2005年冬の遠征 pdfファイルです。

2005年冬の遠征 (インナーアジリティー)
朝、船尾から海を見る。昨夜、出航してきた東北の海は、暗い雲の下に消えていた。福岡
以降、私はあの暗雲の中を突っ走ってきたことになる。福岡では暴風とミゾレ、舞鶴では
落雷が一晩中続き、舞鶴から仙台までは積雪と土砂降りの雨。暗雲の中の1400キロだ
った。
さて、今回の遠征を持って、私の2005年のアジリティーは終わりました。2006年
のシーズンまで、長い冬休みに入ります。毎年の事ながら、シーズン終わりの状態、その
年のトレーニングの、集大成の状態を次のシーズンに作り出すことは難しいです。それを
少しでも容易にするために、現在の状態をできるだけ詳しく記録しておこうと思います。
このレポートでは、現在の私のアジリティーに対する考え方を、遠征中の出来事を交えな
がら紹介していこうと思います。2005年のU人さんのアジリティーです。
基礎トレーニングとアクセラレーション。
今回の遠征で私は、4回のセミナーを行いました。そのセミナーで私は、基礎トレーニン
グに対する理解がまだまだ不足していると感じました。基礎トレーニングは、犬とのコミ
ュニケーションを作りだします。人の要求を犬に伝える作業です。それはオビディエンス
と同じ、家庭犬の訓練とも同じです。アジリティーのトレーニングには、ハンドリングな
ど人自身がトレーニングしなければならないものがありますが、基礎トレーニングは、人
ではなく犬をトレーニングする作業です。ハンドラーの要求が何かの理解を、犬自身に作
り出し強化することです。家庭犬の競技会では、しばしば、ジャッジから減点されない範
囲で、要求された作業を犬がしやすくするための配慮をハンドラーが行うことがあります。
それはいわば、
「ハンドラーの腕」といわれるものかもしれません。しかし、基礎トレーニ
ングや家庭犬の訓練では、その類の配慮は無用でありマイナスです。基礎トレーニングで
望むのは、ハンドラーの腕ではなく犬自身が賢くなることです。要求する動作を犬にさせ
るのに「ハンドラーの腕」が必要だとしたら、犬を扱えるのはごく一部の人になってしま
います。コミュニケーションの方法さえ知っていれば、体の不自由なお年寄りでも、扱え
る犬が家庭犬としては望ましいと思います。
基礎トレーニングの具体的な方法については、私のHP上に解説していますので、詳しい
解説は控えますが、
「コマンド」
「動作」
「褒め」の3つのセクションでトレーニングが構成
されていること。コマンドと同時にリードを引いて犬にショックを与えるようなことをし
ないで、
「コマンド」
「動作」
「褒め」の3つのセクションを十分に区別してトレーニングを
進めることが重要です。では、何故アジリティーにとって、基礎トレーニングが必要なの
でしょうか?
全く基礎トレーニングを受けていない犬でも、ハンドラーの動きに刺激を受けて犬は走り
ます。この現象をアクセラレーションといいます。アクセラレーションの良く効く犬は、
かなりのスピードで走ったり、ハンドラーの僅かな動きに反応したりします。逆に言うと、
ハンドラーの動きに対する反応を良くするには、アクセラレーションを利用するのが良い
といえます。アクセラレーションは、犬を動かす重要な原動力になります。反面、そのエ
ネルギーのはけ口を犬に示しきれないと、犬は爆発してしまいます。競技の最中にハンド
ラーにまとわりついたり、挙句に咬んだりするのは、その典型的な例です。また、ハンド
ラーに動きに対する反応が良くなる反面、ハンドラーの微妙な動きにまで犬が反応してし
まう結果になります。僅かなポジションの違いでスラロームに入らなかったり抜けたりす
るのがその例です。アクセラレーションでエネルギーが高まった犬に、進むべき方向を伝
えること、すなわちコミュニケーションに必要なのが基礎トレーニングです。アクセラレ
ーションの弊害をなくし、ハンドラーに自由なポジショニングをもたらします。
基礎トレーニングは、犬の訓練性能を利用します。行ったことに対してご褒美を与えて、
理解を強化するのがオビディエンスでよく用いられる方法です。訓練性能を利用するには、
「ご褒美を得るためには何をしたら良いか」から出発します。最初にご褒美が「掲示」さ
れ、ご褒美に対する期待感を作るところからトレーニングが始まります。
東北ブロック
朝3時に、フェリーは八戸に到着する。そこから仙台まで高速を走る。特別、急ぐ必要は
ないが、ゆっくりもしていられない距離。東北ブロックは、出走数600あまり、アトラ
クション以外、全て同時進行の予定。フィールドは砂、後半は雨がぱらぱらしていました。
私は、早朝到着による睡眠不足を心配していた。そして、この遠征の第一走になるJP1
を特に気をつけていた。
1
JP1
オープニングシーケンス
3,4間の先行スイッチも考えられたが、
アクセラレーションを考慮して同時スタ
ートを選択した。4でリアスイッチ。こ
のコースの一つのポイントは、このあと
の5678の処理だろう。ハンドラーは、
先を急ぎたがる。しかし、安易に67を
急ぐと67のラインがストレートになる。
結果78が膨らみ、ひいては8の拒絶を
招きやすい。私は67のラインに深くポ
