体制としています。 も信用度の高い銀行、証券会社としています。 投資有価証券は、市場価格の変動リスクに晒されてい (c) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明 ますが、主に業務上の関係を有する企業の株式であり投 金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、 機的なものではありません。 市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含ま 営業債務である支払手形及び買掛金は、そのほとんど れています。当該価額の算定においては変動要因を織り が 1 年以内の支払期日です。 込んでいるため、異なる前提条件等を採用することによ コマーシャル・ペーパー、短期借入金は主に営業取引 り、当該価額が変動することがあります。また、注記 6 の に係る資金調達であり、社債、長期借入金は主に設備投 「デリバティブ取引」におけるデリバティブ取引に関する 資に係る資金調達です。変動金利の借入金は、金利の変 契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引 動リスクに晒されていますが、このうち長期のものの一部 に係る市場リスクを示すものではありません。 Teijin Limited 69 (2)金融商品の時価等に関する事項 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日における連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。なお、時価を把握するこ とが極めて困難と認められるものは、含まれていません。 (1)現金及び預金 (2)受取手形及び売掛金 (3)短期貸付金 (4)投資有価証券(その他有価証券) (5)長期貸付金 貸倒引当金※1 百万円 千米ドル 2010 2010 貸借対照表 計上額 時価 ¥ 23,122 ¥ 23,122 158,952 158,952 — — 3,236 3,236 — — 39,155 39,155 — — 4,442 — — — (552) — — — 差額 ¥ 差額 — $ — 3,890 3,890 — — 228,355 228,355 — — (1)支払手形及び買掛金 84,257 84,257 — — (2)短期借入金 54,137 54,137 — — (3)コマーシャル・ペーパー 51,000 51,000 — — 資産計 (4)社債 (5)長期借入金 負債計 47,270 48,658 1,388 14,918 165,529 166,671 1,142 12,274 402,193 404,723 2,530 27,192 (535) (535) — — (1,528) (1,528) — — デリバティブ取引※2 (1)ヘッジ会計が適用されていないもの (2)ヘッジ会計が適用されているもの デリバティブ取引計 ¥ (2,063) ¥ (2,063) ¥ — $ — (※ 1) 貸付金に個別に計上している貸倒引当金を控除しています。 (※ 2) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、 ( )で示しています。 (注 1)金融商品の時価の算定方法ならびに有価証券及びデリバティブ取引に関する事項は、以下の通りです。 資産 (1) 現金及び預金、(2) 受取手形及び売掛金、ならびに (3) 短期貸付金 これらは全て短期であるため、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっています。 (4) 投資有価証券(その他有価証券) これらの時価について、株式は取引所の価格によっています。また、保有目的ごとの有価証券に関する事項については、注 5 「有価証券」をご参照下さい。 (5) 長期貸付金 帝人グループでは、長期貸付金の時価の算定は、一定期間ごとに分類し、与信管理上の信用リスク区分ごとに、その将来 キャッシュ・フローを国債の利回り等適切な指標に信用スプレッドを上乗せした利率で割り引いた現在価値により算定して います。 また、貸倒懸念債権については、同様の割引率による見積キャッシュ・フローの割引現在価値、または、担保及び保証による 回収見込額等により時価を算定しています。 負債 (1) 支払手形及び買掛金、(2) 短期借入金、ならびに (3) コマーシャル・ペーパー これらは全て短期であるため、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっています。 70 Teijin Limited (4) 社債 帝人グループの発行する社債の時価については、市場価格のあるものについては市場価格に基づき、市場価格のないものは、 元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しています。 (5) 長期借入金 帝人グループでは、長期借入金の時価の算定は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割 り引いた現在価値により算定しています。変動金利による長期借入金のうち一部については、金利スワップの特例処理の対 象とされており、当該金利スワップと一体として処理された元利金の合計額を、同様の借入を行った場合に適用される合理的 に見積られる利率で割り引いて算定する方法によっています。 デリバティブ取引 注 6「デリバティブ取引」をご参照下さい。 (注 2)時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品 これらについては市場価格がなく、かつ将来キャッシュ・フローを見積る事などが出来ず、時価を把握することが極めて困難と 認められるため、注 5「有価証券」には含めていません。 百万円 千米ドル 非上場株式等 ¥ 3,959 $ 42,552 関係会社株式 15,302 164,467 ¥19,261 $207,019 合計 (注 3)金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額 百万円 1 年以内 現金及び預金 ¥ 23,122 受取手形及び売掛金 短期貸付金 投資有価証券 長期貸付金 ¥ 千米ドル 1 年超 5 年以内 ¥ 1 年以内 1 年超 5 年以内 — $ 248,517 158,952 — 1,708,426 — 3,236 — 34,781 — — — 263 ¥4,179 $ $ — — — 2,827 $44,916 (注 4)社債及び長期借入金の返済予定額 注 8「短期借入金及び長期借入金」をご参照下さい。 Teijin Limited 71 5. 有価証券 (1)当連結会社の 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日における保有有価証券は以下の通りです。 a) 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度において、満期保有目的の債券で市場価格があるものはありません。 b) その他有価証券で市場価格のあるものの取得原価と 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日の市場価格に基づく連結貸借対照表計上額の概要です。 百万円 2009 取得原価 連結貸借 対照表計上額 差異 ¥15,274 ¥35,939 ¥20,665 8,013 ¥23,287 5,853 ¥41,792 (2,160) ¥18,505 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの: 株式 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの: 株式 計 c) 2009 年 3 月 31 日に終了した年度におけるその他有価証券の売却額、売却益の合計額、売却損失の合計額は、それぞれ 689 百万円、 2 2 百万円、9 1 百万円です。 