北海道における台湾観光客の実態及び受け入れ体制

〔論文要約〕
北海道における台湾観光客の実態及び受け入れ体制に関する研究
黄 奎達
Kou Kei-tatsu
一、研究の背景と目的
本研究では、北海道のインバウンド観光に
ついて論じる。北海道を訪れる外国人観光客
近年、日本は産業の構造改革を進めている
の中に最も多い台湾観光客を対象とし、北海
中、観光産業は中核産業として重要な役割に
位置付けられている。とりわけ、国際観光は
道観光の実態調査を試みた。また、送客側で
各国間の国際相互理解の増進に大きく貢献
ある台湾の旅行会社の北海道観光に対する
すると同時に、経済発展や雇用機会の創出に
意識調査を行った。これらの分析、調査を踏
果たす役割が高くなると期待される。だが、
まえ、北海道インバウンド観光が抱える課題
日本から海外への旅行者(アウトバウンド)
と問題点を明らかにする。
の急増に対して、外国からの訪日旅行者(イ
本研究の流れは図 1 に示すとおりである。
ンバウンド)は微増にとどまる国際観光収支
研究の流れ
のアンバランスの現象が現われられる。今日
研究の対象
日本の国際観光政策
この国際旅行収支の赤字幅を縮小し、インバ
インバウンド
ウンド観光振興を強化していくことが求め
観光の背景
られてきている。
北海道のインバウンド観光
台湾のアウトバウンド観光
日本政府は訪日観光客を倍増させ、地方圏
への誘致を目的として、1996 年「ウエルカム
北海道観光の台
プラン 21」を提言し始め、多くの施策に基づ
台湾人の誘客要素
湾人の実態把握
き、行政側や民間事業者は外国人来訪の諸事
旅行会社の送客意識
項に取り組んでいる。
台湾現地でアンケート調査
外国人観光客の受け入れは、経済効果や国
際交流、地域の活性化にも繋がるものとして、
行政の取り組み
民間との交流
国や地方が意識しており、具体的な方策を行
っているが、これらの方策は誘客対象国の海
台湾人旅行者の北海道観光の促進
外旅行事情を理解した上で、誘客施策を実施
図 1 研究の流れ
するとは言い難い。ローカル・ツーリズムの
振興は観光客のニーズと送客側の要望を把
握し、それに従って誘客活動を展開していき、
標的マーケットを設定することが重要であ
本論文では、全七章からなっており、序論
では研究背景と研究の構成、一章では北海道
ると考えられる。
i
のインバウンド観光の現状分析、二章では台
プに繋がる重要性を持っているが、地方圏へ
湾の訪日旅行市場の発展と現状、三章では台
の誘致政策は外国人旅行者の対日理解の促
湾人の北海道観光に対する実態調査、四章で
進と国際交流の意義を果たす役割であると
は台湾送客側の北海道観光に対する意識調
考えられる。
査、五章では北海道インバウンド観光振興の
北海道では、日本政府の国際観光政策に呼
具体的手法、そして六章で論文の総括を行っ
応し、「北海道外客来訪促進計画」、「北海道
ている。
観光のくにづくり条例」を制定し、東南アジ
アを重点対象地域として、積極的な誘致活動
二、北海道インバウンド観光の現状
を取り組んでいる。1997 年から 2004 年まで
の 8 年間の訪日外国人來道者数の推移をみる
本から海外への旅行者数は年間約 1600 万
と、2000 年の有珠山噴火と 2003 年の SARS
人に対して、日本への来訪旅行者数は年間約
の影響で成長鈍化を除けば、来道外国人旅行
600 万人にとどまっている(図 2)。この不均
者数が順調に推移している(図 3)
。
衡な状況を意識し、インバウンドとアウトバ
人
450,000
ウンドの格差を解消するために、日本政府は
400,000
インバウンド観光振興政策を積極的に取り
350,000
250,000
ロシア
アジアその他
中国
香港
200,000
韓国
台湾
300,000
組んでいる。
千人
その他・不明
アメリカ
ヨーロッパ
150,000
2 00 00
100,000
日本人海外旅行者
1 80 00
1 60 00
50,000
訪日外国人旅行者
0
1 40 00
1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
1 20 00
図 3 訪日外国人来道者数(実人数)の推移
1 00 00
80 00
