建築士事務所(設計事務所)の仕事とその業務報酬

木造住宅の建築における
建築士事務所(設計事務所)の仕事とその業務報酬
(「住・緑・家」版)
す
み
か
1 住宅が完成するまでの設計プロセス
1)準備計画
・家のイメージ・建築時期等をご家族でまとめて下さい
2)情報収集
お客様
(施主)
・「住・緑・家」事務局へお問い合せ下さい
「住・緑・家」ホームページ http://www.j-kana.or.jp
3)資金計画
◎3人の設計者によるオリジナルプラン
す
み
か
国産材・県産材を使った家づくり
信頼できる設計事務所
「住・緑・家」
コンペ依頼
※コンペ依頼手続き等詳細は、別資料をご覧ください
選任設計依頼
◎建築士事務所と設計契約
(又は設計・工事監理契約)
(建築基準法第5条の四項1〜3号)
A
設計業務
①事前調査業務
②基本設計業務
③実施設計業務
④建築確認申請業務
(建築基準法第6条)
建築士事務所と工事監理契約
(建築基準法第5条の四項4号)
B
お客様と工事施工者との工事契約立会い 工事監理業務
(工事施工者選定・工事見積り調整)
⑤工事監理業務
⑥中間検査申請等業務
(建築基準法第7条の三)
⑦完了検査申請等業務
(建築基準法第7条)
工事着工
竣工・引渡し
※外構工事計画を含む場合は別途相談
1
2 実務の具体的な説明
A
設計業務
①事前調査業務
建築基準法・都市計画法などの関連法規及び近隣状況の詳細調査
コンペ時に、敷地情報が不足していた場合の調査、地盤調査、必要に応じて
行政との調整などを行います
②基本設計業務
提案したコンペプランを基に、お客様との話し合いを重ねて、住宅の性能・
仕様・設備・予算の調整をし、間取りや外観等を決め図面を作成します
③実施設計業務
基本設計に基づき、住宅の構造や設備の詳細などをつめていき、工事に
必要な全ての図面や仕様書を作成します
④建築確認申請業務(建築基準法第6条)
家などを建てる場合は、それが多くの法令に適合しているか、事前に行政や
指定確認検査機関の確認をうける必要があります
その確認をうけた「確認済証」がないと着工出来ません
B
工事監理
業務
⑤工事監理業務
工程により、主要な部分ごとに現場での立会いや検査を行い、図面通りに
住宅が出来ているか確認を行います(4ページ参照)
施工者から提出された見積りのチェック、契約の立会いなども行います
⑥中間検査申請等業務(建築基準法第7条の三)
一定規模の建物については、法令に適合しているかどうかの中間検査が
義務付けされていることがあります(建設地の行政によって異なります)
中間検査のある場合は、行政や指定確認検査機関の検査に立ち会います
⑦完了検査申請等業務(建築基準法第7条)
工事が完了したら、行政や指定確認検査機関による、法令に適合している
かどうかの完了検査があり、その検査に立ち会います
検査に適合した住宅は、「検査済証」が交付されます
以上で建築基準法の手続きは完了いたします
2
3
業務報酬
一般に設計料・工事監理料と言われる「業務報酬基準」は、建築士法第25条の規定に
基づき、具体的に標準業務内容・その成果図書(告示第15号別添一)と共に平成21年
国土交通省の告示第15号に定められています
業務報酬基準算定には、「実費加算方法」と「略算方法」があります
①実費加算方法
業務報酬=
直接人件費+直接経費+間接経費+特別経費+技術料等経費+消費税相当額
②略算方法
業務報酬=
直接人件費x2.0(直接経費+間接経費分) +特別経費+技術料等経費+消費税相当額
※
直接人件費:標準業務を実施した場合の標準業務・時間数(告示第15号における別添
二、三 <※注1>)に、1時間当たりの人件費単価を乗じて算定します
<注1>
別添二、三は建築物の類型・施設・面積により選びます
告示第15号に基づいた算定例
算定条件:平坦地盤良好、木造2階建、戸建住宅150㎡(構造計算なし)
(告示15号の別添三<別表15>より)
単位
人・時間
床面積の合計
100㎡
150㎡
200㎡
