医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。 添付文書改訂のお知らせ 《2006 年 12 月改訂》 アロマターゼ阻害剤/閉経後乳癌治療剤 アナストロゾール錠 この度、アリミデックス錠 1mg の添付文書を自主的に改訂致しましたので、ご連絡申し上げます。 なお、新しい添付文書を封入した製品をお届けするのに若干の日数を要すると存じますので、すでにお手 元にございます製品のご使用に際しましては、ここにご案内申し上げます改訂内容及び最新の添付文書(2006 年 12 月改訂)をご参照下さいますようお願い申し上げます。 記 1.改訂箇所(自主改訂) 「その他の副作用」の項に「手根管症候群」を追記致しました。 2.改訂内容と改訂理由(自主改訂) 改訂後(下線部は追加箇所) (2)その他の副作用 10% 以上 精神神 経系 1~10% 未満 1% 未満 傾眠 改訂前 頻度不明 手根管症候群 (2)その他の副作用 10% 以上 精神神 経系 1~10% 未満 1% 未満 頻度不明 傾眠 該当箇所のみ記載 <改訂理由> 海外で行われた術後補助療法大規模比較試験(ATAC trial)の結果、アナストロゾール(本剤)群ではタモ キシフェン群と比較して手根管症候群の有害事象発現頻度が高く(本剤群:78 例 (3%) 、TAM 群:22 例(1%)、 P<0.0001)、本剤投与が手根管症候群の発現に影響を与えた可能性は否定できないと判断されたことから、 CCDS(Company Core Data Sheet:企業中核データシート)に「手根管症候群」が追記されました。国内に おいても手根管症候群の症例が 1 例報告されていることを踏まえ、 「その他の副作用」の項に追記し、注意 喚起することと致しました。 参考文献: The Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination (ATAC) Trialists’ Group:Lancet Oncology, 7(8), 633, 2006 注:CCDS(Company Core Data Sheet:企業中核データシート) グローバル企業で作成される各国の添付文書を作成する際に基準となる製品情報文書で、安全性情報、効能・効果、用法・用量、 薬理学的情報及び製品に関するその他の情報が記載されています。世界中から集められた安全性情報を評価し、最新の情報が 反映されるよう、逐次改訂が行なわれます。 以下に国内で報告された症例を紹介致します。 [症例概要] (国内自発報告) 手根管症候群 患者 性別・年齢 女性・50 歳代 使用理由 (合併症) 乳癌 既往歴 左乳房部分切 除、腋窩郭清 投与量 (投与期間) 1mg/日 (364 日間) 併用薬 経過及び処置 本剤投与前よりスポーツはしていない。頚椎の変化なし。 本剤投与約 3 年 5 ヵ月前 本剤投与約 2 年 9 ヵ月前 投与開始日 投与約 1 年後(投与中止) 中止約 3 ヵ月後 中止約 8 ヵ月後 左乳癌にて、乳房温存手術施行。 術後、CMF 療法(シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロ ウラシル)6 クール施行。 クエン酸タモキシフェン(20mg/日)投与開始。 閉経を確認し、本剤に投与変更。 手指のこわばりを認めたため、本剤の投与中止。 右手第 1 指手根管症候群発現。 事象は回復したが、後遺症として右手母指球筋の萎縮が残存。 クエン酸タモキシフェン 次頁に改訂後の使用上の注意事項全文を記載していますので、併せてご参照下さい。 -1- 改訂後の「使用上の注意」 【禁忌】(次の患者には投与しないこと) 1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験(ラット)で胎 児の発育遅延が認められている。また、動物実験(ラット及びウ サギ)で胎児への移行が認められている。](「妊婦、産婦、授乳 婦等への投与」の項参照) 2. 授乳婦[本剤の授乳中婦人における使用経験はない。](「妊婦、 産婦、授乳婦等への投与」の項参照) 3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 【使用上の注意】 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 重度の肝・腎障害のある患者[本剤の重度の肝・腎障害患者にお ける安全性は確立していない。] 2. 重要な基本的注意 (1)本剤の特性ならびに使用経験がないことを考慮して閉経前 患者への使用は避けること。 (2)本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について 十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適 切と判断される患者についてのみ使用すること。 3. 副作用 国内・外の臨床試験において、副作用評価対象例 437 例中 157 例(35.9%)に 297 件の副作用が認められた。