睡眠障害のある患者へのアプロー チ ~睡眠リズムチェックシートを活用 して 学んだこと~ 3階B病棟 前田智恵子(看護師) 他病棟スタッフ一同 はじめに 不眠は心身の健康やQOLに影響を及ぼ し、 入院という特殊な状況下ではより深刻化し やすく対応を迫られる看護問題の一つと なっている。 今回、日中の覚醒状態が不安定でリハ介 入困難な患者に対し、睡眠リズムチェッ クシートを用いて、全スタッフが取り組 んだ症例を通し報告する。 患者紹介 A氏 78歳 男性 右頭頂葉皮質化出血にて平成22年11月24 日当院入院 既往:平成14年 外傷性クモ膜下出血 平成15年 右前頭葉皮質下出血 FIM:運動40点 認知18点 日常生活 5点 車イス介助レベル 高次脳機能障害 H-DSR14点 睡眠リズムチェックシート 睡眠リズムチェックシート について 日 曜 16 17 18 19 20 21 22 23 24 日 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 日 2 10 火 × × × × × × ▲ ○ ○ 11 ○ ▲ ○ ○ ○ ○ ▲ × × × × × × × × 月 11 水 × × × × × × × ▲ × 12 × × ○ ○ ○ ▲ × × × × × × × × × 日 曜日 16 17 18 19 20 21 22 23 24 日 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 計 備考 10 火 11 0 21時リスパダール 0時ロヒプノール 11 水 12 0 21時ロヒプノール 0時20分リスパダール 12 木 13 0 21時リスパダール 2時30分ロヒプノール 13 金 14 0 21時リスパダール 14 土 15 0 21時30分リスパダール 15 日 16 0 0時30分リスパダール 16 月 17 0 20時30分リスパダール 22時30分ロヒプノール 17 火 18 0 21時リスパダール 23時30分ロヒプノール 18 水 19 0 21時リスパダール 2時30分ロヒプノール 19 木 20 0 23時リスパダール 1時ロヒプノール 20 金 21 0 20時30分リスパダール 22時ロヒプノール 21 土 22 0 21時リスパダール 23時ロヒプノール 22 日 23 0 21時リスパダール 2時30分ロヒプノール 23 月 24 0 21時リスパダール 24 火 25 0 21時リスパダール 0時ロヒプノール 25 水 26 0 22時リスパダール 0時30分ロヒプノール 26 木 27 0 21時リスパダール 23時30分ロヒプノール 27 金 28 0 21時30分リスパダール 28 土 29 0 29 日 30 0 ※2月16日グラマリール2T×2へ減量 30 月 31 0 ※2月16日リスパダール(1)0.5Tへ減量 2 月 3 日 曜日 16 17 18 19 20 21 22 23 24 日 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 計 備考 1 火 2 0 20時30分アモバン 22時リスパダール 2 水 3 0 21時アモバン 22時30分リスパダール 3 木 4 0 21時アモバン 4 金 5 0 21時アモバン 5 土 6 0 21時アモバン 6 日 7 0 21時アモバン 22時50分リスパダール 7 月 8 0 8 火 9 0 21時アモバン 22時リスパダール 9 水 10 0 10 木 11 0 21時アモバン 22時30分リスパダール 11 金 12 0 21時アモバン 12 土 13 0 21時アモバン 1時リスパダール 13 日 14 0 21時アモバン 1時30分リスパダール 14 月 15 0 21時アモバン 15 火 16 0 21時アモバン 22時リスパダール 16 水 17 0 21時アモバン 23時リスパダール 17 木 18 0 21時アモバン 22時リスパダール 18 金 19 0 21時アモバン 19 土 20 0 21時アモバン 20 日 21 0 21時アモバン 22時リスパダール 21 月 22 0 23時アモバン 22 火 23 0 21時30分アモバン 23 水 24 0 21時アモバン 24 木 25 0 21時アモバン 23時リスパダール 25 金 26 0 21時アモバン 26 土 27 0 21時アモバン 27 日 28 0 21時アモバン 28 月 29 0 29 火 30 0 ※3月1日より21時アモバン(7.5)服用 30 水 31 0 ※3月1日より22時リスパダール(1)服用 31 木 1 0 リスパダールは0.5→1mgへ増量 結果 リスパダールとロヒプノールの2種類の内服では入眠 に時間がかかり、21時での就寝では問題 行動に繋がっている。 超短時間薬のアモバンに変更。抗不安薬は睡眠 剤の効果がない時の服用に変更後、22時 ~23時前後に入眠できるようになった。 日中の覚醒の促しは午前中は病棟での立ち 上がり訓練や声掛け。13時30分~15 時30分はリハビリを行い、生活パターン をつけた。 患者様に対する介助の方法、アプローチの 方法等、退院後の施設へ情報提供が行えた まとめ・考察 この患者様に対しては規則正しい睡 眠時間の獲得までには至らなかった が睡眠パターンを掴む事は出来たと 考える。 今回、睡眠リズムチェックシートを使用する 事で同じものさしで評価する事が出 来、その患者にあった内服薬のコントロ ールや日中の過ごし方等、主治医・病 棟スタッフで検討し対応できたと考える おわりに 日々の睡眠状況の確認は、早期発 見、良好なリハビリテーション、 QOL向上のためにかかすことが 出来ない。 今後も睡眠リズムチェックシートを活用す ることで、全職員統一した評価を 行い良好な睡眠を得るよう努めて いきたい。 ご清聴 ありがとうございました
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