d) その他有価証券のうち、2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に市場価格の存在しないもののほとんどは、非上場株式、その他で、それぞれ 3,2 7 4 百万円、1,1 4 9 百万円となっています。 (2)当連結会社の 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日の決算期における保有有価証券は以下の通りです。 a) 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度において、満期保有有価証券で時価があるものはありません。 b) その他有価証券で市場価格のあるものの取得原価と 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日の市場価格に基づく連結貸借対照表計上額の概要です。 百万円 千米ドル 2010 2010 取得原価 連結貸借 対照表計上額 差異 差異 ¥14,401 ¥34,892 ¥20,491 $220,239 5,788 ¥20,189 4,263 ¥39,155 (1,525) ¥18,966 (16,391) $203,848 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの: 株式 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの: 株式 計 c) 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終 了した年 度におけるその他 有 価 証 券の売 却 額、売 却 利 益の合 計 額、売 却 損 失の合 計 額は、それぞれ 1 0,2 0 5 百万円(1 0 9,6 8 4 千米ドル)、7,2 3 7 百万円(7 7,7 8 4 千米ドル)、1 8 百万円(1 9 3 千米ドル)です。 d) その他有価証券のうち、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に市場価格の存在しないもののほとんどは、非上場株式、その他で、それぞれ 3,6 5 2 百万円(3 9,2 5 2 千米ドル)、3 0 7 百万円(3,3 0 0 千米ドル)となっています。 72 Teijin Limited 6. デリバティブ取引 (1)以下の表は、ヘッジ会計が適用されていない 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在のデリバティブ取引残高の時価及び評価損益の概要です。 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度において、財務諸表上で認識された損益に対する残高は以下の通りです。 通貨関連デリバティブ 百万円 2009 契約額等 契約額等のうち 1 年超 時価 評価益(損) 為替先物予約取引 売建 :米ドル 買建 :米ドル :日本円 ¥ 165 ¥ 1,845 ¥12,105 ¥— ¥— ¥— ¥ 164 ¥ 1,639 ¥12,895 ¥ 1 ¥(206) ¥ 790 ¥ 7,006 ¥— ¥ ¥ 通貨スワップ取引 受取日本円支払米ドル 金利関連デリバティブ 2 2 百万円 2009 契約額等 契約額のうち 1 年超 時価 評価益(損) ¥14,715 ¥14,715 ¥(152) ¥(152) 金利スワップ取引 受取変動金利支払固定金利 (2)以下の表は、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在のヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引に関わる残高について、その市場価格を要約 したものです。 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度において、財務諸表上で認識された損益に対する残高は以下の通りです。 通貨関連デリバティブ 百万円 千米ドル 2010 2010 契約額等 契約額等のうち1年超 時価 評価益(損) 評価益(損) ¥ 8,381 ¥— ¥ (114) ¥ (114) $ (1,225) :円 ¥ 2,476 ¥ 855 ¥— ¥— ¥ 276 ¥ 101 ¥ 276 ¥ 101 $ 2,966 $ 1,086 買建 :円 ¥13,172 ¥— ¥ (796) ¥ (796) $ (8,555) 通貨スワップ取引 受取日本円支払米ドル 為替予約取引 売建 :米ドル 金利関連デリバティブ 百万円 千米ドル 2010 2010 契約額等 契約額等のうち1年超 時価 評価益(損) 評価益(損) ¥92 ¥— ¥ (3) ¥ (3) $ (32) 金利スワップ取引 受取変動金利支払固定金利 Teijin Limited 73 (3)以下の表は、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在のヘッジ会計が適用されるデリバティブ取引に関わる残高について、その市場価格を要約したも のです。 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度において、財務諸表上で認識された損益に対する残高は以下の通りです。 通貨関連:原則的処理方法 百万円 千米ドル 2010 2010 契約額等 契約額等のうち1年超 ¥34,678 ¥11,197 時価 時価 通貨スワップ取引 受取日本円支払ユーロ ¥ (2,922) $ (31,406) 為替予約取引 売建 :米ドル ¥11,864 ¥ — ¥ 136 $ 1,462 :ユーロ ¥ ¥ — ¥ (2) $ (21) :円 ¥ 9,098 ¥ 5,020 ¥ 1,146 $ 12,317 買建 :米ドル ¥ 8,521 ¥ — ¥ 339 $ 3,644 :ユーロ ¥ ¥ — ¥ 0 $ 0 37 36 通貨関連:為替予約等の振当処理 百万円 千米ドル 2010 契約額等 2010 契約額等のうち1年超 時価 時価 為替予約取引 売建 :米ドル ¥4,212 ¥— ¥— $— :ユーロ ¥1,288 ¥— ¥— $— 買建 :米ドル ¥ 601 ¥— ¥— $— :ユーロ ¥ 103 ¥— ¥— $— 金利関連:原則的処理方法 百万円 千米ドル 2010 2010 契約額等 契約額等のうち1年超 時価 時価 ¥25,740 ¥25,740 ¥ (286) $ (3,074) 金利スワップ取引 受取変動金利支払固定金利 金利関連:金利スワップの特例処理 百万円 千米ドル 2010 2010 契約額等 契約額等のうち1年超 時価 時価 受取変動金利支払固定金利 ¥22,400 ¥ 22,400 ¥— $— 受取固定金利支払変動金利 ¥ 1,000 ¥ ¥— $— 金利スワップ取引 — コモディティ関連:原則的処理方法 百万円 千米ドル 2010 2010 契約額等 契約額等のうち1年超 時価 時価 ¥265 ¥— ¥61 $656 コモディティ・スワップ取引 燃料油 74 Teijin Limited (4)為替先物予約の時価は、年度末の先物レートを使用していま す。通貨スワップ取引、金利スワップ取引、コモディティ・ス (5)認識された損益は、契約を締結している金融機関により推定 されています。 ワップ取引の時価については、契約を締結している金融機関 が提示してきた価格に基づいています。 7. 棚卸資産 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の棚卸資産の内容は以下の通りです。 百万円 商品及び製品 仕掛品 原材料 貯蔵品 千米ドル 2009 2010 2010 ¥ 95,419 11,641 22,062 5,943 ¥135,065 ¥ 71,583 9,389 19,348 5,995 ¥106,315 $ 769,379 100,914 207,953 64,435 $1,142,681 8. 