9月中旬 夜9時頃の空 まだまだ夏の暑さが続いていますが,朝晩はずいぶん涼しくなってきました。 夜空を見上げると,頭の上には,翼を広げて飛んでいるはくちょう座の姿を見つけることができます。1等星デネブを含 めて全部で5個の星がつくる十字の星の並びは北十字と呼ばれ,はくちょう座の目じるしとなる並びです。デネブは,はくち ょうのしっぽの部分に輝き,くちばしの部分には美しい二重星として有名なアルビレオと言う名前の星が輝いています。 秋の訪れとともに,こと座の1等星ベガとわし座の1等星アルタイル,そしてデネブの三つの 1 等星がつくる夏の大三角 も,頭上から少しずつ西の空へと傾き,かわって東の空から秋の星空の目印・秋の四辺形(ペガススの四辺形) がのぼ ってくるようになってきました。星空からも季節の移り変わりを感じることがき,秋の夜長に楽しんでみてはいかがでしょうか。 天体観望会のご予約,お問い合わせは 阿南市科学センター 徳島県阿南市那賀川町上福井南川渕8-1 電話 0884-42-1600 9月の月と惑星 ☆ 月の満ち欠け 月の形 下弦の月 見える日 新月 5日 上弦の月 13日 満月 21日 28日 ☆ 惑星 水 星 金 星 火 星 木 星 土 星 日の入り後,西の低空に 上旬 見える(0.2→ 0.4 等) 4 日 東方最大離角 「明けの明星」 日の出前, 東の空に見える 中旬 次第に太陽に近づき, (-4.4 → -4.5 等) 観察は難しくなる 22 日 最大光度 下旬 中旬以降, 日の出前, 東の空に見える 【かに → しし】 (1.8 等) 日の入り後, 日の出前, 東の空低くに見える 【しし】 (-1.7 等) 南西の空に見える 【てんびん】 (0.3 → 0.4 等) 天文館夜間天体観望会 今月の見もの天体 ★ 月 望遠鏡を持つと,誰もがはじめに見たい天体の一つが月ではないでしょうか。 今からおよそ 400 年前,自作の望遠鏡を使って世界で初めて天体を観測し た偉大な科学者ガリレオ・ガリレイも,自分でつくった望遠鏡を月に向け,その様 子を記したスケッチを残しています。それまでキズ一つもないような完璧な球形 の天体だと考えられていた月が,望遠鏡で見るとデコボコで,山や谷,そしてた くさんのクレーターがある。今では考えられませんが,月も地球上と同じようなデ コボコの地形からできていることは大きな驚きでした。 月の地形(アペニン山脈付近) 現在は,インターネットや図鑑などで,探査機が撮影した月面の詳細な様子を見ることもできます。でも,やはり自分の目で見たいも のです。ガリレオが使った望遠鏡は口径数センチメートルと小さなものでしたが,科学センターの大きな望遠鏡でクレーターなど迫力あ る月の地形を観察して,ガリレオが感じた驚きを味わってみてはいかがでしょうか。 ※夜間天体観望会で月が見える日は限られますので事前に確認してください。 注目の天文現象 ★ 9月 27 日(日) 中秋の名月, 28 日(月) 今年最大の満月 今年の中秋の名月は,9月 27 日です。そもそも中秋の名月とは,いわゆ 2012 年の最大・最小の満月 (最小の満月は半影月食時に撮影) る旧暦(太陰太陽暦)の8月 15 日に見える月のことを言い,十五夜とも呼 ばれています。現在の暦(グレゴリオ暦)は,太陽の動きをもとにしてつくられ ているのに対し,旧暦は,主に月の満ち欠けをもとにしてつくられ,月が新月 になる日を毎月一日,次の新月までの期間を 1 ヶ月としていました。新月 から満月になるまで平均で約 14.76 日かかるので,15 日にはほぼ満月に 近い月が見られるようになります。 しかし,地球の周りをまわる月の軌道が正確な円ではなく少しゆがんだ楕 円になっていることなどから,新月から満月までの日数も平均から少しズレることがあり,中秋の名月が必ず満月になるとは限りません。 今年は翌日 28 日が満月となり,しかもこの満月は今年の中で最も大きく見えます。月の軌道が楕円の形をしているため,地球から 月までの距離がおよそ 36 万から 40 万キロメートルまで変化し,それに伴って月の見かけの大きさも変わります。実際に,その大きさの 変化には気づきにくいものですが,同じ条件で撮影してみるとわかりやすくなります。なお,今年最も小さく見えた満月は3月6日でした。
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