平成 28 年度一般財団法人長崎市野母崎振興公社事業計画 Ⅰ 基本方針 一般財団法人長崎市野母崎振興公社(以下、公社という)は、長崎市の南部野母崎地区 において長崎市や長崎県の観光施設等の管理運営を主要な業務として担っている。 具体的には、まず長崎市から平成 27 年度ら平成 31 年度までの 5 年間委託を受けて一般 廃棄物処理業務を行うとともに、長崎市から「野母崎炭酸温泉Alega軍艦島」と「野 母崎総合運動公園」について、平成 27 年度から 31 年度までの 5 年間の指定管理者の指定 を受けている。また、長崎県から「長崎県亜熱帯植物園」について現在、平成26年度か ら平成28年度までの3年間の指定管理者の指定を受けている。さらに、自主事業として 地元水産加工品等を中心とした物産販売事業の「のもざき物産センター」の管理運営を行 っている。以上のように過疎化が進行する野母崎地区における公社の地域雇用をはじめと して地域振興に対する社会的役割は大きなものがある。 さて、我が国の景況については緩やかであるが景気回復の兆しが見え始めている。とり わけ平成 27 年 7 月 5 日「軍艦島」が世界遺産登録されたことにより長崎市の観光客が増加 し、地域経済の活性化を後押ししている。このような中、公社の主要事業である「長崎市野 母崎海の健康村」は平成27年12月12日に「野母崎炭酸温泉Alega軍艦島」(以下、 Alega軍艦島という)に名称を変更し、客室や温泉施設がリニューアルされたことによ り利用者は増加の傾向にある。中でも温泉施設は日本有数の炭酸泉を一部源泉掛け流しに 改修したことにより、炭酸濃度1000mg/ℓ以上を有し、怪我や病気などの治療目的に 効果がある「天然の療養泉」と認められ、今後健康増進と美肌の湯として利用客の増加が 見込める施設となった。そこで平成28年度においては、特に「Alega軍艦島」の温泉 PRに力を入れることにより温泉利用客はもとより波及的に宿泊客及びレストラン利用客 の増を図り、併せて、経費の削減にも引き続き積極的に取り組み、あらゆる角度から創意 工夫を重ね経営改善を進める。また、長崎県亜熱帯植物園とAlega軍艦島、のもざき 物産センターの3施設のそれぞれの特性を生かしながら施設間の連携を図り、周遊・相乗 性の効果を高めていきたい。 さらに地元食材を生かした食事や、土産品の品揃えの工夫、情報交換など施設間で一体 となった誘客対策や宣伝活動を行い、なお一層のコスト削減を進め、効率的かつ経済的な 管理運営に努めると共に、地元イベントと連動して観光客の誘致に努め公社の経営改善を 図る。 -1- Ⅱ 事業計画 1 野母崎総合運動公園管理事業 (1) 施設の管理について 地域住民をはじめ市民が、健康増進の一環として施設を安心、安全、気持ちよく利 用できるよう職員の接客研修等を行い、職員の意識向上を図るとともに、施設の整備 や清掃等安全管理に努める。 また、地元観光振興の拠点のひとつであり、毎年「水仙まつり」が開催される水仙 園の管理を徹底し、周囲の景観、環境の保全に努める。 (2) 施設の概要について 管理事務所 1階 220㎡ 運動場(2面ナイター照明有り) 2階 130㎡ 12,000㎡ 庭球場(人工芝 2面) 2,000㎡ 多目的広場 1,000㎡ 水泳プール(50m8コース・幼児プール)1,180㎡ 駐車場 1,400㎡ 水仙園 62,000㎡ 遊具施設、展望台(3箇所)、トイレ(4箇所) 2 長崎県亜熱帯植物園管理運営事業 亜熱帯植物園の平成28年度の運営については引き続き厳しい状況が予想されるが、 県民の憩いの場であることを念頭においた効率的な管理運営に努め、年間を通して草 花や熱帯・亜熱帯樹木が楽しめるよう温室や花壇を整備する。また、花や樹木を紹介 しながら園内を案内するボランティアガイドが好評につき、更に充実させるとともに 子どもから大人まで楽しめる音楽祭のようなイベントを企画して入園者の増加を図る。 さらに、長崎半島の観光施設としての PR 活動を強化し、職員一人一人が真心を持っ てお客様に接し、来てよかったと言われるような管理運営を行う。 (1) 施設の安全管理について 当植物園は傾斜した地形にあり、1,200種45,000本の植物を保有・管理 している。来園者が安全に楽しめるように、園内巡回バスや施設設備、園路の日常点 検を徹底して安全対策に努める。 (2) 施設の整備充実について ・景観の素晴らしさを生かしながら園地をはじめ、カスケード花壇及び野外ステージ -2- 周辺の花壇を整備し、菜の花、モモイロタンポポ、コスモスを広域的に植栽繁殖温 室などで季節折々の花を咲かせ入園者のリピーター確保に努める。 ・大温室、フラワーガーデン温室、ハイビカス温室などに特色ある花(長崎オリジナ ルカーネーション、長崎チョコレートコスモス、長崎ラベンダー)を咲かせ、貴重 な植物の観賞の場とする。 ・絶滅危惧種、希少品種(ハマビシ・ヒメノボタン、ムジナノカミソリ)の保存生育 に取り組む。 (3) 利用促進活動について ①本館、 売店、レストラン等ビジターセンターまでの入園の無料化を引き続き行う。 また、売店では亜熱帯植物園ならではの独自性がある鉢物や苗物を格安で販売す る。さらに、レストラン利用者を増やすため、 「Alega軍艦島」と連携し、地 元で水揚げされる魚介類を材料にした地域性のあるメニューや郷土料理バイキン グ等女性に人気のメニューを提供する。 ②営業誘客活動 ・ 観光バス会社、旅行代理店へ各種イベント情報を提供し、クーポン契約を推 進する。 ・ 県内の教育委員会と連携し、遠足や体験学習(ナチュラルアート、ガーデニ ング)の場を提供宣伝する。 ・ 植物園のホームページやフェイスブックの更新を充実させ、四季折々の花情 報やイベント情報をいち早く提供する。 ・ 振興公社内施設間の連携を図り、周遊性・相乗性を高め入園者の増加を図る。 ・ 地域イベント(水仙まつり、伊勢海老まつり)等で入園割引券を配布し、入園者 の増加を図る。 ・ ボランティアガイドの充実を図り、花や樹木の紹介案内を強化する。 ③イベント活動 本年度も年間を通して貴重な原種蘭の展示を行うとともに、定着した体験型の イベントや親子で楽しめる体験教室を開催する。 ・ 春休みフェスタ(春休み期間中) ・ 子供の日フェスタ(ゴールデンウイーク期間中) ・ 夏休みフェスタ(夏休み期間中、親子ナチュラルアート工作教室の開催) ・ 春色・植物園(ももいろたんぽぽを広域的に植栽) ・ 千紫万紅・七色コスモス(長崎県オリジナルブランド長崎チョコレートコス -3- モスをはじめ七色のコスモスを植栽) ・ フラワーフェスタ音楽祭の開催 ・ 原種蘭展(デンドロまつり、 長崎の冠のついた蘭の展示、トーマスグラバ ーによって持ち込まれた日本最古の洋蘭) ・ ガーデニング教室・ナチュラルアート教室、ミニクリスマスツリー体験教室、 押し花教室、砂絵教室の開催 ・ 斑入り植物展、シダ植物展、お正月展、多肉植物展の開催 (4) 施設の概要について 総面積 植物植栽 32.5ヘクタール 1,200種 45,000本 ビジターセンター延べ床面積 1,600㎡ カスケード(花壇、遊歩道、壁泉、噴水) 大温室 848㎡ フラワーガーデン温室 510㎡ ハイビスカス温室 273㎡ 果樹温室 222㎡ 3 のもざき物産センター管理運営事業 (1) 営業活動について 平成28年度も引き続き、野母崎地区の水産加工品を中心に販売していくが、お客 様のニーズにあった新たな商品開拓 (軍艦島グッズ・長崎市特産推奨品)に取り組み、 販売額の向上を図る。また、振興公社内施設間の周遊性・相乗効果を高め、顧客の確 保を目指すとともに、野母崎観光の案内所的役割を高めるため、従業員のサービス技 術向上に努める。 (2) 施設の概要について 物産センター 1棟 4 92.16㎡ 野母崎炭酸温泉 Alega 軍艦島管理運営事業 「Alega 軍艦島」は、宿泊施設事業及び温浴事業の経営を通じて公共施設事業として地域 観光、地域振興及び地域福祉の推進に積極的に取り組むことによって地元野母崎はもとよ り長崎市の発展にも寄与できるよう努めなければならない。 平成 28 年度は前年度に世界遺産登録が決定した「軍艦島」の観光面における効果を追い -4- 風として「Alega 軍艦島」が誇る「野母崎炭酸温泉」を集客の起爆剤としてこの温泉の特 徴である「高濃度の炭酸泉」 「メタケイ酸成分」を幅広く情報発信することによって温泉 はもとより波及的に宿泊・レストラン利用客の増加による収入増を図り、長崎半島全体の 保養リゾート地化への推進を目指す。 一方、経営改善についても、施設管理の徹底、職 員の効率的な配置・管理など積極的に取り組む。