アジア政治経済概況 - HSBC Global Asset Management

ご参考資料
アジア政治経済概況
2008 年 9 月 3 日
タイの政治的緊張と株式市場の動揺について
HSBC投信株式会社
概況
タイ政府は、2 日(火)未明のサマック政権打倒を目指す市民団体「民主市民連合(PAD)」と政府支持派
による衝突で死者 1 名、負傷者 43 名が出たことを受けて、同日、首都バンコクに非常事態宣言を発令し
ました。PAD 支持者は、サマック政権をタクシン前首相の傀儡と見做し、サマック首相の辞任を求め、政府
の建物を占拠しています。
PAD 支持者は 8 月 29 日(金)にサマック内閣の退陣を求めて首相府を占拠しました。また、同支持者に
よる抗議行動により南部のプーケット、クラビなど 3 空港および一部の鉄道区間が一時的に閉鎖される事
態となりました。9 月 1 日(月)には、政府支持者数千人が首相府近くに集結し、その結果、2 日(火)未明
の PAD との衝突が生じました。
電力公社や公共交通機関などの政府系労働組合がストライキの実施を決定したことから、2 日(火)朝に、
サマック首相は、公共における集会の禁止、一部地区への外出禁止令などを含めた非常事態宣言を発
令しました。
こうしたことを背景に、2 日(火)のタイ株式市場は大きく値を下げ、同国の主要指標である SET 指数は前
日比-15.71(-2.3%)の 659.51 となりました。
※ 末尾の「当資料のお取り扱いにおけるご注意」を必ずお読みください。
2008 年 9 月 3 日 マーケット・レポート
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今後の見通し
投資家は、2006 年 4 月にタクシン前首相が辞任表明し、軍部による無血クーデターで前首相が追放され
て以来、タイの政治リスクを懸念してきました。今回の事態により同国の政治リスクがさらに高まる可能性
から、投資家はタイの株式市場に対して短期的には慎重な見方をとると、当社では見ています。タイでは
歴史的に、暴動などが起こると株式市場は一時的に急落するものの、結果的には市場は急反発する傾向
があります。なお、現在、総選挙が行われる可能性が高くなってきています。
タイの株式市場は、本年 1 月~8 月の 8 ヶ月間、日本を除くアジア株式市場で台湾に続いて好パフォーマ
ンスを維持しています。タイの株価評価はアジアの中でパキスタンに次いで最も割安な水準になっていま
す。
本レポートは HSBC グローバル・アセット・マネジメント(香港)リミテッドが 9 月 2 日(火)に発行した
「Political Tension in Thailand Causes Market Volatility」に基づいています。
2008 年 9 月 3 日 マーケット・レポート
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HSBC 投信株式会社
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