3.9 9課のアイディアと工夫

3.9 9課のアイディアと工夫
2巻
第9課
「やすみの日(2)」
あきこ Can-do:
休みの日に行った活動やその感想について、非常に基本的な表現を使って、質問を
したり答えたりできる。
もじ・ことば
ぶんぽう
え、かきます、生まれます
ぶ 1.1
V 過去形
れんしゅう
れ1
きのう、おととい、さっき、ゆうべ、今朝、先週、
先月、きょねん、なつやすみ
ボーリング、さくぶん、バドミントン、いなか
ビーチ、~くん
ぶ2
~が、~
れ2
おもい
れ3
しょうせつ、ゲーム
ぶ 1.2
Adj 過去形
れ4
楽しい、長い
ずっと、あめ
すこし、とても、
ぶ3
程度の Adv
れ5
ぶ5
どうですか。
れ6
いそがしい、にがい、すっぱい
やさい、にわ
暑い、さむい、あたたかい、すずしい、天気、
ホテル、コンサート、しけん
よかったですね。
泳ぎます
166
◇導入(文法 1.1)
準備するもの:
a.教師の写真
※休みや旅行の写真など、導入時に行う会話の話題に合ったもの。
b.カレンダー
進め方
例 1)旅行の写真を見せながら教師が休みの間にしたことについて話す。
T「夏休みに、プーケットへ行きました。きれいな海を見ました。おいしい料理
を食べました。海でたくさん泳ぎました。」
例 2)カレンダーをめくりながら過去を振りかえり、クラスで一緒に行ったことについ
て話す。
T「昨日、漢字の「山」を勉強しましたね。おとといは、日本の歌を歌いました。
先週は、のりまきを作りました。先月、折り紙をしましたね。…」
※同じ発話を何度かゆっくり繰り返し、「ます」が「ました」に
変わっていることに気づかせ、その意味を推測させる。
◆練習 1
・過去に何を行ったか聞いたり、答えたりできるようになる。
準備するもの:
a.動詞の絵カード(教科書 p.28 の動詞と p.29 の「行きます・帰ります」
)
例)
b.大きいカレンダー ※今月、先月、去年、3 月~5 月(夏休み)分のカレンダーを
準備する。
167
c.「さっき・ゆうべ・けさ」のフラッシュカード ※真ん中の線で半分に折る。
さっき
ゆうべ
เมื่อสักครู่
เมื่อคืนนี้
d.教科書(p.110)の絵カード
※文字は消す。
เ มื่
อ กี้
※裏に質問する時間を表す語をタイ語で書いておく。
นี้
けさ
เช้านี้
例) 表
裏
เมื่อวาน
เมื่อวานซืน
เมื่อสักครู่
สองวันก่อน
เมื่อกี้นี้
e.?棒
進め方
基本の練習
+時間があれば
①教師は動詞の絵カードを見せ、学習者はその動詞の現在形を言 +①
う。スムーズに言えるようになるまで、動詞の復習をする。(言
動詞を言う役
葉を覚えているか確認。)その後、教師が動詞を言い、学習者に を、学習者にもし
その動作をさせる。
(意味が分かっているか確認。)
②動詞の絵カードを使って、動詞の変換ドリルをする。
T「食べます」→S「食べました」
T「作ります」→S「作りました…」
次に、動詞の絵カードを見せながら、教師は「N助詞+V」のキ
ューを出し、動詞の変換ドリルを行う。
T「テレビを見ます」→S「テレビを見ました」
T「学校へ行きます」→S「学校へ行きました…」
練習 1 の絵カードも混ぜて、同様に練習を行う。
T「ボーリングをします→S「ボーリングをしました」
168
てもらう。
T「おいしいケーキを作ります-おいしいケーキを作りました…」
③カレンダーを使って、過去をあらわす言葉(きのう、おととい、
先週、先月、きょねん、なつやすみ)の導入をする。正しく言え
るようになるまで、教師はカレンダーのいろいろな日を指し練習
する。
④「さっき/ゆうべ/けさ」のフラッシュカードを使って、3 つの
言葉を導入し、カードのタイ語の面を見せて、日本語が言えるよ
うになるまで、練習する。
⑤「過去を表す言葉+N助詞+V」で言う練習をする。教師は、カ
レンダーの日付を指しながら(または、
「さっき/ゆうべ/けさ」
のフラッシュカードのタイ語を見せ)、同時に絵カードを示して、
学習者の発言を促す。
T(カレンダーの「昨日」を指して、「ボーリングをする」の絵カ
ードを見せる)
→S「昨日、ボーリングをしました」
上記のように、続けて練習を行う。
⑥教師が「明日/来週/来月/来年(8 課で勉強した未来を表す言 +⑦
葉)」と 9 課で導入した過去を表す言葉をランダムにキューを出 ペ ア に な っ て 昨
しながら、絵カードを見せて、S が動詞の変換を理解できている 日、もしくは週末
や夏休みなど過
か確認する。
T「来週」
(
「映画を見る」の絵カード)
去にしたことに
→S「来週、映画を見ます」
ついて話す。
T「先月」
(
「アメリカに行く」の絵カード)
→S「先月、アメリカに行きました」
上記のように、続けて練習を行う。
⑦学習者を A と B に分ける。まず、?棒と絵カードの裏を見せて、
学習者 A に教科書練習 1 のように質問させ、表を見せて学習者 B
が何をしたか答える。
◆練習 2
・昨日行ったことを述べたり、友達に聞いたりできるようになる。
準備するもの:
a.動詞の絵カード(教科書 p.28 の動詞と p.29 の「帰ります・行きます」
)
例)
169
b.○×棒
c.タスクシート
れい
あきこさん
れい)きのう
おいしいパッタイを
×
食べました。
1.
