第6回東西サランバン開催

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第16号
http://www.japancenter.or.kr
Dongseo University tHe JAPAn Center 東西大学校日本研究センターー
┃本部┃ 釜山広域市沙上区周礼2洞 山69-1 東西大学校国際協力館 8F
発行日 2010年 4月 30日 発行人 鄭求宗 発行所 東西大学校日本研究センター
TEL 051-320-1900
FAX 051-320-1902
┃ソウル事務所┃ 東西大日本研究センターソウル事務所 ソウル鍾路区新門路光化門オピシア 2331号
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TEL 02-723-2270~1
FAX 02-723-2272
第6回東西サランバン開催
- 2010年の日韓政治の展望をラウンドテーブル形式で集中討議 2月25日(木)、東西大日本研究センター
候補が落選したが、衆参両院の6議席全てを民主
ソウル事務所において、「第6回東西サラン
党が占める長崎での知事選敗北は「長崎ショッ
バン」が開催された。「東西サランバン」は日
ク」と呼ばれている。
韓の有識者による意見交換の場として、本
来る7月4日の参議院選挙で民主党が単独過
センターソウル事務所の開設以来、定期的
半数を得られるかが注目される。選挙の鍵を握
に開催されてきた。以下、今回の会合の主
るのは小沢幹事長の去就問題である。去る総選
要参加者による発言要旨を示す。
挙の際にも小沢代表の政治資金問題が政治争
【 司会】
△鄭求宗所長=本日は李明博大統領の就任からちょうど2年、現政権3年目
点となったが、小沢代表が総選挙の数ヶ月前に代表を辞退、鳩山氏が代表
に就任することで世論は納得し、民主党大勝という結果に繋がった。今
がスタートする日である。韓国政治のこの2年間を振り返り、日本の政治情
回も小沢幹事長が参議院選挙を前に幹事長職を辞退することで下落した
勢および2010年の日韓関係の展望について、忌憚ない議論をお願いしたい。
民主党支持率を回復させ、参議院選挙で勝利することができるのかどう
【 主題発表】
か見守りたい。
△張勲教授(中央大)=発足から3年目を迎える李明博政権に対する評価
△朴正浩(韓日議員連盟事務総長)=日韓の議員外交レベルで活動して
は高く、金泳三、金大中の両大統領も成し得なかった45%という支持率
いる韓日議員連盟は、1975年に発足して以来、今年で35年目を迎え
を維持している。しかし、高い支持率を得ながらも、思うような政策執
る。韓国側は李明博政権が誕生し、李相得前国会議長が会長に就任した
行ができていないのも事実である。世宗市問題の混迷などがその良い例
が、日本側は自民党政権時代から森喜朗元首相が会長職を続けている。
である。また、国際舞台において、李明博政権への期待と求められる役
新たな会長団結成が遅れているためもあるが、日本側の積極的な動き
割は非常に高まっている。国際社会から「ミドルパワー」的な高い評価が
は未だ見えていない。しかし、韓日議員連盟は、日本に存在する韓国文
与えられているにもかかわらず、現政権は実際に何をどのようにすべき
化財の返還などを日本側に要求している状況だ。
かを見抜けていないようである。「魂なきミドルパワー」とでも呼ぶべき
か。その理由は、制度およびそれを運営する政治家、政治エリートらの行
動が一致しないことにある。世宗市問題が混迷するのと同様、現政権は
試行錯誤を繰り返しつつ、学習しているようにも見える。
対外関係において、2008年の金融危機を李明博政権ほど模範的に克
服した例がないことは、国際的にも認められている。そのような意味で
韓国は唯一G2とG20の間の架け橋的な役割を果たし得る国である。し
かし、そういったビジョンの構築と共有を可能にするソフトパワーが、
政府、企業、民間などのレベルで互いに別々の動きを見せている。この
ような問題を解決できなければ、東アジアにおける韓国の役割や朝鮮半島
の統一問題などで、混乱と試行錯誤が繰り返されるのではないかと憂慮さ
れる。そういった意味で、韓国独自の構想が求められていると言える。
△箱田哲也(朝日新聞ソウル支局長)=「平成無血維新」という言葉が鳩山
政権に対する大きな期待を示していたのはわずか6ヶ月前だが、現在、鳩
山政権の支持率は大幅に低下している。支持率急落の理由は、やはり
「政治資金」問題が大きい。鳩山首相と小沢民主党幹事長のツートップが
共にこの問題でマスコミを騒がせた。先週末、長崎知事選挙で民主党推薦
第5~7回 参加者名簿
孔魯明(世宗財団理事長・東西大特任教授)/金英善(外交通商部スポークス
マン) / 金容德(前東北アジア財団理事長)/金在鎬(延世大教授)
金賢明(前在福岡大韓民国総領事)/金孝宣(KBSプロデューサー)
南時旭(前文化日報社長)/高橋妙子(駐大韓民国日本国大使館公使・公報文
化院長) / 文正仁(延世大教授)/水越英明(駐大韓民国日本国大使館公使・政
治部長) / 朴正浩(日韓議員連盟事務総長)/徐永娥(東亜日報インターネット
ニュース部長・前東京支局長) / 宋鍾煥(ミレニアム金剛フォーラム事務総
