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持たない経営: 証券業の新しい選択肢
~Accenture
Post-Trade Processing (APTP)
弊社は、証券取引のバックオフィス、決済機能を提供する「Accenture Post-
Trade Processing (以下、APTP )」をBroadridge社と共同で立ち上げ、2013 年7
月にプレスリリースを行った。(*1)
(*2)
APTP は証券取引のバックオフィスに必要なシステムと業務オペレーションを
サービスとして提供するソリューションである。
また、APTP のソリューションは、グローバルに展開する多くの金融機関が共
同で利用することを想定している。つまり、コストをシェアすることで、安価に
サービスを提供する試みだ。
北畠 英幸
特に海外拠点の業務効率化を志向する金融機関の新たな選択肢として、是非
ご検討いただきたい。
1996年 アクセンチュア(株)入社
金融サービス本部
シニア・マネジャー
ジャパンデスクAPAC担当
(在シンガポール)
APTP の仕組み
確 保 し、 得 ら れ た ス ケ ー ル メ リ ッ ト 本サービスでは、証券取引、決済の一
リーマンショック以降、欧米の金融機
を価格に還元するスキームだ。
関は、グローバルスケールで合従連衡
このスキームにより、規模が大きい金融
を進め、スケールメリットを追求する
ことでコスト削減を実現してきた。
機 関 で な く て も、 グ ロ ー バ ル に 展 開
連の処理を担う中核ソリューションと
して、国内外で実績のある Broadridge 社
のテクノロジーを採用している。
す る大手金融機関に匹敵するコスト また、照合処理(Reconciliation)やコー
ポレートアクション管理は、SmartStream
しかし、証券業界の競争は激しく、欧米 メリットを享受することが可能になる。
社のソリューションを採用している。
を中心に更なる規制強化も見込まれて ② 規制対応など、将来の追加投資も
いる。コスト削減の必要性は変わって
他社と共有できること
いない。
多くの金 融機関が利用する仕組みで 準化された業務オペレーションとセッ
あるがゆえに、規制対応もサービスの トでバックオフィスのサービスとして
APTP は、グローバルに展開する金融
機 関 の コ ス ト 削 減 ニーズに応えるソ
コストに含まれている。
リューションである。また、コスト削減 つまり、規制対応のコストを APTP の
だけでなく、商品ラインアップや業務 参加金融機関でシェアするため、コス
両社のソリューションが統合され、標
提供されるのが APTP である。
プレスリリースでは、APTP の最初の
クライアントとして、ソシエテジェネラル
社(*3)が採用し、50 以上のマーケット
機能の拡充にも活用できる。
トを抑えることができる。
コストを下げながら、なぜ機能を高め
③ 業界標準の商品、機能ラインアップ
ることが出来るのか?まずは、本サー
を実装していること
参 加 金 融 機 関 が 増 え る ほ ど、 対 応 メ
ビスの 3 つの仕組みをご説明したい。
商品、機能ラインアップが魅力的でな
ニューも拡充される見通しだ。
① システムと業務オペレーションの
ければ、本サービスは成立しない。
に対応できることも合わせて発表した。
コストを他社と共有すること
また、実績のないソリューションでは
本 サ ー ビ ス は 同 じ 仕組みを多くの金 参加金融機関を募ることすら難しい。
融機関に利用してもらうことで規模を
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持たない経営
現在、50 社以上の航空会社が Navitaire 弊社は、同じ変革が証券業界でも起こ
APTP のメリットを具体的にイメージし のソリューションを活用し、持たない ると考えている。
ていただくため、同じスキームで提供 経営を実現している。
し て い る 弊 社 の 航 空業界向けサービ
スをご紹介したい。
規模の小さい金融機関ほど、規制への
また、Navitaire は、全世界のあらゆる
対応、システム投資、業務オペレーショ
航空会社のサービス要求に応えた結果、 ン費用の負担は重い。
航空業界は、過去 20 年で規制緩和に コストだけでなく業務品質の点でも業
よ る 新 規 参 入 が 促 さ れ た 結 果、 競 争 界標準を確立することに成功している。
環境が激変した。
航空業界と同様に、グローバルで利用
可能な業界共通ソリューションが確立
自社で保有すべき機能を選別できれば、 されれば、持たない経営を志向する金
低 コ ス ト を 武 器 と した格安航空会社 コストを抑えながら、高いクオリティ
(以下 LCC)が世界中でシェアを拡大 のサービスが享受できるのである。
する一方、中堅・大手航空会社は生き
残りをかけて合従連衡を繰り返し、コ
スト削減を図っている。
証券業への展開
融機関は数多く存在するだろう。
また、証券業の業界共通ソリューショ
ン を 標 榜 す る こ と は、 タ イ ム リ ー に
コスト削減を突き詰めた結果、航空会
規制に対応し、当局に対して透明性の
社は他社との差別化に必要な領域を見
ある報告をできることが当然の責務と
LCC の低コスト運営を支えているのが、 極め、ノンコアとして識別した領域に なる。
弊社子会社の Navitaire(*4)が提供す つ い て は、 切 り 出 す 判 断 が な さ れ る
る業界共通ソリューションである。
金融機関、監督機関の双方の視点から
ようになった。
透明性の高いサービスを提供し、証券
Navitaire は、Web 上のフライト予約か また業界標準のシステム、業務オペレー 業に新しい選択肢を提供す る こ と が
ら 会 計 処 理 に 至 る ま で、 航 空 会 社 の ションが確立されたことで、新規参入 APTP に課された命題である。
運営に必要なあらゆる業務、システム
が容易になり、業界構造の変革が進行
を提供している。
した。
