平成 26 年度 栄養課・厨房 事業報告 【運営方針】 「家庭により近い施設生活の提供」という当施設の理念に基づきバランスのとれた季 節感のある食事提供。介護保険制度に基づいた栄養ケア計画と実施。食事サービス全般 の状況を統合的に把握し分析を行いより良い食事の提供が行えるように工夫する 【年間目標の評価】 ①栄養管理の実施 スクリーニング・アセスメント・モニタリングを行い、食事摂取量の低下、体重の増 減などから低栄養の可能性のある人は、医務に相談し補助食品を追加したり形態を変え た入り嗜好にあったものを提供するなど工夫した。また、肥満傾向にある人は、エネル ギーのコントロール及び脂質のコントロールを行った。 ②適時適温給食の徹底及び実施 出来上がったものを迅速に盛り付け冷蔵庫や温冷配膳車・ウォーマーに入れておく。 温冷配膳車は、盛り付けの 1 時間前から電源を入れ温度管理をしっかり行なった。 ③一般食及び特別食の実施 各病態に合わせた献立にて提供を行った。 塩麹や酒粕・甘酒など発酵食品を調味料に取り入れた。 季節感を出す為にその時期にしか入手できない食材は集中してしようするようにし た。 腸内環境を整えるために食物繊維や乳酸菌の多い食品をよく使うようにした。 肉は、料理により部位を選んだり調理方法で圧力をかけるなど工夫を行った。 ソフト食の硬さの統一も行った。 <特養> 65 名 食種 常食:50 名 糖尿病食:6 名 脂質異常食:5 名 形態 普通:19 名 一口大:20 名 極刻み:11 名 合計 67 名 栄養評価 低リスク:35 名 中リスク:20 名 減塩食:4名 ソフト:7 名 ペースト:8 名 高リスク:12 名 <ケアハウス> 食種 常食:40 名 形態 普通:29 名 一口大:6 名 刻み:0 名 ソフト:2 名 合計 40 名 昨年に比べ普通が減り一口やペーストが増えた。 高齢とともに嚥下状態が悪くなってきている。 ペースト:2 名 <デイサービス> 塩屋・有瀬共に糖尿病や、糖尿性腎症、減塩など病態に合わせた食事提供の人が増加し てきている。 また形態もソフトの人が毎日いる。極刻みや一口大、固い物刻みなど多種多様である。 また、とろみ剤の使用率も増加傾向にある。 また、アレルギーではないが嗜好により食べられないものへの対応も行ってきた。 特別な食事への対応 種類 内容 状況 嚥下困難食 ペースト 普通食を基本として、 食材は全て食材:だし=1:1でミキサ 料理をペースト状にす ーにかけ、トロミ剤を使用して飲み込み る やすい濃度で提供する。 嚥下困難食 普通食を基本として、 食材は全て食材に応じただしの量を混ぜ ソフト ミキサーにかけた料理 ミキサーにかけ、ゼリー剤を使用して飲 をゼリー剤にて固形化 み込みやすい形態で提供する。 する アレルギー食 アレルギーのある食品 卵、肉、青魚、長芋、そば を除去又は他の食品と 代替する 嗜好対応 嗜好や体調に合わせて 牛乳→ジュース 他の食品に代替する ヨーグルト→ゼリー 揚げ物→焼く・煮る等の調理方法の変更 魚・肉・卵→たんぱく質源となる食品 香辛料などは、使用しない 減塩食 一日の摂取塩分量を調 一日の塩分摂取量のコントロールを行 整する う。汁物は薄味にて提供。 カ ロ リ ー 制 限 糖尿病・肥満などカロ でんぷん質、脂質で調整する 食 リーの調整を行う。 脂質異常食 脂質のコントロール 脂質を 30gいかに制限し提供する 低残渣食 食物繊維を 5g以下に 食物繊維の多い食材の除去と代替え食品 制限する を追加 ④衛生管理の徹底 手洗いをしっかり行い器具類は清潔なものを使用する。 2次感染が起きないように調理済みの物、調理前の物が交差しないように同線の管理 異物混入しないように注意する ノロ対応の徹底(温度・消毒) 職員の体調管理 ⑤食事サービスの充実 ・選択メニューの実施 昼食 A・B 選択式 デイ・ケア…毎日 ホーム…火・金・日曜日 ・様々なメニューの実施 3 回に増やした 寿司・カレーの日・・・毎月 10、20、30 日 麺の日・・・・・・・・毎月 2、12、22 日 丼の日・・・・・・・・毎月 5、15、25 日 シェフメニューの日・・毎月3回 あつあつメニュー・・・デイ週に2回 ホーム、ケアハウス不定期 ・郷土食の実施(正月の雑煮に郷土食を盛り込む) 1/1、1/2、1/3 の昼夕に提供 ・いかなご料理(釜揚げ・くぎ煮・かき揚げの実演) ・バイキングや会席風の実施 食事・・・・デイは希望に応じて実施 ケアハウスは敬老祝賀会や外食できない月での実施 間食・・・・各セクション共に希望月に実施 ・さんまの炭火焼き・・デイ、ケアに秋に提供 ・もちつき・・・・・年末にデイで行う ⑥食事環境の充実 ・視覚的にも美味しく食事を味わえるように、メニューに適した陶磁器や松花堂弁当の 使用により提供方法の工夫をしている。 ・食器の扱いに注意し破損をできる限り防ぐようにする。 ・お櫃での米飯提供や汁物は目の前で盛り付けすることで家庭的な演出をすることがで きている。個々の体調に合わせた量を調整することが出来る。 ・旬の食材を使用することで食事を通して季節を味わっていただけるよう日々努める。 ⑦メニューの充実 ・残食調査の実施 ホーム・ケアハウスは毎食ごとに実施 入居者の個々の食事摂取量の把握 ・嗜好調査の実施・・・3 月 ・検食の実施、管理 *上記の結果を基に喫食者の嗜好を反映して献立作成を行う ⑧入居者自立支援に向けての取り組み ・脱水・オムツ外しに向けての水分補給の強化 食事以外での飲み物(ほうじ茶・麦茶・コーヒー・紅茶・ポカリスエット)・ゼリ ー・寒天・レモン水(0.5%Nacl,4%砂糖)の提供。 ・排便コントロールへむけての 1 日食物繊維摂取量の増加・乳酸菌の摂取の強 朝食に週 2 回食物繊維の多いポタージュスープ及び腸内環境を整えるためヨーグル トの提供を行っている。 間食に週 2 回食物繊維・乳酸菌を豊富に含んだものを提供 。 新陳代謝を上げるのを目的に週に2回、生姜湯を提供している。夏場は、冷やし飴に なる。 ⑨他職種との連携の徹底 ・日々の医務課・介護士・相談員・ケアマネージャーと連絡を取り個別対応を行った。 ・週1回のカンファレンスにて職種間での統一を図った。 ⑩食事会議の企画・開催 多部署で食事の内容を検討していく。 開催日 主な議題・内容 4/22 他部署からの意見、行事食について レクレーションについて 5/27 他部署からの意見、行事食について グループホーム開設後の食事提供について 6/30 他部署からの意見、行事食について 7/22 他部署からの意見、行事食について 夏らしいおやつをもっと提供する(葛切など) 8/19 他部署からの意見、行事食について 敬老の日の焼き鯛の提供ついて敬老週間ではどのようにするか。 9/23 他部署からの意見、行事食について おやつの工夫、他施設の栄養士が見学に来ること。 変更・キャンセルの時間を守ること 10/28 他部署からの意見、行事食について 利用者様でメニューが欲しい人がいるのでその方にメニューを提供し てほしい。変わったメニューの時の利用者様への説明ができるように する 11/25 他部署からの意見、行事食について 食器の管理を徹底(食器の破損状況)。 12/23 他部署からの意見、行事食について 食器の破損状況の報告 鍋料理を週に一回提供する。 1/27 他部署からの意見、行事食について 鍋は、個別鍋の方がいいと各部署より意見有。個別で提供する。 2/24 他部署からの意見、行事食について 嗜好調査の依頼 デイサービスへの献立の提供方法について 各部署のレクリエーションの相談方法について 3/24 他部署からの意見、行事食について 嗜好調査の報告 人材確保について ケアハウスの懇親会の意見。 《平成 26 年度の反省・感想》 行事食やイベント食は、好評をいただいた。 個別対応は、できる限りのことは行っている。 他職種との連携で利用者様にあった食事がリアルタイムに提供できるように今後もよ り一層行っていく。 アンケート調査から得た情報をもとに改善したところは、利用者様から温かいお言葉を いただけたところがあった。前回のアンケートに比べ数ポイントいい結果であった。 日常的な工夫として、色彩や、盛り付け方の工夫も行う努力はしてきたが、まだまだ未 熟なところがありより一層の努力が必要。 ソフト食については、かなり質の良い物になったと思うが二次感染の問題や食感・硬さ の統一などの問題点もある。また、極刻みも見た目も悪く誤嚥性肺炎のリスクもあり次 年度からは、ソフト食・極刻み食を廃止し、柔らか食(大塚のあい―とに似たもの)の 提供に変更したい。 厨房の全員が意識をもっと高く持ち利用者様の立場で物事が考えられるようになるか がまだまだ出来ていない。調理師間での味の統一がまだできない(すまし汁)ので量り 調理を徹底しなければならない。 できる限り食事によって排便コントロールが可能になるように検討し改善に努める。常 食化が今後の大きな課題となる。
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