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白石:皆さんこんにちは。
勝木:こんにちは。
白石:いよいよ動画も第 2 回になったんですけれども、今回の動画では、なぜ英語が皆さん
10 年以上勉強してきたのに話せないのか、理由が 2 つあると言ったんですけども、そ
の 2 つ目の理由を皆さんにこれから説明していきたいと思います。
それでは、まず単刀直入になんですけど、その 2 つ目の理由を教えてもらってもいい
ですか?
勝木:一番大きなところは、効率の悪い勉強法を 2 つの意味でやっているということですね。
白石:なるほど。「効率の悪い」というのは、ちょっと僕的にあまりイメージが湧かないん
ですけど、どういうことですか?
勝木:効率が悪いというのは、本来は 3 ヶ月でできるものを 1 年とか 2 年をかけてやるとか。
まったく必要のないものを頭に入れて、実際に使えるやつは入れないと。そういうの
が非効率なやり方ですね。
白石:なるほど。先生も外資系に長くいらっしゃるので、結果達成主義というか。
勝木:そうですね。「頑張りました!」はダメなので。結果を出さないといくら頑張っても
ダメなので、やっぱり結果を出すということが一番大事ですよね。
白石:しかも最短の効率的な方法でというのがすごく大事だということですね。
では、その 2 つの非効率な方法というのを、皆さんがどんなことを今までやってきた
のかということを今から説明していただきたいと思うんですが、1 つ目はどういうこ
とですか?
勝木:1 つ目は、まず、普段の英語のコミュニケーションでほとんど使われないようなフ
レーズをどんどんどんどん頭に入れていっているということですね。
白石:「フレーズ」って分からない方もいらっしゃると思うんですけど。
勝木:なるほど。ひと言で言うと「例文」ですね。
白石:一つの組み合わせみたいなものですね。言葉の組み合わせで作られた例文を、必要の
ないものばかり覚えていると。
勝木:普段使わないようなものばかり覚えていると。
白石:例えば?
勝木:例えば、英会話学校などに初めて行くと習うのが” This is a pen.” とか、”He is
Mike.”とか。こういうやつをやりますけど、結局全然使わないですよね。
白石:”This is a pen.”とか”This is a watch.”とか、言ったことないですよね。言わなくて
も分かる。
勝木:”I have a book.”とかね。「私は本を持っています。」こういうのはもうあり得ない
ですよね。まったく使えない。
白石:皆さんもそれを日本語に置き換えてみて、考えていただければ分かると思うんですけ
ど。「これはペンです」とか「これは本です」て誰に言うの?っていう話ですよね。
勝木:まさにそうです。あと、ネット上で非常に人気がある英会話スクール、自分で購入し
て、どんなのをやってるんだろう?と思って見てみたんですね。じゃあどんなフレー
ズが出てきたかと言うと、今から言いますけど、”An elderly gentleman looking up
at the painting on the wall hanging at a slant sighed deeply.” これってどうい
う意味か分かりますか?
白石:いや、ちょっといまいち分からないです。
勝木:分からないですよね。僕もこれを聞いてもスっと頭に入ってこないと思うんですよね。
意味的にはどういう意味を言っているかというと、「ある初老の紳士が壁にかかった
斜めに傾いた絵画を上に見つめながら、はあ~と深くため息をついた」と。こんなフ
レーズを覚えて…。
白石:いやあ、これは一生のうちに、1 回使うチャンスはたぶんないですね。
勝木:ないです。あと 20 年生きて、30 年 40 年やっても、もう使わないですよね。これを
覚えさせようというふうな形で発音練習をやってるんですよね。
白石:もう1回確認なんですけど、これをネットで有名な英会話スクール、なので受験じゃ
ないじゃないですか、会話を覚えさせるためのスクールでこういう例文を覚えさせて
いたと。
勝木:ビックリしましたね、逆に。
白石:でも先生、そういった例文は覚えてもあまり意味がないということなんですかね?
勝木:そうなんです。あまり意味ない、というか全然意味ないですね。なぜかというと、
やっぱり普段使わない表現ばっかりを覚えても、コミュニケーションができなかった
らまったく意味がないですよね。何のために覚えるんですか?ということになります
よね。
白石:そうですね。なんでそういう、意味のない例文とか英語の構文とか僕らは覚えさせら
れてるんですかね?それはそもそもの疑問になるんですけど。
勝木:やっぱり、それぐらい難しいことをいろいろやらないと、テストの点で差がつかない
ということですよね。
白石:確かにそうかもしれないですね。
勝木:簡単なことばかり、日常で使うことをやっていると、皆すぐマスターしてしまって差
がつかなくなるから受験には意味がないということじゃないかなと僕は思うんですね。
白石:なるほど。どれだけしゃべれるかが受験だったらいいですけど、どれだけ英語を知っ
てるかというのが受験になってますから、やっぱり難しいことをどんどん覚えていか
ないと、世の中頭がいい人はいっぱいいますからね。それで偏差値とか点数の差をつ
けるようなシステムになっているということですよね。なるほど。 じゃあ、 “勝木流”の英語がどういうものなのかというのを今から説明していただき
たいんですけど、そういうものとは全然違いますか?