三、台湾の訪日旅行市場の発展過程と現状
60 00
40 00
台湾において、経済発展が飛躍的に進んで
20 00
いくにつれて、国民の生活水準は著しく上昇
2 00 3
2 00 0
1 99 7
1 99 4
1 99 1
1 98 8
1 98 5
1 98 2
1 97 9
1 97 6
1 97 3
1 97 0
1 96 7
1 96 4
0
し、可処分所得は大幅に増大してきた。また、
図 2 日本のインバウンドとアウトバウンドの推移
有給休暇制度の普及や、週休二日の制度が全
面的に実施され、さらに訪日旅行の査証規制
1990 年代から、インバウンド観光による経
緩和、国際航空路線の拡大などの海外旅行の
済波及効果と国際社会における対日理解の
助長要因で、日本をはじめとした海外旅行が
重要性が注目されてきて、様々なインバウン
容易に行けるようになってきた。一方、東南
ド観光振興政策を講じている。その中、外国
アジア経済危機、過激テロリズム事件、伝染
人旅行者に対する旅行費用の低廉、査証の規
性疫病、予知不能な天然災害などの要因は海
制緩和などの優遇措置とプロモーション宣
外旅行にマイナスな影響を与える。
伝が重点的に行われる。これらの施策は外国
台湾の訪日旅行者数は 1979 年の海外旅行
人の訪日観光に対するモチベーションアッ
自由化を機に、右肩上がりの成長を続けてき
ii
た。台湾の訪日旅行の伸び率は日本国内の大
た。調査の概要は表 1 のとおりである。
型イベントの開催や観光施設のオープンに
表 1 一般市民のアンケート調査概要
大きく左右される(図 4)。
人
1,100,000
1,000,000
台
900,000
湾
800,000
海
700,000
外
阪
旅
万
行
500,000
国
自
400,000
博
由
覧
化
京
波
開 デ
科
園
学
ズ
博
ニ
覧
園 ン ハ
花 淡
ボ ウ
博 路
2004 年 11 月 17 日∼21 日
調査場所
台北国際旅行博覧会会場
調査対象
博覧会に参加する一般市民
調査方法
会場で配布、回収
ス ス
開 テ
会
ラ
会
200,000
米
ア
国
ジ
多
ア
ン 地 震 一
発
の
事 下 災 月
テ
S
件 鉄
100,000
、
300,000
ド
ー
600,000
大
筑
ィ
の
ン 東
調査時期
阪
ロ
A
サ 三 神
事
R
リ
件
S
月 大
配布数 500 枚、回収数 499 枚
サンプル数
回収率 99.8%
男性 134(26.9%)
女性 363(72.7%)
不明 2(0.4%)
10 代
26(5.2%)
20 代
205(41.1%)
30 代
172(34.5%)
40 代
47(9.4%)
50 代
33(6.6%)
60 代
12(2.4%)
2 00 3
2 00 0
1 99 7
1 99 4
1 99 1
1 98 8
1 98 5
1 98 2
1 97 9
1 97 6
1 97 3
1 97 0
1 96 7
1 96 4
0
年
図 4 訪日台湾観光客人数の推移
回答者構成
台湾の交通部観光局と日本の国際観光振
興機構の調査によると、訪日旅行の形態は従
来の旅行会社に依存する団体旅行から自由
不明
度の高い個人旅行に変化するトレンドが見
られる。また、訪問地域は交通利便性と観光
4(0.8%)
2.北海道観光資源、季節、地域への関心度
施設が充実されている首都圏を中心とする
各年代においても、「自然景観」に対する
都会型観光と文化遺産観光は主流となって
関心度が高く示している(図 5)。また若年層
いるが、近年、特色のある地方圏や自然観光
より中高年層の方が温泉に対する関心度が
資源を持つ北海道への関心は徐々に高くな
高く示しており、くつろぎと癒しの観光要素
ってきている。
を求めると言える。中高年層より若年層の方
台湾の訪日旅行商品開発の流れの解明に
より、旅行商品企画する際に、マーケティン
がスキー等のウインタースポーツに高い興
グと日本側の最新情報を確実に把握するの
味を示しており、若年層の観光客はアクティ
は重要であると明らかにした。それに、安定
ビティを追求する傾向が強く見られる。
的な旅行サービスを仕入れられるのが訪日
0%
ツアーの催行可否に関わる重要な段階とな
20%
40%
