妙な好き嫌いのある臨也さん(カキ

妙な好き嫌いのある臨也さん(カキ
生ガキ食ったことないっていう静雄を高い店に連れてく臨也さん
俺生ガキ好きなんだよねーっておいしそうに食べてる臨也さん
を、見て俺も喜ばせたいなって
久々に会える状況でスーパーでカキ買ってでも生ガキはさすがに無理だからわざわざカキフライ
にして待ってて
でも臨也さん実はカキは生ガキ好きだけど揚げたのとかだめで
でも静雄がこないだ好きって言ってたし…とかテレテレ言いながら臨也さんのために作ったこと
を言ってきて
自分の為にわざわざ作って会うの楽しみに待っててくれたとかそういう好意がすげー嬉しくって
ありがとう嬉しいって言って食べる
そわそわ見てたら段々具合悪そうになってきてるから大丈夫か?って聞いたら大丈夫おいしいよ
ってちょっとずれた回答しつつ完食する臨也さん
けどやっぱだめでちょっとトイレ…って行って吐く
せっかく作ってくれたの吐いたのがすげーショックな臨也さん
あまりにもおせーし水ながれっぱだから何かと思ったらそんな気配と涙目の臨也さんにごめんね
ってめっちゃ謝られる
俺の飯だから吐いたのかって思うけど俺カキのフライは食べれなくってって否定して
じゃあ言えよって切れるけど違うのってすげー動揺してる臨也さんがだってシズちゃんが俺の為
に作ってくれたのにって必死に言われて
普段どんだけ臨也さんにわかりやすく好意を表してないというか行動にしてないか伝えてないか
って気付いて後悔する静雄
でもこれだとみたいシズイザが見れないので
ごはん時にカキフライ出されて俺カキフライ食べれないんだよねーって普通に言う
はあお前こないだうめえ言ってたじゃねーか
いやいいとこの生ガキはいいんだよでもスーパーとかの出来合いの安物はさあ
…俺が作ってもか
えっこれシズちゃんがつくったの!あげたの?わざわざ?
いらねーなら俺が食う
えっいやそれなら食べるよ!
最初からそういえよ好き嫌いしてんな
うんごめんねいただきます
みたいな感じで食わす
あとは同じ感じで途中から具合悪くなって吐く
せっかくつくってくれたのにって動揺で泣いてる臨也さんと無理やり食わせたせいだって後悔す
る静雄
割と二人して謝り通し
カキ食う受け取り方がどっちも違うからこじれる
静雄が自分の為に作ってくれたから嫌いでも食べたかった臨也さんと
食えって無理やり食わしたと思ってる静雄
で、何があそこまでだめかわからないし罪悪感あって頼まれないと自らごはん作らなくなる静雄
と
それが自分のせいだと思ってすげーかなしいというかごめんというかそんな臨也さん
他順風満帆に進んでるのにそこだけ確執できてしまったシズイザ
多分新羅あたりに言ったらえっ臨也が食べたの!?すごいね!?ってなるくらいだめだし
それ聞いたセルティがふとたかがカキで…って思っててほしい
すごいはしょったけどこんな感じ
アイドル新臨ちゃん
DVD特典オフショットで自分のカメラでお互い撮影
今日は○○のロケでーす
新羅はどこかなー?
あ、いたいたー
新羅ー
何カメラ持ってるの?あ、DVDのか
そうだよ、新羅もちゃんと撮りなよ
先にロケ弁食べてるの?
そうー臨也はもう食べた?
ううんまだ、おなか減ってないしなー
ちゃんと食べないとダメだよ、君またちょっと痩せたろう
ほんとにちょっとじゃない
おいしい?
