徳島市民病院改革プランに関する点検・評価について プランの期間:平成21年度~23年度 点検・評価対象年度:平成23年度 平成25年1月 徳島市民病院 - 目 次 - Ⅰ 点検・評価にあたって Ⅰ-1 はじめに …………………… 1 Ⅰ-2 点検・評価の仕組み …………………… 1 Ⅰ-3 点検・評価のねらい …………………… 2 Ⅰ-4 点検・評価の方法 …………………… 2 Ⅰ-5 公表 …………………… 2 …………………… 3 Ⅱ-2 徳島市民病院改革プラン評価表 …………………… 5 Ⅱ 点検・評価について Ⅱ-1 総括 Ⅲ 参考資料 Ⅲ-1 委員会委員名簿 …………………… 13 Ⅲ-2 委員会会議の経過 …………………… 13 Ⅲ-3 徳島市民病院改革プラン評価委員会設置要綱 …… 14 Ⅰ 点検・評価にあたって Ⅰ-1 はじめに 徳島市民病院改革プラン(以下「改革プラン」という)は、平成19年12月に総務 省において策定された「公立病院改革ガイドライン」をふまえ、平成21年3月に策 定したものです。ガイドラインが策定された背景には、多くの公立病院において損 益収支をはじめとする経営状況が悪化するとともに、医師不足に伴い診療体制の縮 小を余儀なくされるなど、その経営環境や医療提供体制の維持が厳しい状況になっ ていたことがありました。ガイドラインでは経営の効率化を3年、再編ネットワー ク化と経営形態の見直しを5年程度という目標年次が設けられたほか、財務内容と 医療提供内容の両面から検討を加えることとされました。 徳島市民病院は急性期医療を担う地域の中核病院を目指して、医療の質の向上と 経営の効率化への取り組みを進めているところであります。新入院患者及び診療単 価の増等により事業収入は増加しているものの、新築事業に係る企業債償還等の事 業費用の増加に伴い、厳しい経営状況が続いています。こうした状況のなか徳島市 民病院が地域医療のなかで果たすべき役割やその実現にむけた経営改革の方向性を 再確認するとともに、病院改革の実現をより確かなものとするため策定した改革プ ランに掲げる取り組みを展開しています。 ガイドラインにおいては、改革プランの実施状況を概ね年1回以上点検・評価・ 公表するように求められており、徳島市民病院改革プラン評価委員会設置要綱に基 づき設置された徳島市民病院改革プラン評価委員会(以下「評価委員会」という) において、昨年度に引き続き点検・評価を実施します。 Ⅰ-2 点検・評価の仕組み 徳島市民病院改革プラン 徳島市民病院事業 (平成21年度~23年度) 【自己評価】 徳島市民病院 【点検・評価】 徳島市民病院改革プラン評価委員会 助言(報告) 徳島市民病院改革プラン評価委員会 公表 徳島市民病院 1 Ⅰ-3 点検・評価のねらい 点検・評価のねらいは、評価委員会に市民の視点、客観的な立場に立って点検・ 評価をしていただくことにあります。具体的には、評価委員会に徳島市民病院が急 性期医療を担う地域の中核病院として期待されている役割を果たしているか否かと いう観点に立ちながら点検・評価をしていただきました。 Ⅰ-4 点検・評価の方法 点検・評価の方法は、まず改革プランの内容を評価委員会に確認していただくと ともに、平成23年度において取り組んだ概要について報告を行いました。そのなか で目標を下回っている場合は、原因は何か、今後の取り組みをどのように進めるか 等について評価及び助言等をいただきました。具体的には改革プランに掲げられた 項目について、平成23年度実績や目標数値の実績を自己評価としてまとめた「徳島 市民病院改革プラン評価表」を提示して説明を行いました。 そのうえで、点検・評価のねらいにそって評価委員会に検証をしていただくとと もに各項目について助言等をいただきました。なお、評価委員会からいただきまし た助言等につきましては、Ⅱ 点検・評価について の 2 徳島市民病院改革プラン評価表 Ⅱ-1 総括 及び Ⅱ- の各欄に、評価委員会の評価・助言等として 掲載させていただきました。 