欧州のストレステストの実施について (PDF)

ご参考資料 2010年7月9日
欧州のストレステストの実
実施について
7月7日、欧州銀行監督者委員会(CEBS)は欧州の91の銀行を
を対象としたストレステスト(銀行健全性審査)の実施概要を
発表しました。この主な概要と弊社グループの見解につき、シ
シンガポール拠点からのコメントをお伝えします。
欧州のストレステスト(銀行健全性審査)の概要:
EU銀行セクターの大半を対象に実施
今回のテストは各国銀行セクターの50%の総資産を占め
る銀行を対象とし、EU銀行セクターの65%をカバーするこ
ととなります。 各行は連結ベースでの自己資本の耐久力
や マーケットおよびソブリンリスク発生の際の公的支援へ
や、マーケットおよびソブリンリスク発生の際の公的支援へ
の依存度を査定されます。このテストの結果は、7月23日
に総計ベースおよび各行ベースで公表される予定とされて
います。
昨年米国で実施された同テストの目的は、「損失の打撃の
大きさを測る」ことではなく「市場の信頼の回復」に重点を
おいたものであり、その主な目的は達成されたと考えてい
ます。つまり、市場の回復により損失の大きさは緩和され、
それが信頼の回復につながったということです。米国の銀
行はテスト後に増資を実施しましたが、これはいずれも損
失の吸収を目的としたものではありませんでした 増資なし
失の吸収を目的としたものではありませんでした。増資なし
ではテストの求める中核資本の要件を満たせなかったと想
定されますが、マイナス要因にはならなかったわけです。
テストにあたっては、GDP成長率・失業率・CPI(消費者物
価指数)などのマクロ経済シナリオが織り込まれますが、
EU諸国とその他欧州地域や米国では基準が異なります。
EU諸国とその他欧州地域や米国では基準が異なります
またシナリオには金融市場の状況悪化や金利下落を織り
込みます。そして、ソブリンリスクについては2010年5月上
旬と類似した状況の悪化を想定しています。加えて、欧州
委員会(EC)が予想するEUのGDP成長率が、2010年予想
の1%および2011年予想の1.7%から3%ずれることも想定
しているという点は明らかにされていますが、査定内容の
詳細については発表されていません。
今後の見通し:
ストレステストの結果の信憑性
過去の実施例 米国のストレステスト:
株価の大底圏の時期に実施
アジア市場への影響:
比較的限定的との見解
2009年4月に米国で行なわれたストレステストの時期が株
式市場の大底と一致していたということは
式市場の大底と
致していたということは、単なる偶然で
単なる偶然で
はないだろうと考えています。
欧州の財務問題はアジア市場にも影響を及ぼしましたが、
弊社グループとしてはこの混乱は過熱しすぎと考えていま
す。 今後の欧州動向のアジア諸国への直接的な影響で
すが、域内には欧州国債を保有している銀行は少なく、
また投資額も少ないことから最小限に留まると想定してい
ます。また、アジア諸国の対欧州の輸出額は各国のGDP
の10%にも満たない水準です。輸出ではなく、国内消費が
アジア成長の原動力の鍵であり、今後も経済を牽引してい
くと考えています。
くと考えています
テストの詳細等は不明な点も多いのですが、弊社が入手し
た情報によると、今回の欧州での審査は金融市場の大き
な下落を前提としたものではないようです。例をあげると、
GDP成長率予測が2010年の1.0%、2011年の1.7%から3%
程度のみの調整幅となっています。
欧州の規制当局は、テスト結果の心証をよくするためにい
欧州の規制当局は
テスト結果の心証をよくするためにい
ろいろな工夫を行なう可能性もあるのではと考えています。
一番のポイントは、グローバル金融市場が、発表された結
果を信じるかどうかという点です。これはその後の欧州金
融市場の動向に現れるでしょう。現状、弊社グループでは
欧州銀行は、米国と異なり市場本位の資金調達に依存し
ており、中央銀行による救済が難しいため、欧州諸国の
信頼回復は厳しい道のりだと考えています。
信頼回復は厳しい道のりだと考えています
また、テストの基準には国債のデフォルトやリストラクチャリ
ングの仮定が含まれているかどうかには疑念を持っていま
す。当局が真剣に取組む姿勢なら、ギリシャ国債について
は50%の担保価格の割引(ヘアカット)が適用されるべきだ
と考えていますが、現在のシナリオにおいては、欧州諸国
が債務不履行を起こすことは想定されておらず、17%程度
にとどまるようです。
OT99MK100709(02)
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