分析値の信頼性をどう評価するか?

プラズマ分光分析研究会
2011筑波セミナー in Kyoto
2011年7月7日
分析値の信頼性をどう評価するか?
分析値
信頼性をどう評価するか
-測定値の不確かさ・標準物質・技能試験
を上手に利用しよう-
(独)産業技術総合研究所
計量標準総合センター (NMIJ)
計測標準研究部門 無機分析科 環境標準研究室
黒岩 貴芳
産業技術総合研究所
独立行政法人
分析値の信頼性をどう評価するか?
分析値の信頼性評価
何らかの形で分析を行う者にとって、永遠とも言える課題。
本日の講演内容
1 分析(値)の信頼性への要求 背景
1.分析(値)の信頼性への要求・背景
2.不確かさの基本・考え方とその利用について
3.標準物質の種類やその利用について
4.技能試験の基本やその利用について
z トレーサビリティ
z 関連した分析操作や結果処理における注意点
z 内部精度管理の方法
2
分析(値)の信頼性への社会的要求
多くの分析装置が高度化やコンピュータ化により専門的知
識や技術がなくても、誰にでも簡単に操作でき、分析値を
出せる 分析装置 ブラ クボ ク 化
出せる。分析装置のブラックボックス化。
信頼性の欠けた分析が増えてきている。
物質や製品、分析結果の商取引
・信用の失墜や大きな経済的損失。
・法的な違反。
・健康・安心・安全な生活を脅かす。
→ 重大な社会的問題を引き起こす。
分析(値)の信頼性確保が必要不可欠
3
分析(値)の信頼性への社会的要求
ISO/IEC 17025:2005(JIS Q 17025:2005)
試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
管理上の要求事項と技術的要求事項とに大別して規定。
特に技術的要求事項は ISO 9000シリ
特に技術的要求事項は、ISO
9000シリーズにはない、
ズにはない
この規格特有のもの。
序文
試験所がマネジメントシステムを運営し、技術的に適
格であり、かつ、技術的に妥当な結果を出す能力があるこ
とを実証しようと望む場合、それらの試験所が満たさなけ
ればならない全ての要求事項。
ば
4
不確かさ
5
不確かさの定義
不確かさ
測定の結果に付随した、合理的に測定量に結びつけ
られ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ。
これは測定結果に付記される。
これは測定結果に付記される
簡単に言うと
不確かさ・・・「ばらつき」を特徴づけるパラメータ
不確かさは,測定のばらつきを表す!
不確かさは,測定のばらつきを表す
6
なぜ今 不確かさ評価なのか?
なぜ今、不確かさ評価なのか?
トレーサビリティ
「不確かさがすべて表記された切れ目のない比較の連鎖によっ
て 決められた基準に結びつけられ得る計測結果又は標準の値
て、決められた基準に結びつけられ得る計測結果又は標準の値
の性質。」
分析結果
SI単位
導入
トレーサビリティ
分析結果はどのくらい
信用できるのか?
結果の質についての指標も必要
測定結果に 貫性
測定結果に一貫性
世界中のどこでも通じる
結果の質についての指標
「不確かさ」
7
不確かさ
国際度量衡委員会(CIPM) の主導で計測値の信頼性の表現法や算
出法の統一が行われることとなり、1993年、「計測における不
確かさの表現ガイド」 (Guide to the Expression of
Uncertainty in Measurement, 略称: GUM) が刊行され、この
中で「不確かさ (uncertainty)」という言葉が用いられた。
GUMでは、「不確かさ」を「測定の結果に附随した、合理的に
測定量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメー
タ」と定義している。
すなわち、「誤差」が「真の値」からの測定値のずれを示すもの
であるのに対し 「不確かさ」は 測定値からどの程度のばらつ
であるのに対し、「不確かさ」は、測定値からどの程度のばらつ
きの範囲内に「真の値」があるかを示すものである。そもそも
「誤差」を定量的に表現するのは不可能であるので、確率的に表
現することで定量化しようとしたのが「不確かさ」である。
8
不確かさを見積もる
意義 端的には誤差要因の定量化
意義:端的には誤差要因の定量化
見積もりの手順
1 分析手順より実験操作をもれなく列挙
1.分析手順より実験操作をもれなく列挙
2.それぞれの不確かさ要因の洗い出し
3.不確かさ要因の標準不確かさの算出
4.相対標準不確かさへの変換
5 全ての不確かさを合成 合成標準不確かさの算出
5.全ての不確かさを合成、合成標準不確かさの算出
9
不確かさ要因
測定器
測定
測定対象
測定環境
不確かさ
すべてについて評価する必要はない!