長)/申珏秀(外交通商部第1次官) / 梁起豪(聖公会大教授)/吳泰奎(ハンギョ
レ新聞デジタルメディア事業本部長) / 禹鍾淏(日韓協力委員会事務総長)/
李康民(漢陽大教授・韓国日本学会会長) / 岩國哲人(前出雲市長・東西大特
任教授)/林承彬(明知大教授) / 張德洙(ミレニアム金剛フォーラム公報室
長)/張済国(東西大副総長) / 張勳(中央大教授)/鄭求宗(東西大日本研究セ
ンター所長) / 鄭在貞(東北アジア歴史財団理事長)/陳昌洙(世宗研究所副所
長) / 崔書勉(国際韓国研究院院長)/崔昌植(前ソウル市副市長) / 黒田勝弘
(産経新聞ソウル支局長)/箱田哲也(朝日新聞ソウル支局長) / 黃鎬澤(東亜日
報論説室長)/藤本敏和(慶煕大教授)
(順不同)
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日本研究センター 学術交流プログラム
< 特別講演抄録 > 『首都移転は行政の非効率化を招く』
岩國哲人前衆議院議員
元出雲市長 · 東西大特任教授
ンダイ、LGなどの大企業を誘致するという案
にも異論がある。今後、交通や通信がさらに便
利になる時代が来ることを勘案すれば、産業拠
点は地方に分散させ、雇用の機会を地方へと振
り分けていくべきである。すなわち、人々が地
方で仕事をしながら、家族と一緒に暮らせるよ
うな国土形成を行っていく政策が望ましい。
日本でも東京、大阪、名古屋といった大都
市圏にほとんど全ての産業が集中している。
若者たちは仕事を求め、これらの大都市に集
中する。島根県の場合、高校の卒業生100名
2
私は首都移転については反対の立場を取っ
一方、新たなアイデアとして、行政を分散さ
てきた。国会で首都移転のための委員会に所
せることが必要であるという論理もあったが、
属していたが、時間とお金の無駄と考え、当
東京との間で行ったり来たりしなければならな
委員会を解散すべきと演説したこともある。
い公務員たちの時間と交通費などの無駄が生じ
首都移転は意味がないと考える第一の理由
るため、これもやはり賢明な代案とは言えない。
は、昨今の国境なきグローバル時代において、
世宗市問題について、産経新聞や朝日新聞
日本の首都がどこにあるのかということは、
などの記事を読んだ。外国人として韓国の国
非常にマイナーな問題になったと考えるから
内問題に言及する立場ではないとは考えるが、
である。第二の理由は、今日のようなIT時代、
結論から言えば、首都移転には意味がないと
すなわち情報が溢れている時代においては、
考える。行政の効率性を最も高めるためには、
首都がどこにあろうが、情報を得たりコミュ
行政機関を一カ所に集中させなければならな
ニケーションを取ったりする上で全く問題に
いからである。
ならないからである。また、第三の理由とし
また、南北関係についても考慮する必要が
て、国民の関心は首都がどこにあるかという
ある。今後、南北交渉が進み、国境がなくなっ
ことよりも、自分たちの暮らす地域の問題に
た時、統一後の首都をどうするのかについて
あるからである。すなわち、それぞれの地域の
も、常に考えておくべきであろう。したがっ
社会保障制度、医療問題、安全性といった問題
て、南北統一の目処がつくまでは、この首都移
の方が優先順位が高いのである。政治家たち
転問題は凍結した方が良いと考える。そして、
はこれらの問題を放置し、首都移転問題の議
世宗という名前についても再考すべきではな
論に時間を費やすべきではない。東京は生活
いかと考える。
しにくく、災害時には危険なため首都を移転
世宗という朝鮮民族の誇りである偉大な名
すべきだと言うが、現在の東京に税金を支払
前を韓国側のみの判断で用いることは、北朝鮮
っている住民たちを置き去りにし、公務員だ
側から挑発的で非友好的な政治的ジェスチャ
けを安全な所に移すという論理に住民たちは
ーと受け取られても仕方のない部分もある。世
反発して当然である。
宗市に大規模産業都市を築き、サムスン、ヒュ
のうち70名が大都市に出て行き、県内に残る
のは30名程度に過ぎない。このような状況が
続くなら、地方においては高齢化がより一層
深刻化し、バランスある国家を崩壊させるこ
とに繋がる。日本も韓国も地方の高齢化で税
収が減少し、地方財政が逼迫すれば、それは
結果的に国家財政に跳ね返ってくることを十
分に理解する必要がある。
結論として申し上げるなら、韓国における首
都移転、すなわち政治的なセンターの移転は、
南北交渉の行方を見ながら、しばらく凍結する
べきであろう。また、世宗市に産業センターを
築くという案についても、大規模な産業都市に
するのではなく、いくつかの中規模の都市に分
散していくべきである。雇用機会の地方への分
散を伴わなければ、地方分権は意味を成さない
ということを念頭に置きながら、新しい都市を
築いていくべきではないだろうか。
本文は2010年3月16日(火)、東西大日本研究セ
ンター主催「第7回東西サランバン特別講演会」
にて、出雲市長、衆議院議員などを歴任した岩
國哲人氏の講演「韓国の世宗市問題および最近
の日本政治経済事情」の中から世宗市問題の部分
を録音抜粋したものである。(編集者注)
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日韓コラム
