解明せよ!免疫システム!

解明せよ!免疫システム!
私たちの体には常に異物が入り込んでいる。この異物の中には私たちの体に害を及ぼす
ものがある。そのひとつがインフルエンザなどのウイルスである。
このウイルスは体内に侵入すると以下のような方法で増殖する。
細胞にウイルス
が付着する。
細胞内でウ
イルスがつ
くられる。
ウイルスがウイ
ルス自身の遺
伝情報(DNA
またはRNA)を
細胞内に注入
する。
増殖したウイ
ルスが細胞外
へ飛び出し、
血液によって
全身に運ば
れ、再び細胞
に付着する。
初めは1個のウイルスでも、24時間後には 100 万個にまで増殖する。こわい。
しかし、どんなにからだ中に散らばろうとも、細胞内に入り込もうとも私たちの体に備わ
っている免疫システムによってウイルスを排除することができる!すごい。
でもどうやって?
ミッション
①ウイルスに打ち勝つための免疫のシステムを解明せよ!
②免疫システムを誰でも理解できるように説明せよ!
今自分が持っている知識を引き出して考えよう。
3 年 4 組 氏名
樹状細胞
A すぐにはたらく3戦士!
体内に侵入した異物(ウイルス、細菌、花粉など)
マクロファージ
好中球
をその場で食べて(この作用のことを食作用という)
分解してくれる戦士がいる!それが次の 3 種の白血球たち。3種とも食作用によって異
物を排除するが、それぞれ異なったはたらきをしている。
異物
① マクロファージ
異物を食べた ら、その 情
報をマクロファージ自身の
からだの外側に提示する。
リンパ球であるヘルパーT
細胞からの指令で活性化
し、もっと食べられるよう
になる。
体外
体内
ヘルパーT細胞
③ 樹状細胞
異物を食べたら、その情報を免
疫器官であるリンパ節へ持って
いき、リンパ球に提示する。
② 好中球
異物を食べるだけ食べる
と 死 ん で し ま う 。
死んだ後は、膿となって体
外に出たり、マクロファー
ジに取り込まれたりする。
リンパ節
リンパ球
それぞれの細胞のはたらきをまとめてみよう。
樹状細胞
好中球
マクロファージ
B 体内にちらばったウイルスはどう倒す!?
ウイルスは体内に侵入してひとたび増殖すると
血液に乗って体中に運ばれ、体中の細胞に入り
B細胞
込んで増殖を始める…からだを駆け巡る厄介
樹状細胞
なウイルスは抗体を作って応戦する。抗体をつ
ヘルパーT細胞
くるために登場するのが、リンパ球であるヘルパー(お助け)T 細胞、B 細胞と白血球の一
種である樹状細胞である。
リンパ節に異物の情報を持った樹
状細胞がやってきて、異物の情報
をヘルパーT細に提示すると、ヘ
ルパーT 細胞がその情報を認識
し、活性化される。
ヘルパーT細胞がB細胞にこの情報を提示
すると、B細胞が対象の異物(抗原)に対し
て抗体をつくり放出する。抗体の威力は強
力で、体の隅々にまで抗体が行き渡る。
抗原抗体反応によってウイルス
のはたらきを抑制する。
しかも記憶細胞として体内に残った B 細胞が、2 度目の進入に対してすばやく抗体をつく
って放出するため、1 度目より素早く異物を排除することができるのである!
それぞれの細胞のはたらきをまとめてみよう。
ヘルパーT細胞
B細胞
樹状細胞
C 感染細胞を破壊せよ!
キラーT細胞
ウイルスは自分だけで増殖することができない。
このため、細胞の中に入り込み、細胞のDNAや
をRNA使って自分の体を作らせる。細胞に入ら
樹状細胞
れたら、どうやってウイルスの増殖を防げばよい
のだろうか??そこで登場するのがリンパ球であるキラー(殺し屋)T 細胞と、白血球の一
種である樹状細胞である。
リンパ節に異物の情報を持った樹状細胞が
やってきて、異物の情報をキラーT細胞に
提示すると、キラーT 細胞がその情報を認
識し活性化される。
活性化さ れ た キラー T
細胞は、ウイルスに感染
した細胞を発見すると
破壊してしまう。
細胞が破壊されて
しまうと、ウイルス
は増殖できなくなっ
てしまう。
一見乱暴なように見えるが、感染した細胞破壊されることで周囲の細胞にウイルスが広
まることを防ぎ、ウイルスの増殖を最小限に抑える目的があると考えられている。
それぞれの細胞のはたらきをまとめてみよう。
樹状細胞
キラーT細胞
各班の発表を聞いて
①一番わかりやすかった!表現の工夫をしていた!という班はどこですか?
理 由
班
②この授業を通して学んだ、ウイルスに打ち勝つための免疫のシステムを説明せよ!
③この授業の感想
3 年 4 組 氏名
まとめ
好中球
樹状細胞
マクロファージ
ヘルパーT細胞
白血球
キラーT細胞
B細胞
リンパ球
マクロファージはヘルパ
ーT細胞からの指令で食
作用が促進される。
細胞性免疫
好中球は異物を食べ
るだけ食べると死ん
でしまう。
B細胞の一部は記憶細胞としてそのま
樹状細胞は異物の
ま生き残り、再度同じ異物が侵入して
情報をリンパ節に
きた場合、すぐに抗体をつくることが
持って行き、T細胞
できる。(二次応答)
に提示する。
リンパ節
体液性免疫
キラーT細胞
は感染細胞を
見つけると、
細胞ごと破壊
細胞性免疫
する。