みち 周年を迎えて∼途の中∼ 持が存在しています。歩く姿勢は即ち生きる姿勢 合併 いう姿勢で歩いたのだろうか です。誇り高く生きたいところに必ず受容と寛容、 感し、詩の言葉を信じ、努力の源泉にしてきた詩 として出会った詩です。この詩に込めた想いに共 に解決しながら望む姿に確実に近づいています。 申し上げます。みなさんの美郷町は、課題を着実 ったと総括できますことに、改めて心から感謝を 知 己 きょう みなさんの歩く姿勢、言い換えて自治に対する矜 田 2 合併10周年記念号 広報 じ ﹃ 私の歩いたあ とには/ 花が咲いた と。省みて静かに歩く姿勢、 深慮と実践が存在しています。そして困難を乗り かえり 私の歩いたあ とには/ 泉が湧いた 心から踏みしめて歩く姿勢と みち 越えるためには、そのすべてが必要です。その積 いばら 私の歩いた時は/ 荊 棘の途であったが はどういう姿勢なのか。数多 み重ね結果が現在の美郷の姿です。 あ また の思いの辿り着くところは、 たど 私の歩いた時は/ 石 くれの途であったが 謙虚さを持ち合わせながらし しかしその歩く﹁途﹂はまだまだ続きます。こ 改めてその自信と決意を確認し合い た い と 思 い みち こんな 美しい花が/ 咲こう とは思 わなかった っかりとした意志で歩く姿勢、 れからも荊棘に刺され、石のかけらに躓くことも さて、みなさんの期待と不 ます。それこそがこの度の節目に内包される大 つまづ こんな 清らかな 泉が/ 湧こう とは思 わなかった あるかも知れません。でも私たちは前に進んでい 安を背負って歩んできた美郷 きな意義です。さあ、背筋を伸ばし歩き続けて いばら ただ一歩一歩 省みて/ 静かに歩いた 背筋を伸ばし凛として歩く姿 けます。何故ならこの 年の実績があるからです。 かえり ただ一瞬一瞬 心から/ 踏みしめて歩いた 勢です。 町が、合併 周年の節目を迎えました。みなさん でもあります。 10 またこの詩からは、 ﹁歩く姿勢﹂についても考 やや胸を張ってこうした総括ができる核心には、 えさせられます。この詩の主人公は果たしてどう 美郷町長 松 10 ﹁ 醉茗詩抄﹂より ※岩波文庫 と題する詩です。私が県職員を には、これまでの各般の取り組みをしっかりと受 いきましょう。 の ﹁歩いた途﹂︵ ︶ ※ はなむけ 辞し、町村行政にお世話になる際、上司からの餞 け止めていただき、比較的順調な歩みの 年間だ みち 明治から昭和にかけて活躍した詩人河井醉茗氏 荊 棘の棘にもさされたけれど/ 石のかけらにも 躓いたけれど ﹄ はり 私はやはり /いい途 を 歩いたのだろう つま ず 10 10 橋 美郷町議会議長 髙 猛 きましたが、未来の美郷町を想像したとき名実 ともにひとつになる事業は、旧町村にあった中 周年を迎えられましたこと を、町民の皆様と共に慶びたいと思います。振 学校を統合し美郷中学校を造ったことだと思い 町が順調に合併 年前、平成の合併秋田県第 で示しがちですが、私は人口ではなく面でも考 国では基礎自治体の定義を、とかく人口規模 いう思いを強く感じております。 の合併は良かった、美郷町で本当に良かったと スタートでしたが、私は年月を重ねるごとにこ 1 号として期待と不安が入り混じった状況での 旧町村の垣根はなく、しかも同期、同級として 思います。美郷中学校を卒業した子どもたちに 育つうえで大きな役割を果たすのが中学校だと することだと思いますが、そうした住民が多く は広く交流することであり、地域の実情を理解 払うことであります。垣根を無くすということ ます。合併で大切なことは旧町村の垣根を取り っており、その流れを変えるのは並大抵なこと バルにみると人の流れはまだまだ大都市に向か ならず全国的な難題となってきました。グロー います。また人口減少、少子化問題は本町のみ り返ってみますと えることが重要だと思います。美郷大使をして の結びつきが生涯続くことになります。 年後、 ではありませんが﹁巨大化したものは、いつか いただいている佐々木毅さんが合併前、講演の と回帰、里山資本主義的な思想が広がり、人々 は立ち行かなくなる﹂と私は思います。ふるさ 来の町を想像したとき、未来の美郷町民は、改 年後⋮垣根のない美郷町民が育つ、そんな未 ある。なぜ進まないかというと東京はあまり人 の意識が地方に向けられる時がくることに希望 ます。 だ地方には豊かな魅力のある未来があると思い を持ちながら地域づくりをしていけば、まだま めて美郷中学校を造った意義の大きさを感じる されており、より一層の経営努力が求められて っていくことを祈念し挨拶といたします。 の先、財政規模がかなり縮小されることが想定 美郷町が永い、永い歴史を重ねていく町にな 善され健全な状況になってきておりますが、こ 分くらい いま町は、合併当初心配された財政状況も改 口が多すぎるからであり、北海道は面積が広す 中で﹁合併が進んでいないのは東京と北海道で 10 ことになると思います。 20 ぎるからだ﹂という話を伺ったことがありまし たが、本町は、町の中心部から車で ところで町ではこれまで様々な事業を行って ったと思います。 であり、まさに面的にも適正な規模の合併であ 20 未来の美郷町に向かって 合併10周年記念号 広報 3 10 10
© Copyright 2024 Paperzz