坐禅のすすめ
-真の宗教学者になるために樫尾直樹
慶應義塾大学文学部
サバティカルで東西大学校に来てから早一
これほど研究が驚異的にはかどったのは、
働いている、あるいはそれと合一していると
年。このエッセイが掲載される頃は日本に帰
場の利ということもあるが、それを基にした
いう意識のことであるが、坐禅などをすると
国している。本当はもう一年いたかった、と
理由がいまひとつある。それは昨年の6月1日
それがからだ全体でわかってくる。これを言
いうのが本音だ。韓国語も少しはわかるよう
から坐禅や呼吸法を始めたということだ。
語と意識の体験として説明すると、世界が絶
になってきたし、研究もいい感じで進んでき
私は宗教学を専門としているが、これまで
対無分節で全一的であるということと、それ
ているのに、一年間という時はずいぶんと短
理論研究や言説分析や解釈を中心に行なって
が百花繚乱する豊かな分節の世界でもあると
いものである。
きたので、身体的体験的理解をおろそかにし
いうことを同時に覚智するということである。
しかし、この「短さ」はまた、じつに凝縮し
てきた。しかしそれでは、「料理を食べない料
ちょっと話が難しくなってしまったが、身
た深い時間だったということの証でもある。
理評論家」と同じである。料理の歴史、作り方、
私にとって、この釜山で暮らした一年間は、生
食材の成分分析などをいくらやっても「料理」
ずタバコを止めることができた。5キロ体重
涯忘れられない最大、最高の転換期となった。
のことは、じっさい食べてみないとわからな
が減りダイエットに成功した。便秘がなくな
副所長の李元範先生から、昨年3月末日にや
い。これと同じで、宗教の教えや体験談の分
った。人生の不安や恐怖をそのままに受け止
ってきたときに、サバティカル以前と以後と
析、儀礼の観察、歴史の研究をいくらやって
められるようになった。
体的にも倫理的にも大いに効果があった。ま
いうふうに人生を区切ることになるよ、と言
も、宗教家と同じレベルで宗教体験をしなけ
このように、研究的にも日常的にもとにか
われたが、まさにその通りになった。
れば宗教の実相はわからないというのは当然
くいい事づくめである。私はこの一年間のこ
である。
うした貴重な体験を、一冊の本にまとめた。
97〜98年にかけてフランスで一年間過ご
したときは家族と一緒だったので、そうはな
ここ十年以上、「スピリチュアリティ」をキ
題して、『スピリチュアルな生き方』であ
らなかった。しかし今回は違う。孤独の中で
ーワードにして現代人の宗教意識を探る研究
る。文藝春秋から文春新書の一冊として5月
深い深い時間をおくることができた。それは、
を行なってきたが、これまでの研究で一番、
20日刊行される予定である。私の釜山での、
この東西大学校が厳光山頂下にあるという風
スピリチュアリティが働くと考えられる坐禅
東西大学校での豊かな一年間の詳細について
水的ロケーションの利がまず大きい。韓国人
に取り組んでみることを決意した。合わせて、
はここに全部書いてあるので、ぜひお読みい
ただければ幸いである。
は週末などによく登山をするが、それは山の
祈り、ヨーガの体位体操、呼吸法、経行、その
中に入って山空間に流れる気を体内にとりこ
他瞑想を組み合わせて、「カシオ式」瞑想法を
また、スピリチュアリティの内実について
むためである。私はそんな韓国人を見習って
試してきた。もちろん、東西大学校の場の力
は、同じくこの一年間でまとめた『スピリチ
毎週末登山してきたが、ここ東西大学校では、
が強く働いたことは言うまでもない。
ュアリティ革命—現代霊性文化と開かれた宗
ここに住むことが自体が登山の効果をもたら
すのである。
だから、私は、釜山に来てからこれを書い
ている3月2日現在で、エッセイ1本、論文1
こうした坐禅を中心としたエクササイズを
教の可能性—』(春秋社、2010年3月)をお読
9ヶ月続けてきてわかったのは、宗教の核心
みください。両書は理論編と実践編をなして
であるスピリチュアリティの内実とその身体
いて、合わせて読んでいただくのがいい。
的倫理的効果である。
本、単著2冊を仕上げることができた。あと残
スピリチュアリティというのは、神仏や空や
された一ヶ月で、論文1本、単著3冊を書いて
無や道(タオ)やブラフマンといった世界の諸
帰国する予定だ。
宗教でいろんなふうに言われる絶対的存在が
皆さんもよかったら「カシオ式」エクササイ
ズを始めてみませんか。
3
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日本研究センター 学術交流プログラム
第21回月例研究会 :
孔魯明元韓国外交通商部長官(東西大特任教授)講演
「 日韓関係60余年の回顧と未来志向的日韓関係」
12月2日(水)、 本センターにて月例研究
題への学問的な取り組みの成果を紹介した。そ
会「日韓関係60余年の回顧と未来志向的日韓
して、徐々に明らかになってくる新たな事実を
関係」が開催された。孔魯明元韓国外交通商部
直視することの重要性を訴え、「両国政府は大
長官を招いて行われた今回の研究会には、本
きな衝突を避けながら、領土問題をマネージメ
センターの研究員および本学大学院日本地域