短期借入金及び長期借入金 短期借入金の主な内訳は当座貸越及びコマーシャルペーパーなどで、 年平均金利は、 2009 年 3 月期約 2.7%、2010 年 3 月期約 1.2% です。 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日末の長期有利子負債の内訳は、以下の通りです。 百万円 千米ドル 2009 2010 2010 ¥ 96,255 10,000 15,000 15,000 5,174 9,333 8,470 — — — — 52,409 1,268 212,909 34,625 ¥178,284 ¥ 105,821 — 15,000 15,000 — — — 991 1,586 3,965 10,727 59,708 2,349 215,147 24,506 ¥ 190,641 $ 1,137,371 — 161,221 161,221 — — — 10,651 17,047 42,616 115,295 641,745 25,247 2,312,414 263,392 $ 2,049,022 無担保 2 0 1 6 年までに返済期限が来る、0.3% − 1.7% の銀行及び保険会社からの借入 1.3% 社債、満期 2 0 0 9 年 1.6% 社債、満期 2 0 1 3 年 1.8% 社債、満期 2 0 1 5 年 0.7 − 1.1% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 0 9 年− 2 0 1 1 年 0.9 − 1.0% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 0 9 年− 2 0 1 0 年 1.1 − 1.3% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 0 9 年− 2 0 1 0 年 1.0% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 1 1 年 1.1% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 1 0 年 1.1 − 1.3% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 1 0 年 0.3 − 1.3% ミディアム・ターム・ノート、満期 2 0 1 0 年− 2 0 1 1 年 2 0 1 4 年までに返済期限が来る、0.7% − 5.7% の外国通貨(主として米ドル)の借入 2 0 2 4 年までに返済期限が来る、8.2% のリース債務 1 年以内返済予定 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日末の有担保負債 2 5 百万円(2 6 9 千米ドル)の担保に供している資産は、以下の通りです。 Teijin Limited 75 百万円 ¥151 5 有形固定資産 その他の資産 千米ドル $1,623 54 長期有利子負債の返済予定は以下の通りです。 3 月 3 1 日末 2 0 1 1年 2 0 1 2年 2 0 1 3年 2 0 1 4年 2 0 1 5 年以降 百万円 千米ドル ¥24,506 18,107 59,366 50,454 62,713 $263,392 194,615 638,070 542,283 674,043 9. 退職給付制度 (会計処理の変更) 当連結会計年度より、国内企業は「「退職給付に係わる会計基準」の一部改正(その 3)」 (企業会計基準第 1 9 号 2 0 0 8 年 7 月 3 1 日)を適 用しています。この変更による損益に与える影響はありません。 (1)2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の、連結貸借対照表の負債の部に記載されている退職給付債務は以下の通りです。 百万円 退職給付債務 未認識過去勤務債務 未認識数理計算上の差異 年金資産 前払年金費用 退職給付引当金 千米ドル 2009 2010 2010 ¥ 139,177 4,725 (32,560) (112,049) 19,948 ¥ 19,241 ¥ 131,446 4,034 (18,705) (117,662) 19,361 ¥ 18,474 $ 1,412,791 43,358 (201,043) (1,264,639) 208,093 $ 198,560 (2)2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度の、連結損益計算書に記載されている退職給付費用は以下の通りです。 百万円 2009 勤務費用 利息費用 期待運用収益 数理計算上の差異の費用処理額 過去勤務債務の費用処理額 退職給付費用 ¥ 5,842 3,555 (3,743) 2,100 (656) ¥ 7,098 千米ドル 2010 ¥ 5,403 3,465 (3,369) 3,835 (662) ¥ 8,672 2010 $ 58,071 37,242 (36,210) 41,219 (7,115) $ 93,207 (3)2 0 0 9 年 及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終 了した年 度の割 引 率および期 待 運 用 収 益 率は、それぞれ主として 2.0% と 3.0% 及び主として 2.0% と 3.3% です。 (4)将来の退職日に支払うべき退職給付金の見積額は、見積り合計勤務期間に基づきそれぞれの会計年度に配賦しています。過去勤務 費用と実際の損益は、主として費用処理年数 1 2 年の定額法により認識されており、その費用処理年数は現在及び将来の従業員の平 均見積り残存勤務期間以内です。 76 Teijin Limited 1 0. 純資産 日本の法律及び規則では、株式発行価格の全額を資本金に組 に含まれ、利益準備金は添付の貸借対照表に記載されている利 み入れることが求められていますが、取締役会の決議によって、 益剰余金に含まれます。 新株発行価格の 1/2 を超えない範囲で資本準備金に組み入れる 利益準備金と資本準備金は、欠損の補填に用いられるか、株主 ことが可能です。 総会の決議により資本金に組み込まれます。資本準備金及び利 日本の会社法は、剰余金からの配当が行われた場合、配当金の 益準備金は、資本剰余金及び利益剰余金へ振り替えることが可 1 0% に相当する金額または資本金の 2 5% が利益準備金及び資 能であり、配当の原資とすることができます。当社の配当可能利 本準備金の合計を上回る金額があった場合にはその金額のどち 益は、日本の法律及び規則に基づき当社の個別財務諸表を基礎 らか少ない金額を、資本準備金または利益準備金として積み立 として計算されます。 てなければならないと定めています。資本準備金は資本剰余金 2 0 1 0 年 5 月 1 0 日に開催された取締役会において、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度の配当は以下の通り了承されました。 現金配当− 1 株当たり 2 円(0.0 2 0 米ドル) 百万円 千米ドル ¥1,964 $21,109 1 1. 減損損失 当連結会計年度において、帝人グループは、以下の資産について減損損失を計上しました。 減損損失 場所 用途 資産の種類 百万円 千米ドル ボービンゲン、ドイツ 合成繊維設備 土地、機械装置等 ¥1,758 $18,895 広島県三原市 合成繊維設備 機械装置等 サウスカロライナ州、米国 合成繊維設備 機械装置、無形固定資産等 愛媛県松山市 合成繊維設備他 機械装置等 石川県能美市他 合成繊維設備他 土地、機械装置等 愛媛県松山市 合成樹脂設備 機械装置 東京都千代田区 遊休資産 ソフトウェア 広島県三原市 動力設備 機械装置等 その他 ̶ ̶ 1,278 928 756 413 171 148 140 136 ¥5,728 13,736 9,974 8,126 4,439 1,838 1,591 1,505 1,461 $61,565 計 帝人グループは、継続的に損益を把握している事業部門を単 用価値によって測定しており、将来キャッシュ・フローを 7% ∼ 位として、資産のグルーピングを行っています。