また、宿泊施設として、真心のおもてな し(ホスピタリティ)の精神を全職員に研修などにより周知徹底するとともに、公共施設 として、安全性・清潔さを向上させ、利用者の満足度を高めることによりさらなる顧客の 獲得をめざす。 (1) 温浴事業について 温泉施設は日本有数の炭酸泉を一部源泉掛け流しに改修したことにより、炭酸濃度 1000mg/ℓ以上を有し、怪我や病気などの治療目的に効果がある「天然の療養泉」 と認められる施設になった。このことにより、今後滞在・療養型の機能を備えた「温泉保 養地」としての確立を目指す。併せて、女性に嬉しい美肌効能成分メタケイ酸成分も 176.6 ㎎/ℓと非常に高い数値を示しているので、他の温泉にはないプレミア感を持た せた PR 活動に努める(通常50㎎/ℓ以上あれば美肌の湯と言われている) (2) 公共宿泊事業について 平成 27 年 7 月 5 日、本施設の眼前に位置する軍艦島(端島)が世界遺産に登録さ れたことにより観光客が急増し、今や軍艦島(端島)は長崎市の重要な観光資源となって いる。この軍艦島は本施設からクルージングでも約15分で到達できる上、近くには 軍艦島資料館(徒歩5分)も抱え、まさに「世界文化遺産隣接宿泊施設」としてPR 活動が推進できる絶好のロケーションにある。このような好機を活かすため、軍艦島 上陸ツアー及びクルージングツアー、さらに客室から軍艦島を見ることができる眺望 などを前面に出した商品を企画する。また、地元の新鮮な魚介類料理でのおもてなし や、権現山展望公園、長崎県亜熱帯植物園、野母崎ゴルフ場などの観光資源等を効果 的に活用し、調査・研究を重ねサービスメニューの質を高め、野母崎への集客及び本 施設への利用促進に取り組む。加えてリゾート及び保養施設としての特色をいかすた め、野母崎ゴルフ場、野母崎総合運動公園(テニス・プール・グランドゴルフ)高浜 アイランド(海水浴場)と連携し、滞在・療養型のリゾート施設への転換も図りつつ、 「インパクトある軍艦島、炭酸泉・メタケイ酸温泉」を前面に打ち出した商品企画を 推進する。 -5- (3)商品企画 四季折々の長崎・野母崎ブランド活魚のコース料理及び地魚を用いた定番料理からヘ ルシーメニューまで、幅広くお客様のニーズに合わせた「おもてなし」をする。長期滞 在者へは食事を日替わりのメニューで提供し、保養施設としての最大の課題である心身 ともにリフレッシュできるサービスを提供する。また、昨今の健康志向に鑑み、お客様 へ湯葉などを使ったヘルシーメニューを提供し、リピーターの増加を図る。ランチ利用 促進として、1,000 円未満のランチ提供や女子会をターゲットにリーズナブル料金で温 泉と抱き合わせた旬のプラン(Alega御膳)を提供するなど、「野母崎に来てよか った」「近いうちにもう一度」と喜んでいただける内容の充実したセットプランを用意 する。(個室利用も予約状況によって可能とする。) ・軍艦島上陸・クルージングプランを企画販売する。 ・長崎駅までの送迎付き商品を販売する。 ・日帰りお食事に特典をつけたサービスを提供する。 ・忘・新年会の期間は「Alega鍋・Alega会席」コースをリーズナブルな価格 で提供する。 ・老人会へ特典をつけたサービスを提供する。 (4)宣伝・営業活動について ・旅行会社、バス会社への営業活動を定期的に実施。 ・近隣老人会及び、過去の実績老人会への営業・宣伝活動を推進する。 ・ホームページでの情報発信を強化する。 ・ランチと入浴券をセットにした商品を定期的に新聞折り込み等でPRする。 ・九州じゃらんを始め広告プレスへの露出を積極的に行う。 (アップルマガジン・長崎プレス・旅ムック・温泉博士・るるぶ九州・等) (5) 施設の概要について 建物構造 鉄筋コンクリート3階建一部鉄筋平屋建 建築延べ面積 4,276㎡ 宿泊施設 19室 宿泊定員 78名 大会議室、休憩室、レストラン 温泉入浴施設 -6- 5 一般廃棄物処理事業 本事業は、長崎市からの業務委託を受けて、野母崎地区の一般廃棄物の収集・運搬 業務及び粗大ゴミの収集・運搬業務を行い、さらに一人暮らしの高齢者宅には、自宅 訪問の戸別回収を行うとともに安否確認のための声掛けを徹底する。 なお、塵芥車の稼動体制については、6台とする。 -7-
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