ジションを持って行き、67のラインを
膨らませ、7のオーバーランによる8拒
絶を嫌った。もう一つのポイントは、1
0~13までの処理だろう。先行スイッチ
を11ハードルの表に入れるか裏に入れるかの選択が問題となります。マンボは、表側に
持って行くつもりでしたが動けず、結局先行スイッチは自重してリアで行きました。不本
意なハンドリング。ジルバは裏で処理し、ベストラップ。ルンバは表に回って、10ハー
ドルのバーを落としてしまいました。
AG1
一度らしからぬ難しいところが二箇所ある。オープニングのボックス処理とスラロームの
入り。オープニングは34間の先行スイッチも考えられたが、同時スタートで4へのポジ
ショニングを早くすることにした。ポジショニングに際しては、体を開きアウトハンドを
併用した。このところ、アウトハンドの使い方を工夫している。6→3を嫌って、56間
に入り込み、ラインを深くしようとしたが、マンボは危うく5の外側を回りかけた。56
間へ深く入り込むことによって、Aランプでのディスタンスを作ることも出来る。89の
180度も深く入り込んだ。ここも犬を先に行かせたかった。11→12を流れのままに
行くとスラロームに入るラインが苦しくなる。そこへ先行スイッチをいれて、スラローム
に入れるのも考えられたがロスが多い。11、12間のラインをいじり、12からもう一
度11へ持っていくような感じでラインを作り、ダイレクトにスラロームに入れたかった。
11,12間のラインをいじるためには、ハンドラーが犬より先に、12ハードルの向こう
側へ行っておく必要がある。そのために89間で深く入り込み、犬を先に行かせた。犬を
先に行かせ、下りで止まる犬を追い抜いて12でのポジションを作ることが出来る。スタ
ートの際に、ルンバの腰が浮いているのは分かっていたが修正しなかった。結果的にこれ
がスタートのバー落下を招いたようだ。スタートの際に構えられたくなかった。犬との駆
け引きは、すでに始まっている。すきあれば先に行ってしまう姿勢を見せることによって、
アクセラレーションの効果を引き出すことが出来る。これは一歩間違えると、スタートで
待てなくなる要因にもなる。
JP2
このコースのポイントは、89と、13,14の処理だろう。両ポイントとも犬がオーバー
ランしやすい。ここをタイトに回すことをこのコースのポイント私は考えた。15トンネ
ルの出口は、流れのまま(ナチュラル)に流すと、17ハードルの方が強い印象を受けた。そ
れを回避するためには15トンネルから犬が出たときに16に誘導できるポジションが必
要になる。いわゆる必須のポジションである。ハンドリングはその必須のポジションを得
るためにはどうするかから組み立てられる。13,14は当然左コントロールだろうが、
13でリアスイッチするより、先行スイッチで予め左コントロールを作っておいた方が、
ポジション的に有利になる。つまり、12,13間の先行スイッチが一つのポイントとなる。
AG2
オープニングは、Aランプのリアスイッチを使った。ディスタンスをとって45間の先行
スイッチを得るためである。それは56での先行スイッチのためでもある。ここはタイト
に回したかった。9→10はナチュラルに流すと3Aランプの裏側が見えてくる。Aラン
プには行かなくてもシーソーへの進入にロスが出る。ここは9,10間に先行スイッチをい
れ、10,11がストレートになるようにした。11→12は、ダブルハンドで処理。1
4,15にも先行スイッチを入れた。ここは先行スイッチを入れても、ソフトへのラインが
良くなるからである。あとは、犬がトップスピードで、しかも先にドッグウォークに入る
ように16から18の間でポジションを作った:ここで安易に先に行くとドッグウォーク
の下りを外しやすくなる。
JP3
組み障害8の間抜けと、12,13の間抜けをこのコースのポイントとして捉えた。私は、
7,8を直線として処理し、9に続くシーケンスをタイトに回すことを意識した。12、
13に関しても、早めに13のポジションに入って待つ形を作ることでここをタイトにし
ようと試みた。スタートは同時スタート。スラロームを出たところで先行スイッチを入れ
た。結果速いハルよりもタイトに回ったブッチャの方が、タイムが良かった。
AG3
8の処理を容易にするため6,7間で先行スイッチ、これはその前のシーケンスを考えると
難しいことではないと思う。10、11間で先行スイッチは、12トンネルへのラインを
作りたかった。12トンネルに掃いている間、流れとAランプでのディスタンスを考えて、
ハンドラーは安易に先行せず、犬を先に送り出すようにして、13から15までを処理で
きるようにした。
ブッチャとサラはダブルバーに引っかかった。ブッチャはさらに12トンネルの逆に入っ
た。これはラインを作ったことで、トンネルトラップ対策は充分だとハンドラーが安心し
てしまったため。ハンドラーの動きも止めるべきだった。ハルは9から18トンネルの逆
に入った。これは、夕暮れで目が良く見えなくなり、ハンドラーの集中力が鈍ったため。
東北ブロック2
会場は泉パークタウン。やや狭く、リンクも30x40はきついようだった。アトラクシ
