春が桜を呼びました - 日本赤十字社医療センター

平成 24年 4 月号
No.23
〒150-0012
東京都渋谷区広尾4丁目1番1号
℡ 03-3400-0147
㈹ 03-3400-1311
http//www.med.jrc.or.jp/nyuji-in/index.html
理念
私たちは、「人道・博愛」の赤十字精神を行動の原
点として、子どもの最善の利益を守り、心身ともに健
やかに成長できる保育看護を提供します。
私たちは、家族に寄り添い、地域との連携をはかり、
家庭復帰を支援します。
春が桜を呼びました
看護師長
臼井
今、乳児院では、楽しいおしゃべりが増え、歌を歌い、自分のことが少しずつ、自分ででき
るようになった子ども達が、次の施設への変更、里親委託、親の元へと、それぞれの道へ出発し
始めました。赤ちゃんだった子ども達は抱っこされて乳児院に来ました。ベッドがとても大きく
見えました。あーちゃんと過ごしたこの期間、泣いたり、笑ったりとたくさんの人々と出会い、
たくさんの人に抱っこしてもらい、たくさんのお友達に出会いました。悲しいことも、楽しいこ
ともいつもみんな一緒です。あーちゃんと一緒は素敵な時間です。嬉しくて、わがままがいっぱ
い出てしまいます。大好きだから。あーちゃんもみんなが大好きです。この時期は、子ども達が
大きく一歩前進します。それぞれの道を踏み出します。大好きなあーちゃんがいるからこそ、次
の世界でも、大好きな人をつくります。人を信じる一歩になるのではないでしょうか。
子ども達の笑顔、純真な無垢な笑顔、いつまでもこの笑顔を忘れないでと願います。
この世に生まれて、僕だよ、私だよと一生懸命泣いて、
「ここにいるよ!」と意思表示をする子
どもたち。
「抱っこして!」と泣く子ども達。一生懸命自分をアピールします。あーちゃんはぎゅ
っと抱きしめます。ゆっくり、ゆっくり、成長していく子ども達。首が据わり、寝返り・・・、
ゆっくり、ゆっくり、その子の個性にあわせて私たちはじっと見守ります。子ども達が自分の体
をいっぱい使って、いろんなことを感じて大きくなっていきます。子ども達のうれしい、楽しい、
気持ちいい、怖いなどたくさんの気持ちを受けとめて、一緒に感じていきたいと思います。これ
からも、子ども達と一緒にたくさんの笑いを作っていきたいと思います。
この4月、新しい職員が5名入りました。よろしくお願いします。乳児院は、たくさんの人の
力の中で生活しています。みなさんの力に感謝し、この絆を大切につなげていきます。
平成 24年 4 月号
No.23
災害に備えて
避難訓練
東日本大震災があってからというもの、またいつ起こるかと不安に思っている方は多いと思い
ます。皆さんは災害への対策はしていますか?
乳児院では毎月避難訓練を実施しています。地震・火災・夜間を想定した訓練等様々です。避
難経路は各部屋、面会ロビー、廊下等ふだん目に付く場所へ貼り、速やかに避難できるようにし
ました。また、実際に消火器を使った訓練(水消火器)や消火栓訓練、発電機の取り扱い訓練、
非常用品の備蓄、非常食の賞味期限チェック、試食も行なっています。
訓練の度に感じることは、子ども達(特に、きりん室、らいおん室)が訓練に少しずつ慣れ、
協力し率先して動いてくれることです。日頃からの準備、訓練の大切さを痛感します。保育者も
必死です。自分で動けない乳児はおんぶに抱っこ、歩ける子は一緒に手を繋いで階段を駆け降り、
厨房スタッフ、事務スタッフ、ボランティアの方々にも協力して頂き子ども達の安全を第一に訓
練しています。
万が一の災害発生時に落ち着いて、冷静に、慌てず適切な対処を行なうことができるようにす
るためにも、防災訓練へ定期的に参加することはとても大切です。また、周りの人との協力も重
要になってきます。もし、お子様との面会中に訓練に遭遇されたら是非訓練にご一緒に参加して
下さい。
たくさんのご寄付ありがとうございました
平素より当乳児院に格別のご支援を賜りありがとうございます。
この一年、多くの方々から寄付金や遊戯道具・絵本など子どもたちの発達促進に役
立つもの、またベビーカー・バスタオル・衣類・紙オムツなど生活用品として欠かせ
ない様々な物品を頂戴いたしました。皆様のご厚意により、子どもたちは毎日を健や
かに快適に過ごさせて頂いております。感謝申し上げますと共に今後とも引き続きご
支援を賜りますようお願い申し上げます。
三菱商事(株)
明治神宮崇敬婦人会
タイム・ワーナー社
コンビ(株)
コンビネクスト(株)
健栄製薬(株)
日本ベビーフード協議会
海老名市赤十字奉仕団
財団法人日本出版クラブ
酒川
芝仏協会
(株)ダッドウェイ
林 亜希子