うん、ほらこれ好きだろ
少しでも食べたら
あー
あ、ほんとだおいひい、
これ撮ったら食べようかなー
そうしなよ
もう一個の方のから揚げおいしそうだったからそっち頂戴
ええーそんなに食べれない
だからちゃんと食べなって
はーい
じゃあ今から新羅とごはん食べるねー
冷静に考えたらライブDVDならロケ入らないけど
カメラ越しの臨也さんに伸びてきた箸とカメラフレームアウトであーんされた臨也さんを見せつ
けられたファンの気持ち考えて…
夢見るお年頃
間宮愛海は夢を見る。生まれ育った東京を遠く離れた借家の一室、そこでの暮らしにようやく慣
れた頃から毎晩繰り返し、変わることのない夢を見ている。
目が潰れそうなほどの真っ白な空間の中、それを見逃さないように睨み付けながら目を凝らす。
やがて遠く、この空間に酷く似つかわしくない黒い靄があるのを見つけてから、ゆらゆらと正体
無いそれが消えないうちに着実に歩を進めていく。じわりと汗が滲む手を握りしめ、緊張を振り
払うように一直線に影を睨み付けながら進んでいけば限りない白い空間にすうと線が引かれ果て
が生まれる。そのまま白い空間は変化を進めていき、部屋を形作りベッドが生まれ、まるで病室
のようになったそのベッドの上に位置していた靄も姿を変え一人の人間がそこに横たわる。色の
ない顔をした、寝顔からでもわかる目を奪うような顔の造りの美しい男。思わず手を伸ばしたく
なるような滑やかな頬に自分の影が落ちるのを見つめながら、しかし彼女は忘れない。この器だ
けは美しい男の正体が、先の深い闇のような影であることを。それに抱く憎しみを。
ぎし、と音を立ててベッドに乗り上げても起きない男から目を離すことはせず、馬乗りになりゆ
っくりと手を伸ばす。目を引く透き通った頬や赤く色づいた唇ではなくその下、両手を回しても
十分余る程度の首。目立たない喉仏に指をかけ、ゆっくり、次第に握力だけではなく体重もかけ
て首を絞め喉を押し潰す。既に死んでいるかのように男の反応はない。それでもなお力を緩めず
絞めつけていき、ギリ、と鈍い音が集中していた彼女の耳に届いたときに、やはり今回も、気付
いてしまう。指先も動かさなかった男の目が開いて、赤みがかった読めない瞳が静かにこちらを
見つめていることに。
ドッと心臓が音を立て汗が伝う。離していない指先にあと少しの力が入らないことに気が回らな
い。蛇に睨まれた蛙のように、肌を突き刺していく緊張感に今度こそ体は震え、触れたままの指
先からそれを感じ取った男が薄い唇をわずかに開く。見つめる瞳は僅かに笑みを浮かべたまま、
首を絞められているとは思えないほど穏やかに、静かな声で彼女の名前を呼び、
――そこでぱちりと目が覚める。我ながら酷い内容の夢だと思うのに、魘されることも酷い汗を
かくこともなく自然と朝に入り込む。低い熱のある皮膚の感覚が残っているような両手をゆっく
りと開閉させ、もう一度握りしめてから、振り切るように身を起こして身支度をする。
毎晩見る夢に変わりはなければ、そこから先数十分の展開も変わり映えがない。
身支度を整えてからキッチンに向かい、パンを焼く間にハムエッグを作り冷えた水をグラスに注
ぐ。盛り付けた簡単な朝食を自らが食べることはなく、盆に載せ突き当りの部屋に向かう。
夢に出た病室のようとまではいかないものの、白い壁の清潔な部屋の奥に位置するベッドの上、
既に上体を起き上がらせている男が気付き、夢と違わない読めない瞳を向けたまま、やはり同じ
ように穏やかな声で呼びかけてくる。
「おはようまなみちゃん、今日もいい朝だね」
まだ包帯の取れないその腕にフォークを突き立ててやろうかと思うほど憎らしい、変わりのない
声。何もいいことなど無い、今日もまだ生き永らえているのだこの男は。
がしゃんと音を立てて食事を乱雑に置いたことを乱暴だなあとやけに愉しげに咎めながら、まだ
笑っていられる男を睨み付ける。なあに、怖いよと、思ってもないくせに嘯いて、この少しだけ
震えた指先は気付かないふりをする。死ねばいいと思いながら、首を絞める感覚も悪夢だとは思
わないでいながら、そんな死に方では生ぬるいなんてあれこれと理由をつけてどうせ明日も生き
るための食事を用意してしまうのだろう。そしてあの声で言われるのだ、ありがとうだなんて。
耳を塞ぎたい気持ちになりながら、憎まれ口をたたく。軽くあしらう男を睨んで、いつだって明
日こそ、と思うのに。
あの瞳に自分の姿が映っているのを見るたびに、何にも影響されないような穏やかな声を聞くた
びに、それを奪うことを咎められるような、失うことに怯えるような恐怖感に震えるこの指は、
このままあの男の命を奪うことなんて出来ないと、理解したくもないことを知ってしまっている
のだ。
養生中の世話をしているまなみちゃんが毎日臨也さんを殺す夢を見ながら毎日一緒に暮らしてる
話がみたい。