主な副作用は、ほて り 67 件(15.3%)、嘔気 29 件(6.6%)、脱毛 8 件(1.8%)等であった。 (承認時までの調査) (1)重大な副作用 1)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(0.1%未 満):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)があらわれ ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 2)アナフィラキシー様症状、血管浮腫、蕁麻疹(頻度不明): アナフィラキシー、血管浮腫、蕁麻疹等の過敏症状があら われることがあるので、このような症状があらわれた場合 には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 10% 1~10% 1%未満 頻度不明 以上 未満 全身 ほてり 頭痛、無力 症、疲労、 倦怠感 肝臓 AST(GOT) 上昇、 ALT(GPT) 上昇、Al-P 上昇、γ-GTP 上昇 消化器 嘔気 食欲不振、 嘔吐、下痢 精神神経 傾眠 手根管症候 群 系 皮膚 脱毛 発疹 筋・骨格 関節痛、硬 骨塩量の低 系 直 下、骨折 注 生殖器 性器出血 1) 膣乾燥 その他 高コレステ ロール血症 注 1) 性器出血が認められた場合には直ちに検査を行うなど適 切な処置を行うこと。 下線部変更箇所 DI540 リ 4. 高齢者への投与 本剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において血漿中濃 度及び副作用の発現率並びにその程度に差は見られていない。 しかし、一般に高齢者では生理機能が低下しており、副作用が あらわれやすいので慎重に投与すること。 5. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 本剤は、閉経後患者を対象とするものであることから、妊婦、 授乳婦に対する投与は想定していないが、妊婦、授乳婦への投 与の安全性については次の知見がある。 (1)妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。[動物実験 (ラット)で胎児の発育遅延が認められている。また、動物実 験(ラット及びウサギ)で胎児への移行が認められている。] (2)授乳婦への投与に関する安全性は確立していない。[本剤の 授乳中婦人における使用経験はない。] 6. 過量投与 本薬 60mg を単回投与した臨床試験においても、忍容性は良好 であった。過量投与には以下の処置を考慮すること。 処置:本薬の過量投与に特異的な解毒薬はないため、対症療法 を行うこと。過量投与時の処置においては、複数の薬剤を服用 していた可能性を考慮すること。患者の意識がある場合は、嘔 吐を誘発してもよい。本薬の蛋白結合率は高くないので、透析 も有用と考えられる。バイタルサインの頻繁なモニタリングや 患者を注意深く観察すること。 7. 適用上の注意 薬剤交付時: PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導 すること。[PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ 刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併 発することが報告されている。] 8. その他の注意 (1)本剤との関連性は明確ではないが、臨床試験において無力症 や傾眠等が報告されているので、自動車の運転や機械の操作 には注意すること。 (2)本剤との関連性は明確ではないが、臨床試験において血栓塞 栓症が報告されている。 (3)ラット 2 年間がん原性試験において高用量(25mg/kg/日)のみ で雌の肝臓腫瘍及び雄の甲状腺腫瘍増加が認められた。この 変化はヒトへの治療用量投与時の暴露の雄で約 80 倍以上、 雌で約 90 倍以上の時にのみ増加することから、患者への本 剤投与時の臨床的な安全性との関連性は低いと考えられる。 マウス 2 年間がん原性試験では良性卵巣腫瘍の増加が認めら れた。この変化はアロマターゼ阻害によるマウスに特異的な 変化であると考えられ患者への本剤投与時の臨床的な安全 性との関連性は低いと考えられる。 (4)ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において、本薬 の薬理作用に起因すると考えられる着床数、妊娠率及び出生 児数の低下、胎盤の肥大等が認められている。 問合せ先 アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター 〒531-0076 大阪市北区大淀中 1 丁目 1 番 88 号 0120-189-115 -2-
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