事業の用に供し 1 0% の割引率を用いて算定しています。 ていない遊休資産は、個別に扱っています。 使用計画のない遊休資産の帳簿価額は、回収可能価額である 需要の低迷などにより、事業用資産の中で、一部の生産設備に 1 7 5 百万円(1,8 8 1 千米ドル)まで減額されています。回収可能 ついて、回収可能価額まで減額し、事業構造改善費用に計上した 価額は、不動産鑑定評価またはそれに準ずる方法に基づいた正 1,3 4 1 百万円(1 4,4 1 3 千米ドル)を含め、減損損失として 5,5 5 3 味売却価額によって測定されています。売却または他への転用 百万円(5 9,6 8 4 千米ドル)を計上しました。回収可能価額は、使 が困難な場合、その資産価値はゼロとしています。 1 2. 異常操業損失 異常操業損失は、稼働率が低下したために発生した異常操業経費です。 Teijin Limited 77 1 3. 環境対策費 環境対策費の主な内容は、土壌浄化費用とアスベスト対策費用です。 1 4. 法人税 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在における重要な繰延税金資産及び繰延税金負債は、以下の通りです。 百万円 千米ドル 2009 2010 2010 繰延税金資産: 賞与一時金 債務保証損失引当金 関係会社株式評価損 投資有価証券評価損 退職給付引当金 減損損失累計額 事業構造改善引当金 繰越欠損金 投資損失累計額 その他 繰延税金資産 小計 評価性引当額 繰延税金資産 合計 繰延税金負債との相殺 繰延税金資産の純額 ¥ 3,409 1,468 — 1,457 5,106 8,621 — 47,390 3,552 11,918 82,921 (48,286) 34,635 (22,574) ¥ 12,061 ¥ 3,244 3,035 9,145 3,817 3,805 8,796 7,117 56,773 3,593 11,848 111,173 (67,332) 43,841 (21,620) ¥ 22,221 $ 34,867 32,620 98,291 41,025 40,896 94,540 76,494 610,200 38,618 127,344 1,194,895 (723,689) 471,206 (232,373) $ 238,833 ¥ (7,985) (4,068) (4,427) (5,958) (5,811) (3,602) (31,851) 22,574 ¥ (9,277) ¥ (7,384) (3,779) (4,007) (5,958) (5,845) (5,381) (32,354) 21,620 ¥ (10,734) $ (79,364) (40,617) (43,067) (64,037) (62,822) (57,835) (347,742) 232,373 $ (115,369) 繰延税金負債 固定資産圧縮積立金 在外子会社の固定資産加速償却 海外留保利益に関する税効果 子会社時価評価差額 その他有価証券評価差額金 その他 繰延税金負債 合計 繰延税金資産との相殺 繰延税金負債の純額 1 5. リース (会計処理の変更) 78 2 0 0 7 年 3 月 3 0 日、日本の会計基準標準化委員会は、 「リース取 ています。当社は、2008年4月1日以降、この基準をファイナンス・ 引に関する会計基準」 (企業会計基準第 1 3 号)及び「リース取引 リースにも適 用しています。新しい基 準に対 応して、当 社は、 に関する会計基準の適用指針」 (企業会計基準適用指針第 1 6 号) 2 0 0 8 年 3 月 3 1 日以前の所有権の移転を伴わないファイナンス・ を公布しました。新しい会計基準は、所有権の異動を伴わない リースについてオペレーティング・リースと同様の会計処理をし ファイナンス・リースについて、売買取引と同じ会計処理を求め ていますが、純利益に与える影響は軽微です。 Teijin Limited (1)借主としてのファイナンス・リース 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日以前の所有権の移転を伴わないファイナンス・リース取引については、オペレーティング・リースと同様の会計処理 をしています。 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在における、非資産化ファイナンス・リースに基づく第三者からのリース資産の取得価額相当額、減 価償却累計額相当額、期末残高相当額は、以下の通りです。 百万円 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度 取得価額相当額 減価償却累計額相当額 ¥2,380 2,445 124 ¥4,949 機械装置及び運搬具 その他の有形固定資産 無形固定資産 計 期末残高相当額 ¥1,551 1,638 83 ¥3,272 ¥ 829 807 41 ¥1,677 百万円 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 取得価額相当額 機械装置及び運搬具 減価償却累計額相当額 ¥2,097 1,245 81 ¥3,423 その他の有形固定資産 無形固定資産 計 期末残高相当額 ¥1,601 875 56 ¥2,532 ¥496 370 25 ¥891 千米ドル 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 機械装置及び運搬具 その他の有形固定資産 無形固定資産 計 取得価額相当額 減価償却累計額相当額 $22,538 13,382 871 $36,791 $17,207 9,405 602 $27,214 期末残高相当額 $5,331 3,977 269 $9,577 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日末における、支払利息を含む未経過リース料は以下の通りです。 百万円 2009 1 年以内 1 年超 計 千米ドル 2010 ¥ 739 967 ¥1,706 ¥455 458 ¥913 2010 $4,890 4,923 $9,813 2 0 0 9 年 及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終 了した年 度の、所 有 権の移 転を伴わないファイナンス・リースの支 払いリース料は、それぞれ 1,0 8 1 百万円と 6 6 7 百万円(7,1 6 9 千米ドル)です。 (2)オペレーティング・リース 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日末の、未経過リース料は以下の通りです。 百万円 1 年以内 1 年超 計 千米ドル 2009 2010 ¥ 284 1,527 ¥1,811 ¥ 272 1,338 ¥1,610 2010 $ 2,923 14,381 $17,304 Teijin Limited 79 1 6. ストック・オプション・プラン (1)2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプション・プランの詳細は以下の通りです。 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度のストック・オプションに関する科目名と金額は以下の通りです。 科目名 販売費及び一般管理費 金額 1 0 1 百万円 以下は、2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプションの内訳の概要です。 