ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」の安定性に関する資料 2006 年 6 月作成 共和薬品工業株式会社 DRO-D-5(1) 目 次 1.総合評価 ························································································································ 1 2.湿度に対する安定性·········································································································· 2 3.温度に対する安定性·········································································································· 4 4.光に対する安定性············································································································· 6 ________________________________________________________________ 評価分類 分類 分類基準 ◎ 全ての試験項目で変化を認めない ○ いずれかの試験項目で「規格内」の変化を認める △ いずれかの試験項目で「規格外」の変化を認める 評価基準 【外観】 分類 評価基準 判定 変化なし 外観上の変化を、ほとんど認めない場合 ◎ 変化あり(規格内) わずかな色調変化(退色等)等を認めるが、品質上、問題とならない程度の変 化であり、規格を満たしている場合 ○ 変化あり(規格外) 形状変化や著しい色調変化を認め、規格を逸脱している場合 △ 【溶出性】又は【崩壊性】 分類 評価基準 判定 変化なし 規格値内の場合 ◎ 変化あり(規格外) 規格値外の場合 △ 【含量】 分類 評価基準 判定 変化なし 含量低下が 3%未満の場合 ◎ 変化あり(規格内) 含量低下が 3%以上で、規格値内の場合 ○ 変化あり(規格外) 規格値外の場合 △ 【硬度】 分類 評価基準 判定 変化なし 硬度変化が 30%未満の場合 ◎ 変化あり(規格内) 硬度変化が 30%以上で、硬度が 2.0kg 重以上の場合 ○ 変化あり(規格外) 硬度変化が 30%以上で、硬度が 2.0kg 重未満の場合 △ 【その他の試験項目】 分類 評価基準 判定 変化なし 規格値内の場合 ◎ 変化あり(規格外) 規格値外の場合 △ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験法について(答申)」(日本病院薬剤師会)一部改変 1.総合評価 保存条件 湿度 温度 光 25±1℃ 75±5%RH 40±1℃ 75±5%RH 曝光量 60 万 lux.hr※ 検体 包装形態 30 日目 60 日目 90 日目 180 日目 カプセル グラシンラミネート紙 ◎ ◎ ◎ - 内容物 グラシンラミネート紙 ◎ ◎ ○ - ポリ瓶 ◎ ◎ ◎ カプセル グラシンラミネート紙 ◎ 透明ガラス瓶 ◎ カプセル ※病院薬局における調剤時の保存条件を反映し、500lux の明るさの場所で 1 日 8 時間、1 ヵ月 25 日間照射される として 6 ヵ月間に相当する。(500lux×8 時間×25 日間×6 ヵ月=60 万 lux・hr) 無包装状態の場合 カプセルの安定性は、いずれの試験項目においても規格値の範囲内だったことから、品質上特に問題 はないと判断される。 カプセル内容物の安定性は、グラシンラミネート紙分包品において、規格値の範囲内であるが 30 日以 降で含量が低下する傾向が認められたため、30 日以内での保存が望ましい。 1 2.湿度に対する安定性 【検体】 ・ ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」:LOT No.6001(共和薬品工業株式会社) ・ ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」の内容物:LOT No.6001(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ グラシンラミネート紙により分包包装したもの。 【保存条件】 ・ 日本薬学会病院薬局協議会散剤配合変化試験法の報告にある 25±1℃、75±5%RH に設定した恒温恒 湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時,30 日目,60 日目,90 日目 ② 溶出性(カプセルのみ) ・・・開始時,30 日目,60 日目,90 日目 ③ 含量 ・・・開始時,30 日目,60 日目,90 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(色,形状)を目視にて観察した。 ② 溶出性(カプセルのみ):溶出試験法第 2 法(シンカー使用)により、毎分 75 回転で試験を行った。 (試験液:水) ③ 含量:液体クロマトグラフ法により試料中のドロキシドパ含量を測定した。 【結果】 ① 外観 カプセル カプセル内容物 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 頭部だいだい色不透明、 胴部白色不透明の硬カプセル剤 内容物は白色の粉末 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 白色の粉末 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 96.5 97.2 96.3 95.1 判定 ◎ ◎ ◎ ② 溶出性 カプセル 規格値:90 分=70%以上、6 ベッセルの平均値(%) 2 ③ 含量 カプセル カプセル内容物 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 100.2 (100.0) 101.6 (100.6) 101.7 (101.1) 101.1 (100.4) 判定 ◎ ◎ ◎ 100.2 (100.0) 100.2 (100.0) 98.3 (98.1) 96.4 (96.2) 判定 ◎ ◎ ○ 規格値:93.0∼107.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 3 回の平均値(%) 【考察及び結論】 ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」及び脱カプセル時の内容物の 90 日間の安定性は、いずれの試験 項目においても規格値の範囲内であった。 