ョンを2クラスやったおかげで、進行は遅れ、最後は夕闇に包まれ、時折雨もぱらぱらし
た。駐車場が遠く、3頭出している3度は、検分前に出走する犬を用意したが、3頭目を
走り終わってから、車に犬を戻す時間は無かった。
6競技中5競技でトップを取ることが出来た。今日はジャムデーか。AG、JPともトッ
プ。否、ブッチャデーだ。ブッチャは、JP3で自身がトップ。2度は娘のジャムがAG、
JP。1度は、ジャムの前胎マンボ、ジルバ、サンバの3兄弟で上位を独占できた。ブッ
チャは1月で9歳になる。お産さえしていなければ、ずっとトップクラスに君臨できただ
ろう。まだまだ、現役でやれるだろうが、近々、また産休の予定である。今度は、現役に
復帰できるだろうか。
今日の宿は、仙台南インターの近くの茂庭荘を予約してある。空いていたので、江頭氏と
梶川さんも一緒に泊まれることになり、楽しいディナーになった。同行の北海道軍団は、
フェリーの時間もあって、競技終了後そそくさと移動している。競技の後で一泊できると
大変楽である。仙台も福岡も宿が近く、この点ではすごく楽だった。茂庭荘は、名取川沿
いにある静かな温泉で、一泊二食で7000円程度。食事も美味しく部屋もきれいで犬連
れにはお勧めである。
名古屋レッスン
翌日、700キロを走って名古屋に移動した。渋滞の東京を抜けるのに一苦労した。名古
屋ロイヤルトレーニングに二泊し自分の犬のトレーニングとスクールの犬を見た。自分の
犬のトレーニングは、コンタクトとスラロームが中心。どちらも基本。たかが基本、され
ど基本といったところか。
アジリティーに本格的に取り組みだしたスクールの犬に対しては、ハンドリングの基本を
中心に、ビギナー犬のトレーニングの進め方を中心にレクチャーした。指導者のいないア
ジリティーグループのレッスンでよくあることだが、まだ意欲がそれほど無い犬に対して
ボックス処理など、2 度 3 度レベルの手の込んだコースを練習していることがある。ビギナ
ーの犬にとって必要なのは、イージーなシーケンスによる意欲の作成である。難しいシー
ケンスのトレーニングは、犬のトレーニングよりハンドラーのトレーニングの意味合いが
強い。
基本的にハンドリングは、犬を前に行かす部分と、アテンションをとる部分(ターン)から成
り立っている。今回のレクチャーでは、この部分を明確にすることをこころがけた。まず
前に行かす部分の強化。連続して並んだ5個のハードルのシーケンス。このシーケンスを
早く処理するためには、同時スタートが効果的である。アクセラレーションを最大限に引
き出す。ご褒美を最後のハードルの延長線上に持っていく。ボールならその方向に転がす。
前に行かすのか呼ぶのか、この基本的な動作が、時折ハンドラーはごっちゃになっている。
それは犬に対する曖昧な指示となる。犬は走ってはいても不安を持っていて最大限のスピ
ードを出し切れない。ハンドラー側から言えば、全力を引き出していない状態といえる。
この状態を解消するのに効果的なシーケンスである。
バーの高さをSMLに対して、30、40,60でセットすると、不思議なことに、どの犬
もタイム差がそれほど出てこない。全力で走る限りは、それほど犬の差は無いということ
である。タイム差が出るのは、犬の全力を引き出しきれていないといえる。左サイド、右
サイドで行なう。犬が全力を出せるようになったら、フィニッシュにアテンションをくわ
える。最後のハードルを飛ぶまでは全く同じである。最後のハードルを飛び終わったら、
今度はアテンションを取って、ハンドラー方向で褒める。アテンションをとる際は、アテ
ンションのコマンドを使用すること。それは、[ヒア]でも「カム」でもあるいは犬の名前で
も良い。ご褒美を併用することによって、このコマンド:アテンションを強化することが
出来る。これを数回行なうと、最後のハードルを飛び終わってのちのターンを作ることが
出来る。それから二つ目のシーケンスを行なう(図の白抜き)。5個連続してハードルを飛ば
せた後、ターンさせて飛びながら帰ってくる。行く時の5個目のハードルを帰りは飛ばさ
ない。このシーケンスにはターンが一つ含まれている。すなわちアテンションを必要とす
る。前に行くことも強化し、呼ぶこと:アテンションも強化する。
ハンドリングレッスン
犬がハンドラーの左にいる状態を左サイド、右にいる状態が右サイドである。ハンドリン
グ中、犬は通常、どちらかの状態にある。左サイドの犬を右サイドにすることと、その逆
の行為をサイドチェンジという。サイドチェンジは、その形から、リアスイッチ、先行ス
イッチ、エアプレーンの3種類がある。それらはそれぞれ、リアクロス、フロントクロス、
ブラインドクロスとも呼ばれる。図は、トンネルを含んだ亀の子(甲)のシーケンス。1から
6を繰り返すシーケンスは、8の字旋回が続き、サイドチェンジのトレーニングによく利
用する。サイドチェンジのト
レーニングは、サイドチェン
ジにおけるハンドラーの動き
のトレーニングと、そのハン
ドラーの動きに呼応した犬の
動きを作るトレーニングの二
つがある。ハンドラーの動き
のトレーニングを行なうには、
犬を使わないでハンドラーだけで行なうか、あるいは犬役の人を仕立てて行なう。スクー