Ⅰ-5 公表 徳島市民病院改革プランの平成23年度実績については、徳島市民病院が実施した 自己評価及び評価委員会からいただいた評価・助言等を「徳島市民病院改革プラン に関する点検・評価について」としてとりまとめ、公表します。 2 Ⅱ 点検・評価について Ⅱ-1 総 括 平成 21 年度から平成 23 年度までの 3 か年を計画期間とする「徳島市民 病院改革プラン」の実施状況について評価を行うため、毎年数回の委員会 を開催してきたが、それも今年度で最後となる。ここでは、平成 23 年度の 実績に加え、平成 21 年度から 3 年間に及んだ経営改革に対する総評を記す こととする。 平成 23 年度は、これまで進めてきた急性期医療機能の強化をさらに推進 し、新入院患者数の増(1 日平均新入院患者数:21.5 人→21.8 人)、平均 在院日数の短縮(11.4 日→10.9 日)を達成し、当年度は診療報酬改定が無 かったにもかかわらず、外来診療単価は 13,214 円から 13,800 円に増加し、 入院診療単価にいたっては 55,986 円から 58,858 円へと大幅に増加している。 これらの取り組みにより、平成 22 年度に続き 2 年連続の黒字決算となり、 経常収支比率、人件費比率等についても、数値目標を上回る実績を達成し たことは高く評価できる。 また、地域周産期母子医療センターの認定を受け、ハイリスクな妊婦や 新生児に対応するとともに、災害拠点病院、DMAT指定病院の指定を受け、 災害時の医療体制の強化を図るなど、地域の中核病院としての機能充実が 図られていることについても評価したい。 一方、紹介率、逆紹介率が低下し、紹介患者数が減少している点につい ては、病院としても危機意識を持ち、地域の様々な専門分野の医師との連 携を密にしながら、地域の病院に頼られる病院としてあり続けられるよう、 地域医療支援病院としての機能充実に努められたい。 また、救急車搬送患者数は毎年実績を伸ばしてきているが、一部では受 け入れができなかった事例も見受けられることから、自治体病院に対する 救急医療充実への期待の大きさも考慮し、さらなる体制の充実を望むもの である。 3 次に、3 か年をとおしての総評であるが、急性期病院としてその現有医 療資源を手術などを中心とした質の高い入院医療に集中的に投入し、早期 に急性期患者の回復を図る体制の構築を進めてきたことにより、各種の経 営指標は軒並み好転している。平成 22 年度において、19 年ぶりに黒字決 算となるとともに 7 年ぶりに不良債務を解消し、続く平成 23 年度において も、2 年連続の黒字決算となっている。また、地域がん診療連携拠点病院 の指定、地域周産期母子医療センターの認定、災害拠点病院の指定、DM AT指定病院の指定なども取得し、医療の質という点においても、地域に おける中核病院としての機能充実が図られている。 しかしながら、新病院建設にかかる企業債の償還金や減価償却費の負 担が今後の経営を圧迫し、経営環境が厳しくなることも予想されるため、 急性期病院として、より一層の体質改善、地域の医療機関との機能分担・ 連携を充実していく必要がある。 改革プランの計画期間は平成 23 年度で一応の区切りを迎えたが、経営 改善の取り組みに終わりはなく、今後においても病院の進むべき方向を 見据え、達成すべき目標を設定したうえで継続的な取り組みを行うこと が重要である。 おわりに、地域住民から真に信頼され、患者から選ばれる病院となるよ う、今後とも鋭意努力されることを期待するものである。 4 Ⅱ-2 徳島市民病院改革プラン評価表 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 救急医療は地域で 必ず完結しなけれ ばならない医療であ り、救急医療体制の 充実は自治体病院 である市民病院に 対して求められる大 きな役割である。 