(6)校長補佐役 市が派遣 : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 教育ルネサンス 一 覧 地域が支える学校 (6)校長補佐役 市が派遣 鐘推さん(左)と職員室で話し 込むスクールマネジャーの赤木 さん(出雲市立第一中で) 校長を補佐する職員の配置を始める自治体が出てきた。 教師たちが翌日の授業準備やテストの採点を続ける島根県出雲市立第一中学校の放課後 の職員室で、スーツ姿の男性が来客と話し込んでいた。赤木亮一さん(48)。名刺には 市教委学校教育課課長補佐と「スクールマネジャー」の二つの肩書が記されている。 「昨年より多くの生徒が参加しました。小学生を助けて積極的に活動してくれました」 「来年度の活動の参考にするため、校長にも伝えます」 赤木さんの話し相手は、地元のコミュニティセンター長の鐘推(かねつき)晴夫さん(6 4)だ。学校と地域が連携して行った清掃活動の報告に来たのだった。 赤木さんの元には、たびたび来客がある。外部との電話のやりとりも多い。校長や教頭 に代わって、地域との連絡役や交渉役を担う。各校に1人、事務職員が配置されている が、マネジャーは事務面での校長の右腕という位置付けだ。法的な申請など、重要度の高 い事務も請け負う。 普段は教員らと机を並べ、給食も一緒に食べる。修学旅行にも一緒に出かける。 ◎ 出雲市が、学校現場の支援を目的にスクールマネジャーの配置を始めたのは昨年度から だ。現在、市内の拠点校5校に5人の課長補佐を派遣している。 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081209-OYT8T00224.htm (1/2)2008/12/31 7:51:37 (6)校長補佐役 市が派遣 : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 手厚い支援には事情がある。市は出雲中央教育審議会の答申を受けて2006年度、市 立の全小中学校49校を、地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクールに指定 した。 校長らから異論が出た。学校運営に口出しされることへの抵抗感や事務的な負担増への 懸念からだ。地域や学校現場の主導ではないだけに、指定後の取り組みで、学校間の温度 差も招きやすい。 そんな課題を克服しようとしたのがマネジャー配置という大胆な施策だ。旧文部省出身 の西尾理弘市長(67)の判断だった。 第一中の高瀬正博校長(60)は「最初はスパイかと思ったよ」と言って笑わせた後、 真顔で続けた。「今ではなくてはならない存在だ」 学校と、運営方針を決める理事会(学校運営協議会)の理事との連絡調整も、スクール マネジャーの業務になる。赤木さんの存在で、同中では理事会の月1回開催が可能になっ ている。職員としての経験を生かすことで、コピー用紙代節約など、コスト削減という二 次的効果も出ている。 ただ、この仕組みをどこまで広げるか、いつまで続けるのかについて、市は方針を示し ていない。スクールマネジャーが駐在していない大社小学校の松本俊憲校長(60)は 「正直に言うと、常駐の学校がうらやましい。ただ、一度慣れてしまうと、いなくなった 時の反動も大きい。市は持続可能な仕組み作りに取り組んでほしい」と訴える。 学校を支援する自治体の本気度が問われている。(向井ゆう子、写真も) 出雲中央教育審議会 2005年3月、近隣5市町と合併した新出雲市の誕生を機に、 同年7月、市長の諮問機関として設置。同12月、第1次答申として全市立小中学校をコ ミュニティスクールとするよう提言した。07年6月からは出雲市教育政策審議会も常設 され、学校運営の在り方や人材育成の議論を続けている。 (2008年12月9日 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081209-OYT8T00224.htm (2/2)2008/12/31 7:51:37
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