以上の結果より、ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」及び脱カプセル時の内容物のグラシンラミネー ト紙分包品は、25±1℃、75±5%RH、90 日間の保存であれば品質上特に問題はないと判断された。 ただし、カプセル内容物のグラシンラミネート紙分包品は、30 日以降で含量が低下する傾向が認めら れたため、30 日以内での保存が望ましい。 3 3.温度に対する安定性 【検体】 ・ ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」:LOT No. 04A1-021-P1、04A1-031-P1、04A1-041-P1 (共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ ポリ瓶に入れ密栓したもの。 【保存条件】 ・ 40±1℃、75±5%RH に設定した恒温恒湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時,30 日目,90 日目,180 日目 ② 溶出性 ・・・開始時,30 日目,90 日目,180 日目 ③ 含量 ・・・開始時,30 日目,90 日目,180 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(色,形状)を目視にて観察した。 ② 溶出性:溶出試験法第 2 法(シンカー使用)により、毎分 75 回転で試験を行った。(試験液:水) ③ 含量:液体クロマトグラフ法により試料中のドロキシドパ含量を測定した。 【結果】 ① 外観 Lot No. 開始時 30 日目 90 日目 180 日目 04A1-021-P1 頭部だいだい色不透明 胴部白色不透明の硬カプセル剤 内容物は白色の粉末 変化なし 変化なし 変化なし 04A1-031-P1 頭部だいだい色不透明 胴部白色不透明の硬カプセル剤 内容物は白色の粉末 変化なし 変化なし 変化なし 04A1-041-P1 頭部だいだい色不透明 胴部白色不透明の硬カプセル剤 内容物は白色の粉末 変化なし 変化なし 変化なし ◎ ◎ ◎ 判定 ② 溶出性 Lot No. 開始時 30 日目 90 日目 180 日目 04A1-021-P1 85.4 87.8 87.2 79.4 04A1-031-P1 82.7 87.8 87.2 89.0 04A1-041-P1 81.1 78.9 78.9 82.9 平均 83.1 84.8 84.4 83.8 ◎ ◎ ◎ 判定 規格値:90 分=70%以上、3 ロット 3 回 6 ベッセルの平均値(%) 4 ③ 含量 Lot No. 開始時 30 日目 90 日目 180 日目 04A1-021-P1 97.7 (100.0) 98.6 (100.9) 99.2 (101.5) 99.8 (102.1) 04A1-031-P1 100.2 (100.0) 99.3 (99.1) 100.2 (100.0) 101.3 (101.1) 04A1-041-P1 100.1 (100.0) 99.9 (99.8) 100.4 (100.3) 100.3 (100.2) 平均 99.3 (100.0) 99.2 (99.9) 99.9 (100.6) 100.5 (101.1) ◎ ◎ ◎ 判定 規格値:93.0∼107.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 3 ロット 3 回の平均値(%) 【考察及び結論】 ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」の加速条件下における 180 日間の安定性は、いずれの試験項目に おいても規格値の範囲内であった。 以上の結果より、ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」は、加速条件 90 日間保存下で品質上特に問題 はないと判断された。 5 4.光に対する安定性 【検体】 ・ ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」:LOT No.6001(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ グラシンラミネート紙により分包包装したもの。 ・ 透明ガラス瓶に入れて密栓したもの。 【保存条件】 ・ 1000Lux(25℃,75%RH)に 25 日間保存。(曝光量 60 万 lux・hr) 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時,25 日目 ② 溶出性 ・・・開始時,25 日目 ③ ・・・開始時,25 日目 含量 【試験方法】 ① 外観:性状(色,形状)を目視にて観察した。 ② 溶出性:溶出試験法第 2 法(シンカー使用)により、毎分 75 回転で試験を行った。(試験液:水) ③ 含量:液体クロマトグラフ法により試料中のドロキシドパ含量を測定した。 【結果】 ① 外観 包装形態 開始時 60 万 lux・hr グラシンラミネート紙 頭部だいだい色不透明、胴部白色不透明の硬カプセル剤 であり、内容物は白色の粉末であった。 変化なし 判定 ◎ 頭部だいだい色不透明、胴部白色不透明の硬カプセル剤 であり、内容物は白色の粉末であった 変化なし 判定 ◎ ガラス瓶 ② 溶出性 包装形態 グラシンラミネート紙 ガラス瓶 開始時 60 万 lux・hr 96.5 98.9 判定 ◎ 96.5 95.2 判定 ◎ 規格値:90 分=70%以上、6 ベッセルの平均値(%) ③ 含量 包装形態 開始時 60 万 lux・hr グラシンラミネート紙 100.2 (100.0) 100.6 (100.4) 判定 ◎ 100.2 (100.0) 100.0 (99.8) 判定 ◎ ガラス瓶 規格値:93.0∼107.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 6 3 回の平均値(%) 【考察及び結論】 ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」のグラシンラミネート紙分包品及びガラス瓶密栓品における光 (60 万 lux・hr)に対する安定性は、いずれの試験項目においても規格値の範囲内であった。 以上の結果より、ドロキシドパカプセル 100mg「アメル」のグラシンラミネート紙分包品及びガラス瓶密 栓品は光照射保存下で品質上特に問題はないと判断された。 7
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