地域医療機関等と の連携の強化 救急医療 の充実 2 自己評価 H23実績 目標 NO. 《H23数値目標》 ・救急車搬送患者数(月平均) 200 人 ・紹介救急患者数(月平均) 120 人 達成度 評価委員会の評価・助言等 《H23数値実績》 ・救急車搬送患者数(月平均) 215人 ・紹介救急患者数(月平均) 104.3人 救急車搬送患者数は数値目標を上回ったが、紹介 救急患者数については、数値目標に届かなかった。 今後も引き続き医療スタッフの効率的な運用の検討 を行うとともに、人員の確保に努めたい。 開業医による救急業務の応援体制 徳島市医師会及び同所属医師の協力を得て日曜日 の実施(H20-23) の救急日直を実施した。 また2次救急の水準を維持するとともに、地域医療 2⑴ 機関から救急で紹介された患者の受け入れ体制を整 地域医療機関からの救急患者の受 えた。 け入れ体制の強化(H20-23) 自治体病院の役割として、救急医療の 充実に対する期待は大きい。 救急車搬送患者数は毎年度増加してお り、これまでの取り組みを評価するが、紹 介救急患者数では目標を下回っており、 救急受け入れ体制システムの改善を含 め、さらなる救急体制の充実が望まれる。 徳島県地域医療対策協議会の議論 への参画(H20) 平成21年2月に徳島県地域医療対策協議会から「再 編・ネットワーク化」の方向性を示す基本的な方針が提 他の公立・公的病院 案された。この基本方針に沿って今後機能分化を進め 2⑵ 徳島県地域医療対策協議会の結論 との機能分化 ていく。 を受けての医療機関の機能分担や また、県内の他の公的医療機関との意見交換会を開 医療機関の集約化等の検討(H21- 催し連携を深めた。 23) 自己評価のとおりでよい。 開業医による救急業務の応援体制 の実施(H20-23) 院内の救急医療体 制の充実 2⑶ 準夜勤務時間の看護職員の増員 (H20-23) 救急室のハード面の整備(H20-23) 徳島市医師会及び同所属医師の協力を得て日曜日 の救急日直を実施した。 また平成18年度から増員している救急室の看護体制 を継続した。 救急室(診察室4部屋)のハード整備は平成20年1月 に完成。 5 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 他の医療機関との 役割分担を積極的 に進めていくことに より、自己完結型医 療から、地域完結型 医療への転換を図 る。 NO. 《H23数値目標》 ・紹介率 65.0% ・紹介患者数 1,300人 ・逆紹介率 60.0% 3 自己評価 H23実績 目標 達成度 評価委員会の評価・助言等 《H23数値実績》 ・紹介率 67.5% ・紹介患者数 1,022人 ・逆紹介率 57.7% ※紹介率(%) = 地域医療支援の承認基準である紹介率60%以上か [紹介患者 +初診即入院患者]÷ [初診 つ逆紹介率30%以上は満たしているが、昨年度よりも 患者-(初診時間外患者-初診即入院患者)] 逆紹介率、紹介患者数ともに少し減少している。 × 100 地域医療支援病院として、さらなる紹介 患者、逆紹介患者の増加を図ること。 紹介患者数については入院経路の大きな入り口とな るため、目標達成にむけて更に連携医療を深めてい ※逆紹介率(%) = 逆紹介患者 ÷ [初診患者-(初診時間外 く。 患者-初診即入院患者)] × 100 地域の医療機関との連携の強化 (H20-23) 医療機関の機能分 密度の濃 化による地域完結 い連携医 型医療体制の構築 療の構築 連携医療機関にも参加していただいて、学術講演 会、症例検討会、緩和ケア研修会等を開催し、連携強 徳島県地域医療対策協議会の議論 化に務めた。 3⑴ への参画(H20) 徳島県地域医療対策協議会の結論 を受けての医療機関の機能分担や 医療機関の集約化等の検討(H2123) 地域の病院にとって頼りになる病院とし て、今後も引き続き価値ある情報を発信し て欲しい。 