○
2.
○
3.
×
さん
さん
―
―
さん
―
進め方
基本の練習
+時間があれば
①教師が学習者に動詞の絵カードを見せ、学習者は絵カード +①②
の動詞を日本語で言う練習を行う。
「ます・ました・ません・
1) T:現在形(~ます)の形を指示。
ませんでした」を覚える
2) T:過去形(~ました)の形を指示。
工夫。以下のように、手
3)T:絵カードを片手で持ち、反対の手を前に出したり を動かしながら言う練習
(現在形)
、後ろに出したり(過去形)しながら使 をする。
い分けの練習をさせる。
ます:前に出す。
②教師が学習者に動詞の絵カードと×棒を見せ、学習者は絵
カードの動詞の否定形の練習を行う。
1) T:現在の否定形(~ません)の形を指示。
2) T:過去の否定形(~ませんでした)の形を導入後、 ました:後ろに出す。
変換練習を指示。
3)教師が絵カードを片手に持ち、反対の手で手を前に出
したり、後ろに出したり、振ったりしながら、現在・過
ません:前に出して振る。
去の肯定形・否定形の練習をする。
③動詞の絵カードと○×棒を使い、教師と学習者間で Q-A ませんでした:後ろに出
の練習を行う。教師は過去の時間を表す言葉(今朝、昨日、 して振る。
先週…など)と一緒に、それをしたかどうか学習者に質問
し、○×棒で答えを指示する。
例)T「きのう、テレビを見ましたか」(○棒)
→S「はい、見ました。
」
T「今朝、ご飯を食べましたか」(×棒)
→S「いいえ、食べませんでした。」など。
170
スムーズに言えるようになったら、学習者同士ペアを組ま
せ、教師の絵カードと○×棒のキューで Q-A 練習を行う。
④動詞の絵カードを使って、過去の時間を表す言葉(今朝、
昨日、先週…など)と一緒に、それをしたかどうか教師と
学習者間で Q-A を行う。学習者は自分の本当のことにつ
いて答える。
例)T「今朝、朝ごはんを食べましたか」
→S「はい、食べました。/いいえ、食べませんでし
た」
⑤テキスト p.111 練習 2 の通りにインタビュー活動を行う。 +⑤
・タスクシートを配り、昨日したことを各自タスクシートに イ ン タ ビ ュ ー を す る と
に 3 文記入する。
き、余裕があれば、
「そう
・教師は黒板に、二人の人物(A、B)と、それぞれがした ですか。
」などを使うよう
ことを 3 文ずつを書く。その後、二役になってインタビュ に言う。
ーの仕方の例を見せる。それぞれの文を言うときに、立ち +⑦
位置を変えると分かりやすい。
自分も友だちも同じこと
板書例)
をした場合、
「きのう、私
も○○さんも動詞まし
きのう
きのう
た」と言い、一方が「い
日本のえいがを見ました。
テレビを見ました。
いえ」と答えた場合「き
アイスクリームを食べました。
サッカーをしました。
のう、私は動詞ましたが、
ゲームをしました。
ゲームをしました。
○○さんは動詞ませんで
した」と言うことを知ら
A
せる。
B
※「が」の説明をタイ語
で簡単に行う。
T(A)「B さん、きのう、日本のえいがを見ましたか」
T(A)「いいえ、見ませんでした」
T(B)「A さん、きのう、ゲームをしましたか」
T(B )「はい、しました」
・質問後、相手が「はい」と答えた場合「○」、
「いいえ」と
答えた場合「×」を文の後に書き込むことを指示する。
⑥学習者同士ペアにし、上記⑤のように活動を行わせる。
⑦活動が終わったら、テキスト p.111 の 4 の例のようにクラ
スの前で結果を発表させる。
171
◆練習 3
・過去にしたことを、時系列に沿って述べたり、聞いたりできるようになる。
準備するもの:教科書(p.113)のタスクシート
※教師は大きいサイズのシートを作り、記入しておく。
例)
わ
た
し
さん
5
6
7
8
9
10
進め方
基本の練習
+時間があれば
①例として、教師が先週の休みにしたことを、シートを前で +③
見せながら発表する。その後、教師が発表した内容につい p.111 練習 2 のように、
