豚 肉 情 勢 項 目 1.国産 供 給 2.輸入 内 容 ○ 平成27年7月全国の肉豚出荷頭数は、1,323千頭(前年比99.1%)で、稼動日数が前年と同日数でわずかに下回った。 農水省の8月7日公表の出荷 予測頭数1,341千頭をわずかに下回った。 過去5ヵ年の7月平均頭数は1,312千頭で0.8%増となった。 ○ 平成27年8月の全国と畜頭数は、速報値で1,189千頭(8/31まで集計)前年比97.2%となっている。 今後、土・休日分の頭数が加わるため、前年並み 出荷頭数1,220千頭程度になったものと思われる。 ○ 農水省食肉鶏卵課8月7日更新の今後の出荷予測頭数は、8月は1,228千頭(前年比101%、9月1,354(同101%)、10月1462千頭(同102%)、11月 1,410千頭(同110%)、12月1,566千頭(同107%)、H28年1月1,457千頭(同108%)となっており、11月からかなりの程度前年を上回ると見こまれて いる。 ○ 平成27年7月の輸入通関実績は、豚肉全体で72.5千㌧(前年比80.8%、前月比112.2%)と、3ヶ月ぶりに70千㌧台の輸入となったが、前年比では19.2 %の大幅減となった。 これは前年のフローズン輸入実績が前年比50%増と大幅に伸びた反動による。 内訳では、チルドが31.2千㌧(前年比125.7%、前月比126.9%)と、平成15年以降輸入量としては、初の3万㌧台の輸入量となった。 昨年の国内相場 の上昇に伴い、輸入豚チルドの輸入量は平行して増加傾向で、今年3月以降は通年を大きく上回っている。 主要国別では、チルドが米国19.3千㌧(前年比123.7%)、カナダ10.8千㌧(同131.7%)、メキシコ1.0千㌧(同100.0%)。 フローズンは米国が6.3千㌧ (前年比43.2%)、デンマーク10.6千㌧(同65.8%)、カナダ3.4千㌧(同70.8%)、メキシコ4.9千㌧(同100.0%)、スペーン7.2千㌧(同80.0%)。 1.家計 ○ 総務省発表の平成27年7月の家計調査報告によれば、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,588g(前年比104.5%)、支出金額が2,374円 消費 前年比107.3%)となった。 購入数量は4ヶ月連続で前年実績を上回り、支出金額も29ヶ月連続で上回った。 購入数量は引き続き牛肉から豚肉へ 消費が移っている。 その他では、ハムが前年比105.2%、ベーコン104.2%と前年を上回ったが、ソーセージは92.0%と低迷した。 ○ 日本チェーンストア協会発表の平成27年7月度の販売概況は、食料品は相場高の影響を受けた農産品を中心に好調に推移し、非食品関係も中旬 以降の気温上昇とともに、季節商品の動きが良くなり、総販売額は既存店ベース101.9%と4ヶ月連続で上回った。 その内、畜産品は相場高から牛肉 ・豚肉・鶏肉とも売上高は好調と報告されている。 日本スーパーマーケット発表に7月の畜産販売動向は焼肉需要で好調とするコメントと、前年からの 反動により不調とするコメントに分かれ、収益面でも相場上昇で非常に厳しい状況としている。 8月状況 ○ 関東地区食品スーパー8月度の豚肉販売状況は、国産豚相場高騰で輸入豚の価格遡及、鶏肉の販促強化が多く見られた。 鶏肉も国産物が不足して していることから、輸入鶏の価格遡及が増えている。 8月豚肉の売上高は93%~110%となっている。 2.小売 7月状況 需 要 3.加工品 ○ 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の、平成27年6月の豚肉加工品仕向量は34.1千㌧(前年比105.6%、前月比108.9%)で、前年比5.6%増となった。 仕向量 このうち国産物が、7.3千㌧(同92.2%、同115.9%)で引き続き前年割れしたが、輸入物は26.8千㌧(同110.0%、同107.2%)と、輸入物は10%増と2桁 の伸びとなった。 中元ギフト製造が増加したためと思われる。 1.在庫 在 庫 枝 肉 相 場 ○ 農畜産業振興機構公表の平成27年6月末の推定期末在庫量は、188.7千㌧(前年比100.2%、前月比97.4%)で、うち冷蔵物が6.0千㌧(同107.1%、 同76.5%)、冷凍物が182.7千㌧(同100.0%、同98.2%)と、前年並みとなった。 内訳は輸入物在庫が173.4千㌧(前年比103.9%、前月比97.9%) 冷凍物が167.7千㌧(同103.8%、同98.9%)。 国産物在庫15.3千㌧(同71.5%、同91.4%)で、うち冷凍物が15.0千㌧(同71.2%、同91.4%)、冷蔵物 0.3千㌧(同88.1、同88.7%)と、豚肉は輸入物は横ばいで、国産物は大幅に減少した。 