2⑵と同様 地域医療支援病院 の承認 平成20年11月に地域医療支援病院として県の承認 を受けた。 かかりつけ医を基礎とした医療機関の役割分担と連 3⑵ 携を進め、地域の医療機関を後方支援する役割を 地域の医療機関の支援体制の充実 担った。さらに平成20年3月1日に県内全ての医師会と 「共同診療に係る覚書」を締結し、地域医療支援体制 (H20-23) の充実を図った。 院内の地域医療支 援体制の充実 地域医療機関と情報交換を行う協議会や情報誌の 地域医療連携室の充実(H20-23) 配布作成を行い、サポート体制の強化を図った。 また、平成21年度から増員している地域連携室の体 3⑶ 制を継続し、がん支援に関する相談を充実した。 さらに地域医療機関からの紹介について、院内の医 地域医療機関との連携に関する意 療スタッフへ周知を行い病院全体の地域医療機関の 識の醸成(H20-23) 連携に関する意識の醸成を図った。 地域医療支援病院の名称承認 (H20) 自己評価のとおりでよい。 6 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 指導医の養成等、 魅力ある 研修体制の充実を 臨床研修 図りながら、魅力あ 病院 る臨床研修病院を 構築していく。 【総論】 地域医療を支える 人材の育成に貢献 するとともに、高度 専門医療を担う職員 の養成・教育・研修 の充実に努め、病 院としての人材の確 保を目指す。 人材の確 保及び育 成 医師の確保 NO. 《H23数値目標》 ・初期臨床研修医数 20人 ・指導医数 27人 4 自己評価 H23実績 目標 《H23数値実績》 ・初期臨床研修医数 10人 ・指導医数 32人 ※初期臨床研修医には、徳島大学病 魅力ある臨床研修病院として初期臨床研修医数及 院、県立中央病院との3病院合同による び指導医数の確保に努めたが、研修医数の目標達成 研修医を含む。 に至らなかった。 ※指導医とはプライマリ・ケアの指導方 ※平成22年度より、厚生労働省による研修プログラムの見 法等に関する講習会を受講した医師 直し有り。 《H23数値目標》 ・医師数 63人 ・認定看護師数 4人 5 達成度 評価委員会の評価・助言等 現在の制度では、研修医の確保が難し いことは理解できる。 しかし、医師の確保は病院運営上非常 に重要な事項であるため、今後も引き続 き臨床研修病院としてのPRを積極的に 行い、臨床研修医の確保に努めること。 《H23数値実績》 ・医師数 63人 ・認定看護師数 5人 (皮膚・排泄ケア、がん化学療法看護、感染管理、 緩和ケア、新生児集中ケア) 数値目標どおりの医師数を確保することができた。 また、看護の質向上のための資格認定制度におい て、目標を上回る認定看護師の育成ができた。 現在までの取り組みを評価する。 医師事務作業補助者導入による医 平成20年5月から医師事務作業補助者を導入し、平 成21年度には6人であったものを平成22年4月からは 師の事務負担の軽減(H20-23) 14人、平成23年2月からは17人に増員し、医師の事務 5⑴ 負担軽減を図った。 また徳島市医師会及び同所属医師の協力を得て日 開業医による救急業務の応援体制 曜日の救急日直を実施した。 の充実(H20-23) (平成23年度実績:延べ34日、対象患者数710人) 高度専門医療を担う 職員の養成、教育・研修の充実 職員の養成、教育・ 5⑵ (H20-23) 研修の充実 質の高い医療を提供することを目的に、職員の知 識・技能の向上を図るために、教育・研修を受ける機 会の提供を図った。 また、院内の職員が講師となり、様々なテーマについ て講義を行う医療勉強会を、原則として毎週金曜日の 17時から開催した。 7 現在までの取り組みを評価する。 今後も継続して職員の養成、教育・研修 の充実が図られることを望む。 