60%
80%
100%
60歳以上
っている。
味覚
自然
50代
40代
四、北海道観光に関する台湾観光客の実態調
温泉
買い物
ス キー等
30代
ゴルフ
査
20代
10代
その他
無回答
1.現地でのアンケート調査
台湾人が北海道観光に対してどのような
図 5 観光資源への関心度(年代別)
観光を求めるかの実態を明らかにするため
北海道の観光季節について、いずれの年齢
に、台湾の台北市でアンケート調査を行なっ
層でも「冬」の観光季節に高い関心度を示し
iii
未経験者より経験者の方が「味覚」、
「自然」、
ており、冬の北海道観光イメージが台湾人観
「ゴルフ」などの観光資源に興味を示してい
光客に定着していると言える。(図 6)
0%
20%
40%
60%
80%
る(図 8)。これらの観光資源はリピータの誘
100%
客に有効であると考えられる。一方、「スキ
春
60歳以上
夏
50代
ー」、
「温泉」
、
「買物」などの観光資源は、初
秋
冬
40代
回客の誘致に効果が現れると指摘される。
無回答
30代
20代
期待度
10代
関心度
スキー等
図 6 観光季節への関心度(年代別)
未経験者を 対象する
温泉
効果的な誘客観光資源
買い物
その他
北海道の観光地域について、「道南」、「道
ゴルフ
経験者を 対象する
央」、
「十勝大雪」の三つの地域に興味を示し
自然
ていることが分かる。一方、
「道北」、
「道東」
無回答
二つの地域は観光地の魅力がまだ広く知ら
-0.04
20%
40%
60%
80%
50代
道南
-0.01
0
0.01
0.02
0.03
0.04
り、一方、経験者は「夏季」、
「秋季」に魅力
道央
十勝大雪
を感じることがわかる。
(図 9)
道東
40代
-0.02
未経験者は北海道の「冬季」に期待してお
100%
60歳以上
-0.03
図 8 観光資源に対する期待度と満足度
れていない現状であると言える。(図 7)
0%
効果的な誘客観光資源
味覚
道北
無回答
30代
期待度
関心度
20代
10代
春
図 7 観光地域への関心度(年代別)
冬
未経験者を対象する
効果的な誘客観光資源
秋
3.来道経験有無による北海道観光魅力に対
夏
する関心度の差異
経験者を 対象する
効果的な誘客観光資源
無回答
北海道観光の魅力について、「観光資源」、
-0.04
「季節魅力」及び「地域魅力」の項目に着目
-0.03
-0.02
-0.01
0
0.01
0.02
0.03
0.04
図 9 季節魅力に対する期待度と満足度
した。来道経験の有無による関心度の差異を
未経験者より経験者の方が「道東」、
「道北」
明らかにするために、來道経験がある人の指
摘率から來道経験がない人の指摘率を引き、
に対するモチベーションが高く示している。
この指摘率の数値がプラスになる場合には
道央」は人気観光スポットとしてよく知られ
未経験者より経験者の方が魅力を感じるこ
ており、経験者と未経験者は道央に対してあ
とが推測され、マイナスになる場合には経験
る程度の認知を持っていることがわかる。ま
者より未経験者の方が期待を示すことが推
た未経験者が経験者より「道南」、
「十勝大雪」
測される。
に 期 待 を 寄 せ る と 推 測 さ れ る 。( 図 10 )
iv
期待度
「チラシ配布」、
「テレビ CM」の効果が期待さ
関心度
れていないことが分かった。旅行会社が宣伝
道南
未経験者を 対象する
方法を選定する際に、メディアの広範性、持
効果的な誘客観光資源
十勝大雪
続性、コストを考慮する点が挙げられる。
(図
道央
道北
11)
経験者を 対象する
効果的な誘客観光資源
0%
道東
40%
60%
80%
100%
イ ン ターネット
無回答
-0.04
20%
-0.03
図 10
-0.02
-0.01
0
0.01
0.02
0.03
0.04
地域魅力に対する期待度と満足
1位
雑誌
2位
新聞広告
3位
4位
チラ シ配布
5位
経験者は実際に北海道を訪れ、自ら北海道
テレビ CM
観光の魅力を確かめた後、関心を示す項目は
図 11 効果が期待できる宣伝媒体(順位)
再度訪問の要因に繋がると考えられる。それ
3.北海道ツアー企画に参考となる情報入手
に対して、未経験者はいずれの手段により北