ントしていくしかない」との見解を述べた。
研究科の大学院生約30名が参加した。
また、日本の対韓外交について、「鳩山首相
孔魯明元長官は先ず、「2010年は日韓併合100周年、国交正常化45周
は歴史を直視するとしており、これまでにも村山談話、小渕-金大中共
年と日韓両国にとって特別な年である」とし、「併合からの100年が韓国
同宣言など日本側の努力は認められるが、それらが元の木阿弥となるよ
にとって汚辱と名誉回復の歴史であったとすれば、これからの100年は友
うな妄言が繰り返されることを残念に思う」と語った。そして、「天皇の
好と協力を築いていくものでなければならない」と語った。また、「両国
訪韓、過去の清算に関する国会決議など、日本側が大きなジェスチャー
間には依然として、歴史認識・領土問題といった懸案が残されており、
を起こしてはどうか」との提案を行った。
それらへの対応を誤れば、反日・嫌韓ムードが増長される状況に変わり
最後に日韓関係の今後について、
「日韓両国は北朝鮮の核問題、中国
はない」と述べ、国交正常化交渉の歴史を振り返りながら、両国間に横た
の将来、市場経済と自由民主主義に基づいた繁栄といった共通の課題を
わる葛藤の根深さとその解決の難しさを力説した。
抱えている」とし、「これらを解決していくためには、両国間に条約はな
孔元長官は領土問題について、国交正常化交渉の中で「竹島/独島」が
4
どのように扱われてきたのかを解説した後、日韓の研究者によるこの問
くとも、戦略的思考の下で同盟的な関係を築いていくべきである」と提
言した。
第22回月例研究会:
鄭求宗東西大日本研究センター所長講演
「日本の政治情勢と鳩山政権の危機」
4月28日(水)、本センターにて第22回月例
党による安定した政権運営が実現する可能性
研究会が開催された。「日本の政治情勢と鳩山
もある」と述べた。また、
「政治システム、政治
政権の危機」をテーマに鄭求宗本センター所長
指導者の面から見ても、自民党は既にその役割
が講演を行った今回の研究会には、本センタ
を終え、新たな時代の政権として鳩山民主党政
ーの研究員および本学大学院日本地域研究科
権が誕生した。しかし、現政権はその期待に答
の大学院生約20名が参加した。
えているとは言えず、日本国民の間では新たな
鄭求宗所長は先ず、鳩山政権の現況について、「発足8ヶ月で2割台に
指導者の待望論が強まっている」とも語った。
支持率が急落し、既に危険水域に入ったと言える。その背景には、旧態
最後に、日本外交について、「鳩山政権が明確な対米外交、安保政策
依然とした『 政治と金』の問題、政府と党の葛藤による優柔不断な政策
を提示できない中、日米関係は混乱に陥っているが、これは日韓関係に
推進、連立政権内での政策不調和、普天間基地移設問題をめぐる混迷な
も影響するため注視する必要がある」と述べた。また、「日本の小学校教
どがある」と分析した。そして、「民主党が地方選挙でも惨敗する中、野
科書での領土権表記拡大問題で日韓関係も外交的冷却期に入っており、
党第一党の自民党も支持率を下げている。同党を離党した議員らによる
今後の首脳会談での関係回復が望まれる」と語った。そして、「日韓併合
『新党作りブーム』も見られるが、民主党政権を倒すには程遠い」と現在
100周年の年に『村山談話』より一歩踏み込んだ日韓首脳による共同声
の政局について語った。
明や国会決議などが期待される」とした上で、「北朝鮮問題をはじめ、各
続いて、今後の日本政治の展望について、
「民主・自民ともに支持層
を固められず、50%を越える無党派層が流動化している。鳩山首相の辞
任など、思い切った対策で参院選前に国民の信頼を回復できれば、民主
種国際会議を通じた日韓のグローバル外交における共助が今後ますま
す必要性を増してくる」と述べ、講演を締めくくった。
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[日韓次世代学術フォーラム国際学術大会参加者による研究紹介] 次世代研究
林正燮(宗教·思想)
裵賢珠(文化· 芸術)
全南大学校大学院
社会学専攻博士課程
[email protected]
仁荷大学校大学院
文化経営学科博士課程
[email protected]
地域社会内における宗教社会学的・歴史社会学的テーマに対する研究を
進めています。昨年の国際学術大会では、朝鮮戦争期に発生した民間人虐
現在、アジア圏大衆文化の核心には韓国、日本そして中国が存在してい
る。この3ヶ国は急速に変化する文化産業の現場においてそれぞれの特性
殺地を殉教祈念化する事例研究を発表しました。
のもとにアジア大衆文化をリードしている。
し「呼称」する行為が見られる一方、数多くの民間人は呼称されず「排除」さ
国の文化的共通点と差異に関する比較である。アジア大衆文化をリードす
戦争期の死については、特定の死のみを護国英霊や殉国先烈のように選別
れる政治行為があると捉えることができます。南北朝鮮の区分、また、大き
い戦場のなかった朝鮮戦争の性格上、大部分の地域では同戦争後、加害者と
被害者の区別のない混沌とした共同体を成しています。このような特性のた
私が関心を持っているのは、アジア大衆文化をリードしている日中韓3ヶ
る国家が日中韓3ヶ国であることを認めざるを得ない状況下で、はたして