ルでは当然、犬役の人を仕立てて行なった。実際のコース走行では、状況に応じて三つの
サイドチェンジを使い分ける。コース走行では、自分の体の動かし方にまで気を使ってい
る余裕は無い。意図したとおりに自然に体が動くまで、トレーニングしておく必要がある。
先行系の二つのサイドチェンジが特に練習の必要がある。わかっていても体が動かない場
合が多い。
それぞれのサイドチェンジの、ハンドラーの動きを図示した。
先行系のサイドチェンジの際、犬を迎えに行くような図の赤部分に入り込む動作は、無駄
が生じる。図の青の部分、ハードルの表側部分に速やかに移動する動きが望ましい。
ドラゴンハット
名古屋で風邪をひいた。名古屋で二泊し、ドラハの前日は琵琶湖で一泊した。私が行って
いる専門学校の福祉施設が近江舞子にあって招待を受けた。風邪で、酒のあまり飲めない
状態で近江牛をご馳走になった。この施設は一般の人でも利用できる。一泊2食ついて7
千円程度。湖畔にあって犬の散歩には便利。ドラハまでは1時間弱で行ける。
湖畔のリゾート
近畿ブロックでは、風邪を心配していた。近畿ブロック以降セミナーが続く。そのセミナ
ーに支障が出るのが怖かった。その心配が、ハンドラーの心理状態に微妙な影響を与えた
ようだ。
近畿ブロックは、アトラクションクラスを採用しなかった。2リンクを使用して、1度か
ら同時進行で行なわれた。シーズンの始まったブッチャの順番を変えてもらった。駐車場
が近く、犬の出走準備は楽だった。
トンネルの押さえにコンクリートブロックを紐で結んで使っていた。このブロックで、怪
我をした犬はいなかったが、私は怖かった。ソフトのエントリーに角度があったAG2で、
ソフトに進入した際に、何頭かが怪我をした。JKC のジャッジの試験官を務めたデンマー
クのニールセン氏は、ドラゴンハットで審査員長を勤めた際、ジャンピングを担当した新
田氏のコースの、ソフトのエントリーを修正した。いわゆる安全性への配慮である。トレ
ーニングは犬に全力を要求する。全力で歩道橋を登り、トンネルに入り、ソフトに突っ込
むことを要求する。トレーニングは、毎日続く。毎日続ける状況なのかで、安全性への配
慮は欠かせない。コンクリートブロックでトンネルを押さえることはしない。必然性の無
い状況で、コンタクトやソフトのエントリーに角度をつけることはしない。
湖畔を散歩できる
JP1
1度としてはイージーなコース。789と続くラインをストレートにしたかった。このた
めに、67間に先行スイッチを入れ7の障害の後8方向へラインが出来るようにした。こ
の67間の先行スイッチをスムースにするためには、45間で犬が膨らむよりは56間を
膨らませたい。そのために3トンネルを出てからタイヤに行くまでのラインをいじり、4
5がストレートになるようにした。スラロームの際に横のディスタンスを大きくとった。
ソフトを出たときに13ハードルへの犬の動きが、ブレる恐れがある。それを抑えるポジ
ションへの移動を短くするための配慮からである。
AG1
このコースは1度としては、難しいと感じた。歩道橋とトンネル、それに二つのハードル
で構成されるボックスは、2度3度で私が使っていたシーケンスだ。マンボは歩道橋の落
下を嫌って、2、3で遅めの先行スイッチを入れて4へのラインを作った。9スラローム
へは、アウトハンドを使った。1213の処理は、ハンドラーが先行して、アウトハンド
で受ける形を作った。15以降は、障害よりを走って犬を先行させた。
JP2
オープニングはボックス処理。オーバーランを警戒して1、2間で先行スイッチを入れた。
これが裏目に出て3拒絶。この拒絶も警戒していたはずだが、犬の動きに対応できなかっ
た。結果的には、オーバーランしても、普通にハンドリングしていれば失敗は無かった。
タイトに攻めたのではなく、オーバーランを警戒して自滅した感じ。守りに入った負け。
AG2
よくトンでもないことをやってくれるジャムだが、今回はシーソーをよけた。ほぼ同時ス
タート、23間で先行スイッチ。スラロームを抜けたところで先行スイッチ。9はアウト
ハンドを使って10への傾向を作った。シーソーの頭で先行スイッチ、13ハードルの裏
側で待って、15のコンビネーションから16へ続くラインは直線を意識した。17トン
ネルは、間に合えば先行スイッチも考えたが、体を開いてアウトハンドで処理した。
JP3
ハルが56間をすり抜けた。ハンドラーの動きだしが早く、トンネルを抜けた後、6へ向
かうラインがタイトになりすぎたためだと思うが、象徴的なミスである。ハンドラーは楽
をしたがる。丁寧に6を作ってから、67を処理すべきだった。67が多少苦しくなるが、
そこは頑張ればよい。
AG3
JP3でハルに出たミスが、結局全ての犬について出た。心配していた風邪の影響は無か
った。一度の時はしんどかったが、体は動いた。体への不安は、しかし心理的には微妙な
影響を与えていたと思う。その一走に全力を使い切る覚悟が不足していた。次の西日本は、
全力を使いきる気持ちで臨むのだが。
六甲セミナー
ドラハ終了後、加古川まで走って、みとろ荘に泊まった。ここで連泊した。宿の入口に、
アジリティーセミナーご一行様と黒板に書いてあった。早朝に、六甲のグランドでの、自