て学習者に質問形式で確認しながら、文法項目を復習す 小さいグループかクラ
る。
スの前で、自分のスケジ
例 T「○時に、何をしましたか」→S「○○をしました」
ュールとペアの相手の
T「何時に朝ごはんを食べましたか」→S「○時に食べまし スケジュールの同じと
た」
ころ、違うところをいく
つか発表する。
T「何時から何時まで寝ましたか」…
②タスクシートを配り、各自先週の休みにしたことを記入す 例:私も A さんも○時に
おきました。私は 6 時に
る。
③学習者をペアにし、もう一枚タスクシートを配る。ペアで 朝ごはんを食べました
一人は発表し、もう一人は発表を聞きながら相手のスケジ が、A さんは 9 時に朝ご
ュールをタスクシートに記入する。記入した後、発表した はんを食べました。
本人が書いたシートと照らし合わせ、合っているかどうか
確認する。
172
◇導入(文法 1.2)
準備するもの:教師の写真(※休みや旅行の写真など、導入時に行う会話の話題に合っ
たもの。)
進め方
教師が休みの間にしたことについて、形容詞を使ってその感想を述べながら話す。
T「
(旅行の写真を見せながら)12 月にチェンマイへ行きました。ドイステープへ行
きました。とてもきれいでした。そして、カオソーイを食べました。とてもおい
しかったです。…」
◆練習 4
・形容詞の過去形が言えるようになる。
準備するもの:
a.形容詞の絵カード ※第 7 課で形容詞の導入をする際に使用したもの。
b.○×棒
c.ビンゴシート(p.112)
進め方
基本の練習
+時間があれば
①形容詞の絵カードを使って、形容詞の復習。スムーズに +①②
言えたら、学習者に「い形容詞」か「な形容詞」かを答 覚える工夫。以下のよう
えさせ、絵カードのグループ分けをする。
に、手を動かしながら言う
②い形容詞のカードを使って、過去形を導入し、変換ドリ 練習をする。
ルをスムーズに言えるようになるまでする。
現在肯定形:前に出す。
T「まるいです」→S「まるかったです」
現在否定形:前に出して振
173
な形容詞についても、絵カードを使って同様に練習をす る。
る。
+③
T「ゆうめいです」→S「ゆうめいでした」
過去肯定形:後ろに出す。
③○×棒を絵カードにあわせて使い、形容詞の過去の否定 過去否定形:後ろに出して
形を導入し、②と同じように「い形容詞」、
「な形容詞」の 振る。
順で、スムーズに言えるようになるまで変換ドリルをす +③
る。スムーズに言えるようになったら、
「い形容詞」と「な 学習者を数人のグループ
にして、形容詞のフラッシ
形容詞」をまぜて練習する。
ュカード(小)
(8 課で使用
したもの) と○×棒を渡
し、各グループで練習す
る。
④ビンゴシートを配って、各自マスに形容詞を書き込む。 +④
以下の手順でゲームを進める。
教科書のゲームを少し難
1)形容詞の絵カードを伏せて置いておき、1 枚めくる。 しくする工夫。
2)めくったカードの形容詞の現在形を全体で言い、シ ・ビンゴになった人は、
「N
ートにあればチェックする。
は形容詞過去形」と、文章
3)チェックした列が揃えばビンゴ。ビンゴになった人 で言う。
はビンゴになった列の形容詞の過去形を言う。
◇導入(文法 3)
準備するもの:
a.ソムタムの写真か絵(
『あきこと友だち 単語帳』p.75 )
例)
b.唐辛子の絵(進め方の図参照)
例)
・・・・
c.○×棒
進め方
ソムタムの絵を学習者に見せ、昨日食べたか、どんな味だったかなど話をする。
黒板に唐辛子の絵を貼って指で数える真似をしながら、「1、2、3、4、5、6、…とても
174
からいです」
、
「1、2、3、4…少し辛いです」、続いて「あまり辛くないです」、最後に「全
然辛くないです」と言って、程度の副詞を導入する。推測できたら、以下のように表に
まとめ、意味を確認する。
板書例)
とても
すこし
あまり
ぜんぜん
×
○○です
○○ないです
○○ではありません
※ソムタムに適当な数の唐辛子を貼り、学習者に「辛いですか」と聞き、その数の唐辛