山守 麻衣
(順不同・敬称略)
この他、末日聖徒イエス・キリスト教会の方々には12月のクリスマス会に参加
いただき歌や踊りを、そしてたくさんのクリスマスプレゼントを頂戴しました。あ
りがとうございました。
平成 24年 4 月号
No.23
待っていますよぉ~
“面会ボランティアさぁ~ん”
宮下
週に一度、2才から6才までの子どもたちのいる保育室に遊びに来させて頂くようになってか
ら 8 カ月がたちました。
今ではお部屋に「おはよう!」と入っていくと、ワーッと駆け寄って来てくれるようになり、
私は週に一度のこの日がとても楽しみです。子どもたちは、会うたびに大きくなります。先日の
雪が降った後の、快晴の日にはお散歩に行きました。しっかりとした足取りで道に残った雪をキ
ュッキュッと踏みしめ、こちらの心配をよそにニコニコ笑いながら歩いていました。雪がジャン
パーにつき、その雪をはらっている2才の男の子は、なかなか立ち止まってから歩きだそうとし
ません。すると6才の男の子は、少し前を歩いていたのに、ちゃんと止まって待っていてあげる
のです。そして2才の子が歩き出すと、またゆっくりと手をつなぎ一緒に歩きます。「体と一緒
に心もどんどん成長して、かっこいいお兄さんになっているんだな~」と心の中で感動しながら、
私も一緒に歩きました。
週に一度こんな風に、楽しい時間を過ごさせて頂いています。これからも、どうぞよろしくお
願いします。
西岡
「だっこちて」と言い、やっと甘えてこれるようになった R ちゃん。意思疎
通には、やや時間がかかりました。原因を探るより一緒に驚いたり、不思議に
思ったり、笑顔を通して R ちゃんと心と目線を合わせる事に集中しました。
彼女の好奇心旺盛さと、心根がまじめで規範性の強さも手伝い、ものの習得率
が高まり、人とのやりとりを楽しめるように成ったと思えます。焦らずそのお
子様の成長時期を待てば、素直に伸びてくるのを実感しました。
R ちゃんとの時間は週一度という限られた機会ですが、2人だけの時間を大切にしています。
一期一会の出会いの中で、スポンジ挟み遊びからお箸づかいを会得し、昼食を平らげようとする
R ちゃんを見て、心がキュン!としました。一年間の衣服折り畳みと整理のボランティアを経て
の私の活動は、学生時代の実習でお世話になった日赤乳児院に35年ぶりの忘れ物をとりに帰っ
て来た心境です。
私はいま、幸せなひとときを過ごしています。
平成 24年 4 月号
No.23
感染予防について
看護師
工藤
昨年、乳児院では主にウイルス感染症(アデノ、手足口病、水痘、RS、おたふく、
ロタ等)が多く発生し、ご家族の方にはご心配をおかけ致しました。特に入所まも
ないお子様は感染症にかかりやすい様です。感染症が流行しやすい理由として
一緒に生活をしているため感染を受ける機会が多い
病気に対する抵抗力(免疫)が弱い
③
②
①
乳幼児は月齢や体質的に
ウイルスの種類によって感染力が違う。
乳児院では予防接種を実施していますが、全ての感染症を予防するワクチンはない
④
隔離で
きる個室が少ないことがあげられます。
感染症を発症させない最も大切なことは「持ち込まないこと」ですが、とても難しい問題です。
少しでもウイルスを持ち込まないために、ご家族の方にお願いしたいことは、お子様と外出、外
泊する際は、出来るだけ人混みを避ける、面会の時は「うがいや手洗い」の励行、そしてご家族
の方で体調が悪いときは面会をご遠慮して頂けますようお願い致します。
野菜作りと収穫
栄養士
高山
昨年度は、乳児院に畑を作ってもらい、初めての野菜作りを行ないました。それまでは、プラ
ンターで作っていましたが、その時よりも野菜が大きく、数も沢山出来ました。
夏前に、きゅうり、トマト、ジャンボ落花生の苗を植え、夏にはきゅうり、トマトの収穫をし、
秋にはジャンボ落花生を収穫することが出来ました。収穫した時の、子ども達の楽しそうな顔が
心に残っています。
きゅうり、トマトは良く洗ってそのまま食べ、ジャンボ落花生は塩ゆでして皆で食べました。
子ども達は、野菜の原型を見る機会がほとんどないので、手の感触や目から見ることで野菜に
親しんでもらえたと思います。
今年度は、昨年とは違った種類の野菜を子ども達と沢山収穫できるように、より一層、畑づく
りを頑張っていきたいと思います。
今年は記録的な寒さでしたね。春の訪れを
心待ちにされていたと思いますが、ようやく
春めいてきました。爽やかな季節の到来です。
子どもたちは気持のいい陽気の中、散歩に
行くのを楽しみにしています。
新年度となり、新しい職員も加わりました。
これからも行事や役立つ情報をたくさん
お伝えしていきたいと思います。