ジェンダー不平等 - ミツミユニオン

ミツミユニオン
第39期
第4号
編集日
2008年12月9日
発行責任者
冨樫
洋子
編集責任者
冨田
正子
【女のしんぶんより抜粋】
2007年12月にワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和、以下WLB)憲章と行動指
針が策定され、内閣府には「仕事と生活の調和推進室」が設けられた。「国民一人ひとりが
やりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活など
においても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現
できる社会」をめざすというが、実質的な内容について多くの問題点が指摘されている。
ジェンダー不平等
日本のWLBに必要なのは、規制緩和の流れにのった政策ではない。労働時間、生活時間、
収入、いずれをみてもジェンダー不平等は明らかだ。男性は長時間労働で世帯収入を担い、
女性は短時間労働で低賃金の仕事と家族責任の両立が課せられている。働いても自立できな
い女性の状況を変えない限り、ジェンダー平等なWLBは実現できないのである。
男女雇用機会均等法が昨年4月に改正
他には、教育を受ける機会が少ない、
施行されましたが、職場への周知が徹
残業時間が男女で規制枠が違う、FA
海外での取り組みに目を向けてみると、労働時間規制や経済支援などの政策によってどの
底されていないとの認識から、39期
Xの配布やお茶当番は女性が交代で行
ような立場の女性にとっても子育てがしやすい環境を整えることで、女性の社会進出も出生
の研修会は、「改正均等法の周知活動」
っているなど、まだまだ取り組むべき
率も伸びている。スウェーデンとフランスの政策を見てみよう。
としました。
課題は山積しています。
間接差別の禁止や男女双方に対する
この様な実態に気づき、職場の悪し
差別の禁止が盛り込まれた均等法につ
き慣行をなくしていくための活動を展
いて、再度学習を行い、チェックリス
開していく必要があります。問題を聞
トによる職場点検を各々が行い、制度
いたらそれを行動に移し、解決につな
上は問題なくても実態では問題がある
げていくのが労働組合の役割です。小
ことがわかりました。
さなことから一つずつ潰していきまし
各支部ともに昇格についての実態は
ょう。
均等でないとの意見が多く上がり、試
今回の研修会は、次の活動へのステ
験の連絡も来ない等の問題が出てきま
ップです。女性組合員との懇談会でよ
した。また、昇格しても女性は昇給が
り深い議論をしていけるように体制を
遅い実態もありました。
作っていきましょう。
スウェーデンでは
・経 済的支援
公的な育 児休業給付率
は 8割。さら に企業が上乗 せする場合も
多 く 、100%以上 に な るこ と もあ る 。 16
歳 未 満 の 子 ど も を 持 つ 全 て の 親 に児 童
手 当 が 支 給 さ れ 、 手 厚 い 経 済 支 援が あ
る 。 ひ と り 親 家 庭 が 日 本 に 比 べ て多 い
が 、 子 と 離 れ て 暮 ら す 親 に は 養 育費 の
負 担 義 務 が あ り 、 経 済 的 安 定 が 確保 さ
れている。
・労 働時間
1歳半から8歳、若しく
は 小学校卒業 まで、親は労働 時間を4分
の 1短縮でき る。通勤時間 も短く、仕事
と家庭を両立させる条件が整っている。
フランスでは
・経 済的支援
経済支援は 日本の4倍
もあ り、家族手 当は、第2子 以降には、
所 得 制 限 な しで 20歳 直 前 ま で 給 付さ れ
る 。 新 学 期 は 何 か と 物 い り との 理 由 で
「新学期手当」まであり、きめ細かい。
・労働時間
勤 務 時 間 が 短縮 さ れ る
のは一般的。
スウェーデンもフランスも、事実婚
が 認 め ら れ て い る 。 ど の よ うな 家 族 の
形 で あ れ 、 生 ま れ て き た 子 ども が 不 利
益 で な い 社 会 保 障 制 度 が 整 って い る こ
とが、日本との大きな違いである。