主トレを頼んであったが、朝は不調で、風呂も自主トレも自粛した。六甲のセミナーは、
いつものメンバーで安心できる。それぞれのメンバーに課題はあっても、技術的に私がア
ドバイスできるところは少ない。もっと結果が出ても不思議ではない実力を持っている。
問題はメンタルな部分だろうか。
ミトロ荘の名物、神戸牛の瓦焼き
アクセラレーションが効きすぎて困っている犬と、アクセラレーションが思うように効か
ない犬。アクセラレーションの効きすぎる犬に禁物なのが、過激な動き、大きな声、同時
スタート、短すぎる犬との距離、先行。アクセラレーションを効かすには、上記と逆をす
ることになる。ハンドリングがアクセラレーションに頼ったものかコマンドに頼ったもの
かは、コマンドのタイミングでわかる。障害上にあるときにコマンドが出ているのはアク
セラレーションのハンドリング。方向付け時にコマンドを出せていれば、コミュニケーシ
ョンは成立している。
アクセラレーションの効果と弊害
ハンドラーの動きに過敏になる:ハンドラーの動きに対する反応がよい。良い意味でも悪
い意味でも、ハンドラーのミスが競技のミスに直結する。犬とのディスタンスが作りにく
くなる。ディスタンスが不足し、進路が分からないと人に絡む。基礎トレは、犬に頭を使
わせる。アクセラレーションを抑えるには、頭を使わせたほうが良い。犬を冷静にさせる。
スタートは、同時スタートやスライディングスタートをさける。コマンドによって、動作
を起こす。ディスタンスをとる。
田村セミナー
朝、加古川の河川敷まで行って犬の散歩、そのまま下道を走ってセミナー会場に向かった。
今日の会場は田村フィールド。中国道のひょうご東条インター近くに東条湖がある。その
東条湖の別荘地の中に田村さんフィールドがある。
フィールドのスペースが狭く、傾斜もあって小ぢんまりとしたセミナーになった。会場全
体が田村ご夫妻のお手製だそうだ。もちろんハウスもあって、お昼はハウスの中でお手製
のカレーライスをご馳走になった。全般にアクセラレーションが効きすぎ、基礎トレが不
足。1度は、フローなコース。2度はそれにハンドラーの動きが加わる。3度は、障害の
間抜けなど、犬が障害をクリアすることよりもハンドラーの動きが優先される。結局3度
では、ハンドラーは動くことになる。なら、1度からハンドラーが動いてハンドリングし
ても良いはずである。事実、そうやっているところもある。しかし、全てのハンドラーが
運動能力に余裕があるわけではない。障害のギリギリ近くまで誘導しなかったら障害をク
リアできない。あるいはささやかな動きの違いでスラロームに入ったり入らなかったりす
る。ハンドラーの動きを制限されることは、圧倒的に不利である。アジリティーを始める
に際しては、基礎トレーニングを充分やっておくことをお勧めする。コマンドをかけるだ
けで、犬がみずから障害を探し出し、クリアすること。10mや20mの距離なら、ほと
んど誘導しないでも、それが出来るようにすること。ご主人様がリードに手を伸ばしただ
けで散歩を予期する犬にはそれが出来るはずである。
田村セミナーは、夕暮れまで続いた。高速に乗る前に、公園で排便をさせた。大垣に着い
たのは7時になり、雨が降っていた。もう一度排便をさせて、ホテル地階の屋根のある方
の駐車場に、無理やり車を入れた。大垣では、うなぎ料理を期待していた。残念ながら、
見当をつけていた店は時間が遅くて入れなかったが、別の店で美女二人に囲まれて夕食と
なった。
URATANセミナー
朝、適当なオシッコ場所に困り、ホテルの横の小さな川の車一台がようやく通れるほどの
堤防に車を止めて排便をさせた。幸い、雨は上がったが、やや寒い。ホテルで朝食を取り、
会場に向かう。会場の見当はついたが、誰も来ていなかった。鍵がかかっていて中にも入
れない。素晴らしい会場で、駐車場も広さがある。駐車場をもう少し整備すれば、練習会
程度なら充分、開催できる。適当なコースを見繕って、セミナー参加者にセッティングを
手伝ってもらい自主トレを行なった。久しぶりのトレーニング。昨夜の酒が汗になり、T
シャツがぬれて寒い。予定通り9時開始。6頭自主トレで走って、PRは2頭。ミスが出
た個所を利用して、ハンドラーの傾向について解説。
ハンドラーの法則1:ハンドラーは楽をしたがる。
この部分未稿
ハンドラーの法則2:ハンドラーは先を急ぎたかがる。
この部分未稿
URATANでのセミナー
夜、養老名物の焼肉をご馳走になる。店はいつものかっちゃん。私はホルモンしか食べな
い。この部分未稿
トラストセミナー
養老温泉、養老グリーンハイツに泊まった。朝、ホテルの中庭のようなところで排便。朝
風呂帰りの宿泊客が珍しそうに見ていた。朝食をとって出発。良い時間に会場の稲川君の
スクールに到着する。今日も自主トレが出来た。真新しいアジリティーの道具。イギリス
のプレミアからの輸入品で安心してトレーニングできる。
遅い人ほど動かない。遅い人ほど、動かないと犬についていけないはずである。しかし、
現実の競技会では、遅い人ほど動いていない。誤解の無いように言っておくが、決して動
けないのではない。動いていないのである。普通に歩くよりも尚一層、遅い。何故だろう?