何がアジアの人々をこれらの文化に熱狂させるのか? 日中韓3ヶ国の大
衆文化の特性、また、3ヶ国が主軸になり生産・流通させているアジア大
め、地域社会内では当時のおぞましい虐殺に対し早く記憶を消そうとする特
衆文化のトレンドは何であるかについて研究に取り組んでいる。
しかし、宗教的領域において「偉大なる犠牲」と認められたキリスト教の「殉
の発達過程を調べ、その過程で起きる変化と文化を受け入れる側の態勢を
徴が見られます。虐殺は葛藤を生じさせ、徹底した排除の対象となります。
教聖地」では民間人虐殺が前面に押し出され、また、祈念されています。
これをふまえると、キリスト教の「 殉教」は同じ死であっても、互いに異
なる主体と過程を通じ、一方は排除、残りのもう一方は強調という矛盾が存
取り組みとしては、特に大衆文化または一定ジャンルの文化コンテンツ
比較する方法を使用しているが、その中で生じる意味の生成過程とコミュ
ニケーションの過程に特に注目している。
現在はこの過程を通じて受け入れ側がどのようにプロシューマー(生産
在しています。私の関心はこのように二重的要素を持った「朝鮮戦争期のキ
消費者)に進化し、このようなプロシューマーの行為が大衆文化産業全般
た。そしてこのような性格を持つ霊光郡の二つの教会の実証事例研究を通
費の主軸になっているファン(Fan)とファンダム(Fandom)現象を中心に研
その結果、キリスト教殉教談論は単純に忘れ去られた歴史によって発掘され
な消費者ではなく、大衆文化コンテンツを享有し、その中でプロシューマ
リスト教殉教者」が犠牲のレトリックとしてはたらく事実から始まりまし
じ、矛盾するキリスト教殉教談論がはたらくメカニズムを調べてみました。
るのではなく、多様な主導者の政治的行動を通じて形成されたことがわか
りました。現在は、このような殉教談論が韓国社会の体制維持強化、再生産
においてどのような役割を果たすのかという問いに取り組んでいます。
にどのような影響を及ぼすかに対する疑問のもと、大衆文化生産および消
究を進めている。この研究を通じ、大衆文化を享有するファンたちは単純
ーとしての役割を担当していることを説き、ファンは大衆文化を一つの余
暇として享有しているため、余暇文化として消費される大衆文化に対する
研究が必要だということを提起してみたい。
下本英津子(民俗 · 人類)
サイモン· ジョン(民俗 · 人類)
名古屋大学大学院
文学研究科博士後期課程
[email protected]
神奈川大学大学院
歴史民俗資料学研究科博士後期課程
[email protected]
私の研究は、日本の村落共同体における相互扶助の慣習の分析を通して、
20世紀の日中関係の最も議論を招く場所は「旧満州」であるが、この場
地域社会における福祉の構造の解明を試みるものである。現在は特に「お
所にも中国人と日本人の協力はあった。これを探るため、第二次世界大戦
死など個人の力が及ばない状況下に行われる扶助行為である。それは地域
国共内戦に参加した日本人のライフヒストリーを研究している。この人々
見舞い」行為という慣習を分析している。「お見舞い」行為とは、災害・病・
共同体を中心単位として行われた。相手を訪ねた上で語り合い、時に品物
を渡す。これは、相手と苦難を共にし、その上でそれを乗り越えることを
促す行為であると考えられる。ここには、人間が生きる中で相対する苦難
に、地域共同体レベルの実践で対応するという構造が見受けられる。そこ
には、共同体員がより良い状態で生きる仕組み、つまり地域における福祉
のあり方が示されている。日本をはじめアジア諸国においては、急激な近
代化つまり西洋化が進むとともに、村落共同体が大きく崩壊した。村落共
同体の代替として、保障制度によって護られる「個人」が生きられるよう
になったのである。しかし世界的な底成長を迎えた中で各種保障制度は揺
の終了後に中国の現遼寧省に残り、中国共産党八路軍の従属として中国の
は直接戦ってはいないが、戦争という体験により人生が非常に変わったと
いえよう。内戦が終わると日本に帰ったが、当然その戦争体験により一般
的な人生を送っておらず、日中友好関係に努める人が多い。
私の研究は歴史系でありながら、共同研究はほとんど民俗学の分野であ
る。比較民俗研究会では東アジアの民俗学を中心に活動しており、その延
長で、研究仲間とともに「済州島研究会」というものを設立した。当初は
「シンバン(巫堂)」の儀礼・祭祀(グッ)と島民の生活との関係がテーマで
あったが、現在はより幅広く済州島の複雑な民俗の多様な側面を扱ってい
る。その中で、自分の関心は済州島の伝統的生活と観光産業の両立について
らぎ、また「個人」の匿名性による不安感が高まってきた。そうした今、地
の研究である。観光化は済州島の経済に不可欠であるが、それを促進するこ
究が “個人の解決範囲を超えた苦難を地域共同体の中で乗り越える仕組
ないし、言葉の理解もまだ不十分ではあるが、これからも済州島の興味深い
域社会が内包するものの可能性に注目が集まってきている。その中で本研
み” を明らかにする意義は大きいと考えている。旧来の慣習を通して自律
した地域社会の可能性を問う本研究は、古くて新しいテーマである。
とによる利害が大きな課題であると考えている。済州島研究の専門家でも
