4年 体育科実践事例 1 .単 元 2 .指 導時 期 3 .目 標 高とび(走・跳の運動) 4~5月 ○ リズミカルに助走して片足で踏み切り、足を高く上げて跳び、ひざを 曲げてやわらかく着地することができる。 (運動・技能面) ○ 運動する場所や用具の安全に気を付けながら、友達と協力したり、教 え合ったりして、楽しく運動することができる。 (意欲・態度面) ○ めあてをもち、場の工夫をして、高跳びを楽しむ。 (思考・判断面) 4.指導にあたって 本単元「高とび」は、短い助走から調子よく踏み切って、高く跳ぶことを楽しむ運動である。 4年生という発達的特性を踏まえ、競技用のバーではなくゴムひもを取り入れ、引っかけた ときの恐怖感を軽減し、誰でも楽しみながら、高跳びが経験できるようにする。また、児童 が飽きることなく最後まで活動することができるように、高跳びにつながるさまざまな感覚 を身につける運動を取り入れ、毎時間記録の伸びを確かめられるように展開していく。 学習指導過程の「はじめ」の段階では、低学年で経験した「跳び遊び」を実際に行い、片足 踏み切りや両足踏み切りなどを思い出させる。3歩で行うリズミカルな助走がより高く跳び やすかったことや片足で強く踏み切る方がより高く跳べたことを確かめさせる。また、高跳 びにつながる感覚を身につける運動「8の字跳び」を通して、自分の踏み切り足となる利き 足を見付けさせる。 「なか」の段階では、1単位時間を「ねらい1」 「ねらい2」に分け、前半は「ねらい1」 として高跳びにつながるさまざまな感覚を身につける運動をする。片足でのバランス感覚、 リズミカルな助走、強い踏み切り、より高い足の振り上げ、ひざを曲げてやわらかく着地す ることなどを身につけさせる。後半は「ねらい2」として、跳び比べをする。3歩助走で高 さに挑戦しながら、前時からの記録の伸びを比べる。 「まとめ」の段階では、今までに学習してきたことを生かして、跳び比べ大会を行う。自己 記録の更新に挑戦して、これまでのクラス全体の記録の伸びを全員で確かめ合う。 主な言語活動は、話し合い活動となる。学習を進めていくポイントは、①どのような助走か ら踏み切ったらよいのか(=助走・踏み切り) 、②どのような着地をしたらよいのか(=着地) を、常に意識させる。この2点にかかわる具体的な気付きを発表し合う。また、児童のよい 動きや望ましい態度などを見付けたら、一つ一つ取り上げ、評価し、クラス全体に広め、よ りよいコミュニケーションが図れるようにしていくことも大切である。 この単元での基本重要語彙 感覚づくり(の運動) 助走 踏み切り足(利き足) ○ 友達の動きを見て、気付いたことやがんばっていたことを 伝え合う。 この単元で重視した言語活動 ○ 運動する場の工夫や安全について話し合う。 ○ 学習を通して、気付いた動きや感覚、できるようになった こと、がんばったことなどを書いたり話したりする。 5.学習指導計画(全6時間 0.5h×6) ●印は主なコミュニケーションの場 次 時 は 1 学習活動の流れ 指導上の留意点 リズミカルに助走して強く足を振り上げ、高く跳ぶことができるようにするとい う学習のねらいを知り、単元全体の見通しをもつ。 じ 1.学習のねらいや方法を知り、 ○学習のねらいがとらえやすいように掲示物を準備 学習の見通しをもつ。 する。 ・ゴムひもを力強く跳び越す。 ○用具を準備する。 ・幅 1.5 ㎝のゴムひも(長さ3m程度) ・支柱(1㎝間隔の目盛り入りの棒) (各グループ2本ずつ) 2.片足や両足でゴムひもを跳び ・どのように助走すればいいですか。 越す。 ・跳び越しやすい助走の歩数 を思い出す。 ・タン、タン、ターンのリズムで跳びます。 ・グループ(1グループ5人 程度)に分かれる。 ・勢いをつけて、強く踏み切ります。 ・2人がゴムひもを持ち、交 代して跳び越す。 ・ 「8の字跳び」を繰り返し、 自分の踏み切り足をつかむ。 め 3.学習のまとめをする。 ●わかったことやがんばった ことを発表する。 ○以後、毎時記録を取っていく。 【ワークシート①】 「記ろくカード」 な 2 3 か (ねらい1)高跳びの感覚づくりをする。 1.本時のねらいや学習の進め方 を確認する。 ・高跳びがうまくできるような、感覚づくりの 運動をしよう。 ・自分の利き足を見付けよう。また、リズム 本 時 2.グループで準備をする。 ( ) 4 高跳びを楽しむ。 3.感覚づくりの運動をする。 ・リズミカルに助走する。 ○跳んでいる様子やつぶやきをとらえ、その場で励 (3歩助走で) ましたり、助言したりする。 ・ 「8の字跳び」 「0の字跳 び」で足の振り上げを意識 ・大なわ跳びのように、何度も跳ぶんだよ。 する。 ・空手家のような「2段げり跳び」 ・ 「2段げり跳び」で、ひざ をしよう。 を曲げて、 やわらかい着地 ・音を立てずに、着地してごらん。 をするように心がける。 5 よく跳ぼう。 高跳びを楽しむ。 (ねらい2)記録に挑戦する。 4.自分の最高記録に挑戦する。 ○よい動きをしている児童を見付けたら、その時に ●友達の跳び方を見て、よい 称賛の言葉や励ましの言葉をかけるとともに、ま 動きを見付けてまねをした わりの児童にもそのよさを見付けさせ、クラス全 り、称賛の言葉や励ましの 体に広めるようにする。 言葉をかけたりする。 5.学習のまとめをする。 ○友達どうし協力して励まし合ったり、教え合った ・グループごとに記録を発表 りしているところを見付けたら、クラス全体に紹 し、前時からの伸びを比べ 介し、そのよさを称賛するようにする。 る。 【ワークシート②】 「ふりかえりカード」 ・ゴムから離れて踏み切ると、うまくいか ないね。 ・腕も振ると、体が持ち上がる気がする。 ●友達のがんばっていたとこ ろや他のグループが工夫し ていたところを伝え合う。 ま と 6 ・強く踏み切ると、跳ね返って高く跳べた。 跳び比べ大会をする。 1.本時の学習の進め方を確認す ○跳ぶ回数や順番など、跳び比べ大会の簡単なルー る。 ルをあらかじめ決めておく。 め 2.感覚づくりの運動を取り入れ た練習をグループで行う。 3.跳び比べ大会をする。 ○応援の仕方を工夫するなど、みんなが跳び比べ大 ・グループ全員が跳べる高さ 会を楽しめるようにする。 から順番に挑戦していく。 ・自分の最高記録を確かめる。 4.学習のまとめをする。 ○大会の MVP や単元を通してがんばっていた児童 ●自分ががんばったところや を見付け、称賛の言葉をかけたり、拍手をしたり 友達のよかったところを伝 して、みんなでそのがんばりを認め合うようにす え合う。 る。 ・自分ががんばったことや友達のよかった 5.単元のまとめをする。 ●本単元を通して、自分が一 番がんばったことや感想を 発表する。 ところを発表しよう。 ・記録が伸びると、高跳びが好きになるよ。 ・うまく跳べたときは、コツを教えたくなる。 ・友達の足の上げ方をまねして、高く跳べた。 6.本時の展開(4/6) 使用するワークシート【ワークシート②】 ●印は主なコミュニケーションの場 学習活動の流れ は じ 1.本時の学習内容・ねら ○学習課題を確認し、本時の見通しをもて いを確認する。 るようにする。 力強い高跳びをしよう。 2.用具の準備をする。 め な 指導上の留意点 3.グループごとに高跳び のための感覚づくりの 運動の練習をする。 (ね らい①) ・8の字、0の字跳び ・2段げり跳び ・踏み切り板を使って跳ぶ 4.グループで自分の記録 に挑戦する。 (ねらい②) ●友達のがんばってい るところやよい動き を見付けることがで きるようにする か ○安全に気を付けて、友達と協力して準備 できるようにする。 《準備するもの》 移動黒板、ねらいと学習内容を書いた掲示、 ゴムひも付き高跳び用支柱 ○グループで相談をしながら、活動できる ようにする。 《準備するもの》 ミュージックタイマー ○最後まで力一杯高跳びができるようにす る。 ・友達が跳ぶ時の足の動き、位置、 向きに注目してみよう。 ・飛び越す場所や着地する場所はど こがいいのかな。 課題解決のためグ ループで話し合いを 進める。 (この場合 高跳びのための感覚 づくり) グループで練習する 中で、互いに助言し 合ったり励まし合っ たりする。 助言のポイント ・助走 ・踏み切り ・着地 よいコミュニケー ション関係を作るこ とができる。 ・振り上げ足が、高く上がっていた。 ・強い踏み切りをまねしてみよう。 ・足の裏を向こう側に見せるように、 振り上げればいいんだ。 ・ゴムひもの真ん中を跳ぶんだね。 ま と 5.本時のまとめをする。 ○今日の結果を確かめ、次時の励みにする。 ・今日のクラス全体の伸び ○助走・踏み切り・着地の仕方で工夫して (全員の記録の合計)を いたことを取り上げるようにする。 確かめる。 ・がんばったことや友達のよい動き ・学習カードを使って、自 を発表しよう。 己評価する。 ●自分のがんばったところ ・8の字跳びは、利き足を確かめる や友達のがんばりで気付 のにとても大切な練習だよ。 いたことを発表する。 ・Aさんは、強い踏み切りができて いました。 め ・ぼくたちはグループで教え合いを しました。 6.整理運動をする。 7.後片付けをする。 ○使った部位をほぐすようにする。 ○みんなで協力して、安全に後片付けをす るようにする。 運動量を確保する ため、 振り返りカー ドを活用し、短い 時間で端的に気付 いたことを発表で きるようにする。 ワークシート活用のポイント 【体-4年 ワークシート①】 高とび 記ろくカード 4年 [ 組 ) もくひょう 目 標 となる高さをしらべて、記入しましょう。 もくひょう ひざの高さ 32 cm 第1目標 また下の高さ 54 cm 第2目標 へその高さ 68 cm 第3目標 もくひょう ○毎時間の自分の記録の伸びを記録してい くことで、記録の伸びにつながった理由 や工夫を想起できるようにする。 ○記録の伸びが小さかったり、なかったり した場合には、今日の学習を振り返り、 どこに原因があったのかを考えられるよ もくひょう ② 毎時間の記ろくを記入しましょう。 とべた高さ 重視した言語活動 「学習を通して、気付いた動きや感覚、で きるようになったこと、がんばったこと などを書いたり、話したりする」 ]グループ ひまわり ① 名前( 前のじゅ業からののび 1時 50 cm 2時 58 cm 8 cm 3時 62 cm 4 cm 4時 67 cm 5 cm 5時 71 cm 4 cm 6時 75 cm 4 cm うにする。 【体-4年 ワークシート②】 高とび 4年 ( 月 重視した言語活動 ふりかえりカード 組 名前( ) 日)の学習「高とび」をふり返りましょう。 ① 楽しかったですか。 ( はい ・ いいえ ) ( はい ・ いいえ ) ② せいいっぱい がんばりましたか。 ③ きまりを守って、友だちとなかよく活動できましたか。 ( はい ・ いいえ ) ④ うまくなったと思うことがありましたか。 ( はい ・ いいえ ⑤ 「こうすればいいんだ」 ) とわかったことがありましたか。 ( はい ・ いいえ 先生やみんなに知らせたいことを書きましょう。 ・足のうらを前に向けてとぶとよいことがわかった。 ・強くふみきって、ひざを高くふり上げるとよい。 ・着地では、ひざをやわらかくまげることを心がけた。 ) 「友達の動きを見て、気付いたことやがん ばっていたことを伝え合う」 「学習を通して、気付いた動きや感覚、で きるようになったこと、がんばったこと などを書いたり、話したりする」 ○今日の学習を振り返り、自分のがんばっ たことや友達のよい動きを見て、どのよ うなことを感じ、気付いたのかを簡潔に 記入できるようにする。 ○発表用のメモあるいは原稿として、活用 してもよい。
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