都留市行政対象暴力対応マニュアル

都留市行政対象暴力対応マニュアル
都留市行政対象暴力防止対策委員会
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都留市行政対象暴力対応マニュアル
暴力団は、麻薬、覚醒剤の密売や恐喝など、善良な市民を相手に悪事を重ねる犯罪
者集団です。
住民の安全を守り、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務する公務員として
は、暴力団及びその関係者若しくは暴力団及びその関係者と思料される者(以下「暴
力団」という。)の悪事はもちろんのこと、その存在すら許してはならず、住民の先
頭に立って暴力団排除の模範を示さなければならない。
本マニュアルは、暴力団の排除がすべての公務員の社会的使命であることを自覚し、
暴力団からの被害を防止するための対処方針等について取りまとめたものである。
Ⅰ.
暴力団の攻撃パターン
・・・・・・
3頁
Ⅱ.
暴力団の脅しのテクニック
・・・・・・
4頁
Ⅲ.
暴力団から不当な要求があったら・・・
・・・・・・
5頁
Ⅳ.
暴力団対応10則(具体的な対処方針) ・・・・・・
6頁
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Ⅰ.
暴力団の攻撃パターン
1. 接近
暴力団は、資金の獲得しやすい公務員個人に標的を定め、様々な名目で接近を
図ってくる。
2. 攻撃
公務員との接触に成功すると、「名目」を盾に因縁を付けたり、無理難題を吹っ
かけるなど、あらゆる脅しのテクニックを用いて、公務員に恐怖、困惑等、心理
的に圧力をかけてくる。
3. 目的達成・再攻撃
公務員があきらめて金を出すと、目的を達成したということで、一時的に姿を
消しますが、その公務員は「金のなる木」 とランク付けされ、当該暴力団又は別
の暴力団から再攻撃を受けることがある。
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Ⅱ.
暴力団の脅しのテクニック
1. 恐怖感
目的である金を得るには、まず、自分が暴力団の構成員であることを応対者に
分からせる必要があり、そうすることにより、応対者が勝手に暴力団のイメージ
で恐がることになる。
2. 精神的・肉体的疲労
応対者を精神的・肉体的に疲れさせ、その結果、要求を受け入れさせようと画
策する。
その方法として
・長時間居座る
・電話で再三要求する
・大勢で押し掛ける
などが上げられる。
3. 業務妨害
これも、表立って妨害をすれば取締りの対象となる。
そこで、政治活動等に名を借りたりして、
・街宣活動等を繰り返す
・大勢で役所周辺をうろつく
・忙しい時間帯に面会を求める
などの方法により、間接的に妨害をしてくる。
4. 役割分担
応対者から金を出させやすくするために、強引に要求を突き付ける役と、適当
な妥協案を提示して話をまとめる役というように、「脅し役」と「なだめ役」の
役割分担をしている。
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Ⅲ.
暴力団から不当な要求があったら(初期的な対処方針)
1. 相手の出方を知っておく
スキャンダルに付け込むきまり文句
・世間に公表するぞ。
・新聞に発表するぞ。
・上司に言うぞ。
2. 暴力団との対決意識を持つ
【恐れない】
暴力団は、警察に逮捕されることを最も恐れている。
手を出すようで出さないのが暴力団と心得て、脅しに負けないようにする。
【妥協しない】
安易な妥協は、相手につけ入るスキを与える。
当方にミスがなければ、絶対に謝らないようにする。
3. 証拠資料を集める
民事訴訟や刑事事件を念頭に対応する。
そのためには、応対状況の録音やビデオ撮影が効果的であり、氏名、車両ナン
バー等をメモするなど、証拠資料の収集に努める。
4. 個人での対応は避ける
【上司への報告】
トラブルが発生したときは、できるだけ早く上司へ報告する。
【組織での対応】
発生事件の対応措置状況については、都留市行政対象暴力防止対策要綱第 7 条
に基づき、「行政対象暴力発生報告書」を都留市行政対象暴力防止対策委員会
(以下「対策委員会」という。)へ遅滞なく提出する。
ターゲットは金
~
公務員からは金が取れると思っている
公務員は生活が安定しており、しかも、信用問題を恐れるので、脅せば
金を出すと思っている。
金がない者に対しては、サラ金業者に連れて行き、公務員の信用を利用
して金を借りさせる。
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Ⅳ.
