チュニジア

チュニジア
質問
1.森林の定義
COP9 で定められた森
林の定義の閾値:樹冠率
10∼30%、最低樹高 2∼
5m、最低面積 0.05∼1ha
のうち、どの値を選択す
るのか。
2.持続可能な開発への寄与
COP9 で A/R CDM は持
続可能な開発に寄与する
必要があると定められた
が、具体的にどのような
プロジェクトであるな
ら、持続可能な開発に寄
与すると認定するのか。
例えば、単一樹種大面積
造林の場合はどのように
判断するのか。
回答
最も新しい 1999 年に行われた全国森林調査では,以下の閾
値を考慮して森林の定義が決定された。
最小樹冠率:10%
最低樹高:4m
最小森林面積:0.5ha
これらの閾値は COP9 で決定された A/R CDM の森林の定義に
も合致するものである。
持続可能な開発について考慮する為には幾つかのパラメー
ターについて考慮しなければならない。森林被覆を持続的に
向上させていくこと,森林地域に居住する人々が社会的、経
済的に恩恵を受けるような総合的な森林経営がなされるこ
と,それらから得られる林産物及び非木質林産物が計画的に
利用されること,等を考慮しなければならない。
3.実現可能性調査での留 日本の団体は,森林地域の土地所有者の便益を考慮したプロ
意点
ジェクトというコンセプトの下に彼らをプロジェクトに関
日 本 の 団 体 が A/R
CDM を実施しようとす
る際には、自然・社会経
済条件等でのどのような
ポイントに留意して実現
可能性調査を実施すべき
か。
与させる必要がある。。例えば,地域総合開発で全体の面積
の 90%までは A/RCDM 向けの造林をしても残りの 10%には
森林の所有者が利用できるような多目的な樹種を植林する
ことが望ましい。このようなケースにおいてチュニジアで
は、小規模な開発の方がより利益を生じ易いものと考えられ
る。
4.小規模 A/R CDM の条 プロジェクトは森林地域に居住する人達の考え方や開発に
件
関して決定したことをまとめていかなければならない。森林
小規模 A/R CDM の条
件の一つして、低所得者
層の参加及び開発があげ
られているが、この低所
得者層の参加及び開発を
どのように具体的に考え
るのか、つまり、どのよ
うなプロジェクトであれ
ば、この低所得者層の参
加及び開発という条件を
満たすのか。
政策は 19 世紀から社会経済的な側面を考慮しており、かつ
地域住民の参加を伴った森林資源の持続的な管理のために
法律を適応させてきた。一つの機関が設立され、地域住民と
対話し、国家に代わって事業の実施を住民に委託することが
できるようにした。
森林地域に居住する人たちは,チュニジアにおいて最も貧しい
人々であると考えられている。彼等はチュニジアの人口の約
10%を占め,同時に農村地域人口の 23%を占めているおり、
150,000 世帯(90 人/km2)から成っている。
彼等はしばしば山間部に居住し,自分の土地を所有していない。
それゆえ彼等は決して豊富でない自然資源に依存して生活をし
ている。彼等の収入は国の平均的なレベルから比べるととても
低い。
主な収入は農業,薪炭林の販売,林産物の採取,並びに石炭採
掘作業及び造林,伐採作業への従事等から得ている。
5.環境・社会経済影響評 チュニジアは環境および社会経済学の側面を考慮し、森林プ
価
ロジェクトの開始時においてそれらが非常に重要であると
COP9 での取り決めで
は、もし当該 A/R CDM
プロジェクトが環境・社
会経済への影響が重大で
あると判断されたなら、
環境・社会経済影響評価
調査が求められることに
なっているが、具体的に
どのような場合に、その
影響が重大であると判断
されるか、また、判断の
基準はあるのか。
考えインパクトを測定するために、社会経済的な観点から森
林を一定の方法で評価することにしている。
森林資源の持続的開発のための指標の定義に関する調査は、
社会経済的な観点の下いくつかの指標を設定した。その結
果、森林の社会経済的な役割は、
・森林生産物の価値
・非森林生産物の価値
・森林における労働雇用の重要性
・国立公園への訪問者数
・一世帯における年間の薪炭の消費量
・家畜が食べる飼料のうち森林地内で生産される分量
・活発に活動をしている森林に関連する組織の数
・小規模な製材工場の数
・森林に関連する組織によって森林内の仕事に従事する割合
・森林からの収入及び森林内で行った仕事で得た収入が一家
全体の収入に占める割合
・森林利用者及び教育を受けた者の数
となった。
これらの指標は、森林資源の耐久性に対するインパクトを確認するため
に、一定の方法で測定される。これらの指標は、インターネットを通じて
アクセスすることができる。
6.CER クレジットの分配 現状、配分方法に関するアイデアはない。
基準
A/R CDM プロジェク
トで得られた CER のク
レジット分配方法に関し
て既にアイデアがあるか
7.外国資本造林プロジェ 特に存在しない。
クトに対する規制
外国資本が投資する造
林 プ ロ ジ ェ ク ト ( A/R
CDM プロジェクトとは
限らない)で、例えばブ
ラジルおける 10%以上
の郷土樹種の導入といっ
た何らかの規制はあるの
か。