それでいて「私は、遅い」とよく言われる。
もう少し動けるはずである。これは、若い人にも言える。どのハンドラーにも言える。も
う少し動けるはずである。ビデオを見ると良く分かる。速いハンドラーほど、良く動いて
いる。全力で走っている。犬に全力を求めるなら、ハンドラーがまず、もう少し動くべき
なのである。ハンドリングのテーマが見えてくるだろう。犬から動きを引き出すためには、
ハンドラー自身の動きを作るのである。自分がもっと速く動くためには、どうポジション
すれば良いかを考えることである。止まることなく動き続けるためには、どうすれば良い
かだ。
先行スイッチについての誤解も解いておかな
くてはいけない。先行スイッチを犬より先に
行くことだと思っている人が多い。犬の進路
に入り込む。犬の進路に入り込むのではなく、
先のシーケンスに行くのである。図は、DS
04KOのシーケンスの一部。この処理をタ
イトに回してブッチャが優勝した。実線が、
犬の進路に入り込む動作。破線が合理的な動
き、最短距離で次のウィングに進んでいる。
270度の回しこみ後の先行スイッチも、実
線ではなく破線の動きをしたい。犬の進路に
入り込もうとする動作は、前後に無駄な動き
が生じ忙しくなる。
このシーケンスを同時スタートで処理する。2が間に合わない人がいる。犬との競争にな
る。スタートの際に、角度を作る。それによって犬は遠回りし、ハンドラーは先に行くこ
とが出来る。
270度後の先行スイッチも同じ原理が働いている。犬を送る方向を間違えると、270
のターンが不完全になったり、先行スイ
ッチが間に合わなかったりする。犬を送
り出すのは、図の破線の方角である。犬
は破線に送り出しておいて、ハンドラー
は速やかに実線方向に移動する。
西日本インター
福岡への移動はフェリーを利用した。大阪南港から夕方の5時過ぎに出発する。南港近く
の公園でゆっくり排便をさせ、4時にはフェリーに乗り込んだ。2等の寝台は一部屋まる
ごと貸しきり状態で快適だった。一風呂浴びて夕食。バイキングで、しかも酒を持ち込ん
だので安く上がった。概して船のバイキングは、甘く、油濃く、味付けも濃い。したがっ
て種類の割には食べるものが無い。
フェリーは、朝の5時過ぎに新門司港に到着した。まだ暗く、余るほど時間はあるので、
高速を使わず、下を走って会場に向かう。うどん屋さんが多い。24時間やっているとこ
ろもあって、まだ暗いうちにうどんを朝食にした。今日は、福岡空港に今野とトシ君を迎
えに行く。飛行機が到着するのは午後3時を回る。会場で散歩させる。会場は宅地から離
れていて、人が少なく、犬の散歩にはうってつけらしい。何組かが犬の散歩に来た。車で
来た人もいた。結局ここは、犬連れには居心地がいいところだったようで、お昼近くまで
たむろしていた。お昼前、急ぐ必要の無いドライブを始める。3号線を福岡へ走る。快適
な道路だった。バイパスといった感じで、信号が少なくその割に店が多かった。お昼も終
わり近く、とんこつラーメンの博多ラーメンの店に入ってみる。チャーシューの大盛りを
頼んだ。大盛りの割には、ボリュームは今ひとつ。遅い昼食だったので量は要らなかった
が、札幌ラーメンの感覚から言えば物足りなかった。チャーシューは好みもあろうが、私
にとっては柔らかすぎた。スープは、美味しかったが濃い。しばらく水が欲しかった。福
岡の空港には、多くのアジラーが到着していた。今野とトシ君をピックアップしてホテル
に向かった。ホテルは、会場近くが無くて、神湊スカイホテルを予約した。海沿いで、美
味しい魚を期待していた。散歩場所に困った。結局、ホテルからやや離れた砂浜の浜辺を
見つけた。夕暮れも進み、サーファーたちが帰り支度をしていた。期待の夕食、期待のお
魚だったが、生簀料理はどうも口に合わない。新鮮で歯ごたえは良いがかび臭い。目玉の
スルメイカのお造りには、北海道の朝イカのような甘みが無かった。
朝、前日散歩させた浜辺で排便をさせて会場に向かった。悪い天気予報がでていた。それ
を予測して車を会場内に置いた。天気予報は外れなかった。雨が降り出し、風も吹いた。
水がたまり、グランドはぬかるんだ。風邪で飛ばされないように、テントを掴んだことが
しばしばあった。ビギナーの進行の関係からか、1度はスモール・ミディアムのジャンピン
グから始まった。2リンクを使って同時進行する場合、一方を先に始めても全体の進行に
とってプラスになるとは限らない。強風で揺れるので、リンクの周りを囲っていたフェン
スを途中で撤去した。強風のせいで障害がよく倒れ、その防止と修正に時間がかかった。
雨のせいか、センサーがたびたび動作不良を起こし、そのたびに競技は中断した。このよ
うなこともあって進行は遅れ、3度の競技には照明が必要になった。ゼッケンは紙だった。
早めにテントを撤収して表彰式に備えた。会場近くに宿泊する我々は幸運だった。あの表