最終結果に与える影響が大きなものを
ピックアップすることが重要!
「必要なところに必要な精度で」
時間・手間・コストを最小にするよう努力!
時間
手間
ストを最小にするよう努力!
10
不確かさ要因の例
1.サンプリング(試料の代表性、秤量操作)
プ
グ(試
代表
作)
2.試料保存条件
3 分離 濃縮 分解などの前処理
3.分離・濃縮・分解などの前処理
4.測容器による調製
5 試薬純度
5.試薬純度
6.汚染(分析の各段階で発生する可能性)
7.測定条件(マトリックス効果や干渉、
装置バイアスなど)
8.ブランク補正
9.検量線作成
検 線作成
10.分析技術者の熟練度
11 偶然的ばらつき
11.偶然的ばらつき
11
不確かさ評価の分類
不確かさ評価とは・・・個々の要因によって起こるばらつきを求
不確かさ評価とは
個々の要因によって起こるばらつきを求
め、それを合成することで全体のばらつきを求める。
Aタイプの評価:統計的方法によるもの。
実験からデータを得てばらつきを求める。
Bタイプの評価:統計的方法以外の方法によるもの。
実験以外の方法でばらつきを推定する
不確かさ評価では,ばらつきを「標準偏差」で表わす.
標準偏差:正確な表現ではないが、「ばらつきの平均値」を表わす.
注意 Aタイプ、Bタイプはあくまでも実験デ タからばらつきを求める
注意:Aタイプ、Bタイプはあくまでも実験データからばらつきを求める
か否かということで、ある要因がAタイプかBタイプかは重要ではない。
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平均値の標準不確かさとは
標準偏差=測定値のばらつき
報告する値=平均値
平均値
平
値
ばらつき
測定値
必要なのは測定値のばらつき
ではなく 平均値のばら き!
ではなく、平均値のばらつき!
平均値の標準偏差を求める必要がある。
が
13
不確かさの見方
不確かさ要因を見積もっていくと・・・
不確かさには多くの場合、相対的に大きいも
のと小さいものがあることがわかる。
不確かさ要因のなかで、主役を付きとめること
で、実験を効果的に改善できるし、分析結果の
信頼性が向上する。
実は、正方形の面積として考えると分かりやす
く、主役の1/10以下の不確かさは無視しても
問題ないほど小さいことが分かる。
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不確かさ評価で大切なこと
・統計的考察よりもまず分析化学的考察を行う事が大事!
・全てを評価しなければならないわけではない!
分析化学的・分析技術的観点から、行った分析操作を洗い出す。
分析化学的
分析技術的観点から 行 た分析操作を洗い出す
一度全ての要因を解析してしまえば、全体の不確かさに影響を及
ぼす主要因がわかるようになる。
ぼす
要因 わ るよう なる。
「不確かさ」
測定結果の検証や比較 改善に利用できる
測定結果の検証や比較、改善に利用できる。
信頼性を示す共通の尺度として、継続的かつ横断的に使える。
不確かさを使 てみまし う!
不確かさを使ってみましょう!
