マリン通信が密かにお届けされています皆様、いつもあり がとうございます、中本です。 各地で花の便りが聞かれる頃となりました。4月から新生 活が始まり、環境の変化に少し戸惑いながら過ごされている 方も多いのではないでしょうか?歓迎会やお花見と、ついつ い暴飲暴食してしまうこともありますね。季節の変わり目や 環境の変化でストレスを抱えたり、暖かくなりボーッと憂鬱 な気分になることもあるのではないでしょうか。体調管理の 難しい時期とも言えます。十分に気を付けていきましょう。 さて、今月のテーマは、 です。 日本人の4~5人に1人が持っていると考えられる水虫は、白癬菌が足の皮 膚に感染して起こる病気です。白癬菌はカビの一種で、皮膚の角質層にすみつ き、水虫特有の症状を引き起こします。皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下組 織の3層構造になっています。角質層というのは、表皮の中で最も外側の分部 で、死んだ表皮細胞が重なり合ってできています。つまり、白癬菌は皮膚の死 んだ細胞を栄養に生きているのです。 白癬菌は体中のどこの皮膚にも感染しますが、足に感染したものを水虫と呼 び、他の部分に感染したものをたむしといいます。多いのは水虫の方で、白癬 菌による皮膚病の多数を占めているそうです。 水虫の大部分は、まず第4指と第5指の間にでき、それから次の4つのタイ プに分かれていきます。 ① 趾間型(しかんがた) ・・・指の間の皮膚が白くふやけたような状態で、 ふやけた皮膚がむけてきます。かゆみはあまり強くありません。 ② 小水疱型(しょうすいほうがた) ・・・水虫の中で最も多いタイプで、 足の裏や側面に小さな水疱がポツポツとできます。かゆみが強いのが特徴で す。夏になると現れ、冬になると消えるといった季節性があります。 ③ 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた) ・・・小水疱型の水虫が慢性 化したタイプで、足裏全体に白癬菌が感染し、角質層が厚くなっています。 水疱はできず、表面は白い粉を吹いたようになっています。かゆみはありま せん。 ④ つめ水虫 ・・・つめの中に白癬菌が感染した水虫です。つめが白く濁り、 厚くなってきます。かゆみはありません。 水虫 1 / 2 皮膚の表面に付いた白癬菌が角質層に入り込むまでの時間は、湿度によって 大きく異なります。その個所の湿度が100%だと1日、95%だと1日半、 90%だと4日間で侵入すると言われています。夏に靴を履いているとき、靴 の中の指の湿度は100%近くになっています。水虫が夏に発症することが多 く、指の間から始まるのはその為なのです。 水虫の治療には、抗白癬菌薬の外用薬が最もよく使われてい ます。趾間型や小水疱型の場合であれば、外用薬を1ヵ月程連 用すると症状が消えます。しかし角質層の奥の方に残っていた 白癬菌が増殖してくるので、症状が消えた後も、6ヵ月(最低 3ヵ月~4ヵ月)は薬を使い続けることをお勧めします。角質 増殖型やつめ水虫は、外用だけでは十分な効果が得られないの で、内服薬が使われることがあります。 水虫は同じ条件の環境で生活していても、かかる人とかからない人がいます。 漢方医学では、水虫になる原因を「水の滞り」 ととらえています。水の滞り が原因となって、白癬菌が付着すると水虫にかかりやすい体質になってしまう と考えます。逆にかかりにくい人は水の流れがよいと考えられ(西洋医学的に とらえれば免疫力が高い)、こうした体質づくりを心がければ、水虫も治りやす く、かかりにくいと言えます。もちろん水だけでなく、気・血も含めバランス よく体を巡っているのがよい状態です。患部だけでなく、体全体の調子を整え ることが一つの治療法とも言えます。 水虫を完治させるためには、生活環境から白癬菌をなくすことも大切です。こ れは家族が白癬菌に感染するのを防ぐことにもつながります。ソックスはこま めに替え、洗濯した後はよく乾かします。日光の紫外線には殺菌作用があるの で、なるべく直射日光にあてましょう。バスマット も同様に、洗濯しない日でも、必ず干しておくよう 心がけましょう。また、指の間を乾燥した状態に保 ち、家ではなるべくソックスやスリッパを履かず、 素足で過ごすようにするといいですね。 水虫 2 / 2
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