80 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役、従業員及び関係会社取締役:6 0 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 5 3 5,0 0 0 株 2 0 0 3年7月1日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 5 年 7 月 2 日から 2 0 0 8 年 7 月 1 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役、従業員及び関係会社取締役:5 3 名 株式の種類と株数 普通株 4 6 0,0 0 0 株 付与日 2 0 0 4年7月2日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 6 年 7 月 3 日から 2 0 0 9 年 7 月 2 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役、従業員及び関係会社取締役:5 5 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 4 3 0,0 0 0 株 2 0 0 5年7月4日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 7 年 7 月 5 日から 2 0 1 0 年 7 月 4 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 4 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 1 4 6,0 0 0 株 2 0 0 6年7月1 0日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 6 年 7 月 1 0 日から 2 0 2 6 年 7 月 9 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 5 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 2 0 7,0 0 0 株 2 0 0 7年7月5日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 7 年 7 月 5 日から 2 0 2 7 年 7 月 4 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 7 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 3 2 8,0 0 0 株 2 0 0 8年7月7日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 8 年 7 月 7 日から 2 0 2 8 年 7 月 6 日まで Teijin Limited 以下の表は、2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプションの規模及び変動状況です。 権利確定前ストック・オプション 株数 会社名 帝人株式会社 2003 2 0 0 8 年 4 月 1 日現在未行使のストック・オプション数 ストック・オプションの付与数 権利の失効数 権利行使の確定したストック・オプション数 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在未行使のストック・オプション数 — — — — — 2004 2005 — — — — — 2006 — — — — — 2007 — — — — — — — — — — 2008 — 328,000 — 328,000 — 権利確定後ストック・オプション 株数 会社名 2 0 0 8 年 4 月 1 日現在未行使のストック・オプション数 権利行使の確定したストック・オプション数 ストック・オプションの権利行使数 権利の失効数 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在未行使のストック・オプション数 帝人株式会社 2003 2004 2005 2006 2007 2008 25,000 — 25,000 — — 195,000 — — — 195,000 390,000 — — — 390,000 144,000 — 2,000 — 142,000 207,000 — — — 207,000 — 328,000 — — 328,000 以下の表は、2 0 0 9 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプションに関する価格情報の概要です。 円 会社名 権利行使価格 権利行使時平均株価 付与日における公正な評価価格 帝人株式会社 2003 2004 2005 2006 2007 2008 ¥304 ¥408 — ¥405 — — ¥515 — — ¥ 1 ¥311 ¥663 ¥ ¥ 1 — ¥610 1 — ¥307 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度に付与されたストック・オプションの公正な評価単価の見積方法は以下の通りです。 評価方法 ブラック・ショールズ・モデル 株価変動性 2 7% 6年 8円 / 株 1.3 5% 予想残存期間 予想配当 無リスク利子率 Teijin Limited 81 (2)2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の、ストック・オプション・プランの詳細は以下の通りです。 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度のストック・オプションに関する科目名と金額は以下の通りです。 科目名 販売費及び一般管理費 金額 1 0 6 百万円(1,1 3 9 千米ドル) 以下は、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプションの内訳の概要です。 82 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役、従業員及び関係会社取締役:5 3 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 4 6 0,0 0 0 株 2 0 0 4年7月2日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 6 年 7 月 3 日から 2 0 0 9 年 7 月 2 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役、従業員及び関係会社取締役:5 5 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 4 3 0,0 0 0 株 2 0 0 5年7月4日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 7 年 7 月 5 日から 2 0 1 0 年 7 月 4 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 4 名 株式の種類と株数 付与日 普通株 1 4 6,0 0 0 株 2 0 0 6年7月1 0日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 6 年 7 月 1 0 日から 2 0 2 6 年 7 月 9 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 5 名 株式の種類と株数 普通株 2 0 7,0 0 0 株 付与日 2 0 0 7年7月5日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 7 年 7 月 5 日から 2 0 2 7 年 7 月 4 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 7 名 株式の種類と株数 普通株 3 2 8,0 0 0 株 付与日 2 0 0 8年7月7日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 8 年 7 月 7 日から 2 0 2 8 年 7 月 6 日まで 会社名 帝人株式会社 対象者の地位及び対象者数 取締役及び執行役員・理事:5 7 名 株式の種類と株数 普通株 4 2 0,0 0 0 株 付与日 2 0 0 9年7月9日 権利確定条件 なし 対象勤務期間 なし 権利行使期間 2 0 0 9 年 7 月 9 日から 2 0 2 9 年 7 月 8 日まで Teijin Limited 以下の表は、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプションの規模及び変動状況です。 