15
標準物質
16
標準物質の種類
(1)計測機器の校正<純物質系標準物質>
分析機器や計測器が与える信号を濃度に変換
することを目的とする。
することを目的とする
(計量法トレーサビリティ制度に基づき供給される
標準ガス 標準液など ) トレーサビリティの確保
標準ガス、標準液など。)
トレ サビリテ の確保
(2)分析・計測方法の評価<組成標準物質>
実際の分析試料と化学組成の類似した「組成
標準物質」を分析することで操作全般の妥当
性確認を行う。 妥当性確認 (バリデーション)
分析値 信頼性確保
分析値の信頼性確保
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標準物質の選び方
認証標準物質は高い品質を有しているが、種類が限定され
認証標準物質は高い品質を有しているが
種類が限定され
ており高価であることが多い。そのため、必ずしも認証標
準物質の利用にこだわる必要はなく、目的を満足する標準
物質を選択することが重要。
‹ 使用目的を満足する用途で設定されているか
‹ 測定対象成分について、認証値の精確さ、濃度レベル、
不確かさは満足か
‹ 測定方法に適した形状であるか
測定方法 適 た形状 あ か
‹ マトリックス成分は適切か
‹ 使用期間と安定性、希望する均質性に問題はないか
使用期間と安定性 希望する均質性に問題はないか
‹ 入手のしやすさや継続性、価格に問題ないか
‹ ト
トレーサビリティはどこにあるか
サビリティはどこにあるか
‹ どのような品質システムに基づいて生産されてものか
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標準物質の利用
標準物質の利用としては大きく
1 機器の校正:検量線の作成
1.機器の校正:検量線の作成
2.妥当性確認:分析法の基本的要素について実施・評価
通常の機器分析においては、濃度既知の校正試料(標準液
や標準ガス)を用いて検量線を作成することで測定試料の
濃度を定量する。ここで利用できるのが、純物質系標準物
質である。また、用いた操作全般(前処理を含む)が本当
に正しく行われているのかを確認するために用いるのが組
成標準物質である。
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機器の校正への利用
校正に用いる標準物質(例えば元素分析用標準液)を希釈
して、検量線用の標準液を調製する。
注意点
‹ 汚染:開封すれば環境からの汚染を受ける。必要量を小
分けして用いる 用いる容器 器具からの汚染も注意
分けして用いる。用いる容器・器具からの汚染も注意。
‹ 安定性:常温での安定性や吸湿性など。
‹ 希釈操作:沈殿や分解、揮散が起きないか。用いる水、
酸などの溶媒の選択、及び多成分混合時には特に注意。
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組成型標準物質を用いた妥当性確認
分析法の妥当性確認
濃
濃度
認証値±不確かさ
A
B
C
D
E
分析方法
前処理としての分解法、用いた酸および用いた測定法の組合せ
A法、D法 適合
A法、D法:適合
C法:不適合
B法 E法:??
B法、E法:??
21
測定結果と認証値との比較
認証標準物質の測定後、測定値の平均値と認
証値との絶対差は次のように計算することが
できる。
Δm = | Cm – CCRM |
Δm :測定値の平均値と認証値の絶対差
測定値の平均値と認証値の絶対差
Cm:測定値の平均値
CCRM :認証値
認証値
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測定結果と認証値との比較
Δmの不確かさは次のように算出される。
の不確かさは次のように算出される
uΔ = um + uCRM
2
2
uΔ:測定結果と認証値との差の合成不確かさ (= Δmの不確かさ)
um:測定結果の不確かさ
uCRM:認証値の不確かさ
拡張不確かさUΔは、包含係数2で乗じて
は 包含係数2で乗じて
U Δ = 2 ⋅ uΔ
UΔ:測定結果と認証値の差の拡張不確かさ
Δm をUΔと比較し、
Δm ≤ UΔ の場合は、測定結果と認証値の間に
有意差はないと判断する。
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妥当性確認への利用の注意点
マトリックス効果を考慮した選択が必要
‹ 分析試料のマトリックスに十分類似しているか。または
マトリ クスの差が要求される分析結果の不確かさに対し
マトリックスの差が要求される分析結果の不確かさに対し
て、問題とならないか。
‹ 測定対象成分に対して、化学的または物理的な影響を与
測定対象成分 対
化学的ま
