課題1(2016.4.25)

建設材料工学
課題 ~ モルタルの作製
2016.4.25
<課題> 講義時に配布されたセメント(約 50g)を用いてモルタルを作製し,i)混ぜ合わせていると
き,ii)混ぜ合わせた直後,iii)ある程度時間が経過した後(例えば数分後,数時間後,数日後など)
の状態を観察して考察せよ。レポートには写真なども適宜交え,以下の項目について記載せよ。
① 用いた砂がどんなものか,および混ぜ合わせるときの砂の水分状態
② 実際に混ぜ合わせた各材料の重量
③ 観察結果と考察
④ 感想
<補足>
◆ 使用材料について
・配布したセメントは,
「早強ポルトランドセメント」である。
・細骨材(砂)は各自で調達すること。グランドの土などよりは,公園の砂場の砂のようなものが望ま
しい。草木などの異物は除去してから使用すること。モルタル用として園芸店などで販売しているも
のを購入してもよい(が,それほど大量には必要ないので,大量に余ってしまうことを承知の上で購
入のこと)
。なお,用いる砂が乾いている場合は,混入する水を少し多めにした方がよい。
・各材料の質量はなるべく正確に測定して,レポートに記載せよ。配布したセメントはジャスト 50g で
はないので,セメント質量も必ず計測すること。
・各材料の分量の目安は以下の通り(あくまでも目安であるので,この通りにやらなくてもよい)
。
セメントに対する水の質量比 W/C=0.5~0.6 程度
セメントに対する砂の質量比 S/C=1.5~2.0 程度
◆ 作製方法について
・材料の練り混ぜに用いる容器は,プリンカップのような,内底や内壁面に凹凸がないものを用いた方
が混ぜやすい。混ぜ合わせたモルタルは,練り混ぜに用いた容器内でそのまま固まらせてもよいし,
別途準備した型に入れて固まらせてもよいし,可能であれば好きな形に成形してもよい。
・練り混ぜ方は,セメントと砂を混ぜて均一になるまでよく混ぜ合わせた後,所定量の水を投入して再
度よく混ぜ合わせるとよい。水投入直後はしばらくボソボソの状態であろうが,根気よく混ぜている
と次第に軟らかくなり,表面を整えたり成形したりできるようになるはずである。
◆ レポートについて
・レポートは5/13(金)までに建設棟2階レポートボックスへ提出すること。
・建設材料工学の履修が2回目以上の人のうち,過去に本課題レポートを提出した人には,今回は希望
者のみセメントを配布する(希望しない人のレポート点は,過去のものをそのまま付ける)。
◆ 作製したモルタルの処理について
・実際に作製したモルタルは,記念に(?)各自で保管してもよい。ただし,セメント硬化体は産業廃
棄物扱いとなるため,通常のゴミとしてはならない。
・不要な場合はこちらで回収して処分するので,後の講義時に持参すること。
課題1 コメント
1)目的は体感すること → 特に点数はつけていない
2)混ぜ合わせるときに小塊(ダマ)ができるが,根気よく混ぜ合わせると均一になる。あまりボソボ
ソでなかった人は,恐らく水を多め(W/C=0.6)としたのではないかと思う。
3)混ぜると体積が減少 → 砂の粒子間の空間にセメント粒子や水が入り込むため
4)ブリーディングとレイタンスは出てしまっても問題ない。混ぜやすいように,砂の量を少なめに設
定していることも影響。砂の粒度分布にもよる。
5)割り箸を指すのにやや力が必要となってきたくらいが,本格的な水和反応の開始。
6)半日~数日である程度強度は出るが,まだまだ上がる(見た目は変わらない)。
7)表面からは乾燥。表面が白くなるのは,水和生成物の色と,乾燥の影響。乾燥を防ぐには,例えば
ラップなどすると少しはマシ(養生)
。実際には,水を計量して投入しているので,水が蒸発しては
ならない。
8)カップとの間に隙間 → 収縮
9)中や表面に気泡があるのは,締固めをしていないから。振動を加えたり,割りばしで突き固めたり
すれば減らせる。
10)レポートの表現が口語的なのはやむを得ない。例えば,砂の粒子はちょっと粗めとか少し湿って
いるといった表現は,実際には試験機器を使って調べると定量的な表現とすることができる。強度も
同じである。混ぜ合わせたモルタルの軟らかさも試験で調べることができる(コンクリートだとスラ
ンプ試験)
。