―現代アルゴリズム・アートの先駆者・現代作家の作品・思想― The work and thought of pioneers and Contemporary practitioners of algorithmic art 2006 年 11 月 3 日(金)∼12 月 17 日(日) 2006 年 10 月 多摩美術大学美術館 Tel.042-357-1251/Fax.042-357-1252/E-mail:[email protected] 1.企画趣旨 このたび多摩美術大学美術館では「20 世紀コンピュータ・アートの軌跡と展望―現代アルゴ リズム・アートの先駆者・現代作家の作品・思想―」【2006 年 11 月 3 日(金)~12 月 17 日(日)】を 開催いたします。 もはやコンピュータは現代に生きる私たちにとって欠かすことの出来ない身近で重要な存在に なっています。今から半世紀以上も前に誕生したコンピュータは、時代の経過とともにその役割 を益々広く大きなものにしてきました。そして科学技術の分野ばかりではなく芸術分野において も、コンピュータを用いた芸術表現をしようという試みにより、歴史上多くの人たちによって斬 新で実験的な作品が世に送り出されてきました。 それらは単なるエポックメイキングな珍しい表現や、単なる先進性の追及や表出という働きか けではなく、作品や表現を成立させる図像生成の仕組みや芸術理念の根幹に関わる、造形のため の方法論・・・すなわちアルゴリズムを分析し構築することによって、今までに無い新しい造形 世界を模索しようというものだったのです。逆に言えば、そうした造形のためのアルゴリズムを もっとも効率よく、機能的に具体化していく機械がコンピュータでした。 絵画やグラフィックデザインの領域においても、感性や技能の踏襲、熟練という手法に依存せ ず、さまざまな論理性や原理に基づく数理的な解析を用いた記述(プログラム)によって、人間の 手だけでは創出できなかった視覚造形を実現することが試みられました。つまりそうした芸術創 造の手法を実践してきたアーティストやデザイナーたちは、単なる道具としてだけではなく、コ ンピュータを用いるための構成理論や思想、原理などの統合的な諸方法にまで踏み込んだ表現の 先駆者だったのです。 1950 年代から発生したコンピュータ・アートは、こうしたアルゴリズムを確立し、プログラ ム化していくことで作品を制作してきました。そうした新しい芸術の道を切り開いてきた先駆者 たちの業績は、後の巨大化、高速化し、商品化されていったコンピュータと、定格化され汎用化 されたソフトウエア (アプリケーション)によって、簡易にそして大量に製作や発表が可能となっ たコンピュータ・アートやコンピュータ・グラフィックスへの発展を導く礎でした。そしてまた 現在でもその系譜と傾向は、研究・教育の場でも再び重要視されつつあります。21 世紀を迎え た現在、こうしたコンピュータ・アートの先駆的活動を再認識し、かつ総括していくことの意義 は大きいと考えます。 この展覧会では、国内外の歴史的なコンピュータ・アートの作品、そしてそれら芸術的アルゴ リズムの思想や理論の継承者たちの作品や資料約 250 点を紹介します。また会期中には、コンピュー タ・アート、芸術アルゴリズムに関する講演会、パネルディスカッション、ギャラリー・トーク などが開催されます。 この展覧会を通して芸術史におけるコンピュータ・アートの意義や、先駆者をはじめとするコ ンピュータ・アーティストたちの作品を直接的・具体的に紹介することで、これからの美術・デ ザイン教育、そして芸術創作への新しい可能性に踏み出していく手段と展望を得る、貴重な機会 になることでしょう。 1 2.開催要項 名 称 20 世紀コンピュータ・アートの軌跡と展望 ―現代アルゴリズム・アートの先駆者・現代作家の作品・思想― 20th Century Computer Art Beginnings and Developments The work and thought of pioneers and Contemporary practitioners of algorithmic art 会 場 多摩美術大学美術館 〒206-0033 東京都多摩市落合 1-33-1 Tel. 042-357-1251 Fax. 042-357-1252 e-mail [email protected] 会 期 2006 年 11 月 3 日(金)~12 月 17 日(日) 10:00~18:00(入館は 17:30 まで) 休館日 入館料 交 通 主 催 火曜日 一般 300 円(200 円) 大・高校生 200 円(100 円) 身体障害者および中学生以下無料 *( )内は 20 名以上の団体割引料金 京王線・小田急線・多摩モノレール 多摩センター駅下車徒歩 5 分 多摩美術大学 協 力 武蔵野美術大学 企 画 芸術アルゴリズム研究会 関連事業 11 月 10 日(金) 15:00-16:00 基調講演「コンピュータ・アートの世界―ヒューマン・メディアとしての未来へ―」 講師:坂根厳夫(多摩美術大学客員教授) 11 月 11 日(土) 14:00-16:00 講演「コンピュータ・アートとは何か?」 