勝木:そうですね。まさに、一番大事なのはよく使うものしかやらないということです。よ
く使うフレーズしかやらない。でもこの、よく使うやつって一見簡単ですよね。
白石:例えば?イメージが湧かない人もいっぱいいると思うので。
勝木:よく生徒さんでおっしゃられる方がいるんですけど「こんなに簡単なのばっかりやっ
て大丈夫ですか?」と。例えばどんなやつかというと、「そこのお塩を取って」とか
言うじゃないですか。
白石:言いますね、食事は毎日してますから。ちょっと塩味を足したかったら「塩取って」
と言いますね。
勝木:これはどう言うか覚えてますか?
白石:”Pass me the salt.”
勝木:そう、発音も最高ですね。
白石:もう条件反射ですからね。
勝木:”Pass me the salt.”ですよね。例えば「申し訳ないけど今日は行けないんだ」と言う
のは何て言いますかね?
白石:”I’m afraid I can’t go.“
勝木:”I’m afraid I can’t go.“ もうバッチリですよね。
白石:もう当たり前ですね。
勝木:当たり前に出てきますよね。あとは何がいいかな。じゃあ、「携帯番号を教えてよ」
という時に英語で何て言いますかね?
白石:”Tell me your cellphone number.“
勝木:よく覚えてますね。”Tell me your cellphone number.“ だいぶん前ですけどね。
白石:これもやっぱりよく使いますからね。普段いろんな人と知り合って仲良くなったら、
「ちょっと携帯電話番号教えて」っていう時にすぐ使うので。これも、何回も何回も
反復していたことなんですけど。皆さん、逆に、今この動画を見ていただいているあ
なたはいかがですか?これ、今 3 つ言って、僕は条件反射的に英語バージョンを言っ
たわけですけれど、言われた瞬間にそれが出てきますか?ということですよ。皆さん
は聡明な方じゃないですか。ずっと、小・中・高・大と受験戦争の中で生きてきて、
英語を学ばれてきた方ばかりだと思うんですけど、こんな簡単なフレーズすらも言え
ない方がたぶんほとんどだと思います。僕も、やっぱり受験時代を思い出したんです
けど、いろんな難しい英語を覚えましたよ。例文とか、シェークスピアとかやったり
しましたね。
勝木:シェークスピアをやったんですか!?
白石:やりました。
勝木:「我、汝を愛す」とかそういうやつを英語で。
白石:そういうのをいっぱい覚えて、こんな難しいことを覚えてるんだから英会話大丈夫だ
ろうと鷹をくくってやったわけですけど、実際に外国人の人と話してもまったく使え
ないというところで、僕は今まで何をやってきたんだろう?とすごく落ち込んできて
たんですけど、そういう人が今目の前にすごくたくさんいるということなんですよ。
勝木:そうですよね。やっぱり、そういう、苦しんで苦しんで受験勉強で英語をしてきた人
たちをやっぱり助けたいというのが、僕の願いですよね。だから、それは一切やらな
くていいんです。やる必要のあるのは、簡単な、さっき言った「塩をちょっとまわし
てよ」とか、もしくは「携帯番号教えてよ」とか。こういうのがやっぱり大事だとい
うことを皆さんに伝えたかったんですね。
白石:それを使えれば、本当に会話って難しくないですからね。
勝木:こういうのって、普通テストに出ないんですよね。
白石:出るはずないですよね、みんなできちゃいますからね。
勝木:そうそう。やったらできるんで、それがテストに出ないっていうことは、やっぱりそ
れだけ差がつかないということでしょうね。差がつかないから、もっと難しいことや
らせて、英語のレベルを上げようとしているんだけど、実際にはコミュニケーション
のレベルは全然上がってないということでしょうね。
白石:ありがとうございます。じゃあ、非効率な方法 1 つ目というのは、皆さんが実際に日
常で使うフレーズをまったく皆さんは覚えていないと。無駄な勉強ばっかりして、難
しいことばかり頑張って覚えてきたと。皆さんのせいじゃなくて、それは日本の英語
教育のシステム上の問題なので、皆さんの責任ではまったくないんですけど、それと
英語を実際に使って話すというのは、まったく覚えることが別なんだよということで
すね。
勝木:そういうことですね。
白石:それでは、2 つの非効率な勉強法ということなんですけど、その 2 つ目を今からご説
明をお願いいたします。
勝木:2 つ目の非効率な勉強法としては、やっぱり単語だけを覚えていっているということ
ですね。単語さえ覚えれば通じるという妄想を持っているのが日本人です。
白石:世の中書店に行ってくださいよ。そうしたら、『単語 2800』『単語 5000』『単語
8000』とか、もうざらのようにあって、皆さんはそれを見て、まるで日めくりカレ
ンダーのように赤線をしながら下敷きで隠して、「あ、これはこれだ」とやられてる
じゃないですか。
非常に努力されてると思うんですけど、それはなんで間違ってるんですか?