彰式の後、車や飛行機で帰った遠征組は大変だったろう。食事前に一風呂浴びたかったが、
宿泊したマリンテラス芦屋のラストオーダーは早く、先に食事をしなければならなかった。
予約していなかったので名物のふぐにはありつけなかった。
JP1
4トンネルの反対に入ること、9ロングジャンプの左を通過すること、11ハードルの後
に4トンネルの反対に入ること、この3点に気をつけた。オープニングシーケンスは同時
スタート、23間を膨らませるようにした。8ハードルの手前は先行してラインをいじっ
てストレートにした。ルンバはこの処理でハンドラーが遅れ、10トンネルの入口で1回
転した。10トンネル出口と11の間に入りラインをいじった。
AG1
345の処理は、3度の難度。多くの犬がここで失格した。16シーソーもラインをいじ
って落下を防ぎたい。この二つの処理を成功させてジルバがトップ。
JP2
345の処理がこのコースの全てだった。この処理の時間が成績を決めたようだ。この部
分を含むオープニングシーケンスにはかなり気を使った。ジャムは、クラッピングを多用
した。5トンネルに入っている間にサイドチェンジ。先行スイッチを使ったかエアプレー
ンを使ったか覚えていない。11トンネルは、ほぼナチュラルでラインが出来る。161
7での先行スイッチを考えていた。そのためのポジションを得るために、12ハードルを
リバースターンで処理した。
AG2
ジャムはスラロームの最後を抜けたようだ。全く気が付かなかった。
JP3
4トンネルから5へのラインをいじる。5から6は、充分に回しこみ先行スイッチ。14
トンネルへは、16側を回した。1718で先行スイッチを入れた。ブッチャは18ハー
ドルを崩してしまったが、この攻めに後悔は無かった。
AG3
123の処理にてこずった。検分時、スラロームのエントリーのラインをいじるつもりだ
ったが、その必要は無いということで作戦を変えた。それは間違ってないと思うが、ハル
はスラロームの2本目に飛び込んでしまった。スラロームから出て18へは、先行スイッ
チを入れてラインを作った。
まとめ
朝、天気は、ますます悪化した。部屋の窓から見えた浜辺に排便に行く。猛烈な風で、地
吹雪のように砂が流れて吹き溜まりが駐車場の舗装の上にまで出来ていた。黒い雲が低く
垂れ込め、白波が打ち寄せている。
トシ君と二人、朝風呂に行く。露天風呂に入ると落ち葉が漂っている。吹き荒れる風に飛
ばされた落ち葉だ。遠征は終わった。来るべきシーズンに向けてまとめをしておこう。
競技に臨んでは、メンタルな部分とテクニカルな部分とがある。
メンタル面
1全力を出す:余力を残さない。楽をしない。
2全力を引き出す。
3攻めの走りを!攻めて攻めて攻め抜く。しかし丁寧に
4集中:集中を妨げるもの:雑念を払う:物事を甘受する。
5負けて悔いのない走りを
6慎重に:失格に際しては、念を入れ、犬を当てにしない。大丈夫だろうは無し。
7トレーニングは本番通りに、本番はトレーニング通りに。練習のための練習にならない
こと。
テクニカル面は、コース検分のウェイトが大きい。ハンドリングにおいて、犬の動きに影
響を与えるものとして、私はハンドラーのポジション(ポジショニング)を第1に考えている。
ハンドラーはハンドリングに際して、様々な動作を行なう。コマンド。ボディランゲージ。
ハンドシグナル。クラッピング。そのいずれにも増して、ハンドラーの動きが、犬にとっ
ては最も大きな刺激となり、動きに影響を与える。したがって、検分に際してはハンドラ
ーのポジションを第1に考える。そして、それは動的に捉えるべきである。犬の動きに対
して、同じポジションにあっても、じっとしたままそのポジションにあるのか、走ってき
てそのポジションにつくかでは犬に対する影響はまるで違う。次に考えるのは、進ませる
のか、呼ぶのかである。ハンドリングにおいて犬は、そのいずれかにある。あたり前のよ
うだが、進ませていないときが呼ぶときである。なぜ、こういう言い回しになるかという
と、基本的にハンドラーは動き続ける。動き続けるようにハンドリングを組み立てるべき
である。しかし、動けない局面がある。そこが呼ぶときである。呼ばなければいけないと
きに、進ませるような指示は禁物である。オブスタクルコマンドは、犬にとっては進ませ
る指示と受け取られる場合が多い。アジリティーのような、瞬間的な判断を要求する競技
においては、進ませるか、呼ぶかのようなシンプルなハンドリングで組み立てておいた方
が、間違いが少ないだろう。
検分方法。
1 コース順を確認する:当然。
2 ナチュラルラインを知る。
ナチュラルラインについては、解説しておく。ハンドラーが、特別な意図を持たないで
ハンドリングした際に、犬が通るであろうラインである。ナチュラルなラインと思っても、
ハンドラーは案外、通って欲しいラインを想定しがちである。また、障害のデザイン的な
