タイトル アフリカと CDM 主催 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)

会議出張メモ
これは会議主催者による公式議事録ではありません。引用はお控えください。
This is not an official record by the meeting organizers. Do not quote.
タイトル
“Africa and the CDM”
アフリカと CDM
主催
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
日時
11 月 10 日(金)13:15~14:45
主要発表者 ・
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Richard Muyungi 氏(CDM 理事会理事)
ケニア DNA
エジプト DNA
モロッコ DNA
南アフリカ DNA
アフリカ CDM プロジェクト参加者
Einer Telnes 氏(DOE フォーラム議長)
傍聴者
約 120 名
目的
CDM 理事会、アフリカの DNA 関係者やプロジェクト参加者などが、アフリカにおいて
CDM プロジェクトを進める中で学んだ様々な経験を紹介する。
発表の概要 ■ Richard Muyungi 氏(CDM 理事会理事)
アフリカにおける CDM について:
・IMF と世界銀行の HIPIC(重債務貧困国政策)により、アフリカ 25 カ国の負債が減っ
ていることで更なる経済成長の見通しがある。CDM を利用して、特に産業部門での経済
成長を伸ばしたい。
・産業部門を成長させる際には、クリーンエネルギーへのアクセスが欠かせない。アフリ
カでは特に、バイオマス利用の適用可能性が高い。
アフリカで CDM プロジェクトが少ない理由:
・制度的能力の不足 ⇒ DNA のワンマンショーで終わっている傾向
・財源の不足 ⇒ 初期投資の財源が無い
・金融機関や私企業の CDM に対する認識不足 ⇒ 能力開発の不足
アフリカで CDM を実現するために:
アフリカのほとんどの国は、持続可能な発展に貢献するという理由で京都議定書を締結
しており、後はどのようにプロジェクト実施のための環境を整えるかが問題である。
そのためには、以下が必要とされる。
・昨今の経済成長そして平和を安定させる
・関係者の協力を仰ぎながら、制度的・技術的能力開発に力を入れる
・CDM への初期投資を容易にするための特別な財政支援機関を設置する
・アフリカで実施しやすい CDM の産業分野や技術を明確にする(運輸、省エネ、植林)
・投資者とホスト国プロジェクト参加者との信頼関係を構築する
・モデルケースとなる CDM プロジェクトの実施
・情報流通と産業界のネットワークを促進して CDM への関心を高める
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■ ケニア DNA
アフリカで CDM を促進するためには、政府による市民社会や私企業とのパートナーシ
ップの構築、また CDM の啓発普及などが必要であるが、ケニアで特に不足しているのは、
プロジェクトの資金を支援するための金融機関と、DNA に対する能力開発である。こうい
った問題が改善されれば、ケニアでは主に産業製品および農林業の部門での CDM 実施が
期待できると思われる。
■ エジプト DNA
スイス政府の支援によって「エジプト CDM 戦略(Egyptian Strategy for CDM)」が開始
されてから、CDM プロジェクトの実施可能性が高い産業領域における能力開発を実施し
てきた。このプロジェクトは特に「CDM キャパシティ・ビルディング(CB for CDM)」と
呼ばれ、2003 年から現在まで続いている。また、エジプトの DNA は 2005 年に設立され
た。
エジプト DNA は二つの機関から構成
・ エジプト CDM 協議会(Egyptian Council for CDM)⇒ 管轄:各省庁大臣(環境省、
外務省、財務省など)
・ エジプト CDM 事務局(Egyptian Bureau for CDM)⇒ 法的・技術的問題を担当。管轄:
環境省、産業省、エネルギー電気省
エジプト DNA によるプロジェクト承認プロセス
2 段階に渡る。
① PIN 提出時に”Letter of non-objection”を発行
↓
② PDD 提出時に ”Letter of approval” を発行
アフリカ大陸での協力体制
アフリカ大陸における DNA 設立を支援するために、エジプト及び南アフリカで「アフ
リカ環境省庁会議(African ministrial conference for environment)」を開催した。会議では、
アフリカにおける DNA 設立のための技術的サポートやキャパシティ・ビルディング支援
のため、各国をつなぐネットワークを通じてアフリカでの支援体制を整えていくことで合
意した。
■ モロッコ DNA
モロッコは COP7(マラケシュ合意)の開催国である。2002 年には、各省庁や NGO な