勝木:単語だけ覚えても、それを並べたところで通じないということです。だから、1 番重
要なところは、日本語と英語は性質が違うということなんですよね。どういうふうに
違うかというと、日本語の場合は、単語を適当に並べてもだいたい意味が通じるわけ
です。
一方で英語は、単語の並び順が大事で、並び順を間違えたら、これはもう通じないん
です。
白石:「並び順」すなわち「語順」のことですね。
勝木:語順をきちっと話さないと英語は通じないけども、日本語は通じるというわけです。
白石:ちょっとそれ具体例を使って説明していただきたいんですけど、まずは日本語から教
えていただけますか?
勝木:日本語は語順を間違えても意味がちゃんと通じるということですよね。例えば簡単な
やつでいくと、「私が寿司を食べた」と。
白石:週 1 くらいで使いますね。
勝木:週 1 で使いますか。「寿司を私が食べた」でも分かりますね、これ、入れ替えて。も
う一つ入れ替えて「私が食べた、寿司を。」
白石:全然通じますね。
勝木:全部通じますね。だから、語順を入れ替えても全然通じるわけですよ、単語さえ分
かっていれば。これはなぜかというと、やっぱり「助詞」があるからです、日本語は。
助詞というのは、「を」とか、さっき言った「私が」とか「寿司を」。その「が」と
か「を」があるからこそ、日本語は通じるわけですよね。語順をごちゃごちゃに入れ
替えても。
白石:助詞をうまく使うことによって、語順はバラバラでも日本語として意味が通じるよう
になってるのが日本語なんだよと。そういうことですよね。
勝木:ルー大柴の面白いギャグでやってますよね。英語の単語をあちこち繋げて、「を」と
か「が」とか助詞でつないでいくやつが日本人にとっては分かりやすいですよね。日
本人は単語を全部知っていますから、だいたい受験戦争でやってきて。だから、単語
を知っているから、つないだら分かるからすごく嬉しい気持ちになるんですよね。単
にギャグというところじゃなくて、分かるから嬉しいっていうのもあると思うんです
よね、ルー大柴のやつが。でもこれが、外国人に対してルー大柴の英語を持っていっ
たら、一切通じないですよね。
白石:まったく通じない。外国人のルールはまったく別のルールから、そんなやり方を適用
して海外旅行に行って、知ってる単語を並べて、なんとなく意味が通じるというのは
大きな間違いだよと。それをじゃあ具体的な例を使って、今から、英語がどういう語
順で成り立っているものなのかっていうのを、皆さんに説明したいと思います。
勝木:さっき、日本語は語順を入れ替えても全然大丈夫ですねという話をしましたよね。英
語は、語順を入れ替えたら大変なことになるんです。全然分からなくなるんです。要
するに、語順っていうのは何かというと、単語の位置をどこに置くかということです
ね。それが間違えていると大変なことになると。具体的にいくと、さっきの寿司の例
でいきますね。「私が寿司を食べた」だったら、”I ate Sushi.”ですよね。この語順
を入れ替えて、”Sushi ate me.”だったらどうなりますか?
