「リピオドール480注 10mL」 使用上の注意改訂のお知らせ

- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。-
「使用上の注意」改訂のご案内
2014年9月
リンパ系・子宮卵管造影剤
医薬品又は医療機器の調製用剤
ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル注射液
製造販売元: ゲルベ・ジャパン株式会社
販 売 元: テルモ株式会社
平素より弊社製品につきましては、格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、リピオドール®480 注 10mL(一般名:ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル注射液)の添付文
書「使用上の注意」を自主改訂致しましたので、ご案内申し上げます。
改訂内容につきましては、日本製薬団体連合会発行「DRUG SAFETY UPDATE 医薬品安全対策情報
No.233(2014 年 10 月)
」に掲載されます。
流通在庫の関係から改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまで若干の日数が必要ですので、
既にお手元にある製品のご使用に際しましては、本内容をご参照戴きますようお願い申し上げます。
1
【改訂内容】 (波線部
: 改訂箇所)
改
訂
後
現
3.副作用
3.副作用
(2) その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、適切
な処置を行うこと。
リンパ系撮影・子宮卵管撮影
頻度
種類
5%以上
皮膚
0.1~5%未満
0.1%未満
皮膚炎
(2) その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、適切
な処置を行うこと。
リンパ系撮影・子宮卵管撮影
頻度
頻度不明
種類
発疹
喀痰等
循環器
腹痛
食欲不振、
下痢等
適用部位
0.1%未満
頻度不明
発疹
せき、くしゃみ、
喀痰等
肺脂肪塞栓像 チアノーゼ
腹痛
消化器
疼痛
0.1~5%未満
皮膚炎
呼吸器
肺脂肪塞栓像 チアノーゼ
消化器
5%以上
皮膚
せき、くしゃみ、
呼吸器
循環器
行
食欲不振、
下痢等
疼痛
適用部位
白血球・
リンパ管炎
白血球・
リンパ管炎
網内系
(一過性)
網内系
(一過性)
甲状腺機能低
内分泌系
その他
その他
下症
発熱
油性剤の残留
胸痛
熱感等、
異物肉芽腫
発熱
油性剤の残留
胸痛
熱感等、
異物肉芽腫注)
注)子宮卵管撮影に際して卵管通過性不良の場合、卵管内に造影剤が
注)
長期残留して生じることがある(特に、通過障害が炎症の場合に
は炎症を再燃させる危険性があるので注意すること)
。
注)子宮卵管撮影に際して卵管通過性不良の場合、卵管内に造影剤が
長期残留して生じることがある(特に、通過障害が炎症の場合に
は炎症を再燃させる危険性があるので注意すること)
。
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
また、本剤投与の際にはX線照射を伴うので、妊
また、本剤投与の際にはX線照射を伴うので、妊
婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しな
婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しな
いこと(子宮卵管撮影)。
いこと(子宮卵管撮影)。
あるいは、診断上の有益性が危険性を上回ると判
あるいは、診断上の有益性が危険性を上回ると判
断される場合にのみ投与すること(リンパ系撮影)。 断される場合にのみ投与すること(リンパ系撮影)。
子宮卵管撮影後の妊娠例で、新生児に甲状腺機能
低下症、甲状腺腫があらわれることがあるので、新
生児の甲状腺機能に注意すること。
2
【改訂理由】
1.「(2) その他の副作用 リンパ系撮影・子宮卵管撮影」の項
本剤を使用した子宮卵管撮影後に、本剤との関連性が否定できない(関連性が不明を含む)
「甲状
腺機能低下症」が 2014 年 4 月の時点で 22 例集積されたため追記しました。
2.「5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項
本剤を使用した子宮卵管撮影後の妊娠例で、新生児における「甲状腺腫」を含む「甲状腺機能低
下症」の発現が2014年4月の時点で7例集積されたため追記しました。
適正な用法・用量で施行された子宮卵管撮影直後の妊娠では新生児には甲状腺機能に影響がなか
ったものの、母体が高ヨード環境になる可能性はあります1)。子宮卵管撮影直後に妊娠が判明した
婦人に対しては、本剤の投与量が通常量(5~8mL)を大きく超える等の要因も含めて母体のヨー
ド過剰状態が、胎児や新生児にも影響を及ぼすことが考えられます。これらの点を考慮し、妊婦に
対しては甲状腺機能検査を実施するなどとともに、新生児の甲状腺機能低下にも注意をして戴き
ますようお願い申し上げます。
また、本剤投与に食品等からのヨード摂取が加わるとヨード過剰状態となる可能性があり、甲状
腺機能低下のリスクが高まると報告されています2)。妊娠中に本剤投与に関連した母体の甲状腺機
能低下が認められた場合は、食品等からのヨード摂取を避けるなど胎児や新生児への影響を低減
させる処置を施して戴きますようお願い申し上げます。
なお、薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律(平成 25 年法律第 103 号)の施行(2014 年 6 月 12 日)
に伴い、
「処方せん」を「処方箋」に記載整備致しました。
* 併せて個装箱及び本体ラベルの表記を「処方せん」から「処方箋」に変更致します。
参考文献
1) 荒田尚子.厚生労働科学研究補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)母子コホート
研究による成育疾患等の病態解明に関する研究 平成 23 年度 総括・分担研究報告書 妊娠前
の子宮卵管造影検査で用いられるヨウ素含有造影剤の妊婦および新生児の甲状腺機能への影
響に関する研究
2) 朝倉由美、安達昌功、立花克彦.新生児甲状腺機能に及ぼすヨード過剰の影響.日本小児科学
会雑誌.2002;106:644-649
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