民俗について研究していきたいと思う。(比較民俗研究会も済州島研究会も
新しい会員・発表者を歓迎しています。興味がある方は連絡してください)
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日本研究センター 学術交流プログラム
日韓次世代学術フォーラム第7回国際学術大会
- 全南大学校(光州市)にて開催 大、ソウル大、九州大、そして7年目を迎える今
回は全南大と、日韓の大学を往来しながら開催
されている。回を重ねる毎に両国の学術界での
本フォーラムに対する評価は高まってきており、
日韓の人文社会系大学院において研究を志す者
来る6月26日(土)、27(日)の両日、韓国光州
市所在の全南大学校において、「日韓次世代学
術フォーラム第7回国際学術大会」が開催され
る。「日韓 これまでの100年、これからの100
年」をテーマにした今回の大会には、日韓両国
そして中国などの大学から約300名の大学院
生および指導教授が集まる予定である。国際
関係、社会・ジェンダー、宗教・思想など、9つ
にとっての登竜門的な存在になりつつある。
また、国際学術大会での発表論文の中から
優秀論文を集めたフォーラム論文集『次世代
人文社会研究』が毎年3月末に発刊されている。
本論文集は韓国研究財団の登載候補誌となっ
ており、その掲載論文は韓国の公的機関の認
定を受けた業績として認められる。
し、多岐にわたる研究成果を紹介する。
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本フォーラムは、日韓の次世代研究を先導す
る若手研究者間の研究情報交換と人的交流の促
進を目的に、2004年に発足した。東西大で開催
された第1回大会を皮切りに、立命館大、城西
毎年約300名
国際関係、政治・法律、経済・経営、歴史、
言語・文学、社会・ジェンダー、宗教・思想、
民俗・人類、文化・芸術
諮問教授 (日本側)53校、84名 (韓国側)28校、48名
フォーラム論文集 『 次世代人文社会研究』
(年1回,3月31日発行)
協 賛 JAPAN FOUNDATION、日韓文化交流基金、
KOREA FOUNDATION、釜山コンベンショ
ンビューロー他
後 援
日本開催時)日本国外務省、日本国文部科学省、駐日本
国大韓民国大使館他
韓国開催時)大韓民国外交通商部、駐大韓民国日本国大
使館、在釜山日本国総領事館他
< これまでの大会の開催状況 >
の分科からなる分科別発表会では、厳しい審
査により選抜された72名の若手研究者が登場
参加者数
分 科
開催日
開催場所
第1回「日韓次世代人文社会研究の動向と展望」
大会
2004/6/26-27
東西大(釜山)
第2回「東アジアにおける人文社会研究の新動向」
2005/6/25-26
東西大(釜山)
第3回「グローバリズムとナショナリズム」
2006/6/17-18
立命館大(京都)
第4回「東アジアの文化交流」
2007/6/23-24
城西大(東京)
第5回「韓国 in 日本, 日本 in 韓国」
2008/6/21-22
ソウル大(ソウル)
第6回「日韓海峡圏から見た東アジア」
2009/6/27-28
九州大(福岡)
水越英明在大韓民国日本国大使館政治部長・公使特別講義
「戦後の日本外交と日米関係の将来」
様々な歴史的局面の中で日米の安保協力がい
12月9日(水)、本センターにて水越英明在大
韓民国日本国大使館政治部長・公使による特
別講義「戦後の日本外交と日米関係の将来」が
開催され、本学日本地域研究科の大学院生およ
び日本語学科の学部生ら約30名が参加した。
水越公使は先ず、旧日米安保条約の時代か
ら、冷戦構造の崩壊、そして2000年代の米国
同時多発テロ以降の日米関係に至るまで、
隊の海外派遣などを行っている」と説明した。
かに変容してきたかについて説明した。次に、
一方で、
「日本側にも前述の密約問題の他、米
現在の日米安保体制の抱える諸問題に話題は
国への過度の依存に対する不満がある」と述
移り、安保条約にある事前協議制度について
べ、「これに対しては、国連外交の強化などで
の解説が行われた。その中で水越公使は、昨
日本側が自ら対応している」と説明した。ま
今取りざたされているいわゆる「密約」の問題
た、
「米軍基地周辺住民の不満も日本側の大き
にも言及し、核搭載艦船の寄港・領海通過、
な不安定要因である」とし、鳩山政権下で混迷
沖縄への核再持ち込み、朝鮮半島有事の際の
する普天間基地移設問題についても詳しく解
基地の自由使用などの問題に対する自らの見
説を行った。
解を述べた。
日米間の安保協力は日米両国のみならず、
水越公使は続けて、日米安保体制における
アジア太平洋地域の安全保障体制にも大きく
日米両国の不安定要因とそれらへの対応措置
関わってくるとの認識から、参加学生たちも
について解説した。先ず、「米国側には日本の
講義に熱心に耳を傾けた。講義の後には、特
防衛努力や国際平和への貢献が足りないとい
に日米安保体制の変化が韓国に及ぼす影響な
う認識がある」とし、「これへの対応措置とし
どについて、学生たちから率直な質問が投げ
て、日本側はいわゆる『思いやり予算』や自衛
かけられた。
뉴스레터16호-일어판:뉴스레터16호-일어판 10. 06. 04 오?