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 急性期医療を担う地 域の中核病院として の役割を果たすた め、病院の特徴に 応じて、機能分化や 連携を進めていく必 要がある。 自己評価 H23実績 目標 NO. 《H23数値目標》 ・がん入院患者数 ・がん手術件数 1,523人 532件 《H23数値実績》 ・がん入院患者数 ・がん手術件数 入院患者数は数値目標を大きく上回っている。 手術件数は数値目標に届かなかったが、外来での 化学療法件数(H23数値実績:2,683件)は増加してい る。 今後も地域がん診療連携拠点病院として、がん関係 の臨床実績の増に努める。 6 平成21年に申請を行い、平成22年4月に地域がん診 地域がん診療連携病院の指定への 療連携病院の指定を受けた。今後についても急性期 取り組み(H20-23) 医療を担う中核病院としての役割を果たしていく。 6⑴ 治験、臨床試験の 実施 6⑵ 治験、臨床試験の実施(H20-23) 製造販売後調査の新規契約件数は減少している が、原則として依頼のあった調査は実施している。 6⑶ 臓器提供施設の登録(H20-23) 国内における臓器移植の推進に寄与するため、平成 20年6月9日に社団法人日本臓器移植ネットワークの 臓器提供施設に登録を行った。 自己評価のとおりでよい。 ◎ 今後、さらなる病院機能の充実を期待す る。 自己評価のとおりでよい。 診療科目の見直し(H21-23) 6⑷ 診療 科目 ◎ 平成21年3月に診療科の標榜を細分化(13診療科目 →29診療科目)し、利用者の利便性の向上を図った。 ~平成20年度 診療科目の見直し 評価委員会の評価・助言等 1,801人 484件 地域がん診療連携 拠点病院の指定 特徴ある 病院機能 の充実 臓器提供施設の登 録 達成度 平成21年度~ 内科【呼吸器内科、循環器内科、消化 器内科、血液内科、糖尿病・代謝内 科、内視鏡内科】、外科【呼吸器外科、 内科、外科、脳神経外科、整 消化器外科、甲状腺外科、乳腺外科、 形外科、リハビリテーション科、 大腸・肛門外科、肝臓・胆のう・膵臓外 小児科、産婦人科、耳鼻咽喉 科、内視鏡外科】、脳神経外科、整形 科、皮膚科、眼科、放射線科、 外科、リハビリテーション科、小児科、 泌尿器科、麻酔科 産婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼 科、放射線科、泌尿器科、麻酔科、心 療内科、精神科、形成外科 13科 29科 8 ◎ 現在までの取り組みを評価する。 また、現在「脊椎・人工関節センター」を 開設し、当該分野に力を入れているとのこ となので、もっと対外的にPRを行ってみ てはどうか。 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 今後、市民病院が 収益を増加させてい くためには、急性期 病院としてその医療 資源を、救急や手術 などを中心とした質 の高い入院医療に 特化し、早期に急性 期患者の回復を図 る体制を整えていく ことが必要となる。 NO. 自己評価 H23実績 目標 《H23数値目標》 ・新入院患者数 23人 ・平均在院日数 10.2日 ・入院単価 51,800円 ・病床利用率 86.0% 達成度 《H23数値実績》 ・新入院患者数 21.8人 ・平均在院日数 10.9日 ・入院単価 58,858円 ・病床利用率 76.4% ※平均在院日数 = 数値目標には届かないものの、新入院患者数は昨 ( 1ケ月間の在院患者延数 )÷ ( 1ケ月 年度よりも増加しており、平均在院日数も短くなってい 間の新入院患者数+1ケ月間の退院患者 る。また、病床利用率は下がっているが、入院単価が 数)÷2 7 項目によって数値目標をクリアしたもの と届かなかったものがあるが、全体として は、急性期化を進めることにより、平均在 院日数の短縮が図られ、その結果として 診療単価が上昇し、医業収益の増加につ ながっているため、十分評価できる水準 にある。 