図表 1 「持たない経営」を支援する
Navitaire の業界共通ソリューション
業界共通ソリューション
各社
セールス
チャネル
お客様向け機能
・フライト予約
・搭乗券発行
・決済処理
・ホテル・レンタカー予約、等
オペレーション機能
・要員配置最適化
・遅延、欠航リカバリ
・会計処理
・需要予測、収益分析、等
システム+業務オペレーション
フロント
バック
• ジェットスター、エアアジア、ライアンエアーなど、50社以上の航空会社が活用
• システムと業務オペレーションをセットでサービスとして提供
• 3億9千万人分の搭乗予約を実施(2012年)
Accenture Post-Trade Processing (APTP) は、Navitaireの スキームを証券業バック
オフィスに適用したソリューション
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APTP の適用可能性(特に海外拠点)
②新たに拠点を新設するケース
グローバル展開を志向する日系金融機
新 し い 海 外 拠 点 を 設 置 す る 際 に も、 「アクセンチュアとブロードリッジ社、
APTP のソリューションは有効である。 欧州とアジアで業務を展開する金融機
関にとって、海外拠点の重要性はこれ
までになく高まっている。
(*1)
システム、業務オペレーションの費用
一方、システムや業務を拠点毎に整備
を抑え、現地の業務に精通した人材を
するには多額のコストがかかる。海外
確保する手間も省くことが出来る。
拠点のシステムを共通化し、業務プロ
③特定の拠点に限って効率化を推進
セスの標準化を図ることは、多くの金
融機関にとって、積年の課題と言って
も過言ではない。
3 つに分けて考えてみたい。
①複数の拠点を跨って標準化を推進
関向けに、共同で『取引後処理支援サー
ビス』の提供を開始」
www.accenture.com/jp/aptp
(*2)
Accenture Post-Trade Processing
専用サイト
するケース
他拠点への展開を前提としつつ、まず
は 特 定 の 拠 点 で 成 果 を 見 定 め た い、
海外拠点に APTP を適用するケースを
2013 年 7 月 18 日
http://www.accenture.com/microsites/
post-trade/Pages/home.aspx
(*3) ソ シ エ テ ジ ェ ネ ラ ル 社
Societe
Generale Corporate & Investment
ビジネスケースを成り立たせることが
Banking (SG CIB )
というニーズも想定される。
出来れば、特定の拠点を対象にするこ
するケース
(*4)Navitaire 社ホームページ
とも可能である。
拠点で保有すべき機能、拠点横断で集
中化できる機能を識別し、あるべき姿
を描く作業は容易ではない。
本スキームは既に多数の金融機関から
http://www.navitaire.com/
お問い合わせをいただき、複数の金融
機関と協働して、業務、システムの適
APTP は、グローバルモデルを前提と 合範囲を検証するフィージビリティス
して標準プロセスが定義されている。
タディを進めている。
つまり、あるべき姿が定義されている
APTP の 活 用 可 能 性 に つ い て、 是 非
ため、現行の業務とのフィットギャッ
ご照会いただきたい。
プを整理することにより、標準化の検
討を推進できる点が大きなメリットだ。
図表 2 Accenture
Post-Trade Processing が提供するサービスの全体像
Product / Instrument Scope
Cash Equities
Notes / Warrants
Bonds
Service Catalogue
Core Offerings
Core securities
processing
Reconciliation of
processed activities
Market connectivity
Basic accounting
Basic reporting
(transaction based)
Modular Offerings
Corporate Actions
Reference Data Scrubbing
Full Sub Ledger
Billing & Collateral Management
Reconciliations
Regulatory Reporting
Market Connectivity
Australia
Austria
Bahrain
Bangladesh
Belgium
Brazil
Bulgaria
Canada
Chile
China (QF11A)
Croatia
Cyprus
Czech Rep
Denmark
Egypt
Estonia
Euroclear
Finland
France
Germany
Ghana
Greece
Hong Kong
Hungary
India
Indonesia
Ireland
Israel
Italy
Japan
Jordan
Kenya
Korea
Kuwait
Lebanon
Lithuania
Malaysia
Malta
Mauritius
Mexico
Morocco
Netherlands
New Zealand
Nigeria
Norway
Oman
Pakistan
Peru
Philippines
Poland
Portugal
Qatar
Romania
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South Africa
South Korea
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Sri Lanka
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Switzerland
Taiwan
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