子育ての知恵 - (株)教栄社

 Vol 34
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子育ての知恵
アメリカ先住民のアメリカインディアン言葉の中
に、「子供たちはこうして生きかたを学びます。」
とあります。紹介すると、①批判ばかり受けて育っ
た子は批判ばかりします。②敵意にみちた中で育っ
た子はだれとでも戦います。③ひやかしを受けて
育った子ははにかみ屋になります。④ねたみを受け
て育った子はいつも悪いことをしているような気持
ちになります。⑤心が寛大な人の中で育った子はが
まん強くなります。⑥はげましを受けて育った子は
自信を持ちます。⑦ほめられる中で育った子はいつ
も感謝することを知ります。⑧公明正大な中で育っ
た子は正義心を持ちます。⑨思いやりのある中で
育った子は信仰心を持ちます。⑩人に認めてもらえ
る中で育った子は自分を大事にします。⑪仲間の愛
の中で育った子は世界に愛をみつけます。 とあり
ました。
ドロシー・ロー・ノルト著の「こどもが育つ魔法
の言葉」の格言も子育ての知恵は親の対応であり、
子は親の鏡であるとしています。
今回は子育ての知恵について勉強してみたい。知
恵とは、道理を判断し処理していく心の働きであ
り、筋道を立てて計画し、正しく処理していく能力
であります。
知識はたくさんあっても子育て上手にはなりませ
ん。子育ての方法は知恵に求めていくべきです。
そして、子育ての中核は子どもの中に内在してい
る豊かな感性と能力をいかに顕在化するかです。
元々本来もっている、豊かな想像力、進取の創造
力、飽くなき好奇心、他者に対する思いやり、積極
性等のポジティブな能力をいかに引きだしていくか
が課題であります。
人間には良い面ばかりで無く、他者を恨み、嫉妬
し、攻撃する生命も内在していますが、これらの能
力は顕れないようにすることも大事な点です。
その事を南アフリカの初代大統領のマンデラ氏
は、高らかに宣言しています。
今月のテーマは「子育ての知恵」
について特集しました。
子育ての知恵はいつの時代で
も、どこの国でも、いつも新鮮に
親の心と連動しています。
「あらゆる人間の心の奥底には慈悲と寛容があ
る。肌の色や育ちや信仰のちがう他人を、憎むよ
うに生まれついた人間などいない。人は成長課程
のなかで憎むことを学ぶのだ。そして、憎むこと
が学べるのなら、愛することだって学べるだろ
う。」といわれています。
つまり、その子どもがどのような生き方をする
かは、周りにいる人の考え方に影響されるので
す。
恐ろしき間違いの育児法は、命令しすぎる、物
を与えすぎる、手伝いしすぎる、小言を言いすぎ
ると、嘘つきになり、欲張りになり、怠け者の子
になり、怒りん坊になり、わがままな子になる。
子育てほど親の生き方がそのまま反映されてく
るものはありません。すべての責任は、鏡である
親の生き方や態度が子に顕れてくるのです。
つまり、子育ての知恵はいつの時代でも、どこ
の国でも、いつも新鮮に親の心と連動しているこ
とを知ってほしい。
従って、子育ての根本は子どもを慈しむ心であ
り、子どもにとって親から愛されたという事実こ
そ最も大事な点であり、この原点が子育ての基本
ではないでしょうか。
結論:個々の子育てがうまくいったかどうかは、その子どもが成人になった
ときに、親を大事にして尊敬するようになったかどうかで決まるのではない
か。つまり、子育ての知恵の集大成は子どもが親に対し、どのような思いを抱
くようになったかで決まるのではないでしょうか。