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日本研究センター 学術プログラム / 推薦図書
東アジア宗教文化学会理事会開催
本センターが主管している「東
アジア宗教文化学会」の日韓理事会
が2010年3月13日、14日の二日
間、本センター会議室で開かれた。
日本側からは桂島宣弘副会長(立命
館大)他3名、韓国側からは梁銀容
副会長(円光大)他4名、ならびに同
学会関係者らが参加した。今回の会議では、昨年北海道大学で開催され
た第2回国際学術大会に対する評価および反省、学術誌「東アジア宗教
文化研究」の発刊経過報告、会則の再検討などが行われた。学術誌につい
ては規定に対する審議がなされた。会則に関する再検討では、本学会が
名実ともに東アジア宗教文化に関する国際的な学会となるため、会員規
定および倫理規定を改正した。また、学術誌に関する審議では、韓国研
究財団に登載するため諸般条件に合うよう決議し、投稿および審査規
定、研究倫理条項を改正した。また、次期学術大会の準備関連に対する
審議が行われた。第3回国際学術大会は韓国にて来年開催される予定で
あり、学術誌「東アジア宗教文化研究」第2号は今年7月に発刊される。
釜山日本研究フォーラム3月定例会開催
釜山地域の日本研究者、マスコ
ミ関係者、日本関連事業関係者で
構成され、活動を始めてから4年目
となる「釜山日本研究フォーラム」
(代表:張済国)は、毎月一回の定例
会を通じ、日本関連政治、経済、文
化、社会、文学など多様な分野の情
報、知識を交換している。今回の3月定例会では慶應義塾大学の樫尾直樹
教授と、西日本新聞の元釜山駐在員甲木正子記者の一年間の韓国生活の
感想をもとにした発表があった。樫尾教授は東西大の客員教授として韓
国で過ごした一年間の体験をもとに「韓国スピリチュアル文化論」とい
うテーマで発表を行なった。樫尾教授は日本人と異なる韓国人のパーソ
ナリティ、社会的性格を「日常生活文化でのパワー」と指摘し、参加会員
たちとの質疑応答を通して自身の韓国体験で感じた韓国人が持つ強いス
ピリチュアル文化を論じた。一方、一年間西日本新聞の釜山駐在員とし
て活動し、3月末に帰国となった甲木記者は、最も記憶に残る事件として
釜山射撃場火災事件(2009年11月14日)に触れ、不意の事故で犠牲とな
った人々(犠牲者10名中7名が日本人)と遺族らに対する悲痛な思いが胸
中に深く残っているとし、1年間の駐在員生活の感想を述べた。
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推薦
図書
『押井守全仕事リミックス』
『国民をやめる方法』
キネマ旬報社、2009年7月
西川長夫著、ユン・ヘドン訳
歴史批評社、2009年11月
押井守は宮崎駿に次いで日本および世界で有
著者西川長夫氏は、現在いわゆる「 国民国家
名なアニメ監督である。その押井監督の最新作
までの情報、関係者へのインタビューなどを収
録しているのが本書である。「押井守全仕事」と
題された本は、96年、01年に発行されており、本
書はそれらの増補改訂版であるという意味では目
新しさはない。しかし近年の押井監督に見られる創作意欲の異様な上
昇、制作様式の拡散(アニメ、実写映画のみならず、テレビドラマ、演
劇まで)、制作方法の新開発(Dominoによるエフェクト付け、オシメー
ションなど)が生じた理由となると説明が難しいのだが、本書に掲載
された監督自身および関係者へのインタビューを読めばそれらが了解
できる構成になっている。つまり、この多産な作家の現在が分かるの
が本書であり、汗牛充棟の観のある「押井守論」が無意味に難解であ
るのに対して、宮崎駿との対談をはじめ制作者の立場からの具体的証
言や資料が多数収められているのも好もしい特徴である。巻末に収め
られたフィルモグラフィーも他に類書を見ない詳細な資料である。
日本研究センター研究員 : 岡田良平(日本語学科教授)
論」の権威者として韓国でもよく知られている。
本書で著者はよく使用している「文明」と「文
化」に政治的イデオロギーが隠れていると批判す
る。この地球上のすべての国民国家が独自の文化
を主張し、独自性と優越を見せる神話を創り出し、
さらに、それが最高の価値であると主張することにより国民統合に至
っていると力説する。戦争や侵略をその例に挙げながら、実際、少数の
特権者や国家利益のために実施される行為(戦争あるいは侵略)が文明、
文化の名の下に擁護されたり、批判されたりとこの文明と文化という
単語に政治的イデオロギーが隠れているとしている。本書に準拠して
韓国植民地経験を照らし合わせると、訳者ユン・ヘドン氏が後期に言
及したように1920年代から始まった文化民族主義において「文化」と
いう概念は「民族」統合イデオロギーとして強力な媒介機能を遂行した
とみることができる。また、第2次世界大戦直後から今日に至るまで韓
国文化論に対するイデオロギー的批判も同時に可能であると考えられ
よう。このように文明/文化論が一国的イデオロギーとして機能するメ
カニズムの適切な説明によって、日本だけでなく、韓国文明/文化概念
の歴史的な現象の理解と解釈に多くの教訓を与えるものとみられる。
日本研究センター研究員:諸点淑(日本語学科教授)
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日本研究センター 動静
< 研究プロジェクト> 研究遂行と東西日本学叢書第2号、第3号発刊
本研究センターでは、韓国研究財団をはじめ日韓の民間財団等からも支援を受け、持続的な研究プロジェクトを実施し