方法
海道に関する情報を手に入れ、興味を示す項
台湾旅行会社が北海道ツアーを企画する
目は北海道を訪れるきっかけになる可能性
が高いと考えられる。こういった経験差のモ
際に、主に「道内旅行会社」と「台湾同業者」
チベーションを明らかにし、リピータと新規
から北海道に関する情報を収集することが
客ごとにプロモーション活動を行い、より効
明らかにした。旅行業界の横繋がりが重要視
果的な誘客に繋がると考える。
されると言える。(図 12)
0%
五、北海道観光に関する送客側の意識調査
1.旅行会社を対象とするアンケート調査
20%
40%
60%
80%
100%
道内旅行会社
1位
台湾同業者
2位
送客側である旅行会社の北海道観光に対
道内観光協会
する意識を明らかにするために、現地でアン
日本観光協会
ケート調査を行なった。調査の概要は表 2 の
下見
3位
4位
5位
6位
旅行博覧会
とおりである。
図 12 参考となる情報の入手方法(順位)
表 2 旅行会社のアンケート調査概要
調査時期
2005 年 5 月 23 日∼31 日
調査場所
台湾台北市内
調査対象
訪日旅行を扱う旅行会社
調査方法
旅行会社を訪問、配布、回収
「蟹」、
「ラーメン」、
「花畑」、
「温泉」、
「田園
訪問社数 50 社、有効件数 43
風景」などの順となっている。
「グルメ」、
「レ
件、回収率 86%
クリエーション」、
「自然景観」三つのカテゴ
サンプル数
4.台湾人観光客が喜ばれる北海道の観光資源
北海道観光資源の指摘率が高い項目は
2.集客する際に効果が期待できる宣伝方法
リーにまとめられる。(表 3)
台湾旅行会社が集客する際に用いる宣伝
方法の中に最も効果が期待されるのは、「イ
ンターネット」、
「雑誌」、
「新聞広告」であり、
v
台湾人が観光しやすい環境作りの取り組
表 3 台湾人が喜ばれる観光資源の前 10 位
1位
蟹
6位
刺身
みについて、台湾旅行会社は「免税制度時実
2位
ラーメン
7位
流氷
施」、
「ホスピタリティ向上」、
「情報発信強化」、
3位
花畑
8位
スキー
4位
温泉
9位
ペンション
5位
田園風景
10 位
夜景
「規制緩和推進」の四つの項目に対して重要
であると考える。また、因子分析の結果から、
「旅行の快適さ」と「言語サポート機能」二
5.因子分析による北海道観光のイメージ評価
台湾旅行会社は北海道観光の「食事」、
「宿
泊施設」、
「温泉」の三つのカテゴリーに対し
て、サービスと清潔度の面で「期待できる」
と「どちらかと言えば期待できる」の積極的
な評価が付けられた。他方、料金的な面と中
国語案内では他の項目よりマイナスの評価
が多かった。この北海道観光に対する評価は
さらに因子分析を用い考察した。第一因子に
おいて因子負荷値の高い評価は、「宿泊の清
潔度」、
「温泉の清潔度」
、
「宿泊のホスピタリ
ティ」である。よって、第一因子を「清潔度」
因子と指摘する(図 13)。第二因子において
因子負荷値の高い評価は、
「食事のサービス」、
「食事の量・質」、
「食事の味・見栄え」であ
る。よって、第二因子を「サービス」因子と
指摘する。第三因子において因子負荷値の高
つの要因が誘客に影響力を持つことが明ら
かとなった。
(図 14)
第二因子
(寄与率17.92%)
「言語サポート」因子
0.7
規制緩和
0.6
支援システム
通 訳 ガ0.5
イド
宿泊料金
0.4
情報発信
0.3
「旅行の快適さ」因子
0.2
免税制度
ホスピタリ
0.1
案テ内ィ標 識
0
-0.2
0
0.2
0.4
0.6
0.8
第一因子
(寄与率20.32%)
図 14 北海道観光受入体制影響因子分布図
六、北海道インバウンド観光振興の具体的手
法
前各章では、日本の国際観光政策、北海道
のインバウンド観光の現状と取り組み、台湾
第二因子
(寄与率17.03%)
0.8
0.7
0.6
0.5
「サービ ス」因子
人訪日観光の現状と問題点、送客側の北海道
サービス
に対する意識などを検証してきた。問題点や
(食)
課題を明らかにし、具体的なインバウンド観
量、質(食)
味、見栄
(食)
接客サービス
光振興手法を試みた。その概要を整理したも
(泉)
のは表 4 とおりである。
0.4