2. 8月 ○ 8月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(8/31現在)で636円/kg(前年比113.0%、前月比98.5%)と、前年をかなり大きく上回った。 速報値 8月の出荷頭数は速報値で前年並み頭数となっているが、過去5ヵ年の月間平均頭数比では93.8%となっている。 一方、農畜産業振興機講による 輸入豚チルド8月通関予測は、24.0千㌧(前年比114.1%)とかなりの増加を見込んでいるものの、豚肉の消費増が堅調な相場展開に繋がったものと 思われる。 3.予測 ○ 9月については、農水省8月7日更新の全国肉豚出荷予測では、9月出荷頭数が1,354千頭(前年比101.0%)で、過去5ヵ年平均対比でも101.0%と 9月~ なっており飼養頭数が増加している。 農畜産業振興機講の予測による9月の輸入豚チルドも、27.5千㌧(前年比127.3%)と、8月をさらに上回り4ヶ月 連続の大幅増となっている。 今後、国産物・輸入物を合わせた供給がかなりの増加が見込まれるため、消費動向によっては国産相場は大きく下げる 可能性がある。 <相場予想: 東京市場、税込み> 平成27年7月実績 8月速報値 9月予測 10月予測 【上物】 646円(110.1%) 636円(113.0%) 600円(109.5%) 570円(106.9%) 平成27年9月1日 更新 JA全農ミートフーズ株式会社 備 考 国内生産量の推移 農水省出荷予測 (千頭:%) 国内出荷頭数 出荷予測 暦年 暦年 千頭 前年比% 頭数 前年比 H24年 16,775 102.4 27年 8月 1,228 101.0 H25年 16,937 101.0 27年 9月 1,354 101.0 H26年 16,200 95.6 27年 10月 1,462 102.0 H27年 3月 1,367 99.7 27年 11月 1,410 110.0 H27年 4月 1,370 98.6 27年 12月 1,566 107.0 H27年 5月 1,247 94.8 28年 1月 1,457 108.0 H27年 6月 1,296 103.6 *平成27年8月7日更新 H27年 7月 1,323 99.1 輸入量の推移 財務省 :通関実績 輸入数量 内チルド数量 暦年 ㌧ 前年比% ㌧ 前年比% H24年 778,760 98.2 260,697 102.5 H25年 738,427 94.9 294,042 112.8 H26年 829,370 112.3 300,078 102.1 H27年 4月 73,154 100.5 27,920 99.4 H27年 5月 69,052 95.3 25,530 94.4 H27年 6月 64,599 97.5 24,557 112.5 H27年 7月 72,464 80.8 31,166 125.7 家計消費量 (㌘,円,%) 全国1世帯当り 暦年 数量 前年比 金額 前年比 H23年 19,205 103.8 24,746 103.4 H24年 18,762 97.7 23,753 96.0 H25年 19,432 103.6 24,948 105.0 H26年 19,323 99.4 27,680 111.0 H27年 4月 1,663 101.8 2,463 112.1 H27年 5月 1,629 108.2 2,446 109.3 H27年 6月 1,663 109.8 2,455 109.0 H27年 7月 1,588 104.5 2,374 107.3 市況の推移(東京市場 加工品仕向量 暦年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 2月 H27年 3月 H27年 4月 H27年 5月 H27年 6月 加工品仕向量 千㌧ 前年比 381.0 100.0 382.6 100.5 377.5 98.7 372.8 98.8 26.7 100.0 30.1 98.0 32.5 103.3 31.3 99.1 34.1 105.6 暦年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27月 4月 H27月 5月 H27月 6月 H27月 7月 H27月 8月速報値 豚枝肉「上物」 円/㎏ 前年比 467 101.1 446 95.5 484 108.5 563 116.3 585 99.8 527 85.7 591 88.7 646 110.1 636 113.0 *税込み
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