畜産用飼料の適正な使用のために

畜産農家の皆様へ
畜産用飼料の適正な使用のために
○
BSEの発生を防止するため、家畜への動物性たん白質の給
与などが規制されています。
牛海綿状脳症(BSE)の発生を防止するため、牛やめん羊などの反すう動物に動物性のた
ん白質を含む飼料等を含む飼料を与えることは禁止されています。
また、動物性たん白質を含むペットフードや肥料が家畜の飼料に混入することのないよう、
飼料の貯蔵場所や畜舎内にこれらを持ちこまない等の注意が必要です。
◎
家畜への動物性たん白質の給与に関する規制の概要
主な対象品目
給与対象
豚
鶏
由来
反すう動物
養魚
乳、乳製品、卵、卵製品
ゼラチン及びコラーゲン(一定の条件で処
理したもの)
ほ乳動物、
家きん
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魚粉等(他のたん白質を含まないもの)
魚介類
×
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牛
×
血粉、血しょうたん白(他のたん白質を含ま
豚、馬
×
ないもの)
家きん
×
肉骨粉、肉粉、臓器粉、蒸製骨粉
ほ乳動物、
家きん、
加水分解たん白
×
魚介類
蹄粉、角粉、皮粉、獣脂かす
チキンミール、フェザーミール(他のたん白
家きん
×
質を含まないもの)
ほ乳動物、 ×
肉類を含む残飯など
骨灰、骨炭、第2リン酸カルシウム(鉱物由 家きん、
○
魚介類
来、脂肪・たん白を含まないもの)
注:反すう動物には牛、めん羊、山羊及びしかが含まれる。
×
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・牛には魚粉、血粉、チキ
ンミール、鶏・豚用飼料、
ペットフードなどを与えな
い。
・牛の飼料に動物性たん白
質を含む飼料が混ざらない
よう保存する。
・畜舎内でペットに餌を与
えない。
○
飼料添加物には、添加してよい飼料の種類などが細かく定め
られているものがあります。
抗生物質などの飼料添加物には、添加した飼料を与えてよい家畜の種類、生育段階等が細か
く定められているものがあります。例えば同じ牛用飼料であっても、育成牛用のものと肥育牛
や搾乳牛用のものでは、添加できる飼料添加物の種類や量が違っており、注意が必要です。
抗菌性飼料添加物はその性質等から4種類の区分に分けられ、同一区分に含まれる2種類以
上の抗菌性飼料添加物を併用することが禁止されています。家畜に複数の配合飼料を同時に給
与する場合は、各々に含まれる抗菌性飼料添加物が併用禁止のものでないことを確認願います。
特にほ乳期子牛で代用乳と人工乳を使用する場合、切り替えが徐々に行われるため銘柄の組み
合わせによっては同一区分の抗菌性飼料添加物を併用してしまう可能性があるので、銘柄の選
択には十分ご注意願います。
◎ 抗菌性飼料添加物の併用の禁止
区分
各区分に含まれる抗菌性飼料添加物
Ⅰ アンプロリウム・エトパベート、アンプロリウム・エトパベート・スルファキノキサリン、サリノマ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
イシンナトリウム、センデュラマイシンナトリウム、デコキネート、ナイカルバジン、ナラシン、ハ
ロフジノンポリスチレンスルホン酸カルシウム、モネンシンナトリウム、ラサロシドナトリウム
クエン酸モランテル、デストマイシンA、ハイグロマイシンB
亜鉛バシトラシン、アビラマイシン、アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイ
クリン、エフロトマイシン、エンラマイシン、キタサマイシン、クロルテトラサイクリン、セデカマ
イシン、チオペプチン、ノシヘプタイド、バージニアマイシン、フラボフォスフォリポール、ポリナ
クチン、リン酸タイロシン
アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ビ
コザマイシン、硫酸コリスチン
注:本表の同一区分に含まれる2以上の飼料添加物を併用することは禁止されています。
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対象家畜などが表示された飼料について表示に従わずに使用
した場合、法律による罰則の対象となります。
牛などへの給与が禁止された動物性たん白質や添加した飼料を与えてよい家畜の種類などが
定めらた飼料添加物を含む飼料には、対象家畜等(その飼料を使用することができる家畜の種
類及び生育段階等)が表示されています。
これらが表示された飼料について表示に従わずに使用した場合、法律による罰則(3年以下
の懲役若しくは百万円以下の罰金又はその併科)の対象となります。
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輸入乾草によるエンドファイト中毒にご注意下さい。
近年、粗飼料の輸入が増加する中で、ペレニアルライグラスやトールフェスクのストロー(商
品名としてはイタリアンライグラス、イタリアンストロー、ライグラスストロー、トールフェ
スクストロー等と呼ばれています。)に含まれるエンドファイト(内生菌)が産生する毒素によ
り家畜の中毒事故が生じています(詳しくは動物衛生研究所ホームページをご覧下さい。アド
レス:http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/poisoning/endophyte.html)。
このような中毒を避けるため、牛等にペレニアルライグラス等のストローを与える場合は、
他の粗飼料と混合給与する等により、多給を避けてください。
(平成16年6月 農林水産省消費・安全局衛生管理課作成)