「清潔度」因子
施設種類
0.3
(泉)
0.2
価格(食)
0.1
-0.2
露天風呂景観
1.ハードインフラ整備
台湾の観光客を受け入れるために、交通施
ティ(宿)
中国語案内
(宿)
0
価0格 ( 宿 )0.2
0.4
-0.1
清潔度(泉)
(泉)
ホスピタリ
設を中心とするハードインフラの整備は急
清潔度(宿)
0.6
0.8
1
務であると考えられる。とりわけ、台湾から
第一因
のチャーター便の増便と地方空港への乗り
(寄与率18.67%)
図 13 北海道観光イメージ評価因子図
入れに対応できるような CIQ 業務の拡充と国
際線旅客専用のターミナルの新設は重要で
い評価は、「宿泊の中国語案内」、「宿泊の価
あると指摘される。また、旅行志向が変化し
格」、
「温泉の施設充実度」
)である。よって、
つつある中で、個人旅行者の道内移動問題と
第三因子を「受入体制」因子と指摘する。
標識案内の整備を重要視しなければいけな
6.因子分析による受入体制整備の重要性
い。
vi
湾人における北海道の観光行動、ニーズ、ま
表 4 北海道インバウンド観光振興手法
区
分
課
題
チャーター便の増便、
地方空港への乗入れ
ハード
インフラ
個人旅行者の道内移動
の問題
外国語による案内標識
の充実度
台湾の訪日旅行のガイ
ドの実態
ソフト
HP による情報発信の
インフラ
不十分
施
察から得られた北海道インバウンド観光振
公共交通網の形成
ション
ての意識が希薄
マーケティングの重要性
インフラ整備の重要性(ソフト・ハード)
情報発信の強化
効率的なプロモーションの展開
上
ゴルフは観光資源とし
にまとめられる。
通訳案内業の検討
の意識差
プロモー
興に資する方向性とその内容は以下のよう
案内標識の整備
ホスピタリティの向
拓、誘致
えて今後の取り組みすべき手法を試みた。考
道内空港 CIQ の整備
外国人旅行者への接遇
新規マーケットの開
たは送客側の意識を把握し、その結果を踏ま
策
【参考文献】
修学旅行の誘致
安村克己 2003 「現代観光へのアプローチ」白桃書房
SIT 市場の開拓
テレビは来道未経験者
FC によるロケ地の誘
の情報収集手段
致
岩本敏夫 2001 「国際観光−インバウンド・ツーリズム
政策 に関 す る 一考察 」長崎 国際大 学論叢 第一 巻
P41∼P51
2.ソフトインフラ整備
有泉晶子 2003 「インバウンド・ツーリズムの現場から
台湾団体ツアーガイドの実態と通訳ガイ
見た観光政策の課題」 『日本観光研究学会全国大会
ドの都会集中の問題を再検討し、地域限定通
訳案内業試験制度の推進はインバウンド観
研究発表論文集 NO.18』
P193∼P196
光振興に資すると考えられる。また、観光従
横山秀司 千相哲 2002 「九州のインバウンド・ツーリ
事者だけではなく一般住民にも外国人旅行
ズムの振興」 『九州産業大学 産業経営研究所報』第
者を暖かく迎えるホスピタリティの意識を
34 号 P63∼P76
向上する必要があると指摘できる。
徳村志成 2000 「中国人観光客の受入れについて一
3.プロモーションの重視
考察」 『日本国際観光論文集』第 7 号 P73∼P89
修学旅行、ゴルフツアー、スキーツアーの
平田真幸 2000 台湾から「北海道旅行ブーム」はどの
ような特別観光目的を求めるマーケットの
ように生まれたか?−デスティネーション・マーケティン
開拓は今後の北海道インバウンド観光振興
グの視点からの考察−『第五回観光に関する学術研究
に大きな期待が寄せられている。受入れ体制
論文』(財法)アジア太平洋観光交流センター PP1∼16
の充実、計画的にプロモーションを実施する
ことは、誘客効果が図られる。また、FC を北
山下徹 1998 国際観光マーケティング 白桃書房
海道へ誘致することは、映像による宣伝効果
財団法人アジア太平洋観光交流センター 2003 年国
が期待され、ロケ地めぐりのインバウンド観
際観光概観の報告書
光にも繋がると考えられる。
北海道経済部観光のくにづくり推進室 「平成 16 年度
北海道観光入込客数調査報告書」
七、結
論
本研究では、各種の資料を基づき日本、北
海道と台湾の国際観光交流の背景、現状を明
らかにし、それにアンケート調査を通じて台
vii