講師:川野洋(東京科学技術大学名誉教授) 11 月 16 日(木) 14:00-16:00 鼎談「ベンゼ美学とシュトゥットガルト学派周辺のコンピュータ・アーティストたち」 講師:川野洋(東京科学技術大学名誉教授)、草深幸司(多摩美術大学教授)、 阿部好志(アーティスト) 11 月 18 日(土) 14:00-16:00 講演「CTG(コンピュータ・テクニック・グループ)」 講師:幸村真佐男(中京大学教授) 11 月 25 日(土) 15:00-17:00 シンポジウム「21 世紀への展望」 講師:永原康史(多摩美術大学教授)、久保田晃弘(多摩美術大学教授)、 下村千早(武蔵野美術大学教授)、岩越敦彦(東京学芸大学非常勤講師) ※いずれも会場:1F 多目的室、定員 100 人、参加無料、当日受付 2 【ギャラリー・トーク】 会期中の土曜日 14:00 から学芸員によるギャラリー・トークを行います。 会場:展示室、参加無料、当日受付 展示内容 国内外の歴史的に重要なコンピュータ・アート作品(約 200 点)および資料(約 50 点) を展示します。 出品作家は以下のメンバーを予定しています。 Georg Nees ゲオルク・ネース(ドイツ、1926 年ニュルンベルク生) Herbert W. Franke Frieder Nake Eugen Roth ヘルベルト・W フランケ(ドイツ、1927 年ウィーン生) フリーダー・ナーケ(ドイツ、1938 年シュトゥットガルト生) オイゲン・ロート(ドイツ、1925 年ルートヴィヒスハーフェン生) Wolfgang Kiwus ヴォルフガング・キーヴス(ドイツ、1939 年ツェレ生) A. Michael Noll A・マイケル・ノル(米国、1939 年生) Harold Cohen ハロルド・コーエン(米国、1928 年ロンドン生) Manfred Mohr マンフレッド・モール(米国、1938 年プホルツハイム生) Edward Zajec エドワード・ザジェック(米国、1938 年トリエステ生) Roman Verostko ローマン・ヴェロスコ(米国、1929 年ペンシルバニア生) Vera Molnar ヴェラ・モルナール(フランス、1924 年ブタペスト生) Ervin Steller エルヴィン・シュテラー(フランス、1928 年ミュンヘン生) Hervé Huitric エルヴェ・ユイトリック(フランス、1945 年パリ生) Monique Nahas Manuel Barbadillo 川野洋 モニク・ナース(フランス、1940 年ドイツ生) マニュエル・バルバディージョ(スペイン、1929 年セビーリャ生) Kawano, Hiroshi (1925 年中国(旧満州)撫順生) 草深幸司 Kusabuka, Koji (1937 年神戸生) 下村千早 Shimomura, Chihaya (1941 年広島生) 久保田晃弘 Kubota, Akihiro (1960 年大阪生) 阿部好志 Abe, Yoshiyuki (1947 年群馬生) 出原栄一 Izuhara, Eiichi (1929 年大阪生) 幸村真佐男 Kohmura, Masao (1943 年東京生) 岩越敦彦 Iwakoshi, Atsuhiko (1958 年岐阜生) 《この件に関するお問い合わせ先》 学芸員 仙仁・小林・高辻まで Tel. 042-357-1251/Fax. 042-357-1252/E-mail:[email protected] 多摩美術大学美術館 3 Herbert W.Franke ヘルベルト・W フランケ “Quadrate” 1970 Georg Nees ゲオルク・ネース Relief black” 1970 Harold Cohen ハロルド・コーエン “DP(デジタルプリント)シリーズより” 2005 川野洋 Kawano, Hiroshi “Simulated Color Mosaic” 1969 4
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