暴力団対応10則(具体的な対処方針)
1. 応対場所の選定
基本的には、相手の土俵である組事務所や、密室は避け、衆人環視の場所が適
当である。
【相手に押し掛けられた場合】
みんなから見通せる部屋を使用する
応接室のドアーは開け放つ
【呼び出された場合】
原則として出向かない
組事務所には、絶対出向かない
相手の指定する場所は避ける
2. 複数で対応
相手より、多い人数で対応する。
応対者が心丈夫になる。
【役割分担】
応対担当 ⇒ 主に応対する者
記録担当 ⇒ 内容や、相手の人相特徴を記録する者
連絡担当 ⇒ 外部との連絡をとる者
確認担当 ⇒ 車のナンバー等の確認を行う者
3. 応対担当者での対応
いきなりトップとの応対は避ける。
いきなり決定権を持つ者が応対すると即答を迫られることになる。
要求内容を部等内で検討し所要の対応措置を講じた上で、対策委員会へ必
ず報告する。
4. 相手の確認
通常の応対同様、
名刺を要求する
面会人簿冊等に記載させる
などの方法により、相手がどこの誰なのか確認する。
示談交渉、民事上の権利行使等であれば委任関係等の当事者能力の有無なども
確認する。
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5. 用件の確認
暴力団は「誠意を示せ」などと、あからさまな言い方を避けて要求をする。
応対者が、どうせ目的は金だからと勝手に誠意の内容を判断して話を進めると、
犯罪行為をしたこととならない。
したがって、要求される内容(原因)について、
「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」「なぜ」「何をした」
のかを、彼らの口から明らかにさせる。
6. 応対状況の記録
暴力団は、今、言ったことでも、自分に都合の悪いことは、平気でシラをきる。
したがって、応対状況はもちろんのこと、街宣活動等を含め、その内容を記録
する。
記録の方法は、録音や、ビデオ撮影が効果的であり、後日、民事訴訟や刑事事件
に発展した際の重要な証拠となる。
7. 不必要な書類(念書等)は作成しない
暴力団は、いったん有利な回答を得ると、以後絶対に譲歩しない。
一筆書けば許してやるなどと言われ、「念書」「詫び状」等を作成すると、そ
の場はしのげるかも知れないが、「おまえの所も、非を認めてるじゃないか」な
どと、念書等を盾に要求をエスカレートさせてくる。
8. 解決を急がない
応対担当者としては、「早く解決したい」と思うのは当然のことです。
要求金額から応対者で処理可能であっても、この要求をのめば、非があること
を認めたこととして、更に要求をエスカレートさせてきます。
決して慌てず、
要求内容が正しいものか
要求金額を支払う必要があるのか
など、要求内容を余裕をもって正しく判断して、即答は絶対にしないでください。
9. 警察・暴追会議との連携
「警察呼ぶなら呼べ、怖くはない」、これらは暴力団の決まり文句である。
確かに、たとえ暴力団といえども正当な権利行使を警察が抑え付けることはで
きない。
しかし、彼らは、正当な要求をするだけでは、そのうま味がなく、どこかで不当
な利益を画策している。
本市においては、暴力団に関するノウハウについて、警察や暴追県民会議から
適切なアドバイスを受けながら、適宜、対策委員会を通じて周知を図ることとし
ている。
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10.法的対抗手段を検討する
対応の基本は、何といってもき然とした態度で、要求をはねつけることです。
あいまいな態度や気を持たせた返答は、その場逃れであり、かえって暴力団員
に付け入る隙を与えることになり、解決にはつながらない。
不当な要求を受ければ、最後は
刑事事件として処罰する
民事訴訟を提起して対抗する(仮処分等)
といった、法的対抗手段を念頭に置き、き然とした態度で応対する。
以上
大月警察署刑事課
℡
山梨県警察本部刑事部組織犯罪対策課
(財)山梨県暴力追放県民会議
22-0110(内線 330)
℡ 055-235-2121
℡ 055-227-5420
※本マニュアルは、(財)全国暴力追放推進センター及び(財)大阪府暴力追放推進センタ
ー作成資料を参考に、都留市行政対象暴力防止対策委員会が補追、再編集したものです。
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