グローバル経済・市場概況 - HSBC Global Asset Management

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2008 年 9 月 30 日
グローバル経済・市場概況
金融危機の広がりと世界的な株価の急落について
HSBC 投信株式会社
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9 月 29 日(月)、世界の株式市場は、①米下院での金融安定化法案否決、②米国発の金融危機の欧州へ
の波及、を受けて急落しました。NY ダウ工業株 30 種平均は前週末比 778 米ドル安(-7.0%)と過去最大
の下げ幅を記録、また世界経済への影響に対する懸念から国際商品市況も急落し、BRICs諸国では特に
資源輸出国であるブラジルとロシアの株式市場が大幅に下落しました。
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現在の世界的な金融危機が収束するまでにはなお時間を要し、当面、世界の金融市場では不安定な動き
が続きそうです。しかしながら、各国当局は危機打開に向けて全力で取り組んでいます。米国では、10 月
1 日(水)に上院、2 日(木)には下院が再開される予定であり、金融安定化法案の成立に向けた動きが活
発化することが見込まれます。また、日米欧をはじめロシア、中国など新興国でも金融安定化対策が次々
と打ち出されています。昨日は日米欧の金融当局が米ドル資金の自国市場への供給を大幅に拡大すると
発表、金融危機からの脱却に向けた国際協調が強化されています。今後、米国の金融安定化法案が可決
され、金融機関の資本増強・再編が一巡すれば、金融市場は安定に向かうものと期待されます。
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BRICs各国の株式市場は、当面は不安定な動きが予想されます。各国の経済ファンダメンタルズ(基礎的
諸条件)が堅調であることに加え、これまでの大幅な調整によってバリュエーション(株価評価)は低水準に
ありますが、世界的な金融市場の動揺が収束するまでは慎重な対応が必要と思われます。
金融危機の拡大・深刻化から世界の株式市場は軒並み急落
9 月 29 日(月)、世界の株式市場は軒並み急落しました。主な理由は、①米下院での金融安定化法案否決、
②米国発の金融危機の欧州への波及、の2点です。また、市場では、今回の金融危機の世界経済への影響
が一段と懸念されています。
週末に明らかになった欧州銀行大手フォルティスの経営不安と一部国有化などを背景に、米国発の金融危
機の欧州への波及が嫌気され、29 日(月)にはアジア・オセアニア市場、欧州市場が急落しました。その後、米
※末尾の「当資料のお取り扱いにおけるご注意」をお読みください。
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下院で金融安定化法案が否決されたことから、米国株式市場が暴落し、NY ダウ工業株 30 種平均は前週末比
-778 米ドル(-7.0%)と過去最大の下げ幅を記録しました。
こうした流れを受けて、29 日(月)に BRICs諸国では、まず香港の H 株指数が前週末比-6.6%、レッドチッ
プ指数が同-3.8%、インドの SENSEX30 指数が同-3.9%と下落しました。その後、欧州市場が全般的に弱含
みでスタートする中で、ロシアの RTS 指数は同-7.1%となり、さらに米国市場の急落を受けてブラジルのボベ
スパ指数は同-9.4%となりました。また、金融危機の世界経済への影響に対する懸念から原油、資源価格も
急落しており(29 日の WTI 原油先物価は前週末比-9.8%、代表的国際商品指標の CRB 指数は同-5.9%)、
資源輸出国であるブラジル、ロシアの株式市場はこの影響も強く受けました。また、ブラジルについては、レア
ル相場も急落し、一時、米ドルは対レアルで 2.0 の水準を超えました(終値は前週末比+6.5%の 1.96)。
9月29日(月)の世界主要株価指数
主要株式市場
NYダウ(米国)
指数
下落幅
騰落率
10,365.5
-777.7
-7.0%
FT100(英国)
4,818.8
-269.7
-5.3%
DAX(ドイツ)
5,807.1
-256.4
-4.2%
46,028.1
-4,754.9
-9.4%
1,194.1
-91.4
-7.1%
12,595.8
-506.4
-3.9%
Bovespa(ブラジル)
RTS(ロシア)
SENSEX30(インド)
上海総合指数(中国)
<休場>
H株指数(香港)
8,955.3
-633.8
-6.6%
レッドチップ指数(香港)
3,414.9
-134.2
-3.8%
*上海は祝日により休場
今回の世界的な株式市場急落の背景
今回の世界的な株式市場の急落は、主に、①米下院での金融安定化法案否決、②米国発の金融危機の欧
州への波及、の 2 点によるものです。
1.米国下院での金融安定化法案の否決
米下院は、9 月 29 日に金融安定化法案を賛成 205 票、反対 228 票で否決しました。前日に政府と議会のト
ップの間で法案について大枠合意に達しており、法案は成立の見通しとの報道が流れていたことから、下院で
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の否決は予想外の結果と受け止められました。同法案は、7,000 億米ドルの公的資金を投入して不良資産を
金融機関から買い取ることなどを柱とする金融システム安定化のための措置であり、法案否決は市場にとって
大きな打撃となりました。
2.米国発の金融危機の欧州への波及
米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻により深刻化した米国の金融危機は欧州にも波及し、欧州の
金融機関の経営難が次々と明らかとなってきました。28 日(日)には経営不安が高まっていた欧州銀行大手フ
ォルティスの一部国有化(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグの各政府が公的資金を注入)が発表されました。
また、英国でも住宅ローン事業を主力とする中堅金融機関ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)が国有化
され、ドイツでも政府が不動産金融大手ヒポ・リアルエステートへの緊急資金支援策を打ち出すなど、金融機関
の経営不安と各国当局による救済策が相次いで発表されています。
今後の見通し
現在の金融危機が解消されるまでにはなお時間を要するものと見込まれ、当面、各国の金融市場は不安定
な動きを強いられるものと思われます。
しかしながら、各国当局は危機打開に向けて全力で取り組んでいます。米国では、10 月 1 日(水)に上院、2
日(木)には下院が再開する予定であり、金融安定化法案の成立に向けた動きが活発化するものと見込まれま
す。また、日米欧をはじめロシア、中国、インドなど新興国でも金融安定化に向けた対策が次々と打ち出されて
います。昨日は日米欧の金融当局が米ドル資金の自国市場への供給を大幅に拡大すると発表、金融危機か
らの脱却に向けた国際協調が強化されています。今後、各国当局の対応が奏功し、金融機関の資本増強・再
編が一巡すれば、金融市場は安定に向かうものと期待されます。
BRICs各国の株式市場は、当面は不安定な動きが予想されます。各国の経済ファンダメンタルズが堅調で
あることに加え、これまでの大幅な調整によってバリュエーション(株価評価)は低い水準にありますが、世界的
な金融市場の動揺が収束するまでは慎重な対応が必要と思われます。
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