権利確定前ストック・オプション 株数 会社名 帝人株式会社 2004 2 0 0 9 年 4 月 1 日現在未行使のストック・オプション数 ストック・オプションの付与数 権利の失効数 権利行使の確定したストック・オプション数 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在未行使のストック・オプション数 — — — — — 2005 2006 — — — — — 2007 — — — — — 2008 — — — — — — — — — — 2009 — 420,000 — 420,000 — 権利確定後ストック・オプション 株数 会社名 帝人株式会社 2004 2005 2006 2007 2008 2 0 0 9 年 4 月 1 日現在未行使のストック・オプション数 195,000 390,000 142,000 207,000 328,000 — 権利行使の確定したストック・オプション数 — — 195,000 — — — — 390,000 — 15,000 — 127,000 — 23,000 — 184,000 — 6,000 — 322,000 420,000 — — 420,000 ストック・オプションの権利行使数 権利の失効数 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在未行使のストック・オプション数 2009 以下の表は、2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在のストック・オプションに関する価格情報の概要です。 円 会社名 権利行使価格 権利行使時平均株価 付与日における公正な評価価格 帝人株式会社 2004 2005 2006 2007 2008 ¥405 — — ¥515 — — ¥ 1 ¥275 ¥663 ¥ 1 ¥275 ¥610 ¥ 1 ¥282 ¥307 2009 ¥ 1 — ¥253 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度に付与されたストック・オプションの公正な評価単価の見積方法は以下の通りです。 評価方法 ブラック・ショールズ・モデル 株価変動性 3 1% 5.5 年 5円 / 株 0.7 3% 予想残存期間 予想配当金 無リスク利子率 1 7. 事業の結合 米 国 市 場での在 宅 医 療 事 業の事 業 基 盤を築くため、Teijin 1 3 日に当社の完全子会社となりました。また、あらかじめ決定 Holdings USA Inc. は、米国の在宅酸素及び呼吸器の医療、機器、 されているいくつかの目標が達成された場合、追加の支払を行い サービスのプロバイダーである Braden Partners L.P. を買収し ます。この支払は、のれんとして計上されます。 ました。買収によって、Braden Partners L.P. は、2 0 0 8 年 6 月 Teijin Limited 83 1 8. セグメント情報 (1)事業の種類別セグメント情報 医薬医療 当社には、5 つの事業セグメントがあります。 処方薬及び非処方薬の製造・販売、及び、在宅医療機器の製 合成繊維 造、販売、レンタル 衣料用及び産業用のポリエステルフィラメント及びその他 流通・リテイル ポリエステル繊維の取引及び小売 の繊維の製造と販売 化成品 IT・新事業他 各種産業用途のフィルム及び樹脂の製造と販売 ソフトウェアの提供及びその他 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の、事業の種類別セグメント情報は以下の通りです。 (a)損益計算書の項目 百万円 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度 合成繊維 化成品 医薬医療 流通・リテイル IT・新事業他 計 消去又は全社 連結合計 外部顧客に対する 売上高 ¥273,208 258,004 127,146 239,163 45,889 943,410 — ¥943,410 セグメント間の内部 売上高又は振替高 ¥ 61,574 9,742 1 7,871 41,224 120,412 (120,412) ¥ — 売上高 ¥ 334,782 267,746 127,147 247,034 87,113 1,063,822 (120,412) ¥ 943,410 営業費用 ¥ 337,562 267,520 102,309 243,161 83,524 1,034,076 (108,632) ¥ 925,444 営業利益 ¥ (2,780) 226 24,838 3,873 3,589 29,746 (11,780) ¥ 17,966 百万円 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 合成繊維 化成品 医薬医療 流通・リテイル IT・新事業他 計 消去又は全社 連結合計 外部顧客に対する 売上高 ¥205,154 177,791 131,711 205,314 45,870 765,840 — ¥765,840 セグメント間の内部 売上高又は振替高 ¥ 47,482 6,978 1 4,787 31,351 90,599 (90,599) ¥ — 売上高 ¥252,636 184,769 131,712 210,101 77,221 856,439 (90,599) ¥765,840 営業費用 ¥267,747 176,772 107,511 206,660 74,267 832,957 (80,553) ¥752,404 営業利益 ¥ (15,111) 7,997 24,201 3,441 2,954 23,482 (10,046) ¥ 13,436 千米ドル 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 合成繊維 化成品 医薬医療 流通・リテイル IT・新事業他 計 消去又は全社 連結合計 84 Teijin Limited 外部顧客に対する 売上高 $2,205,009 1,910,909 1,415,638 2,206,728 493,014 8,231,298 — $8,231,298 セグメント間の内部 売上高又は振替高 $ 510,339 75,000 11 51,451 336,963 973,764 (973,764) $ — 売上高 $2,715,348 1,985,909 1,415,649 2,258,179 829,977 9,205,062 (973,764) $8,231,298 営業費用 $2,877,763 1,899,957 1,155,535 2,221,195 798,226 8,952,676 (865,789) $8,086,887 営業利益 $ (162,415) 85,952 260,114 36,984 31,751 252,386 (107,975) $ 144,411 (b)資産、減価償却、減損損失及び資本的支出 百万円 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度 資産 ¥396,937 188,288 107,846 82,847 52,749 828,667 45,490 ¥874,157 合成繊維 化成品 医薬医療 流通・リテイル IT・新事業他 計 消去又は全社 連結合計 減価償却 減損損失 ¥30,997 15,892 9,080 280 2,089 58,338 2,514 ¥60,852 ¥ 8,886 2,049 — — 299 11,234 354 ¥11,588 資本的支出 ¥47,531 10,509 7,369 392 3,664 69,465 6,341 ¥75,806 百万円 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 資産 合成繊維 ¥357,206 182,000 108,913 78,212 51,255 777,586 45,485 ¥823,071 化成品 医薬医療 流通・リテイル IT・新事業他 計 消去又は全社 連結合計 減価償却 減損損失 ¥27,438 12,567 8,920 271 2,205 51,401 3,140 ¥54,541 ¥5,201 171 — 40 141 5,553 174 ¥5,727 資本的支出 ¥14,184 5,797 8,444 159 2,263 30,847 5,467 ¥36,314 千米ドル 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 合成繊維 化成品 医薬医療 流通・リテイル IT・新事業他 計 消去又は全社 連結合計 資産 減価償却 減損損失 資本的支出 $3,839,273 1,956,148 1,170,604 840,628 550,892 8,357,545 488,876 $8,846,421 $294,905 135,071 95,873 2,913 23,699 552,461 33,749 $586,210 $55,901 1,838 — 430 1,515 59,684 1,870 $61,554 $152,451 62,307 90,757 1,709 24,322 331,546 58,759 $390,305 (2)所在地別セグメント情報 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の、所在地別セグメント情報は以下の通りです。 百万円 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度 日本 アジア 米州 欧州 計 消去又は全社 連結合計 外部顧客に対する 売上高 ¥599,088 159,893 104,781 79,648 943,410 — ¥943,410 セグメント間の内部 売上高又は振替高 ¥ 42,599 33,575 3,351 28,038 107,563 (107,563) ¥ — 売上高 営業費用 ¥ 641,687 193,468 108,132 107,686 1,050,973 (107,563) ¥ 943,410 ¥ 621,247 197,436 107,436 97,000 1,023,119 (97,675) ¥ 925,444 営業利益 ¥20,440 (3,968) 696 10,686 27,854 (9,888) ¥17,966 資産 ¥ 660,792 135,899 61,740 162,997 1,021,428 (147,271) ¥ 874,157 Teijin Limited 85 百万円 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 日本 アジア 米州 欧州 計 消去又は全社 連結合計 外部顧客に対する 売上高 セグメント間の内部 売上高又は振替高 ¥535,214 132,747 51,914 45,965 765,840 — ¥765,840 売上高 ¥ 26,431 19,000 419 21,789 67,639 (67,639) ¥ — 営業費用 ¥561,645 151,747 52,333 67,754 833,479 (67,639) ¥765,840 営業利益 ¥534,310 150,142 54,925 71,546 810,923 (58,519) ¥752,404 ¥27,335 1,605 (2,592) (3,792) 22,556 (9,120) ¥13,436 資産 ¥ 615,160 130,345 42,934 156,975 945,414 (122,343) ¥ 823,071 千米ドル 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度 日本 アジア 米州 欧州 計 消去又は全社 連結合計 外部顧客に対する 売上高 セグメント間の内部 売上高又は振替高 $5,752,515 1,426,773 557,975 494,035 8,231,298 — $8,231,298 $ 284,082 204,214 4,504 234,188 726,988 (726,988) $ — 売上高 営業費用 $6,036,597 1,630,987 562,479 728,223 8,958,286 (726,988) $8,231,298 $5,742,799 1,613,736 590,338 768,980 8,715,853 (628,966) $8,086,887 営業利益 $293,798 17,251 (27,859) (40,757) 242,433 (98,022) $144,411 資産 $ 6,611,780 1,400,957 461,457 1,687,177 10,161,371 (1,314,950) $ 8,846,421 アジア、米州、欧州に含まれる主な国は以下の通りです。 アジア :タイ、インドネシア、中国、シンガポール 米州 :米国 欧州 :オランダ、ドイツ (3)海外売上高 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の、海外売上高は以下の通りです。 百万円 アジア 米州 欧州他 海外売上高 千米ドル 2009 2010 2010 ¥198,114 107,859 89,382 ¥395,355 ¥165,208 59,939 52,459 ¥277,606 $1,775,666 644,228 563,833 $2,983,727 海外売上高には、当社及び国内子会社の第三者への輸出と同様に、海外子会社の第三者への販売が含まれます。 アジア、米州、欧州他に含まれる主な国は以下の通りです。 アジア :タイ、インドネシア、中国 米州 :米国 欧州他:イタリア、ドイツ、フランス (4)上記の表に記載された消去又は全社の営業費用には、2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度の全社費用が含まれ 86 (5)上記の表に記載された消去又は全社の資産には、主に持株会 社の保有する現金、定期預金、投資有価証券が含まれており、 ています。それぞれの金額は、1 1,8 8 3 百万円、1 0,3 2 4 百万 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日に終了した年度のそれぞれの 円(1 1 0,9 7 3 千米ドル)です。なお、全社費用の主なものは、 金額は、9 2,8 2 7 百万円、1 1 2,4 8 3 百万円(1,2 0 8,9 7 7 千米ド 持株会社の基礎研究費及び管理部門の経費です。 ル)です。 Teijin Limited (6)追加情報 2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度では、注記 2 に示した通り法人税改正により、当社及び国内連結会社は、固定資産の見積り耐用 年数を修正しています。この変更により従来の方法に比べ、営業費用が、合成繊維で 5 8 9 百万円、化成品で 4 5 百万円、流通・リテイ ルで 0 百万円、IT・新事業他で 3 百万円増加し、医薬医療で 3 3 百万円減少しており、営業利益はそれぞれ同額増減しています。 1 9. 偶発債務 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日末の偶発債務は以下のとおりです。 