物 的な影響を与
えるマトリックスは何か
‹ 形態、粒度、粘度
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技能試験(外部精度管理)
25
技能試験とは
得られる試験・評価結果の信頼性を高めるために、
試験 評価能力の客観的評価に役立つツ ル
試験・評価能力の客観的評価に役立つツール。
技能試験は基本的に同一の試験サンプルについての試験・評
価を複数の参加機関に実施させ その結果を用いて参加機関
価を複数の参加機関に実施させ、その結果を用いて参加機関
の技能(能力、精度)の比較を行い、各参加機関の技能を統
計的な手法などを用いて評価するもの。現場分析者は技能試
験に参加することで、機関(または個人)の測定・評価能力
を他者と比較し客観的に評価することができる。
26
技能試験参加の要求
ISO/IEC 17025:2005(JIS Q 17025:2005)
試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
試験所
機
事項
【5.9 試験・校正結果の品質の保証】
5.9.1
a) 認証標準物質の定期的な使用及び/又は二次標準
物質を用いた内部精度管理
b)
試験所間比較又は技能試験プログラムへの参加
※試験所認定機関からも参加が要求される
※試験所認定機関からも参加が要求される。
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技能試験結果の評価方法
ISO/IEC 17043に規定された評価方法
z-スコア
z = (x
( – X)/σ
X)/
x : 試験所の値(参加者の結果)
X : 付与(された)値(通常平均値又はメディアン)
付与(された)値(通常平均値又はメデ アン)
σ:室間標準偏差(技能試験時のもの又は規格などで
規定された値)※技能試験の過去のデ タ等に
規定された値)※技能試験の過去のデータ等に
基づき、目標標準偏差を設定する場合もある。
|z|≦2:満足
2 < |z|< 3:疑わしい(どちらともいえない)
| |≧3:不満足
|z|≧3:不満足
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技能試験の評価結果の解釈
技能
試験の評価結果の解釈
技能試験(外部精度管理)
1回の結果の良し悪しだけで、組織(個人)
としての良し悪しが全て決まるわけではない
としての良し悪しが全て決まるわけではない。
重要なことは
その結果をどう判断し、どう活用するのか
分析者自身 組織で 取り組み 重要!
分析者自身と組織での取り組みが重要!
・内部精度管理への反映
・技能試験への継続的参加
技能試験への継続的参加
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内部精度管理への反映
★内部精度管理
・分析方法は適切か
分析機器は適切か
・分析機器は適切か
・使用する試薬等は適切か
・設備や環境は適切か
設備や環境は適切か
・分析担当者の技能は適切か
・組織の仕組みや取り組みは適切か
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内部精度管理の手法
¾ 実試料分析時に管理試料(標準物質など)を分析する。
実試料分析時に管理試料(標準物質など)を分析する
→ 分析結果が一定の範囲内であれば一連の操作が
適切であると判断
¾ 実試料を一定の割合で繰り返して分析する。
→ 分析結果の範囲から精度が正常か否かを判定
¾ 実試料分析時にブランク試験を実施する。
実試料分析時にブランク試験を実施する
→ 試薬等由来の妨害がないことを確認
¾ 実試料に分析種を一定量添加して回収率を求める。
→ マトリックス由来の妨害や操作過程のロスがない
ことを確認
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国内の技能試験の現状
¾
¾
¾
¾
¾
十分な種類、数が提供されていない。
十分な種類
数が提供されていない
ビジネスとしての難しさ。
海外のプロバイダーが進出。
受けなければならない現場の意識の問題
受けなければならない現場の意識の問題。
化学分析の技能試験の多くがzスコアによる
結果評価を採用。
¾ 基本的には技能試験終了後は結果のみが
返される。
技能 証明 対
技能の証明に対する要求は高まる傾向
要求 高
傾向
32
産総研/NMIJの3つの提供
分析技能向上支援
技能試験・技能講習会を提供。
分析現場 難しくな
分析現場で難しくなっている
る
技能教育をサポート。
NMIJ
環境標準研究室
分析機器・技術
分析機器
技術
基本となる分析技術の
高精度化及び便利で頑健
な機器・技術の提供。