子が学習者にとって辛いかどうか聞いてみてもよい。
(ソムタムの他に、コーヒーに入れる砂糖の数、気温、などを例に導入をしてもよい。
)
◆練習 5
・形容詞を使って、過去に行ったことの感想を言うことができるようになる。
準備するもの:
a.教科書(p.114)の絵カード
※文字は消しておく。
例)
H
o
H
o
T
T
E
L
E
L
b.○×棒
c.形容詞の絵カード(第 7 課・第 8 課・第 9 課で勉強したもの)
おいしい
あつい
きれい
175
など
進め方
基本の練習
+時間があ
れば
①導入でまとめた表に、c の形容詞の絵カードを合わせて、程度の副詞
(とても、すこし、あまり、ぜんぜん)+形容詞のドリル練習をする。
※程度の大きさを、言葉の下に「*」などで表しておくとよい。
板書例)※絵をそれぞれの副詞の下にあて、文を言う。
とても
すこし
******
あまり
***
ぜんぜん
*
いくつか練習したら、表に書いてある字を消して、文字を見ないでス
ムーズに言えるようになるまで練習する。その後、形容詞を過去形に
して同様に練習する。
②教科書の絵カードを見せて学習者に発音させ、名詞の確認をする。
③それぞれの絵カードにどんな形容詞が使えるか学習者に意見を出さ
せる。
例)ホテル:安い、高い、静か、きれい
④教師と学習者で例のような会話を行う。教師は○×棒を使って答え方
を指示する。
例 1)T「海は楽しかったですか」
(○棒)
→S 「はい、楽しかったです」
→T 「よかったですね」
例 2)T「ホテルはよかったですか」
(×棒)
→S「あまりよくなかったです」
→T 「そうですか」
ペア練習に入る前に「よかったですね/そうですか」のリピート練習 +⑤
をする。特に「そうですか」は、イントネーションに注意する。慣れ ク ラ ス の 前
てきたらクラスを A、B の半分に分けて練習する。
で、ペアごと
⑤ペアで 1 枚教科書の絵カードひき、③で練習した会話の例のように会 に 会 話 を 発
表する。
話をする。
「はい」
「いいえ」は自分で決める。
176
◆練習 6
・過去に行った行動やその感想について、質問をしたり、答えたりできるようになる。
準備するもの:
a.練習 6 の語彙の絵カード(教科書 p.110、p.112、p.114)
b.会話のフローチャート(p.117)
※日本語は消し、クラス全員が見えるサイズに拡大する。
例)
ถามว่าไปไหนมาหรือเปล่า
A:Bさん。
。
บอกสถานที่ที่ไป
B:はい、
。
ถามถึงกิจกรรมที่ทาที่นั่น
A:
。
บอกกิจกรรมที่ทา
B:
。
ถามความรู้สึก
A:
。
บอกความรู้สึก
B:
ตอบกลับโดยแสดงความคิดเห็นต่อสิ่งที่ได้ยิน
A:
。
177
。
c.インタビューシート(教科書 p.116)
例)
れ
い
สถานที่ที่ไป
ホアヒン
กิจกรรมที่ทา
e
ความรู้สึก
わたし
さん
さん
たの
楽 しかったです
進め方
基本の練習
+時間があれば
①絵カードを使って、練習 6 の枠内の表現を練習する。最初 +③
は「~ます」で練習し、言えるようになったら「~ました」 余裕があれば、フローチ
で練習する。
ャートにある質問に加
②インタビュートを配り、会話のフローチャートを黒板に貼 えて、「どうやって行き
、
「誰と行きま
る。インタビューシートの「れい」の欄を例にして、フロ ましたか」
ーチャートのそれぞれの吹き出しにどんな日本語が入る したか」など既習文型使
か、クラス全体で考えながら会話を作る。その後、教師が った質問をしても良い。
適宜絵カードなどでキューを出しながら、クラスを A 役と
B 役の半分に分けて、スムーズに言えるようになるまで会 +③
クラスの前で、ペアごと
話の練習をする。
③インタビューシートの私の欄に各自記入し、友だち 2 人に に会話を発表する。
②の会話の流れで、インタビューをする。
178