非常に高くなっており、入院収益増の大きな要因となっ ている。今後も引き続き、新入院患者数の更なる獲得 ※病床利用率(%) = ( 入院患者延数 )÷ ( 病床数×1ケ月の と、適正な病床利用率の確保に努めていきたい。 暦日数 ) × 100 ・外来単価 10,812円 ・平均外来患者数 500人 評価委員会の評価・助言等 ・外来単価 13,800円 ・平均外来患者数 501.9人 外来化学療法件数の増、透析件数の増などにより外 来単価が増加した。 また、平均外来患者数は目標数値に近づいた。 急性期医 療の充実 による収 益の増加 新入院患者の確保 7⑴ 新入院患者の確保(H20-23) 新入院患者数は前年度と比較して 0.3人増の 21.8人 となった。毎年着実に増えてきてはいるが、最初に掲 げた 23人という非常に高い目標にはまだ届かないた め、今後も引き続き新入院患者数の更なる獲得に努 めていきたい。 平均在院日数の短 縮 7⑵ 平均在院日数の短縮(H20-23) 前年度と比較して 0.5日減の 10.9日となり、ほんの少 し目標に届かなかったが、当院と同規模の病院の全 国平均よりも、非常に短い在院日数となっている。 DPC制度の導入 7⑶ DPC制度の導入(H20-23) 地域医療支援病院加算(H20-23) 施設基準の取得 7⑷ 入院時医学管理加算(H20-23) 平成20年度から導入している。 平成20年度に地域医療支援病院加算及び入院時医 学管理加算を取得した。 平成22年6月には、新生児特定集中治療室管理料2 を取得した。 今後も新たな施設基準の取得に努めたい。 9 今後も引き続き、新入院患者の増加に 向けた取り組みを進めること。 現在までの取り組みを評価する。 ◎ ◎ 自己評価のとおりでよい。 現在までの取り組みを評価するととも に、今後、さらなる施設基準の取得を期待 する。 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 収入構造や医療内 容についてさらに細 かな分析を行い、そ の改善の方向性を 医療スタッフ等に示 していくとともに、支 出面においてその 削減の取り組みを 持続する。 DPCデータの分析 及び活用 NO. 《H23数値目標》 ・人件費比率 8 自己評価 H23実績 目標 53.0% ※人件費比率(%) = 人件費 ÷ 医業収益 × 100 DPCデータの分析方法の検討 8⑴ (H20-21) DPCデータの活用(H21-23) 部門別原価計算の開始(H20) 《H23数値実績》 ・人件費比率 診療報酬改定の影響や、各種の経営改善への取り 組みによって収益が大きく伸び、相対的に人件費率が 下がり、数値目標を達成した。また、平成22年度より事 業管理者及び院長が各診療科のトップと対談し、経営 の方向性を再確認するとともに、経営改善方策の協議 を行っている。 今後、さらなるDPCデータの有効活用を 期待する。 平成22年10月から診療科別収支分析表を作成し、毎 月の経営戦略会議の資料として活用している。 また、トップヒアリング時の資料としても用いている。 今後、さらなる原価計算データの有効活 用を期待する。 アウトソーシングの 実施 8⑶ 経費の効率的執行 立体駐車場の建設に伴う借地料の 立体駐車場の完成に伴い借地を一部返却するととも 見直し(H21-23) に、平成21年11月にコージェネレーションシステムを全 面稼働した。 8⑷ また、平成22年度からは保守委託や業務委託契約 コージェネレーションシステムの全面 の一部見直しを行うとともに、民間広告事業を推進し、 稼働による光熱費の削減(H21-23) 収入の確保と経費の節減に努めた。 材料費の適正化 現在までの取り組みを評価する。 DPCデータの分析を行うシステムを導入するととも に、経営の効率化に資するデータを作成し、医療スタッ フに情報発信を行った。 