標準物質
ニーズへのマッチ強化。
迅速な規制対応
迅速な規制対応。
使いやすい標準物質開発。
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産総研が提供した技能試験の概要
NMIJ分析技能向上支援プログラム
NMIJ
分析技能向上支援プログラム
「バリデーションと不確かさ評価のための技能試験」
「バリデーションと不確かさ評価のための技能試験
」
1.第1回 茶葉粉末(2009年度実施)
測定元素:Al,
測定元素
Al, Ca, Fe, Znから2元素以上選択
Na, P, K, V, Pbに関しては任意選択
38名参加 41名講習会
2.第2回 茶葉粉末(2010年度実施)
測定元素: B, Al, Fe, Zn, Cd, Pbから任意選択
測定元素
31名参加 30名講習会
いずれも、 (1)標準物質の候補試料を使用
(2)技能試験後に講習会を実施
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技能向上支援プログラムの特徴
¾ 標準物質候補試料、またはそれに準ずる試料
標準物質候補試料 またはそれに準ずる試料
均質性の十分な確認
¾ NMIJによる認証と同様の手法での参照値の付与
参加者の数や技能によらない評価が可能
¾ 参加者から操作全般に関する詳細な報告
実際の操作状況を少しでも把握
¾ 参加者の報告書を詳細に解析
参加者の分析操作における問題点を抽出
¾ 解析結果に基づく講習会の実施
問題の原因と解決の糸口を探す手助け
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推定された分析の問題点
★ 計算ミス(転記ミス・単位換算ミス)?・業者、自身による校正
・操作速度、共洗いの
★ 検量線作成(標準液調製も含む)
有無による影響
★質量確認をする
・原液の正確な濃度とトレーサビリティ
・希釈方法とマイクロピペットの校正の有無や使い方
・適切な範囲設定(装置と元素の最適検出範囲)
適切な範囲設定(装置と元素の最適検出範囲)
意外と初歩的な
・十分な点数と測定回数、測定順序
★ 汚染(コンタミネーション)と損失
ミス、確認不足
が多い?
汚染:・分解容器、希釈器具、ピペットチップ、ボトル等
・環境(埃、トナー等)、ヒト(指、汗、呼気、化粧品等)
・環境(埃
トナー等) ヒト(指 汗 呼気 化粧品等)
・試薬や水、今回は特にろ過による汚染の可能性あり
未分解や再沈殿:
:・用いた酸
用いた酸、分解プログラムは適切か
分解プログラムは適切か
・開放系分解で、目的元素の揮散等はないか
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分析技能向上支援プログラム
第4回: 玄米中無機元素分析
¾ 今年度より、
今年度より 3年連続で玄米中無機元素分析のプログラムを実施
産総研と食総研の共同開催
¾ 対象元素:Cd,
Cd Mn,
Mn Fe
Fe, Zn,
Zn Cu,
Cu As(全て任意選択)
¾
3年連続 同一種類の試料で実施することで、技能向上を実感いただく
ことをねらいとしています。測定方法は任意です。
スケジュール等予定
・参加申込み締切り:2011年9月9日(金)
参加申込み締切り 2011年9月9日(金)
・結果報告締切り: 11月18日(金)
・講習会:
講習会 2012年2月予定(詳細は後日参加者に連絡)
年 月予定(詳細は後 参加者に連絡)
・参加定数: 150予定(定数に達し次第、締め切ります)
講習会メインテーマは
講習会メインテ
マは「内部精度管理」
内部精度管理」です。
皆さまの継続参加をお待ちしています。
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まとめにかえて
不確かさの評価
標準物質の使用
技能試験 の(定期的)参加
技能試験への(定期的)参加
自身の技能の客観的評価や把握、
技能向上に活用(如何に活用するか)
精確な分析技術と信頼性の高い分析(値)
精確な分析技術と信頼性の高い
分析(値)
安全・安心な社会の実現
38
参考文献
¾
分析および分析値の信頼性-信頼性確立の方法-
分析および分析値の信頼性
信頼性確立の方法
日本分析化学会編、丸善株式会社、1998
¾
分析化学における測定値の正しい取り扱い方
上本道久
¾
化学分析・試験に役立つ
久保田正明
¾
標準物質活用ガイド
編著、丸善株式会社、2009
現場で役立つ化学分析の基礎
平井昭司
¾
著、日刊工業新聞社、2011
監修、日本分析化学会編、オーム社、2006
監修、日本分析化学会編、オ
ム社、2006
日本分析化学会「ぶんせき」2010年1号~12号
入門講座「分析の信頼性を支えるもの」
39