リニア工事 事務所 大鹿分室を訪ねてみました! インタビュー・まとめ 前島久美(大河原)090-8044-0704【2015 年 6 月 23 日発行】 良で多少なりとも理解を得 6 月 8 日夕方、ヘルシーミートさんの横に られたのではないかと感じ 開設されたリニア工事事務所を訪ねました。 た。一方で例えば 152 号線 2 日に行われた説明会を終えての感想など の 3 案を提案したが、これ をJR東海の永田さんに伺いました。 に関してはまだまだ。村民 尚、分室には上野さん、永田さん、【以下 の方も意見があると感じた。 永)】布施谷さんが常駐されていますが、どな まだ決める段階に来ていな たがご説明されてもそれらの回答は「JR東 い。今回はJR東海の案を 海」の見解であるとの確認をとっています。 大鹿分室 ご説明しただけ。 Q1、2 日の説明会を振り返ってどのようなご感想をお Q3、住民、報道陣から今回の説明会の資料が少な もちになりましたか?事業者としての見解をお聞かせ いと指摘がありました。報道陣には、「必要なところに ください。(永田さん個人の感想を含む) はFAX」すると回答があったようですが、なぜ当事者 永) 「(リニア事業)に対しての理解を深めていた の住民はこの分室にこないとみることができなのです だく」という目的に立って行った説明会だった。 か? ただ理解の度合いがある。JR東海のやろうとし 永)それはいいかたを変えれば、 「住民にも全部配 ているのはこういうことではないかと感じていた ればいいじゃん」といことですね。 だいた方もいたであろう一方で、前回の説明会の 前)はい。そうです。 時と言ってることが違うのではないか(送電線の 永)大意があったわけではなくて、昨年の秋の交 話を例に)といった意見あり。感じ方とか捉え方 流センターで説明会もそうなのですか、全体の時 は様々。当社がやろうとしている事業についての にはお配りしていないのですが自治会ごとにやっ 理解が進んだと捉えられる一方でまだ説明が足り た時には抜粋資料としてお配りしているんです。 ないのではないか、一部の住民の方との間にJR 今回の資料は何枚あったと思いますか?69枚あ 東海の考え方に差があって、その差を埋めていか るんです。それでは 69 枚渡して本当に合理的なん なければいかない事実がわかった。 でしょうか?皆さんが関心が高いところを抜粋し Q2説明会後の囲み取材で沢田さんは「理解が深ま て渡した方がいいのではないかという考えからで った」との回答をされているが、沢田さんは住民のど す。全部渡したくないからではない。不都合があ んな反応をご覧になってそのように感じられたのか具 るから渡したくないというわけでは必ずしもない。 体的にお答えください。(永田さん個人の捉え方を含) ただ、中電さんの資料に関しては、どこに送電線 永)松川インター大鹿線の改良について質問・意 を設けるかもきまっていない中で資料を渡すのは 見がでるかとおもっていた。これに関して榛ノ沢 地権者の方にご迷惑がかかるので、その点はご理 橋、四徳大橋の改良についての質問に留まりその 解いただきたい。 後、特に住民の方からは松川インター大鹿線の改 Q4JR東海と住民の意見の開きは今後どのように解 良に関して質問が出なかった。その点(それ以上 消、対処していくのか? 質問が出なかった)からみると、説明した道路改 永)難しいですね・・・・ 例えば、どこまで情報を村から得られるか。 梨県側では「立木トラスト」といった活動が始まるなど、 住民懇談会が現在行われているが、 (6 月 8 日当時)2 御社のやりかたに対して住民の理解がついていけて 日の説明の部分のDVDをJR東海が貸与して説 ないんではないかと紙面からは読み取れます。時間 明会に来られなかった方などから意見を聞く。こ をかけて理解を得るという選択をしないということで こで出てきた意見も参考して、JR東海としてで あれば、どのように理解を深めていくのでしょうか? きることは何か、村の皆さんの要望を形にするに 永) 「理解が深まる」というのは形成的な判断にな はどうすればいいのかを検討する。ただ今後それ る。最終的にはJR東海が判断する。 をどのように周知していくかは考えなければいけ 言い方をかえると、村長が判断するのか? ないこと。 議会か?住民投票?対策委員会で多数決?いずれ 前)これまでの説明会のやり方は 1 人 3 つの質問に もNO。弊社が判断するしかない。判断といった 限定される。これでは議論が難しいのではないか。例 らなにかといったら、明確な基準はないが、 えば質問に対して矛盾が生じていた場合指摘するこ 説明会やりました、行政懇談会やってます、対策 とが難しく感じられる。これでは一方通行のままでは 委員会に出席する中で総合的に判断していくしか ないか。このやり方が住民とJR東海との間にできた ない。これをクリアしたからOKなんですってい 溝が深まってしまった原因ではないかと考える。社内 う明確なハードルや高さは持ち合わせていない。 で今後「協議のカタチ」を検討することは考えていらっ しゃいますか? 永)それは、この場でお答えしずらいです。 前)例えば 2 日に住民からあがってきた意見は御社 の内部でどのように扱われているのでしょうか? インタビューを終えて…… JR東海のおこなう「説明会」はただの「報 告会」のように見えます。私だけでしょうか? これまで住民が投げかけてきた質問や要望 永)質問された内容を内部で報告している。その に対し、JR東海の回答の趣旨は、国の着工認 中でJR東海でやれるのか、やれないのかを検討 可前は「まだ決まっていない事なので公表でき している。具体的にいつからいつまでの間に検討 ません」着工認可後は「もう決まった事なので するかは決まっていない。 やります」ということです。インタビューでも Q5、今の段階で 2027 年に開業の旗印をおろしてい 確認していますが 2015 年 6 月 2 日に行われ ないということですが開業の時期をのばしてでも、理 た説明会では「何をもって合意とするのか」と 解を深めるための時間が必要だと考えます。その点 いう質問に対し、JR東海は「具体的なものは についてはどのようにお考えでしょうか? ない。住民にも賛成反対がいる。村が賛成した 永)それって、時間を延ばす必要があるのでしょ からといってやるということでもない。タイミ うか。例えばこの分室をかまえたことも今まで飯 ングは考えるが、最後は事業者の責任でやる」 田にあったものが、こうやって身近に対応できる としました。これは反対があったとしても、 「行 形で整いました。JR東海のやろうとしているこ けそうだ」と判断したらJR東海がやるという とは拙速であるとの意見もあるが、だからといっ ことです。いち私企業がこれほどまでに、私た てスピードダウンする必要があるのかといたら、 ちにリスクを強いる理由はいったいどこにあ 必ずしもそうではない。一般論から言うと 2027 年 るのか、JR東海は答えていません。 ありきで途中やるべきことをすっ飛ばしていいか 自分たちの村の事なのに、なんの判断もでき と言えば、そのようにはおもっていない。 ないまま、このリニア計画は「住民の我慢」の 前)大鹿村だけで溝が深まっているわけではなく、山 上に進んでいくのでしょうか? (前島久美)
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