ている。日本の民間学術財団である住友財団からの支援を受け、本年3月に終了した「物語としての日韓海峡圏交流史調
査-庶民たちの地域交流史的観点から-」(研究責任者:南椿模)に続いて、昨年11月からは韓国研究財団の支援により「開港期
以後の日系宗教の国内流入類型と組織化過程および分布に関する調査」(研究責任者:李元範)を実施している。
昨年から1年間にわたり遂行した「物語としての日韓海峡圏交流史調査」では、日韓海峡圏地域における庶民レベルでの
交流を野史や伝説、童話の中に発掘、考証することにより、同地域の民俗文化の共通性を確認し、類型を分類する作業を
行った。現在進行中の「開港期以後の日系宗教の国内流入類型と組織化過程および分布に関する調査」は、近代転換期に
おける日系宗教の国内流入の類型を時代別、宗教発生の特徴別、地域別に分類し、各教団が韓国内で組織化され、広がっ
ていく過程を歴史的に追跡しようという研究プロジェクトである。
一方、本研究センターが発刊する研究書『東西日本学叢書』第2号が、今年4月20日に出版された。『東西日本学叢書』第2号は、日本の国際交流基金
(The Japan Foundation)「 2010年度出版翻訳助成プログラム」の支援を受けて出版された翻訳書(南椿模訳『方法として思想史』大旺社、2010年4
月)である。日本の著名な思想史研究者である安丸良夫氏の『方法としての思想史』は、近代転換期における日本の思想史的流れを客観的かつ体系的に
分析した名著として知られる。また、続いて『東西日本学叢書』第3号として、鄭求宗(本研究センター所長)著『 戦争と和平外交の得失-東アジアの
500年、日本帝国興亡史-』(東亜日報社出版局)が出版される予定(2010年5月10日)である。
所長動静 (1月~ 3月)
訪問者 (1月~
△1月15日 : 政策研究の集い「ミレニアム金剛フォーラム」の共同代表として金珏
泳前検察庁長などとともに韓国プレスセンターにて創立記念シンポ
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ジウムを主催
△1月19日 : 張済国副総長とともに日本研究センターソウル事務所にて静岡県立
大学現代韓国朝鮮研究センターとの共同主催で「東アジア3カ国の
政治・外交情勢」に関するワークショップを開催
△1月26日 : 韓国戦略問題研究所理事として陸軍会館にて開催の「 2010東北アジ
ア情勢及び日本の政局の展望」をテーマとして討論会に参加
△ 2月3日 :
① 日韓文化交流会議委員長として東京にて開催の平山郁夫前日韓文化交流会議委
員長の告別式に弔問、その後新任の川口清史委員長(立命館大学総長)及び石兼
公博外務省アジア大洋州局参事官など日本側代表らと会談
3月)
日本研究センター本部
1/29 岩下明裕(北海道大学スラブ研究センター長)
3/11 藤本一男(作新学院大学人間文化学部)
3/15 徐勝(立命館大学コリア研究センター長) ほか3名
3/29 川端和明(文部科学省基盤政策課長) ほか3名
日本研究センターソウル事務所
1/19 伊豆見元(静岡県立大学現代韓国朝鮮研究センター長)
諏訪一幸(静岡県立大学教授)
五島文雄(静岡県立大学教授)
3/8 花房征夫(東北アジア資料センター代表)
宇山博(大阪国際大学教授)
② 日中韓文化交流フォーラム委員長として日本側委員長の小倉和夫国際交流基金
3/15 金賢明(前大韓民国福岡総領事)
△ 2月18日 : 重家俊範駐大韓民国日本国大使及び高橋妙子同大使館広報文化院長
3/17 小寺次郎(外務省国際情報統括官)
理事長など日本側委員らと今年度合同会議の打ち合わせを実施
らを招き「2010年問題と日韓関係の展望」について歓談
△ 3 月 8 日 : 花房征夫東北アジア資料センター代表らより本センターと横浜市立
図書館間の蔵書寄贈及び交換提起を受け覚書交換
△ 3月16日 : 外務省国際交際情報総括官小寺次郎氏をはじめ外務省の情報分析官
4名の訪問を受け「 2010年日韓関係の対応策」および日韓首脳会談
での共同声明文案内容などに対する諮問に応じる
△ 3月26日 : ミレニアム金剛フォーラムの共同代表らとともに国務総理公館の昼
食会に招かれ鄭雲燦総理と歓談
△ 3月30日 : 日韓未来フォーラム代表として日韓両国の大学生約50名が参加の
バンクーバーオリンピック、日韓G世代の善戦とグローバル日韓関
係の展望」討論会を主宰
主要日程
5/17
(5月~ 7月)
日本語スピーチ大会
5/24
韓日国際関係シンポジウム
6/26-27
日韓次世代学術フォーラム第7回国際学術大会
• 編集委員長 : 小笹克行
3/16 岩國哲人(東西大特任教授・前日本国衆議院議員)
岡田健一(外務省国際情報官)
岩本卓也(外務省第三国際情報官室朝鮮半島専門官)
森本康敬(駐大韓民国日本国大使館参事官)
寄贈図書 (1月~
4月)
1/25 国民大学校日本学研究所『일본공간』vol.6、논형、2009年
1/29 岩下明裕(北海道大学)
岩下明裕、『日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか』、北海道大学出版会、
2010年
2/9 奥薗秀樹(東西大学校)
ジェームス・C・アベグレン、山岡洋一訳、『日本の経営』、日本経済新聞出版社、
2004年、ほか29冊
3/15 田中悟(神戸大学)
田中悟、『会津という神話-<二つの戦後>をめぐる<死者の政治学>-』、ミネル
ヴァ書房、2010年
• 編集委員 : 山口達見、尹恩慧