百万円 (a) 受取手形割引高及び裏書譲渡高 ¥ (b) 債務保証 102 ¥ 9,436 2,530 ¥11,966 ¥ 2,394 関係会社 その他 (c) 売掛金の流動化による譲渡高 千米ドル $ 1,096 $101,419 27,192 $128,611 $ 25,731 2 0. 後発事象 (1)2 0 1 0 年 5 月 1 0 日開催の取締役会において、2 0 0 9 年 3 月 3 1 日に終了した年度の配当につき、以下のように正式に承認されました。 現金配当− 1 株当たり 2 円 百万円 千米ドル ¥1,964 $21,109 (2)当 社は、2 0 0 5 年 1 1 月 2 9 日に金 融 機 関との間に結ばれた債 するため 2 0 0 9 年 6 月 1 日に 7,1 9 9 百 万 円を信 託 財 産へ追 加 務履行引受契約に基づき、社債(2 0 0 9 年 9 月 2 9 日償還の第 4 拠出し、2 0 1 0 年 3 月に終了する事業年度において、当該追加 回無担保普通社債:発行額 1 5 0 億円)支払い用の金銭を信託 拠出額を特別損失として計上する予定です。なお、当該債務 拠出し当社の連結財務諸表ではオフバランス処理となって 履行引き受け契約は継続することから、社債のオフバランス います。現状の金融市場環境では、投資・保有していた債権 処理も継続して行っています。 の元本が毀損する可能性が高いと判断し、当社は契約を変更 Teijin Limited 87 独立監査人の報告 帝人株式会社の株主、取締役会御中 当監査法人は、添付の円で記載されている帝人及び連結子会社の 2 0 0 9 年及び 2 0 1 0 年 3 月 3 1 日現在の連結貸借対照表及び、関連す るそれらの時期に終了した年度の連結損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書につき監査を行いました。これ らの連結財務諸表の作成責任は、帝人の経営者にあり、当監査法人の責任は我々の監査に基づき独立の立場からこれら連結財務諸表に 対する意見を表明することにあります。 当監査法人は、日本で一般に公正妥当と認められる監査基準に基づき監査を行いました。それらの基準は、財務諸表に重大な記載の 誤りがないことの合理的な保証を得るように、我々が監査の計画と実行を行うことを求めています。監査には、財務諸表に記載された 金額や記述の裏付けの試査が含まれます。監査には、全体的な財務諸表の記述に加え、経営者が採用した会計方針及び経営者が行った 重要な予測についての評価が含まれます。当監査法人は、我々の行った監査の結果、意見表明のための合理的な基礎を得たと判断して います。 当監査法人は、 上記の連結財務諸表が、帝人株式会社及び連結子会社の2009年及び2010年3月31日現在の財務状態並びに同日をもっ て終了した連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況について、日本で一般に公正妥当と認められる監査基準に基づき、 すべての重要な点において適正に表示していると判断します。 連結財務諸表の注記 2 0(2)に記載されているとおり、当社は第 4 回無担保普通社債の債務履行引受契約に関連して 2 0 0 9 年 6 月 1 日に 7,199 百万円を信託財産へ追加拠出し、2010 年 3 月 31 日に終了する年度において当該追加拠出額をその他の損失として計上しています。 米ドルでの金額の表示は、単に読者の便宜のために提供されたものです。我々の監査には、円を米ドル換算した金額も含まれますが、 我々の意見では、米ドルへの換算は注記 1 に記載されている基準に基づいて行われています。 KPMG あずさ監査法人 大阪、日本 2 0 1 0年6月2 3日 和文財務諸表及び注記と監査の位置づけについて 当社は、読者の便宜のため、英文連結財務諸表と内容上の重要な相違が生じないように配慮して和文連結財務諸表を作成していますが、 和文連結財務諸表は監査済みの英文連結財務諸表を日本語に訳したものであり、あずさ監査法人(KPMG AZSA & Co.)の監査の対象 とはなっておりません。したがって、和文アニュアル・レポート所収の連結財務諸表及び監査報告書は英文が正文であり、日本語の連 結財務諸表及び監査報告書は単にその和訳にとどまるものです。 88 Teijin Limited プロファイル 帝人株式会社の概要 (2010 年 3 月 31 日現在) 帝人グループは、高機能素材とヘルスケアを中心に、8 つの事業をグローバルに展開しています。 創立 1918 年(大正 7 年)6 月 17 日 絶え間ない挑戦と変革を創業 (1918 年)以来続けてきた結果、高機能素材では、アラミド繊維、炭素繊維が世界で 本社 大阪本社 〒 541-8587 大阪府大阪市中央区南本町 1-6-7(帝人ビル) TEL:06-6268-2132(代表) トップクラスのシェアを有し、ヘルスケアでは、在宅酸素療法と睡眠時無呼吸症候群治療器が国内でトップクラス のシェアを有するなど、多くの製品やサービスが市場で高いシェアを獲得しています。 東京本社 〒 100-8585 東京都千代田区霞が関 3-2-1 (霞が関コモンゲート西館) TEL:03-3506-4529(代表) 「アドバイザリー・ボードの設置」 「取締役会改革」などの先進的なコーポレート・ガバナンス体制を 1999 年以降、 構築し、事業戦略、CSR と一体となった経営を推進しています。 決算期 株式 3月 発行可能株式の総数 発行済株式の総数 資本金 企業理念 株主数 帝人グループ会社数 Quality of Life 計 従業員数(連結) 帝人グループは 社会と共に成長します 人間への深い理解と 国内 海外 国内 海外 社員と共に成長します 豊かな創造力で クォリティ ・オブ・ライフの 向上に努めます 計 上場証券取引所 東京、大阪 証券番号 3401 三菱 UFJ 信託銀行(株) 配当額は、通常、5 月と 11 月に決議され、支払われます。 株主名簿管理人 配当 ブランドステートメント 3,000,000,000 株 984,758,665 株 708 億 17 百万円 124,769 名 76 80 156 10,197 名 8,581 名 18,778 名 株主・投資家への情報提供 会社案内 アニュアル・レポート ファクトブック 決算短信 CSR 報告書 定時株主総会 毎年 6 月末までに開催 会計監査人 あずさ監査法人 インターネットでのテイジン http://www.teijin.co.jp ホームページでは、多くの企業情報や製品情報を掲載しており、最新のアニュアル・レポートや 決算情報、ニュースリリースがご覧いただけます。 IR 窓口 広報・IR 室 〒 100-8585 東京都千代田区霞が関 3-2-1 (霞が関コモンゲート西館) : TEL 03-3506-4407 FAX:03-3506-4150 E- メール:[email protected] テイジンブランドの約束を“Human Chemistry, Human Solutions”と表現します。 この約束は、 「人と地球環境に配慮した化学技術の向上と、 社会と顧客が期待している解決策を提供することで本当の価値を実現することに挑戦し続けること」 を意味しています。 見通しに関する注意事項 本アニュアル・レポートに掲載されている内容は、種々の前提に基づいたものであり、記載された将来の予測数値や施策の実現を確約したり、保証す るものではありません。 ● 本誌内に記載されている商品の名称、サービス名称等は、帝人グループの商標もしくは登録商標です。またはその他の商品の名称、サービス名称等は、各社の商標もしくは登録商標です。 ©2010 帝人株式会社 All Rights Reserved. アニュアル・レポート 2010 http://www.teijin.co.jp Annual Report 2010 2010 年 3 月期 本誌は大豆油インクを使用しています。また、表紙及び P1 ∼ P46 までは FSC 認証紙を使用しています。 2010 年 7 月発行
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