配置を鵜呑みにしやすい。スタートからシーケンシャルに確認すると良い。速い犬がどの
程度オーバーランをするかを計算しながら障害を辿っていく。犬は左の図のような幾何学
的なラインは通らない。実際には右のラインとなる。
3
必須のポジションの確認:コースのポイントがどこにあるかを考える。コースによっ
ては必須のポジションを要求されるコースがある。必須のポジションがあれば、そのポジ
ションから、逆算しながらハンドリングを組み立てることになる。図のHの位置が必須の
ポジションとなる。ハンドリングは、その位置を得るための動きから組み立てられる。
4 乗せたいラインを確認する。
図、左、実線はナチュラルラインである。8から9へは、大きなアテンションが必要とな
る。右、破線のラインを取れれば、アテンションは必要なくなる。10トンネルへのライ
ンも良い。このラインを決めるには、逆順を想定する。7から8へのラインは、9から8
へ飛ばせた際のナチュラルラインと同じになる。ハンドラーは、例えば次のように動いて
このラインを作る。歩道橋を降りたら9タイヤの近くにポジションして先行スイッチ。7
へのラインを作るとともに、78間に深く入り込む。
5 3および4から逆算して、コントロールを決める。
6 4−2を計算する。
コース検分のとき、おおよそ以上の作業を行なうこととなる。
この作業を行なった後、ポジションの調整に入る。
7
コンタクトの作り方:コンタクトはタイムの上で重要なポイントとなる。ハンドラー
のポジションをどのように作るか、考える。基本となるのは、前後へのディスタンスであ
る。
8 スラロームでのディスタンス:
9 強いアテンションを必要とする個所の確認:クラッピングを遠慮しない。
10 その他留意事項
A 案外ハンドラーは速い。
B 他人のハンドリングは参考にならない
C
コース全長、コース全長のはかり方、タイムを確認すること。これらは全てデータと
なる。
D
ラインをいじるとはストレートなラインを丸くすることである。タイムはロスする。
しかし、そのロスは後で取り戻せる。トラップも回避できる。何故なら、そういう場合に
ラインをいじるからである。
E U人ビデオⅡはハンドラーの体の動かし方に効果がある。
舞鶴から仙台へ
朝食を済ませると、すぐに福岡
空港に向かった。空港で今野と
トシ君、ミニブとジルバを降ろ
し、舞鶴までのドライブを始め
た。フェリーの出航は夜中だが、
排便があるので明るいうちに
着きたかった。風が強い。横風
に車が揺らされる。昨夜はかな
り雪が降ったようだ。広島を過
ぎるあたりまで、雪景色が続い
た。
舞鶴道も中間を過ぎた辺りで、
前方に真っ黒な雲が見えた。シ
マッタ!雨は考えていなかっ
た。途中のSAで排便に出して
おけばよかった。後悔したが後
の祭り、やがて雨が降り出し、
舞鶴まで続いた。まだ明るさの
残るうちに舞鶴に着いたが、排
便場所を探しているうちにす
っかり暗くなった。雨と闇の中で排便。この天候を考えると、船の中で排便できないかも
しれない。餌をやっておいてフェリーの手続き。天候が悪く、出航および北海道到着の予
定が立たないとのこと。予定を変更し、天候の回復を見込んでフェリーを1日遅らせる。
ほぼ24時間後に、東日本フェリーの苫小牧行きが直江津から出ている。その船の方が、
所要時間が短く、料金も安い。予約を入れて、舞鶴の宿を探す。港沿いに安いビジネスホ
テルを見つけることが出来た。チェックインして、夕食に出る。このところ魚続きだった
ので、焼肉が食べたくなった。ホテルの近くの小さな店に入る。味噌アジ。最後まで客は
私一人。閃光と雷鳴、雷が一晩中続いた。
ヒョウだろうかアラレだろうか、翌
朝は雪が降ったように真っ白だった。
港の向こう側に良い散歩場所を見つ
けた。充分に排便。出航は夜中、直
江津までは4時間。今日はゆっくり
出来る。遅い時間に朝食をとり、ま
た、十分に排便をさせて、雨の中、
直江津までのドライブを始める。あ
わただしかった昨日とは大違い、安
全運転。敦賀で高速に乗り、しばら
く走ったあたりで東日本フェリーか
ら連絡が入る。船の到着が遅れ、出
航も苫小牧入港も半日以上遅れる見
通しとのこと。再度予定を変更して、
仙台から苫小牧のフェリーを手配す
る。新潟から磐越道を通って東北道
に入るルート。仙台まで700キロ。
出航は夜8時。一変、大慌てのドラ
イブになった。昨日と違って風こそ
無かったが、雪が舞ったり、土砂降りの雨が降ったり。会津、磐梯山のSAで、時間を惜
しんで排便させる。新雪が30センチほど積もっており犬たちは大喜び。フェリーはギリ
ギリ間に合った。フェリー埠頭そばの公園で、もう一度散歩させてフェリーに乗り込む。
満足にお昼も食べなかった。二度とご免こうむりたいドライブだった。22日に出発して、
月をまたいで7日に帰還。半月の長旅になってしまった。