8⑵ 経営の効 率化 評価委員会の評価・助言等 52.7% 各種原価計算の実 施 計算方法の改善、データの有効活 用(H21-) 達成度 平成20年1月からの包括委託契約を継続するととも 各種アウトソーシングの実施と管理 に、業務内容についてモニタリング等を実施することに 体制の強化(H20-23) より業務の質の確保を図った。 8⑸ 材料費の適正化(H20-23) 平成23年度から、全国の公立病院や大学病院等100 病院程度のデータを元にしたベンチマークを行い、価 格交渉の資料として用いることにより適正化に努めて いる。 また、平成19年度からはジェネリック医薬品(後発医 薬品)の利用に努め、院内採用品目数に占める割合 は年々増加している。 10 自己評価のとおりでよい。 現在までの取り組みを評価する。 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 自己評価 H23実績 目標 NO. 達成度 評価委員会の評価・助言等 《H23数値目標》 《H23数値実績》 ・ 医師 83人、看護 292人、医療技 ・ 医師 73人、看護 298人、医療技術 70人、事務 42 術 60人、事務 41人の合計 476人 人の合計 483人 医師について、初期臨床研修医の確保が数値目標 に届かなかったが、看護師、医療技術職、事務職につ いては、目標どおり、もしくは目標を上回る職員配置が できている。 平成23年度(実績) 平成23年度(予定) 適正な職員配置 8⑹ 正規 医師 56 看護 医療技術 事務 合計 経営の効 率化 260 49 29 394 ( 使用料等の見直し 8⑺ 臨時等 27 (20) 32 11 12 82 臨床研修医を除けば、数値目標以上の 人員確保ができており、これまでの取り組 みは評価できる。 臨床研修医については、「魅力ある臨床 研修病院」の項目と重複するが、今後も 引き続き臨床研修病院としてのPRを積極 的に行い、臨床研修医の確保に努める必 要がある。 ※平成24年3月31日現在 計 正規 83 (20) 292 60 41 476 56 263 49 28 396 臨時等 17 (10) 35 21 14 87 計 73 (10) 298 70 42 483 )内は、初期臨床研修医数であり、上段の数字の内数。 室料差額等の各種使用料等の見直 新病院の開院に併せて、個室・特別室料や駐車場料 し(H20) 金などの使用料について見直しを行った。 ◎ 自己評価のとおりでよい。 病院機能評価の受 審 8⑻ 病院機能評価の受審(H20) 平成21年度に病院機能評価の認定を受けた。 11 ◎ 【達成度】 ◎ 計画達成・完了 ↑ 計画以上の実績 → 計画どおりの実績 ↓ 計画を下回る実績 項目 区 分 内容 【総論】 財政面の改善は急 務となっており、経 営改善の取り組み、 各年度の収支を改 善していくとともに、 病院事業特例債の 計画的な解消を図 る。 病院事業特例債の 財務体質 活用の検討 の強化 NO. 9 自己評価 H23実績 目標 《H23数値目標》 ・不良債務額 0 ・資金不足額比率 0% ・経常収支比率 102.4% 《H23数値実績》 ・不良債務額 0 ・資金不足額比率 0% ・経常収支比率 103.0% ※不良債務額 = 流動負債 - 流動資産 平成22年度に続き、2年連続の黒字決算となった。 診療報酬改定の影響もあり、収益については順調に 伸びてきているが、費用面においては、今後も新病院 建設にかかる企業債の償還等の負担が大きく、依然と して厳しい状況にあることに変わりはない。 引き続き経営改善の取り組みを強力に進めていきた い。 ※資金不足額比率(%) = 不良債務額 ÷ 医業収益 × 100 ※経常収支比率(%) = 経常収益 ÷ 経常費用 × 100 9⑴ 病院事業特例債の借り入れ(H20) 平成20年度末に21億6,980万円の公立病院特例債を 発行し、不良債務を長期債に振り替えた。 ※平成23年度償還額:427,058千円 残額は平成24年度~平成27年度の4年間で償還 達成度 評価委員会の評価・助言等 財政面での数値目標達成は高く評価で きる。 今後も引き続き経営改善の取り組みを 進め、財務体質の強化を図って欲しい。 ◎ 自己評価のとおりでよい。 平成24年度までは起債の返済等が集中すること等に 対応するため、繰入時期等の見直しを平成20年度中 に行った。 一般会計繰入金の 見直し 9⑵ 一般会計繰入金の見直し(H20) 未収金の発生の防 止及び回収の推進 未収金対応については、未収金が発生する前の対 応に力を注ぐとともに、平成22年度からは勉強会を開 催し、職員の知識向上を図った。 未収金の発生の防止と回収の推進 9⑶ また、簡易裁判所の支払督促制度を導入し回収の推 (H20-23) 進を図るとともに、平成22年4月からはクレジットカード による支払いを可能とし、支払い方法の多様化を図っ た。 12 現在までの取り組みを評価するととも に、今後、さらなる未収金の発生防止と回 収の推進に向けた取り組みを期待する。 Ⅲ 参考資料 Ⅲ-1 徳島市民病院改革プラン評価委員会委員名簿 職 氏 名 役職 徳島大学大学院ソシオ・アーツ・ アンド・サイエンス研究部准教授 上原 克之 委員長 病院局長 後藤田 勲 徳島市医師会長 豊﨑 纒 四国大学名誉教授 原田 寛子 徳島市保健福祉部長 多田 昭弘 徳島市民病院長 惣中 康秀 徳島市民病院副院長 松岡 優 徳島市民病院看護部長 浅田 洋子 副委員長 Ⅲ-2 改革プラン評価委員会会議の経過 日 内 程 容 第1回会議 平成24年10月10日 徳島市民病院改革プランの実施状況に関する自己評 価表について 第2回会議 平成24年12月19日 徳島市民病院改革プラン評価表の確認について 点検・評価の総括について 13 Ⅲ-3 (設 徳島市民病院改革プラン評価委員会設置要綱 置) 第1条 徳島市民病院改革プランの実施状況について点検及び評価を行うため、徳島市 民病院改革プラン評価委員会(以下「委員会」という。 )を設置する。 (所掌事務) 第2条 委員会は、徳島市民病院改革プランの実施状況について点検及び評価を行い、 病院事業管理者にその結果を報告し、意見を述べるものとする。 (組 織) 第3条 委員会は、委員8人以内で組織する。 2 委員は、病院事業について専門的知識又は経験を有する者の中から、病院事業管理 者が委嘱する。 (任 期) 第4条 委員の任期は、委嘱された日の属する年度の末日までとする。 2 委員は、再任されることができる。 (委員長及び副委員長) 第5条 委員会に委員長及び副委員長各1人を置く。 2 委員長及び副委員長は、委員の互選により定める。 3 委員長は、委員会の会務を総理し、委員会を代表する。 4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、 その職務を代理する。 (会 議) 第6条 委員会の会議は、委員長が招集し、会議の議長となる。 2 委員会は、委員の半数以上の者の出席がなければ、会議を開くことができない。 (公開及び非公開) 第7条 委員会の会議は、原則公開とする。ただし、委員長が特に必要と認める場合は、 非公開とすることができる。 (意見等の聴取等) 第8条 委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の者の出席を求め、意見若し くは説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる。 (庶 務) 第9条 委員会の庶務は、事務部経営企画課において処理する。 (その他) 第10条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が 委員会に諮って定める。 附 則 この要綱は、平成22年8月1日から施行する。 14
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