白石:「寿司が私を食べた。」
勝木:なんか怖いですね。
白石:ちょっとしたホラー映画みたいになっちゃいますけど、これはなぜかっていうと、皆
さんお分かりの人もいらるかもしれないんですけど、助詞が英語にはないんですよね。
勝木:そうですね。助詞が英語にないから分からないということですよね。
白石:助詞がないから、器用に入れ替えても意味が通じるわけじゃないんだよと。
勝木:そうですね。置く場所が大事なんですね。例えば“Sushi”を最初に持ってきたら「寿
司が」になるわけですね。“Sushi ate me.”ですから。だから、「私が」を最初に
持ってくれば“I”を最初に持って来れば、自動的にそれが「が」になっちゃうわけで
すよね。だから分かりやすいということですね。
白石:なるほど、そうなってくると、日本語と英語で根本的な語順という特質の違いがある
ので、単語だけ覚えていたらまったくダメですね。
勝木:そうです。単語だけ覚えていれば通じるとういうのは、もう日本人の妄想ですよね。
だから、単語だけ並べて話す人がよくいますけども、これはほとんど英語が通じない
ですよね、外国人の人に。語順がむちゃむちゃだから。白石さんも昔はそうだったん
じゃないですか。
白石:昔そうでしたね。結構落ち込むんですよね。やっぱり、知ってる単語でなんとなく通
じるなと思って、日本で外国人の人と知り合ってしゃべってみたり、海外旅行に行っ
て自分の精一杯の勇気を振り絞るじゃないですか。やっぱり外国人と話すということ
はけっこう勇気のいることなんで。勇気を持って自分の覚えている単語をつなげて何
かを伝えたいわけですよ。でも、頑張って伝えたのに、相手はいたってよく分からな
い顔をしていると。もう英語を勉強する気がなくなっちゃいますよね、そうなってく
ると。僕もこれ今まで何回も繰り返してくじけたことがあるんですけど、それも今ま
での教育で教えてくれればよかったんですけど、語順の違いなんですね。もともと
持っている性質の違いだということですね。
勝木:白石さんみたいに、有名大学出て、難しい受験勉強をやってきていっぱい単語を入れ
てきた人でもやっぱり話せなかった、昔は。それはやっぱり、単語だけを並べ替えて
やっていたと。それだけが問題だったと。
白石:じゃあ逆に言うと、その語順を意識して日常生活に使うフレーズだけを覚えれば通じ
るということですね。それが”勝木流”と言い換えれるんですか?
勝木:おっしゃる通りです。ただ、意識すると言っても意識って難しいじゃないですか。何
番目に置くとか、さっきのやつも覚えるのは難しいので、それを意識するんじゃなく
て、もうフレーズごと単語を覚えていくということですね。
白石:何か言いたいなと思ったら、頭の中で「これだったら語順をどうつなげなきゃいけな
いんだよ」と考えるのではなくて、言いたいことをまるまる覚えていればそれをする
必要がないですからね。
勝木:そうなんです。あとで気がついたら「ああ、こういう順番になっていたんだな」とい
うことで分かってくるということですよね。
白石:ありがとうございます。それにプラスアルファして、使わない英語の表現を一切排除
すると。使うものだけやるということですね。
勝木:そうですね。だから語順をきちっとやった、よく使う例文もしくはフレーズ、これだ
けを頭に入れていけば、勝手に正しい語順で入ってくる。すばらしい、よく使うやつ
だけ入ってくるということですね。
白石:単語を覚えることから抜け出して、いろんな例文を覚えていた人もいると思うんです
けど、かなり膨大な時間とお金を今まで皆さん無駄にしてた人が多いんじゃないでし
ょうかということですね。これを効率的に最小限の例文を覚えてそれを日常生活に使
いましょうというのが今の説明だったと思います。
では、今の動画の内容をもう一度まとめたいんですけど、なぜ 10 年以上英語を勉強
しても、あなたは英語をしゃべれなかったのかと。その理由の 2 つ目を今回は説明し
ました。その 1 つは、まず、無駄なことを覚えすぎているということですね。
勝木:そうですね。やっぱり普段の会話では使われないフレーズばっかりを覚えるのに時間
を取られているということですね。
白石:2 つ目が、皆さんは語順について理解をしていなかったので、単語ばかりを覚えて意
味が相手に伝わっていなかったということですね。
勝木:ルー大柴的に単語をつなげればいけるというのは、あれはなぜ日本人が分かるかとい
うと、「を」と「が」でつながっているわけですよね。助詞をつけているから日本人
は分かるんだけれども、助詞なしで外国人に言ってもまったく通じないですね。だか
ら語順をきちっと正しいやつをそのまま、まるごと覚えるということですね。
白石:まるごと覚えて、まるごと条件反射的に出すだけだと。非常にシンプルですね。
勝木:シンプルです。僕自身もそんな難しいことはできないので。やっぱりシンプルなやつ
を皆さんに分かりやすく伝えるというのが僕の役割だと思ってますので。
白石:ありがとうございます。では、次回からは、なぜ英語を勉強してもできなかったのか
というところは終わりまして、実際に 3 ヶ月という短い時間でどうやったら英語がペ
ラペラになれるのかという具体的な方法を皆さんに説明していきたいと思いますので、
これが勝木先生の真骨頂なわけですよね。こちらを説明できるのをすごく楽しみにし
ておりますので、皆さん、ぜひ次回の動画も楽しみに待っていただければと思います。
今回も長い間ご視聴いただき誠にありがとうございました。またよろしくお願いしま
す。
勝木:ありがとうございました。
(おわり)