どの有識者から成る国立 CDM 協議会(National Council for CDM)が「土地計画、水及び
環境省」の管轄により設置され、DNA の運営母体となっている。モロッコの DNA は、プ
ロジェクトの評価や承認を行うだけでなく、コンサルタントや金融機関に対する能力開発
及びウェブサイトを通じた国内普及啓発活動を実施しているほか、CDM プロジェクトに
係る障壁を無くすための努力も行っている。現在まで、日本・スペイン・フランスなどの
附属書 I 国 7 カ国との間で 7 通の MOU(覚書)を締結済みである。
モロッコでは特に、省エネと再生可能エネルギー分野での CDM プロジェクトが多い。
また、既に 3 件のプロジェクトが CDM 理事会に登録済み。その他の概要については、モ
ロッコ DNA のウェブサイト http://www.cdmmorocco.ma/を参照のこと。
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■ 南アフリカ DNA
南アフリカの DNA は運営委員会と普及促進補助委員会から成っており、以下の事項に
おける活動を行っている。
・CDM プロジェクトの評価、承認
・CDM プロジェクトの普及促進:ワークショップの開催、啓発活動、地方自治体に対す
る能力開発(地方自治体の CDM 認識不足が問題になることが多い。)
・CDM プロジェクト実施に係る障壁の同定と解決:法的な問題に対しては特に関連省庁
とも協力
南アフリカ DNA の定める「持続可能な開発」の基準
・経済:そのプロジェクトは、国の経済開発に貢献するか。(例:雇用の創出など)
・社会:そのプロジェクトは、国の社会開発に貢献するか。
・環境:そのプロジェクトは、国家環境管理法の定める「持続可能な開発(※)」の定義
に則しているか。
※
国家環境管理法における「持続可能な開発」の定義:
社会的・経済的・環境的要素を考慮した計画・実施・決定の結果として、現在及び未来
世代が恩恵を享受することを保障する開発
南アフリカの DNA では、プロジェクト参加者とのより良い信頼関係構築を考慮し、提
出された PIN は 30 日以内に、また PDD は 45 日以内に審議のうえ、承認・非承認を決定
するシステムをとっている。また、現在までに CDM 理事会で登録されたプロジェクトは
4 件にのぼっている。
■ プロジェクト参加者
【ケープタウン市環境管理部】
南アフリカにおけるエネルギー関連プロジェクトの問題点:
南アフリカでは石炭発電が主であるが、エネルギーは分野横断的な問題であり、その責
任や権限の所在が関わるどの分野のどの組織にあるのかはっきりしていないうえ、DSM
(需要側での管理)や再生可能エネルギーについてもあまり知られていない。また、地方
自治体が電力配給を行いその収入を得ていることから、エネルギー効率改善の実施や再生
可能エネルギーへの移行インセンティブが働きにくく、これも問題となっている。
【飲料会社】
我々は南アフリカにおける気候変動問題や CDM に積極的にかかわっており、関係者に
対する能力開発の実施や炭素市場会議への出席などで活躍している。また、飲料会社とし
て CDM プロジェクトも実施しようとしており、原料輸送に係る車輌の燃料をバイオ燃料
に転換(現地の住民との協力)、商品製造に係るスチーム生成のための石油を天然ガスに
転換、排水からのメタン回避・利用などを通して、自社事業における CO2 削減を図ってい
る。この際に問題となるのは CDM 理事会の 60 日間にわたる承認プロセスであり、速さが
要求されるビジネスの世界では、これは大きな障壁となっている。また、CER に対する決
算や税金の基準の不透明性や 2012 年以降の制度の不確実性も不安要因となっている。南
アフリカでの CDM 実施経験から、三つのことを強調したい。
① 全ての関係者を活用すること
② 目標を達成するために、過去のデータをしっかり持ったパートナーを探すこと
③ プロセスの指揮権をしっかりとること
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■ Einer Telnes 氏(気候変動枠組条約事務局)
アフリカでの CDM は、そのほとんどがエジプト・モロッコ・南アフリカで実施されて
いる。その他の国においても CDM に対する可能性は明らかに増しており、そのため事務
局は能力開発を行う現地事務局を数カ国に設置している。アフリカで更に CDM を促進す
るため特に必要であると思われるのは、以下の 3 点である。
・ ホスト国における制度的能力の開発
・ 実施可能性がある産業分野の同定(例:小規模農林業、植林など)
・ 極小プロジェクトに対する方法論(例:家庭用電気機器の取替えなど)
資料
<会場配布資料>
なし
<ウェブ上資料>
ウェブキャスト
(http://www.un.org/webcast/unfccc/archive.asp?go=106 より視聴可。)
文責:古家 明子(GEC)
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