300㎡
設 計
270
360
430
570
監 理
120
170
210
290
参考人件費=24,000 円/日 ÷ 8時間 = 3,000 円/時間
略算方法による算定例
(床面積の合計:150㎡)
直接人件費=(360+170)×3,000 =1,590,000
業務報酬= 1,590,000×2=3,180,000円
※特別経費・技術料・消費税等含んでいません
告示第15号による業務報酬基準はあくまでも目安であり、個々の設計事務所・物件に
より業務内容・業務報酬算定方法は異なります
個々の契約においては建築士よりの充分な説明の元、業務内容・成果図書・業務報酬額
その他支払い時期などを定めて、重要事項説明書又は契約書にて確認して下さい
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4
設計・工事監理業務成果図書
≪
基本設計 成果図書
総合
①仕様概要書
②仕上概要表
③配置図
④平面図(各階)
⑤断面図
⑥立面図
⑦工事費概算書
構造
①仕様概要書
②工事費概算書
設備
①仕様概要書
②設備図
(電気、給排水衛生及び
空調換気)
③工事費概算書
戸建木造住宅に係る成果図書
例
≫
実施設計 成果図書
総合
①建築物概要書
構造
②仕様書
③仕上表
④面積表
⑤敷地案内図
⑥配置図
⑦平面図(各階)
⑧断面図
⑨立面図(各面)
⑩矩計図
⑪展開図
設備
⑫天井伏図
⑬建具表
⑭工事費概算書
⑮その他確認申請に
必要な図書
①仕様書
②基礎伏図
③床伏図
④はり伏図
⑤小屋伏図
⑥軸組図
⑦壁量計算書等
⑧工事費概算書
⑨その他確認申請に必要な図書
①仕様書
②設備図
(電気、給排水衛生及び空調換気)
③工事費概算書
④その他確認申請に必要な図書
注意:建物の計画に応じ、作成されない図書がある場合があります
上記に記載した内容につきましては国土交通省告示第15号の一部
を抜粋しています
≪
工事内容
一般事項
基礎
土台
床組
戸建木造住宅に係る工事監理項目
工事監理者の確認内容
・規格(認定を受けた材料を含む)
・品質、性能、関係法令適合品表示
・ホルムアルデヒド等の発散
配筋
・形状、寸法、配置、レベル、継手、定着、
長さ、ピッチ、補強筋、かぶり厚
アンカーボルト
・埋め込み状態、通芯、首出寸法
・位置、本数、型枠への固定
・基礎との取り合い(ずれ、レベル)
・土台とナットのかかり方、しめつけ力
・仕口位置、継手位置、接合方法、接合状態
・金物(仕様金物の状態、金物の認定マーク)
・防腐措置、防蟻措置(塗布回数、塗布範囲)
・位置、高さ
・床束、束石、根がらみの取付状態
・火打ち、構造用合板による剛な床組
例
≫
工事監理者の確認内容
・通し柱、柱の位置と垂直度
・土台との接合状態(割れ、すきま、ねじれ)
・横架材との接合状態(割れ、すきま、ねじれ)
・金物の状態
・欠込み部補強状態
横架材
・構造耐力上支障のある欠込みの無いこと
(梁・桁・胴差)
・仕口位置、継手位置、接合方法、接合状態
・金物の状態
筋かい
・端部接合方法、金物の取付け状態
面材耐力壁 ・使用箇所、本数、寸法
・筋かいに代わる合板の設置、釘の種類、釘ピッチ
小屋組
・桁行き筋かい、振れ止め
・垂木の緊結方法、状態
・仕口位置、継手位置、接合方法、接合状態
・金物の状態
屋根
・下葺き材の重ね合わせ、立上げ寸法
・緊結状態
工事内容
柱
具体的な確認方法は、目視に係る立会い・計測に係る立会い・施工者の自主検査記録等に係る書類などによる
私達はこの様な内容を
チェックしています
社団法人
神奈川県建築士事務所協会
注意:建物の計画に応じ、工事監理項目は変わる場合が
あります
上記に記載した内容につきましては国土交通省
告示第15号の一部を抜粋しています
「住・緑・家」運営特別委員会 作成(2012年4月)
連絡先:045-228-0755
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